一般的に50代以降に始める人が多い「終活」ですが、実際は特別な年齢制限はありません。いつからでも早すぎることはなく、先々に向けた備えを行うことは心の安心につながります。終活を始めるべきタイミングや、年齢・環境に合わせたポイントを紹介します。
「終活っていつから始めればいいの?」
「健康面に不安があるから、そろそろ動いた方がいい?」
「自分の年齢だと、何をどうやって書いたら良いのかな…」
終活とは、介護・葬儀・遺産・遺言など、自身の死後のために予め備えておく活動のことを意味します。
言葉は知っていても、「始め時がわからない」「まだまだ元気だから」と行動にうつしていない方は勿体ないです!!
終活のスタートに年齢制限はありません。タイミングは本人次第で、何歳からはじめてもOKですし、終活について少しでも興味が沸いている方は、今が始め時といえるでしょう。
なぜなら、終活を早く始めることで、
・葬儀社やお墓など、時間をかけて納得のいく内容を選べる
・セカンドライフを充実したものにできる
・自分だけでなく、家族や親戚の心の安心につながる
など様々なメリットがあるからです。
特に、50代以上の方は無理のない範囲で終活をスタートさせると、今までの人生とこれからを見つめなおすことができ、より実りのある人生を送ることができるでしょう。
下記表からも、年齢問わず、多くの人が積極的に終活の必要性を知り、前向きにとらえていることがわかります。また、年齢が上がるにつれ実際に行動にうつしている人の割合が高くなっていることも読み取れます。
年代 | エンディングノート所有率 | 老後に不安がある |
20代 |
5.5% |
86.1% |
30代 |
4.2% |
90.2% |
40代 |
6.0% |
92.8% |
50代 |
11.8% |
89.5% |
60代以上 |
20.5% |
84.1% |
本記事では、終活の年齢、環境別に行うべき終活のポイントから、具体的な方法についてまでご紹介致します。
ぜひ、最後までご参考ください。
終活を行う意味や、基本的な情報、内容の詳細などより深く知りたい方は、「終活とは?意味・終活の準備・タイミングなどを解説します!」の記事をご覧ください。
INDEX
終活はいつから始めてもよい!
終活は、何歳からはじめても早すぎるということはありません。
それぞれ事情や背景は異なりますが、年齢にとらわれすぎることなく「はじめたい」と感じた時にはじめましょう。
・子ども、孫が生まれた
・知人が大きな病気をした
・身近な人の死後、大変な思いをした
・好きだった芸能人が亡くなった
・震災などで将来を考えるようになった
・両親の終活をきっかけに、自身のことも考えた
など、終活をはじめようと思うきっかけは様々です。
いろいろな事がある人生の中で、「ちょっと将来について考えてみよう」と思ったタイミングで終活をはじめるのがベストです。
ちなみに、一般的には60代前後から終活をスタートさせる人が多いといわれています。
・還暦を迎える
・65歳から高齢者と呼ばれるようになる
・定年退職が60~65歳
・老齢年金の受給が60歳から(希望があれば70歳からでも可)
このように60歳前後は、自身の年齢を実感するシーンがいくつも重なるため、ここをターニングポイントとして将来について考えなおす中で『終活』をはじめる人が増えてくるのだと推察できます。
やろうと思ったタイミングが始め時
終活をする目的は、『この先の生活をより健やかに、充実した気持ちで過ごすため』という考え方が基本となります。そのため、きっかけがどうであれ自分の将来について思案を巡らせたタイミングがはじめ時です。
終活は保険のようなもので、先々への備えであると考えましょう。
備えをしていることで何かデメリットが発生することはありませんし、備えがあるのはとても良いことです。
終活をはじめるタイミングは自由であり、「やろう!」という気持ちが最も重要な原動力となります。
どの年代でも『早すぎる』ということはありません
『終活は現役を引退した世代が行うもの』というイメージを抱いている方も多いでしょう。
実際には、たとえ20代や30代からはじめたとしても、決して早すぎるということはありません。
体力・気力に余裕がある早い段階から終活をはじめることで、葬儀社やお墓など、時間をかけて納得のいく内容を選ぶことができます。また、先々のことを考えながら計画性のある生活をおくることで、セカンドライフを充実したものにできるというメリットも生まれます。
天災や不慮の事故など、老いや病気とは別に死が訪れることもあるでしょう。
早いうちから少しずつ終活をスタートさせることは、まさに終活の理想像と言えるでしょう。
50代以上の方は、すぐにでも!
実際に終活をはじめた方の多くが、「思っていたよりもやることが多い」「調べるのに時間がかかる」と感じています。
終活は、検討するべきことが多いことに加えて実務的なことも多々あるため、時間と体力が必要です。
家族との関わり方、お金の使い方、老後に利用できるサービスなど、早いうちから考えておくに越したことはありません。満足のいくセカンドライフをおくるためにも、気持ちに余裕を持ち、時間をかけて納得のいく終活を進めていくことが大切です。
終活をはじめることは、自分だけでなく、家族や親戚の心の安心にもつながります。
50代以上の方は、すぐにでもスタートさせる方が得られるメリットが大きくなるでしょう。
年齢別 終活のポイント
終活は、「1回やったら完結する」といったものではありません。
年代別にやるべきことが異なり、人生の節目節目で見直しや修正をしながら付き合っていくものです。
本章では、年齢別のポイントについて解説しています。
年代 | 終活のポイント |
70代以上 | 家族や業者の手を借りながら無理なく前向きに取り組む |
60代 | 動ける内に、どんどんできることから進めていく |
50代 | 将来を見据えてある程度の貯蓄ができる最後のチャンス |
40代 | やや本格的に「終」に向けた準備をはじめる時期 |
30代 | ライフプランを想像しつつ資産計画をしっかりとたてる |
20代 | 未来に向け、自立した生活を送るための内容 |
70代以降
70代以降からはじめる終活のポイントは、以下の5つです。
・終活アドバイザーに相談
・免許の返納を検討する
・家や車など資産の見直し
・遺影写真の撮影
時間に余裕のある70代以降は、ゆっくりと時間をかけて終活を進めることができます。
とはいっても、遺書やエンディングノート・財産整理などは早めに手をつけておく必要があります。
断捨離や先々の思案などコツコツと取り組んで良いものと、判断力の鈍らないうちに早めにやるべきことと分けて効率よく進めるのがポイントです。
家族や終活アドバイザーなど、人の手を借りながら無理なく前向きに取り組みましょう。
終活アドバイザーについてもっと深くしりたい方は、「終活アドバイザーとは?資格取得の方法と費用・年収・将来性を徹底解説!」の記事もご覧ください。
60代
60代からはじめる終活のポイントは、以下の5つです。
・相続関係や財産整理などは、判断力のあるうちに
・必要なもの以外は断捨離を
・エンディングノートには介護や葬儀の希望も書きこむ
・家族と先々について話し合う
「身体が思うように動かなくなる」「急に病気をして体力が衰える」など心身に大きな変化が現れはじめるのが60代です。
終活は判断力や体力が必要となる部分が大きいため、動けるうちにできることをどんどんと行いましょう。断捨離も、必要があれば業者を雇うなどして無理をしないように気をつけながら進めます。
家族がいる場合には、これからの付き合い方や葬儀・介護について真剣に話し合う場を設けることが推奨されます。
50代
50代からはじめる終活のポイントは、以下の5つです。
・金銭面での具体的な見通しをたてる
・医療や介護の補助制度について調べる
・資産の処分についても検討する
・やりたいことをリストアップする
50代は、定年退職後の人生やこれから先の暮らし方について考えるのに非常に適したタイミングです。まだ体力・気力が十分にあるこの時期は、将来を見据えてある程度の貯蓄ができる最後のチャンスです。
財産整理も含めて、金銭面の不安がないよう先々について考えましょう。
もちろん金銭面だけでなく、本格的な終活と並行させて医療や介護など自分にとって役にたちそうな情報を予め知識として取り込んでおくことも大切です。住宅や車、土地などの資産も価値の高いうちに処分を検討してもよいでしょう。
やりたいこと、叶えたいことをリストアップしながら、希望を持ったセカンドライフをスタートさせる準備期間です。
40代
40代からはじめる終活のポイントは、以下の5つです。
・資産状況の見直し
・健康について考える
・生前契約について検討する
・人間関係や自身のこれからについて思案する
40代からは、やや本格的に「終」に向けた準備をはじめる時期になります。断捨離やエンディングノートもちろんですが、葬儀社との生前契約を結ぶ人も増えてきます。
自身の健康や家族のライフプランにあわせて、親の介護が必要となりはじめるタイミングでもあるので、資産状況を整理しておくとよいでしょう。
40代からの終活でのポイントや実際の活動の仕方など、より深く知りたい方は「40代からの終活方法5選!早すぎない3つの根拠とメリットを紹介!」の記事もご覧ください。
30代
30代からはじめる終活のポイントは、以下の5つです。
・ライフプランについて考える
・断捨離は、少しずつスタートさせる
・エンディングノートの作成
・遺書の作成
収入が安定してくる一方で、結婚・出産・住宅や車の購入など、出費が増えるのが30代の特徴です。
そのため30代での終活では、この先のライフプランを想像しつつ資産計画をしっかりとたてておくことが推奨されます。
ファイナンシャルプランナーなど専門的な知識を持った人に相談するのも有効です。
断捨離については、実家の使っていない荷物に対してスタートさせる時期にはいります。
幼少期の思い出の品などを、両親と相談しながら残すもの・手放すものと分けましょう。
また、エンディングノートと併せて遺書を作成して家族やパートナーに意思を伝えることが大切です。加入している保険や負債、株や不動産などの資産など、できるだけ具体的に内容を記載します。
30代での遺書の書き方のポイントについて、深く知りたい方は「30代での遺書の書き方|ポイントやメリット・遺言書との違いを紹介」の記事もご覧ください。
20代
20代からはじめる終活のポイントは、以下の5つです。
・エンディングノートの作成
・デジタルデータの管理
・断捨離は不要
・親世代の終活についても一緒に考えられる
これから先、自立した生活をおくっていき先々に向けた備えをはじめるためにもお金について考えを巡らせることが重要です。保険相談窓口や銀行などで、専門的な知識を持った人の力を借りながら、自分の将来について動きはじめましょう。
エンディングノートでは、自分の訃報を伝えてほしい友人のリストを書くことになります。SNSだけで繋がっている場合には、アカウント名を添え書きするなどして分かるようにしておきます。
また、自身のPCやスマホに残っているデジタルデータやアカウントを削除するためにはIDとアカウント名が必要です。サブスクリプションなどの定額サービスも、何に加入しているのかを書き記しておくとよいでしょう。
断捨離については、20代のうちは不要です。整理整頓をしておく程度にとどめておき、無理にものを捨てる必要はありません。
自身が終活をはじめたことをきっかけに、両親ともこれから先のことを改めて話すきっかけにするのも良いでしょう。
環境別 終活のポイント
終活は、自分のために行うものという考えが基本ですが、『残された家族や周囲の人のために行うもの』という側面もあります。そのため、自身がおかれている環境によって、終活で行うべきポイントが変わってきます。
本章では、急いだほうが良い順に、環境別のポイントについて解説しています。
環境別 | 終活のポイント |
身寄り無し | 自治体や行政の提供している高齢者の支援サービスの活用 |
おひとり様 | 生前の様々なリスクを回避するための終活 |
既婚(子どもなし) | 残るであろう資産やお金をどのようにしたいのか考える |
兄妹あり | 終活を機に、お互いに協力しあえる関係性を築いていく |
既婚(子どもあり) | 資産を正確に把握し、贈与や財産分与について検討する |
身寄りなし
少子化や未婚率の増加など様々な要因から、家族や姉妹や兄弟など親類が全くいない・疎遠になっており連絡先が一切分からないという人が増えてきています。
・自治体の支援サービス
・見守り運動を活用する
・死後の手続きに関する契約書や委任状の用意
・現金化できる資産は売却する
身寄りがなく頼れる友人も近くにいないという方でも、積極的な終活が推奨されます。
死後への備えという面もありますが、老後に安心した生活をおくるためにも自分の身辺について見直しておくことは非常に大切です。
自治体や行政の提供している見守りサービスや高齢者の支援サービスにはどのようなものがあるか、活用するためにいまからできることを検討しましょう。
おひとり様
一緒に暮らすパートナーがおらず、様々な理由から1人で暮らしている人のことを「おひとり様」と呼びます。おひとり様が終活をするときのポイントは、以下の4つです。
・死後の手続きに関する契約書や委任状の用意
・身元保証人や引受人を検討する
・見守りサービスの検討
おひとり様の終活は、生前の様々なリスクを回避するという意味で非常に重要です。入院、手術、契約関係など身元保証人や同意のサインが必要となるシーンは多々あります。
終活をきっかけに、兄弟や姉妹に連絡をとる・終活という意味合いを含んだ婚活に踏み切るのも良いでしょう。
死後の財産管理や手続きについて、血縁者以外に頼む場合には契約書が必要となるため事前に用意しておきます。
また、近年社会問題にもなっている、“孤独死”を防ぐ方法について深く知りたい方は「孤独死は防げる!家族が不幸にならない為の9つの対策法と原因を紹介」の記事もご覧ください。
既婚(子どもなし)
子どものいない夫婦が終活をするときのポイントは、以下の4つです。
・成年後見制度について考える
・身内や友人との関係性を今一度見直す
・老後の生活について考える
子どものいない夫婦の場合には、夫婦の兄弟関係に相続権が発生します。夫婦でしっかりと話し合い、残るであろう資産やお金をどのようにしたいのかを遺言として残しておきましょう。
住宅や土地などの資産を売却し、そのお金を元手に夫婦で高齢者用のマンションに入居するというケースもあります。
また、入院や手術などに備えて親族や友人などに身元保証人の依頼をたてておきます。他にも、成年後見制度を利用するか否かについても検討していく必要があります。
兄妹あり
自身に姉妹や兄弟がいる方が終活をするときのポイントは、以下の3つです。
・相続について話をしておく
・扶養義務について考える
大人になり、お互いに家庭を持つなどして兄弟、姉妹が疎遠になるケースは少なくありません。中には、連絡先も分からなくなっているケースもあるでしょう。
頼れる配偶者や知人がいない場合には、兄妹に協力を仰ぐという方法もあります。たとえ疎遠であっても、兄妹には相続権や扶養義務が発生します。
終活を機に、お互いに協力しあえる関係性を築いていくのは非常に有益です。
既婚(子どもあり)
子どものいる夫婦が終活をするときのポイントは、以下の3つです。
・生前贈与など節税対策を調べる
・情報が、きちんと共有できる環境を整える
子どものいる夫婦は、夫が先に死亡した場合・妻が先に死亡した場合・残された1人が死亡したときの3つのパターンで財産分与について考えなければなりません。
注意点としては、節税対策として子どもたちに生前贈与を行いすぎることで、老後1人になったときに生活が苦しくなるというケースです。
贈与や財産分与については、家庭の資産をきちんと把握した上で検討しましょう。
また、私物やエンディングノート・病院や保険関係の情報など、家族で共有できる環境を整えておくことも大切です。
具体的な『終活』でやるべき内容6つ
計画的に終活を進めるためにも、具体的にどのようなことをやる必要があるのかを予め知っておきましょう。
終活でやるべき内容は大きく分けて6つあります。
2.私物の整理(断捨離)
3.保険の見直し
4.財産整理
5.お墓について検討する
6.葬儀準備
特に決まった順番などはありませんが、まずはエンディングノートを作成し自分や家族の将来について考えます。その中で、保険・財産・お墓・葬儀といった具体的な内容について検討を進めていくという流れが一般的です。
私物の整理については、上記と並行して無理のない範囲で少しずつ手をつけていくようにしましょう。
エンディングノートを作成する
まずは「終活ノート」とも呼ばれる「エンディングノート」を書くことからはじめ、自分の家族や未来についてじっくりと見直してみましょう。
法的効力こそないものの、気軽にはじめることができる終活の第一歩として多くの方が取り組んでいます。自分に万が一のことがあった際に伝えておきたいことをまとめておくこともできます。
市販のエンディングノートには、書くべきこと・書いてあると便利なことがまとめられているので、難しいことは考えずとも有益な1冊を作ることができるでしょう。
エンディングノートの書き方や書くことで得られるメリットについて深く知りたい方は「エンディングノートは難しくない!スラスラと書ける5つのポイント!」の記事もご覧ください。
私物の整理(断捨離)をしよう
「遺品整理」は、残された家族に肉体的・時間的に大きな負担を与えます。残される家族への思いやりの気持ちとして自身の私物を整理整頓するのは終活の基本です。
ここで言う「私物」とは、思い出の品だけではありません。銀行口座やクレジットカード、定期購入サービスなども無理のない範囲で取捨選択しましょう。
家を出た子どもがいれば、自分の荷物を整理しに帰省してもらい、終活やこれからのことについて話をするのも良いでしょう。
見落としがちなデジタル遺品についての対策や遺品整理の業者への依頼など、詳しく知りたい方は「デジタル遺品の落とし穴!相続問題に発展する4つの問題と対策を解説」や「遺品整理の料金はどのくらい?業者に遺品整理を依頼する際の相場や注意点、安く抑える工夫などを完全解説!」の記事もご覧ください。
保険を見直す
年代や環境を問わず、終活では相続や生活資金など将来のお金について考える必要があります。その上で、保険は非常に重要な役割を担うため、終活の一環として見直しをすることが推奨されています。
・病気や怪我の補償
・介護費
・葬儀費用
・残される家族の生活費
など、保険を見直すことで備えられるものはたくさんあります。
既に保険に加入しているという方は、補償内容とライフスタイルが適性かどうかを今一度確認してみましょう。
保険加入の仕方や審査基準について詳しく知りたい方は「保険加入の審査基準は?抑えておくべき3つのポイントと対処法3選!」こちらの記事も参考にしてください。
財産整理をする
死後の財産トラブルを回避するためにも、自分の将来に使えるお金を正確に把握するためにも財産整理は終活の非常に重要なポイントです。
財産整理とは、『現金、預貯金、不動産、有価証券、住居、自動車、宝飾品、金融商品、仮想通貨、確定拠出年金』といった財産を整理し、相続について考えることを指します。
・自分にはどのような財産があるのか
・現金以外のものは、売却するとどのくらいの価値があるのか
・相続はどうしたいか
必要に応じてマネーコンサルタントや自治体の窓口に相談するなどして、整理や相続について考えをまとめていきましょう。
相続を円滑に実現させる財産目録について、詳しくは「相続をよりスムーズに!「財産目録」の目的と知るべき3つのメリット」の記事をご覧ください。
お墓について考える
お墓に入ったあとの管理の部分も見据えた上で、どのようなお墓があり、自分や家族にとってなにが一番適しているかを費用面も踏まえて考えましょう。
ひと昔前までは、「先祖代々同じ墓に入る」「盆や彼岸にはお墓参りをする」というのが一般的でした。しかし近年では、働き方やライフスタイルの変化に伴い、『お墓』そのものへの概念も少しずつ変化してきています。
実際に、墓地や納骨堂を見学して検討するのもおすすめです。
お墓の種類や平均でかかる費用について深く知りたい方は、「意外とお葬式以上にお金が掛かる「お墓に関する費用」」の記事もご覧ください。
葬儀準備を整える
終活という言葉が認知されると同時に、自身の葬儀について自ら生前より準備するという方が増えてきています。葬儀社側でも、「生前予約」や「生前契約」という形で受付をしており、決して珍しいことではありません。
大切な人の死後、思いをはせる暇もなく葬儀の準備をする大変さを身をもって体感したという方であればなおさら、「自分の時には、そのような思いをしてほしくない」と感じるのではないでしょうか?
自分で契約することに抵抗がある方は、葬儀のプランや参列者のリストなど必要最低限の準備をしておくだけでも残された家族の負担は大きく軽減します。
葬儀の基本的な流れや費用の相場など、深く知りたい方は「【保存版】葬式準備に必要な2つのポイントと4つの注意をプロが解説」の記事もご覧ください。
葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。
1級葬祭ディレクター在籍で、お客様満足度97%を誇る安心の葬儀会社で、しつこい勧誘等も行いません。
※(株)ドリームプランナー調査「2020年 葬儀サービス調査より」
まとめ
終活をはじめる時期について
・20代、30代からでも早すぎることはない
・「やろう」と感じたときからスタート!
・50代以降は、いますぐにでもはじめた方がメリットが大きい
年齢別のポイント
年代 | 終活のポイント |
70代以上 | 家族や業者の手を借りながら無理なく前向きに取り組む |
60代 | 動ける内に、どんどんできることから進めていく |
50代 | 将来を見据えてある程度の貯蓄ができる最後のチャンス |
40代 | やや本格的に「終」に向けた準備をはじめる時期 |
30代 | ライフプランを想像しつつ資産計画をしっかりとたてる |
20代 | 未来に向け、自立した生活を送るための内容 |
環境別のポイント
環境別 | 終活のポイント |
おひとり様 | 生前の様々なリスクを回避するための終活 |
既婚(子どもあり) | 資産を正確に把握し、贈与や財産分与について検討する |
既婚(子どもなし) | 残るであろう資産やお金をどのようにしたいのか考える |
兄妹あり | 終活を機に、お互いに協力しあえる関係性を築いていく |
身寄り無し | 自治体や行政の提供している高齢者の支援サービスの活用 |
年齢にとらわれすぎず「ちょっと将来について考えてみよう」と思ったときが、終活をスタートさせるのに最も適したタイミングです。
体力・気力・判断力が十分にあるうちから、積極的に将来について考えましょう。
終活は「死」を意識したものではありますが、決してネガティブなものではなくこれからの生活をより充実させ安心して過ごしていくための備えです。
今回ご紹介した「年代別」「環境別」のポイントを意識しながら、実際の6つの動き方を参考に、あなたらしい終活をはじめてみてはいかがでしょうか。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール