会葬は親族関係にない人が故人の葬儀・告別式に参列することを指し、読み方は「会葬(かいそう)」です。通夜の参列については弔問と言われ、会葬とは異なるため注意が必要です。本記事では会葬の意味や会葬礼状、御礼についての他、マナーをご紹介します。
2021/8/10 情報更新
葬儀に参列する場合は、最低限の知識とマナーを身に付けておく必要があります。そこでこの記事では、葬儀における会葬について、服装や香典といった準備に関するマナーや会場内でのマナーなどを詳しく解説します。会葬に参列する予定がある方、もしものために知識をつけて備えておきたい方などは、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
会葬とは?
会葬は親族関係にない人が故人の葬儀・告別式に参列することを指します。なお、通夜の参列については弔問と言われ、会葬とは異なるため注意が必要です。会葬する人は会葬者と呼ばれます。会葬者は遺族にお悔やみの言葉を述べ、葬儀に参列します。
弔問について詳しくは下記記事をご参考ください。
・突然の訃報にどうする?弔問できない際のお悔やみの手紙の書き方や注意点を徹底解説!
・弔問とは?意外と知らない弔問の注意点とマナーを徹底解説!
会葬と参列の違い
前述しているように会葬とは葬儀や告別式に参列することを指します。お通夜では会葬とは言いません。一方の参列は、葬儀や告別式、通夜どちらの場合でも使用することができます。
会葬と弔問の違い
弔問は、通夜で亡くなった方と最後のお別れに行く際に用いる言葉です。会葬と弔問は混同しがちな言葉でもあるので、使う際には注意が必要です。
弔問について詳しくは下記記事をご参考ください。
・弔問とは?意外と知らない弔問の注意点とマナーを徹底解説!
・突然の訃報にどうする?弔問できない際のお悔やみの手紙の書き方や注意点を徹底解説!
会葬のマナーについて
次に、具体的な会葬のマナーについて解説していきます。会葬に向かう準備のためにも、また会場で故人やご遺族、親族の方たちに失礼のないようふるまうためにも、ぜひ確認してみてください。
会葬の服装
会葬は基本的に喪服を着用するのがマナーです。
男性の服装
男性の場合は、スーツ・ネクタイ・靴と靴下は黒を着用し、ワイシャツは白無地のものを着ます。ネクタイピンを付けるのはやめましょう。なお、カフスボタンを付けることはマナー違反にはあたりませんが、付ける場合は光るタイプを避け、黒など地味で目立たないものを使ってください。
女性の服装
女性は、黒のスーツかワンピースで、ストッキングも黒地か肌色のものを着用します。アクセサリー類や派手な髪飾りなどは付けないようにしましょう。ただし、パールのアクセサリーは付けても問題ありません。また、露出の高い服装はNGです。靴も黒いパンプスなどを合わせ、ミュールやサンダルなどのデザインは避けましょう。
弔辞の服装について詳しくは下記記事をご参考ください。
・急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!
・お葬式の服装はどうする?男女別の服装や子供の服装から持ち物まで完全解説!
・お葬式の靴はどう選ぶ?お葬式の靴のマナーや選び方、靴下や喪服まで徹底解説!
会葬の会場に行く時間
葬儀会場には約10分前には入場しておくようにしましょう。開始間際に到着すると、受付などでバタバタしたり、落ち着いて会場に入れない可能性があります。余裕をもって行動するようにしましょう。なお、やむを得ない事情で遅れたときは、目立たないように静かに会場に入り、末席に着席します。
>>お通夜の開始時間と所要時間は?流れ・遅刻する場合の対応方法!
会葬の受付
会葬会場に着いたら、まず受付を行います。受付では挨拶をすることになりますが、挨拶は短くシンプルにしておきましょう。お悔みの気持ちを伝えたいとしても、長く話し込むと受付がふさがってしまい、ほかの参列者の迷惑になる可能性があります。
>>ご冥福をお祈りしますの意味と使い方を完全解説!お悔みの言葉全集!
なお、香典は表書きが見えるように両手で渡します。芳名録への記帳を済ませたら会場に行き、会葬者用に設けられた席に着席しましょう。
>>よく見かけるご芳名とは?今さら聞けないご芳名の使い方や消し方を完全解説!
受付について詳しくは下記記事をご参考ください。
・葬儀の受付を頼まれたら?葬儀の受付の流れから注意点まで完全解説!
・あなたもお願いされるかもしれない。お葬式の受付係について紹介します!
香典の書き方・包み方
香典の書き方
会葬に持参する香典に表書きを書く際は薄墨を使用します。表書きは「御霊前」または「御香典」と書きます。類似した表書きに「御仏前」がありますが、これは仏様にお供えする際に使用するものです。故人の霊は49日を過ぎれば仏になると言われているため、その前までの表書きはご霊前とします。なお、浄土真宗に関しては、霊の概念がないことから、会葬の香典袋の表書きもご仏前になります。
香典の包み方
また、香典を包むときは、不祝儀用ののし袋を香典袋に包むのがマナーです。香典に関しては特にマナーが重視されるところでもあるので、しっかり知識を身に付けておきましょう。
香典について詳しくは下記記事をご参考ください。
・香典の金額はどう書けば良い?香典袋に金額を書き入れる際の書き方や注意点を徹底解説!
・香典を連名で出す場合は?香典を連名で出す際の書き方やマナー、注意点を徹底解説!
・香典の袋の書き方を完全解説!金額相場・書き方・渡し方を紹介!
会場内でのマナー
会場内では案内された場所に着席するようにします。ただし、特に案内がない場合は順番に座っていきます。スマホや携帯は途中で鳴らないよう、あらかじめ電源は切っておきましょう。また、やむを得ず途中で退席する予定がある場合は、最初から末席に座り、迷惑をかけないよう静かに席を立ちます。大きな声で話したりせず、落ち着いて静かに故人を見送りましょう。
焼香のやり方
焼香が始まったら席を立ち、焼香台の方に向かいます。葬儀の前に焼香を行う順番について案内があった場合はそれに従います。自分の順番が来たら、親族や僧侶、正面に一礼をし、焼香を行いましょう。焼香台の上にある抹香を、右手の親指と人差し指、中指でつまむようにします。つまんだまま、額のあたりに持ってきて、その後高炉の上で指をすり合わせるようにしてくべます。抹香をくべ終わったらその場で合掌します。合掌後は、霊前に深く一礼し、親族や僧侶にもう一度黙礼して、焼香は終わりです。
焼香は祭壇に向かって行うため、ほかの参列者から所作が見えづらく、やり方がわからない場合、会場でほかの人にならって行うのが少し難しいものです。地域によって多少やり方に違いがありますが、基本的な方法を覚えておけば、落ち着いて行えるでしょう。
焼香について詳しくは下記記事をご参考ください。
・正しい焼香の仕方とは?焼香の基本的な方法から宗派別の方法、焼香の種類やマナーまで徹底解説!
・焼香とは?よく聞くけど以外と知らない焼香の意味や種類、宗派ごとにことなる焼香の作法まで完全解説!
会葬に行けない場合
会葬に行けない場合は、弔電を打って代理人に名刺を持たせて参列させる方法があります。代理を立てない場合は、後日現金書留でお悔やみ状と香典を送るようにしましょう。お悔み状にはお悔やみの言葉や遺族を励ます言葉、会葬に伺えないお詫びの言葉などをしたためます。
>>香典を郵送で送る際には手紙を添える?香典を郵送する際の注意点から手紙を添える方法を徹底解説!
会葬者には会葬御礼を送る
会葬御礼とは、通夜や葬儀に参列してくれた方たちへのお礼として渡す品のことです。香典返しとは違い、参列してくれた方たち全員にお渡しします。
>>香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!
会葬返礼品とは?
会葬返礼品とは、香典の有無に関わらず参列してくれたお礼の品です。ほとんどの場合は、即日に受付の記帳台でお渡しします。返礼品の相場目安は、1,000円~2,000円程で石鹸やお茶、タオルなど日用品を用意することが多いです。最近では、ギフトカードをお渡しする場合もあります。
会葬礼状とは?
会葬返礼品と一緒にお渡しするのが会葬礼状です。参列されなかった方で弔電や供物を頂いた方には、後日お送りします。会社によっては忌引き休暇を取る際に会葬礼状の提出が条件となっていることもあります。その為、会葬礼状は例え葬儀規模が小さかったとしても、お渡しできるように用意しておきましょう。
会葬礼状の手配方法
会葬礼状の手配方法は一つだけではありません。依頼した葬儀会社や専門業者に頼んだり、自分で自作することもできます。会葬礼状の文面はほぼ決まっていますので、テンプレートがあればそれほど難しくありません。
ただ、会葬礼状には、「句読点を使用しない」「亡くなった日付ではなく通夜・葬儀の日付を入れる」など細々したルールがあります。自信が無い方は、葬儀会社や業者にお願いしましょう。
会葬礼状について詳しくは下記記事をご参考ください。
・会葬礼状とは?意味と必要なケースと例文一覧!
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まとめ:マナーを守って会葬に参加しよう
「会葬」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【会葬とは?】
●親族関係にない人が故人の葬儀・告別式に参列することを指す
●通夜の参列は「弔問」を使用し、会葬は使用しない
【会葬のマナーについて】
●男女ともに喪服を着用する
●葬儀会場には約10分前には入場する
●受付ではお悔やみの言葉を述べ、香典を渡す
●会場内ではスマホや携帯の電源は切るように注意する
●焼香する際は、遺族に一礼し抹香を、右手の親指と人差し指、中指でつまむ。つまんだまま、額のあたりに持ってきて、その後高炉の上で指をすり合わせるようにしてくべ合掌する。合掌後は霊前で一礼後、遺族に黙礼する
●会葬に行けない場合は、弔電を打つか代理を立てる。後日、現金書留でお悔やみ状と香典を送る
会葬に参加するときは、厳かな雰囲気を守るためにマナーを守る必要があります。さまざまな事柄に細かいマナーがあるため、少し複雑だと感じるかもしれません。しかし、しっかりマナーに沿って会葬に参列することにより、遺族に心からのお悔やみを伝え、故人を安らかな気持ちで見送ることができるのです。正しいマナーを知り、できる限りの気配りをすることが大切です。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
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