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法定相続人は遺言書と民法に要注意!順位・範囲を分かりやすく解説!

Feb 28 2023

法定相続人とは、「故人の遺産を相続できる人」を指します。配偶者を筆頭に、子ども、血縁の近い親族が対象になります。例外として遺言書がある場合は、記載した人を相続人にする事も可能です。本記事では範囲から遺産を受け取る前の注意点まで解説致します。

「法定相続人って誰のこと?範囲は?」

「自分がいくらもらえるか割合を知りたい!」

「難しそうだから、わかりやすく理解したい!」

ただでさえ難しい用語や手続きが多い相続。法定相続人というキーワードを聞いて、こんな印象を受けた人は多いのではないでしょうか?

親族間のトラブルが起きやすい相続においては、相続に関する正しい知識を身に着けておくことが重要ですね。

法定相続人とは、民法で定められた被相続人の財産を相続できる人のことで、故人の配偶者を先頭に、子ども、直系家族(より近しい人から)の順に相続人となります。


法定相続人の相続分は、民法第900条に定められています。

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

1.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。

2.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。

3.配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。

4.子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

引用元: Wikibooks|民法第900条

遺産相続の順位別に、相続割合についても見てみましょう。上から順に、法定相続人の順位に基づいて配分されていることがわかりますね。

相続人 遺産の相続割合
配偶者のみ すべて
子供のみ すべて
配偶者と子供 2分の1ずつ
配偶者と2人の子供 配偶者が2分の1、子供が4分の1ずつ
両親のみ 2分の1ずつ
配偶者と両親 配偶者が3分の2、両親が6分の1ずつ
配偶者と親 配偶者が3分の2、親が3分の1
兄弟姉妹のみ(1人) すべて
兄弟姉妹2人のみ 2分の1ずつ
兄弟姉妹3人のみ 3分の1ずつ
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
配偶者と2人の兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹8分の1ずつ

「じゃあ、故人の遺産は法定相続人に定められた分だけ必ず相続できるの?」と思いますよね。

実は、法定相続人の相続権を上回る「遺言書」の存在があります。

例えば、遺言書の中に「遺産のすべてを娘の〇〇に譲る」とあれば、最低限の取り分(遺留分)以上の相続は受け取ることができません。

侵害額請求については「遺言書より遺留分が優先!侵害額請求をされる前にできる5つの対策法」の記事でも分かりやすく解説していますのでぜひ、合わせてお読みください。

このように、法定相続人について、損やトラブルを避けるには、事前に「民法」と「遺言書」、2つの関係を理解しておく必要があるのです。

そこで本記事では法定相続人の範囲や受け取れる割合についてだけでなく、民法と遺言書というキーワードも徹底解説してまいります!

民法ベースで法定相続人と遺言書の権利を理解することで、相続時の損や余計なトラブルを避けることができますよ。

本記事を最後まで読んで、法定相続人の知識に加え、遺言書と民法のつながりをバッチリ押さえましょう。

法定相続人とは「故人の財産を相続できる人」のこと


法定相続人とは、民法で定められた故人の財産を相続できる人を指し、相続できるかどうか、いくら相続できるのかは基本的に故人との血縁関係によって変わります。

民法第886条から 民法第895条までに、相続人の範囲から優先順位、受け取れる割合まで、民法で定められているのです。下記に決められている範囲と割合について解説致します。

1.法定相続人の範囲

2.受け取れる遺産の割合

法定相続人の範囲

法定相続人になれるのは、下記4つに該当する血縁者のみです。

1.故人の配偶者

2.第1順位(子どもおよび代襲相続人)

3.第2順位(父母や祖父母などの直系尊属)

4.第3順位(兄弟姉妹および代襲相続人)

代襲相続(だいしゅうそうぞくにん)とは、相続人が被相続人よりも早く亡くなった場合、もしくは相続権を喪失した場合に、その子どもなどが代わりに相続権を得ることを指します。

故人から見たとき、法定相続人ではないひ孫などが代襲相続の対象になることもあります。

親より子が先に亡くなったときなど、相続人が大きく変わりそうなときに役立つ代襲相続の知識を得ておきたい方は、「 代襲相続人を完全解説!相続割合・権利・範囲を紹介!」をご覧ください。

法定相続人になれない人

それ以外の人で故人と生前縁があり、身体面や金銭面でどれだけ尽くしたとしても「法定相続人」になることはできません。

法定相続人になれないケースを以下にまとめました。

・内縁の妻

・離婚した元配偶者

・配偶者の連れ子(養子縁組していない場合)

・被相続人の姻族(配偶者の兄弟姉妹、親など)

・相続の順位により法定相続人から外れる人(子が生きている場合の父母や兄弟姉妹など)

・いとこ

・伯父伯母、叔父叔母

ただし、一定の手続きをすれば「特別縁故者」として相続が可能です。

「故人と同居していた長男の妻が一人で介護をしていた」等の理由がある場合、法定相続人ではなくても特別寄与料を相続人に請求できるようになりました。

法定相続人ではないからと相続を諦める前に、自分のおこないに見合った相続を受けたいという方はチェックしてみてくださいね。

筆頭は故人の配偶者


法定相続人の代表格は故人の配偶者です。相続開始時に存在していれば相続権が発生します。

被相続人の配偶者は、常に相続人となる。

引用元: Wikibooks|民法第890条

ここでいう配偶者とは、法律上婚姻関係にある者を指します。長年内縁関係(事実婚含む)であったり、同性婚などのパートナー制度を利用したりしていても、配偶者とはいえません。

相続する人の優先順位を知り、自分が相続人になれるかどうかを知りたい方は 遺産相続は配偶者が最優先!順位を決める4つのポイントと割合を解説をご覧ください。

第1順位(子どもおよび代襲相続人)


故人の血族は相続人になりますが、より血縁の近い方が優先されます。

故人の子どもが最優先、もし子どもが亡くなっていれば、その子ども(故人から見た孫)が法定相続人となるのです。

法定相続人になるのは、配偶者と第1順位までですので注意してください。

第2順位(父母や祖父母などの直系尊属)


第1順位がいない場合、故人の父母が法定相続人になります。父母がいない場合は祖父母が該当します。

第2順位が相続人になるのは第1順位がいない場合のみですので注意しましょう。

第3順位(兄弟姉妹および代襲相続人)


第1順位および第2順位もいない場合は、故人の兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹が無くなっている場合は、その子ども(故人から見た姪や甥)が相続します。

第3順位が相続人になるのは、第1順位および第2順位がいないときのみですので注意してください。

受け取れる遺産の割合


法定相続人になった場合、遺産のうち受け取れる割合は相続人の順位と人数により変動します。

相続人の組み合わせパターンと相続割合は下記の通りです。

相続人 遺産の相続割合
配偶者のみ すべて
子供のみ すべて
配偶者と子供 2分の1ずつ
配偶者と2人の子供 配偶者が2分の1、子供が4分の1ずつ
両親のみ 2分の1ずつ
配偶者と両親 配偶者が3分の2、両親が6分の1ずつ
配偶者と親 配偶者が3分の2、親が3分の1
兄弟姉妹のみ(1人) すべて
兄弟姉妹2人のみ 2分の1ずつ
兄弟姉妹3人のみ 3分の1ずつ
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
配偶者と2人の兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹8分の1ずつ

上記表を当てはめると、法定相続人が配偶者のみの場合(第1順位にあたる子どもがいない)は配偶者が遺産の100%を受け取りますが、子どもがいると2分の1になります。

子どもも、1人であれば遺産の2分の1ですが、2人いる場合は2分の1を半分にした4分の1ずつということになりますね。

実際のケース(上記図)に当てはめてみると、例えば遺産が6,000万円あった場合は遺産の相続割合は「配偶者が2分の1、子供が4分の1ずつ」となります。

よって、妻が6,000万円×1/2=3,000万円。子供一人に対し、6,000万円×1/4=1,500万円が受け取れる計算になります。

遺言書がある場合に法定相続人が押さえるべきポイント3つ

民法で定められている法定相続人ですが、実は必ずしも従う必要はありません。遺言書は法定相続分に優先するとされているためです。

遺言書がある場合に法定相続人が押さえるべきポイントは以下3つです。知らないままだと損する可能性がありますので、チェックしておきたい順にご紹介いたします。

1.「故人の遺言書>法定相続分」で優先される

2.遺留分は法定相続人が一定割合の財産を確保できる権利!

「故人の遺言書>法定相続分」で優先される

実は、法定相続分よりも故人の遺言書の方が優先されます。

これは民法964条で規定されており、遺言書にある故人の意志が尊重されるといえますね。

遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。

引用元: Wikibooks|民法第964条

さらに詳しく言いますと、故人の遺言書の次に優先されるのは遺産分割協議、次に法定相続分となります。

つまり、法定相続人とはいえ、有効な遺言書により相続を指定されていたり、遺言書がなくても遺産分割協議で相続配分を決められた場合にはそれらに従う必要があるといえますね。

遺産分割協議の必要性

遺産分割協議は、相続人全員の合意により相続配分を決めるための話し合いのことであり、それぞれの事情を汲んで取り決める為に必要な制度です。

例えば、父親の相続を子2人でおこなう場合。民法上は配偶者である母親は必ず相続人となりますね。

ところが、母親は十数年前に別居、ここ近年父親の介護はすべて子2人がおこなっていたとすれば、相続すべき人は母親ではなく子2人ではないか?と考えられます。

相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヵ月後となっていますので、できるだけ早めに協議を始めることが肝心です。

万一、遺産分割協議が相続人の間で合意できなければ、家庭裁判所による遺産分割調停や遺産分割審判に進むことになります。

遺産分割協議書の書き方と注意点を押さえ、スムーズに処理したいという方は「 遺産分割協議書作成について7つのポイント&項目別の書き方と注意点」をご覧ください。

遺留分は法定相続人が一定割合の財産を確保できる権利!

遺留分とは、法定相続人に分配される最低限の相続分を表す言葉です。

仮に遺言書の内容が法定相続人に遺産を分配しないという内容だった場合、本来遺産を受け取れるはずの方が受け取れないことになります。

その結果、法定相続人の生活が危ぶまれることになるため、そういった事態を防ぐために遺留分という制度が設定されています。

遺留分が請求できる条件を知っておき、相続で損をしたくない方は「 遺留分を完全解説!計算方法・侵害請求権の行使方法を紹介!」の記事もご参考ください。

遺留分の割合

実際に相続人が持っている遺留分割合について、下記にまとめました。

相続人の組み合わせにより変動する相続、遺留分の割合を見ておきましょう。

相続人 遺産の相続割合 遺留分割合
配偶者のみ すべて 2分の1
子供のみ すべて 2分の1
配偶者と子供 2分の1ずつ 配偶者が4分の1、子どもが4分の1
配偶者と2人の子供 配偶者が2分の1、子供が4分の1ずつ 配偶者が4分の1、子どもが8分の1ずつ
両親のみ 2分の1ずつ 3分の1ずつ
配偶者と両親 配偶者が3分の2、両親が6分の1ずつ 配偶者が3分の1、両親が12分の1ずつ
配偶者と親 配偶者が3分の2、親が3分の1 配偶者が3分の1、親が6分の1
兄弟姉妹のみ(1人) すべて なし
兄弟姉妹2人のみ 2分の1ずつ なし
兄弟姉妹3人のみ 3分の1ずつ なし
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1 配偶者が2分の1、兄弟姉妹なし
配偶者と2人の兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹8分の1ずつ 配偶者が2分の1、兄弟姉妹なし

2-2-2.故人の兄弟姉妹に遺留分はない

上記、表からも分かるように故人の兄弟姉妹に遺留分はありません。これは民法1042条に規定されています。

第千四十二条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一

二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一

引用: Wikibooks|民法1042条

兄弟姉妹に遺留分を認めない理由は、相続関係で見たときに関係が遠く、法定相続人の中で最も遠い兄弟姉妹には遺留分が認められていないと考えられているからです。

兄弟と遺留分の法的な関係や遺産を受け取る方法については「兄弟に遺留分がない4つの理由&確実に遺産をもらう2つの方法を解説」の記事もお読みください。

相続で損&トラブルを回避する3つのコツ

相続手続きで知らない内に損をしたり、親族同士でトラブルになるのは避けたいですよね。

ここでは、相続で損したり、トラブルに巻き込まれないためのコツを3つ紹介します。

1.遺言書の「正しい」確認方法を把握しておく

2.相続会議で相続人全員と意見を一致させておく

3.資産状況によっては「相続放棄」を視野に入れる

遺言書の「正しい」確認方法を把握しておく

まずは遺言書を見つけましょう。

遺言書の多くは仏壇の中や故人の机の中などに隠されていますが、万が一に備え、日頃から遺言書の場所は信頼できる親族に伝えておくと良いですね。

ただし、公正証書遺言もしくは自筆証書遺言保管制度を用いた場合は、遺言書の原本が法務局に保管されているため探す必要はありません。

さらに、自筆証書遺言保管制度であらかじめ指定しておけば、任意の相続人に通知を送ることもできます。遺言書の存在を確実に知らせたい人におすすめです。

「公正証書遺言」は1番おすすめの遺言形式!費用・効力と書き方を解説」「【自筆証書遺言】有効にするための必須要件と書き方・注意点を全解説」で、遺言書の書き方や保管方法について分かりやすくご紹介しています。合わせてご参考ください。

遺言書が見つからない際の注意

どうしても遺言書が見つからない場合、気を付けておきたいのが「相続作業のやり直しリスク」です。

相続後に遺言書が見つかり、やり直す必要があるのは主に以下3通りです。

1.遺言書と異なる相続を禁止していた場合

2.遺言で遺言執行者を指定していた場合

3.相続人で排除された者がいる場合

いずれにも該当しなければ、基本的に相続をやり直す必要はありません。

万が一、該当してしまうと手続きが面倒なので、まずは公正証書遺言が保存されていないか公証役場を調べましょう。ない場合は、相続人と話し合ったうえで相続を開始します。

遺言書を検認なしで開封するのは絶対NG

実は、遺言書は自己判断での開封は絶対にNGです。なぜなら、遺言書の中には検認前に開封すると無効になってしまうものがあるためです。

検認とは、家庭裁判所で遺言書の内容を確認する手続きのことを指し、もし勝手に開けると、5万円以下の罰金を払わされたり、遺言書が無効になったりと、後々の相続作業に遅れが出る原因になってしまいます。

これらは民法第1004条および第1005条で規定されている事項です。

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。

引用元:wikibooks|民法第1004条

 

前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、5万円以下の過料に処する。

引用元:wikibooks|民法第1005条

 

検認で必ず押さえておくべきポイントを理解しておきたい方は「遺言書を無効にしない!検認の流れとスムーズな相続のコツを徹底解説」をお読みください。遺言書を無効にすることなく、相続をスムーズに終えることができます。

相続会議で相続人全員と意見を一致させておく

相続でトラブルを起こさないためには、相続会議で相続人全員と意見を一致させておくことが大切です。

なぜならば、相続のために必要な書類「遺産分割協議書」には、相続人全員の調印が必要であり、ひとりでも拒否すれば相続作業がすすまなくなるためです。

遺言書の内容や、家庭事情によっては、内容を受け入れようとしない親族が出てくる可能性がありますよね。

どうしても相続内容に同意しない相続人がいる場合は、スムーズに進めるためにプロの力を借りるのがおすすめです。詳しくは「相続に関して困ったときの相談先3つ」をご覧ください。

遺産分割で損をしたくないという方は、押さえておくべきポイントが8つあります。詳しくは 無知は損!遺産分割で絶対に知るべき8つの流れと9つの注意点を解説をご覧ください。

資産状況によっては「相続放棄」を視野に入れる

相続放棄とは、「被相続人(亡くなった方)の財産を一切相続しない(放棄)こと」です。

相続する資産を相殺するとマイナスの方が大きかったり、今後管理するのが難しいもの(不動産、土地など)ばかりの場合は、相続放棄を考えましょう。

相続放棄を行うことで「はじめから相続人でなかった」ことになり、プラス・マイナスの遺産と権利を含めすべての相続の権利を放棄することができます。

メリット デメリット
・被相続人が残した借金から解放される

・相続問題という揉め事に関わらなくて済む

・相続できるすべての財産を手放すことになる

・一度相続を放棄するとやり直しがきかない

・他の相続人とトラブルの原因になる

・遺産の売却を自由に行えない

相続放棄をした場合に注意すべきこと

相続放棄は一度すればやり直しのきかない手続きですので、十分考えてからおこないましょう。

手続き開始前 手続き時
・財産調査は行ったほうがよい

・他の相続人に相続放棄することを伝える

・手続き必要書類の入手は時間がかかる

・被相続人の財産に手をつけない

・放棄後の撤回は不可

・失敗すると、原則的に再手続き不可

相続放棄するには、遺品整理時に手を付けないなど事前に気を付けるべきことがあります。

「相続放棄したかったのに、知らない間に相続していた…」と後悔をしないための知識を知りたい方は 【相続放棄の手続きと費用】知っておくべき7つのポイントと注意点!をご覧ください。

法定相続人に関してよくある質問5つ

法定相続人に関する疑問を、よくある順に5つご紹介します。

いざという時に相続で悩まない、トラブルに巻き込まれないためにしっかり確認しておいてくださいね。

1.親族が遺産の割合でモメている…解決方法は?

2.法定相続人の戸籍謄本の提出はなぜ必要?

3.唯一の法定相続人である場合、何か証明は必要?

4.法定相続人のうち1人に相続させたくない。どうすればよいか?

5.知らない親族が法定相続人になった。何をすればいいのか?

親族が遺産の割合でモメている…解決方法は?

親族が遺産の割合でモメてしまったときは、以下2つの手順を押さえましょう。

・故人の遺言書はないか確認する

・(遺言書がない場合)家庭裁判所に相談する

・弁護士や行政書士などのプロに解決を依頼する

親族で相続割合を決める遺産分割協議は、遺言書がない場合の話です。遺言書があればそれに従うしかありませんので、まずは遺言書の有無を確認します。

遺言書がない場合は、遺産分割調停になりますので家庭裁判所に相談しましょう。郵送や窓口で直接申請することが可能です。

自分一人で抱え込まず、弁護士や行政書士などのプロに解決を依頼するのもひとつの手ですね。

自分に合った相談先を知りたい方、詳しくは「相続に関して困ったときの相談先3つ」をご覧ください。

法定相続人の戸籍謄本の提出はなぜ必要?

検認するには相続人全ての戸籍謄本を提出する必要があります。理由は、検認期日の通知の対象となる相続人を確定させるためです。

法定相続人の戸籍謄本の提出が必要になるのは、遺言書の検認作業と相続登記のときです。

唯一の法定相続人である場合、何か証明は必要?

相続人の中で生きているのが自分だけの場合、「自分以外の相続人は誰もいないことの証明」が必要です。

具体的に言いますと、相続登記と遺言書の検認作業のときに必要になります。

最低限でも故人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本は必要ですし、直系尊属の死亡の記載のある除籍謄本等も必要となります。

それぞれ相続人が住んでいる(または生前住んでいた最後の)役所で申請する必要がありますので、必要な場合は早めに準備に取り掛かるようにしましょう。

法定相続人のうち1人に相続させたくない。どうすればよいか?

法定相続人のうち1人に相続させたくない場合、相続人の法定順位によって対応が変わります。

・故人の兄弟姉妹

・故人の兄弟姉妹以外の法定相続人

故人の兄弟姉妹の場合、遺留分はありませんので、遺言書にて「兄弟姉妹には相続しない」と明記しておけばOKです。

故人の兄弟姉妹以外の法定相続人、例えば子どもや父母、祖父母などの場合は遺留分を請求できるため、全額を相続させないのは難しいでしょう。

最終手段として相続の廃除が考えられますが、これは下記2つのポイントに当たる行為をした者にしか適用できません。

1:被相続人に対して一方的な虐待や重大な侮辱を加えたとき

2:著しい非行があったとき

よって、故人の兄弟姉妹の相続はゼロにできるが、それ以外の法定相続人の相続額をゼロにすることは難しいといえます。

知らない親族が法定相続人になった。何をすればいいのか?

会ったこともない親族の法定相続人になった場合、まずは先方からの連絡を待ちましょう。

逆に、相続を決めた後に、連絡が取れない他の相続人がいた場合は、こちらから連絡するようにします。

特に、遺言書がない場合は、故人の銀行口座の変更や不動産の名義変更で都度都度相続人の押印が必要です。

相続人全員と連絡を取り、スムーズな手続きができるようにすることを心掛けましょう。

連絡先がわからない場合は、弁護士や行政書士に頼んで公的書類(戸籍謄本や住民票など)をもとに調査してもらうことも可能です。

相続に関して困ったときの相談先3つ

「ひとりで相続手続きを進めるのは無理!」

こんな方は、相続に関する手続きをプロに相談・解決してもらうことをおすすめします。「緊急度の高い順」にご紹介しています。相談を上手に活用して、検認作業をスムーズに進めていきましょう。

  1.弁護士 2.行政書士
費用

25万円~

15万円~

メリット ・各種書類の準備や申し立て作業など、相続に必要な一切の作業をまるごと依頼できる

・相続のアドバイスもしてもらえる

・戸籍謄本などの書類を取り寄せてもらえる

・弁護士よりも依頼費用が安い

デメリット ・費用が高額になりやすい ・相続に関する争いには対応できない

いきなり、弁護士や行政書士に依頼するのは、ハードルが高い…という方は、

3.無料相談を利用して専門家を紹介してもらう

で、一度相談してみるのがおすすめです。

弁護士(相場:25万円~)

弁護士へ相続に関する相談をする場合は、以下の手順で依頼しましょう。

1.法律相談事務所へ遺産争いの内容を相談する

2.費用について弁護士から説明を受ける

3.着手金の支払い後、弁護活動を開始してもらう

必要に応じて、弁護士と都度打ち合わせが入る場合もあります。

また、弁護士へ遺産争いに関する相談をする場合は、以下の費用がかかることを覚えておきましょう。

費用の種類 概要 費用相場
相談料 遺産争いの相談にかかる費用 無料、もしくは約5,000円~(30分)
着手金 弁護士が遺産分割や調停に着手した場合の費用 20~30万円
報酬金 遺産争いが解決した場合に発生する費用 経済的利益や着手金相場によって変動
実費 印紙代や切手代、交通費など 1~10万円
日当 出張費用 約5万円

参考: 「相続会議」朝日新聞社

行政書士(相場:15万円~)

行政書士へ相続に関する相談をすると、弁護士に依頼するよりも比較的安く済ませることが可能です。

金額は15万円程度としましたが、おこなう手続きの複雑さや処理する案件の数、相続人の数によって変動します。

行政書士の中には、サービスごとに料金表を設けているところや、パック料金で一律の料金を定めているところがありますので、依頼する内容の複雑さにより使い分けましょう。

無料相談を利用して専門家を紹介してもらう

相続に関するお悩みに応える、 日本司法支援センター(法テラス)がおすすめです。

日本司法支援センター(法テラス)は国が設立した法的トラブルの総合解決所です。誰でも無料で相談でき、適切な支援先を紹介してもらうことができますよ。

やさしい相続』でも、24時間365日無料相談で承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。しつこい勧誘等も行いません。

大切なことだからこそ、丁寧に・確実に進めていきましょう。

まとめ

今回は、法定相続人について詳しく解説してきました。

法定相続人とは、民法で定められた遺産を相続できる人のこと相続をスムーズに進めるために押さえておきたいポイントをおさらいしておきましょう。

法定相続人の範囲は以下の通り。


相続人ごとに受け取れる割合と遺留分は、以下の通りです。

相続人 遺産の相続割合
配偶者のみ すべて
子供のみ すべて
配偶者と子供 2分の1ずつ
配偶者と2人の子供 配偶者が2分の1、子供が4分の1ずつ
両親のみ 2分の1ずつ
配偶者と両親 配偶者が3分の2、両親が6分の1ずつ
配偶者と親 配偶者が3分の2、親が3分の1
兄弟姉妹のみ(1人) すべて
兄弟姉妹2人のみ 2分の1ずつ
兄弟姉妹3人のみ 3分の1ずつ
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
配偶者と2人の兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹8分の1ずつ

法定相続人について理解し、相続で損をせずトラブルに巻き込まれないためには民法と遺言書についても知っておく必要があります。

遺言書は法定相続人よりも優先され、有効な遺言書があればその通りに相続されます。

もし相続内容がマイナスだったり、今後の管理が難しい場合は相続放棄も視野に入れます。

相続放棄はやり直しできませんので、相続放棄におけるメリットとデメリットは押さえておきましょう。

メリット デメリット
・被相続人が残した借金から解放される

・相続問題という揉め事に関わらなくて済む

・相続できるすべての財産を手放すことになる

・一度相続を放棄するとやり直しがきかない

・他の相続人とトラブルの原因になる

・遺産の売却を自由に行えない

相続人の中で相続内容に同意しない人がいたり、連絡のつかない相続人がいて手続きが進まないなどのトラブルに巻き込まれた時は、一度プロに相談するのがおすすめです。

弁護士や行政書士のほか、法テラスといった無料で相談できる施設もありますよ。

この記事があなたにとって後悔のない相続に役立つよう祈っております。

【監修】高橋圭(司法書士・宅地建物取引士)

略歴
高橋圭 (たかはし けい)
青山学院大学法学部卒業。
2007年司法書士試験に合格後、都内司法書士法人にてパートナー司法書士としての勤務を経て2016年ライズアクロス司法書士事務所を創業。
司法書士法人中央ライズアクロスグループCEO代表社員

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