代々幡斎場は、東京都渋谷区にある総合斎場です。都内では数少ない、火葬炉に式場が併設されている施設のため、近年注目が集まっています。
また、交通の便がよいことや、ホテルのような優雅な雰囲気の内装も話題です。この記事では、代々幡斎場の特徴やメリット、施設や設備について詳しく解説します。
INDEX
代々幡斎場とは?
東京博善株式会社が運営
代々幡斎場は、東京博善株式会社が運営する総合斎場の一つです。
1921年(大正10年)設立の東京博善株式会社は、東京都内の火葬の約7割を行っており、代々幡斎場の他にも5箇所の総合斎場(落合斎場、桐ケ谷斎場、堀ノ内斎場、町屋斎場、四ツ木斎場)と遺体預かり施設(四ツ木斎場併設・お花茶屋会館)を運営しています。
代々幡斎場へのアクセス
代々幡斎場は渋谷区西原の閑静な住宅街の奥にあります。京王新線「幡ヶ谷」駅南口から徒歩6分、小田急線・東京メトロ千代田線「代々木上原」駅北口1出口から徒歩8分と交通の便がよいのがメリットです。また、都心にありながら駐車場が60台分用意されているので、車で訪れることもできます。
代々幡斎場は火葬炉が併設された一体型の施設
また、代々幡斎場は東京博善株式会社が運営する他の斎場と同様、式場に火葬炉が併設された一体型の施設です。式場から火葬場へ車で移動する必要がないので、参列者に高齢者の多い葬儀でも安心です。さらに、ホテルを思わせる、近代的で落ち着いた雰囲気の館内は、エレベーターやエスカレーター、車椅子用トイレなどバリアフリー対応済み。さまざまな年齢層の人が訪れやすくなっています。
急な葬儀の不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。『やさしいお葬式』では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。
代々幡斎場の特徴
東京博善株式会社の総合斎場のコンセプトは「人生の有終の美を飾る気品と安らぎの空間」。その一つである代々幡斎場の特徴を見ていきましょう。
葬儀のスタイルに柔軟に対応できる
さまざまな宗教での葬儀可能
仏教を始め、キリスト教式や神式など、宗教はもちろん、宗旨宗派も問いません。創価学会式の友人葬や、無宗教式、音楽葬などの自由葬も可能です(ただし、楽器や音響機器の持ち込みは基本的に不可)。
>>前もって理解しておこう!葬儀の種類や宗教ごとの違いを解説
葬儀プランも柔軟に対応
また、一般葬や社葬の他、小規模な家族葬や通夜を行わない一日葬、火葬のみの直葬といったさまざまな葬儀形式にも柔軟に対応しています。葬儀は別の斎場で行い、代々幡斎場の火葬炉だけを利用することも可能です。
さらに、葬儀を行うにあたって、会員登録や事前の申し込み、積立金などは一切必要ありません。葬儀の事前相談や見積もりも無料です。
各葬儀プランについては下記記事もご参考ください。
・家族葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!
・一日葬とは?流れ・メリット・デメリット・食事・マナーを完全解説!
・直葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!
葬儀のすべてを施設内で行える
代々幡斎場は式場に火葬炉が併設されている総合斎場です。そのため、故人の遺体の搬送・安置から初七日の法要、精進落としまで、葬儀のすべてを施設内で行えるというメリットがあります。
>>初七日とは?意味・数え方・お供え・お経・知っておきたい常識とマナー
>>精進落としとは?葬儀後に行われる食事の席の流れや内容から注意点やマナーまで徹底解説!
葬儀の申し込みや遺体の搬送依頼は24時間365日、深夜早朝に関わらず対応可能です。自宅に遺体を安置しておくのが難しい場合には、斎場で葬儀当日まで預かってもらうこともできます。
葬儀プランに必要なものはプランにすべて含まれている
また、代々幡斎場では一般葬や家族葬、直葬を中心に、さまざまな葬儀プランを用意しています。祭壇や棺、遺影など葬儀に必要な費用や施設の使用料、火葬料、精進落としの料理代などがプラン料金にすべて含まれており、参列者1名単位まで調整してくれます。ただし、僧侶へのお布施やスタッフへの心づけ、飲料代、祭壇脇の供花など一部実費になるものもあります。
菩提寺とは?
葬儀を執り行うのは、菩提寺の僧侶が基本です。しかし、特定の寺院の檀家になっていなかったり、菩提寺が遠方で来てもらうのが難しかったりする場合には、僧侶の紹介もしてもらえます。
先祖代々のお墓を管理しているお寺を「菩提寺(ぼだいじ)」と呼びます。昨今は、お寺とのお付き合いも薄くなってきており菩提寺を持っていない方も多いです。その場合は僧侶を手配することもできます。
僧侶派遣は『やさしいお坊さん』でもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。法事・法要は業界最安値水準の34,000円からご依頼可能です。
火葬炉が式場に併設されている
さらに、代々幡斎場は火葬炉が葬儀式場に併設されているため、移動のためのハイヤーやマイクロバスを手配する必要がありません。
霊柩車も不要です。別途料金がかかりますが、希望すれば式場棟から火葬棟まで、霊柩車で運んでもらうことも可能です(別途料金が必要)。
ただし、デメリットとしては、代々幡斎場に限った話ではありませんが、故人が亡くなってすぐに申し込んでも、葬儀まで日数がかかるということがあります。
これは東京都の人口に対して斎場が少ないためです。故人が亡くなってから葬儀まで4~5日ほどが平均的ですが、代々幡斎場で葬儀を行うのであれば、保棺室で遺体を預かってもらえます。
火葬については下記記事もご参考ください。
・斎場とはどんな場所?斎場の選び方・種類・火葬場との違いを目的別に完全解説!
・火葬場の選び方と利用方法!東京都の火葬場の特徴・使用料金・利用方法を解説!
・火葬するには火葬許可証が必要!発行の流れや再発行について解説
代々幡斎場の施設
代々幡斎場は複数の式場と火葬炉、控室を備えています。それぞれの設備や収容人数を見ていきましょう。
葬儀式場(葬式会場)
葬儀のための「雪」は1から6までの6会場あります。すべて椅子式で、一会場の最大収容人数は40人ですが、6会場のうち二つはパーティションを撤去して繋げることで、社葬など大人数の葬儀にも対応できます。
「雪」の他に、収容人数10人の「竹」もあります。こちらは家族葬など、ごく少人数の葬儀向けで、控室は用意されていません。
駐車場から直接入れる回廊に沿って、式場が並んでいます。入り口に「〇〇家」の案内があるので、目的の式場を間違えないようにしましょう。受付は入り口を入ったところに設営されています。
火葬場
代々幡斎場は都市ガスを燃料とするロストル式の火葬炉を10基備えています。ロストル式は燃焼速度が早いため、約50分で火葬が完了します。しかし、お骨が崩れやすかったり、悪臭が発生したりといったデメリットもあり、周囲への影響や環境への配慮が必要になりました。
代々幡斎場では環境負荷の少ない火葬炉を利用
そこで、東京博善株式会社では脱臭・脱煙のための再燃炉装置を備えた、環境負荷の少ない火葬炉を独自に開発し、特許を取得。代々幡斎場を含む運営する6斎場で稼働しています。
代々幡斎場の火葬炉は、特別殯館2基、特別室2基、最上等(星)6基の3つの等級があり、火葬料は等級によって異なります。
炉前ホールも区切られており、特別殯館と特別室は収骨室もそれぞれ専用の個室です。
収骨時は一喪家だけでゆったり使用できるようになっています。
休憩室や控室
控室は式場棟の2階にあり、式場ごとに1室、合計6室が用意されています。控室名は基本的に式場と同じ「雪」で番号も同じになるので、間違えないようにしましょう(式場が「雪」1なら控室も「雪」1)。ただし「竹」は控室がありません。ロビーなど共有スペースを使用することになります。
2名程度であれば仮眠も可能
さらに、通夜を代々幡斎場で行う場合、2名程度であれば控室で仮眠(宿泊)することも可能です。ただし、宿泊施設ではないので、貸布団の手配(売店で受け付けている)など、すべてセルフサービスで行う必要があります。また、線香やろうそくは21時で消灯、22時には電源も使用できなくなるので利用する場合は承知しておきましょう。
>>線香とは?身近だけど意外と知らない線香の種類や選び方、供える際の作法まで徹底解説!
火葬が終わるまでは休憩室で待機可能
一方、休憩室は火葬が終わるまで遺族や骨拾いをする参列者が待機する部屋です。代々幡斎場では式場棟の2・3階に12室が用意されています。葬儀は他の斎場で行い、代々幡斎場の火葬炉だけを利用することもできるので、休憩室の部屋数は式場よりも多くなっています。「鶴」1と2はそれぞれ48人、最大で62人が使用できます。「雪」7と8は2階にあり、収容人数は56人です。
「星」1から7はそれぞれ48人となっています。「竹」で葬儀を行った遺族は、3階に椅子席が用意されます。こちらは最大で24名分です。控室は一室あたりで料金が設定されていますが、椅子席は椅子1脚につき料金が必要なので、利用する場合は人数をきちんと確認して申し込みましょう。
霊安室も完備
この他、代々幡斎場には自宅に遺体を安置するのが難しい場合に、葬儀まで預かってくれる霊安室があります。収容体数は24体で、一日ごとに保管費用が必要です。
ご遺体の安置については下記記事もご参考ください。
・故人様を預かる施設が足りない⁈都会のご安置所事情
代々幡斎場についてのまとめ
「代々幡斎場」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【代々幡斎場は葬儀式場を併設した火葬場(斎場)】
●代々幡斎場は葬儀式場を併設した火葬場のため、ご出棺後の移動がなく、便利な斎場。
●葬儀式場と火葬場が敷地内のため、移動のための霊柩車・マイクロバスが不要、葬儀日程の時間短縮が可能。
●霊柩車・マイクロバスが不要のため、葬儀費用を抑えることができる。
※ご遺族の希望により式場棟から火葬棟の移動に「霊柩車」を使用することも可能。
※特別殯館の火葬炉を選ばれた場合、霊柩車を使用して式場棟から火葬棟への移動が「無料」となる。
【最寄り駅から近く、認知度が高い】
●京王新線「幡ヶ谷」駅南口徒歩6分。東京メトロ千代田線・小田急小田原線「代々木上原駅」徒歩20分※幡ヶ谷駅利用をお勧めいたします。
【火葬場に種類(ランク)がある】
●一般火葬炉(最上等)だけでなく、特別室・特別殯館と呼ばれる火葬炉がある。特別室・特別殯館では個室でお骨上げが可能。
●最上等の使用料金は大人90,000円・小人51,000円
●特別室の使用料金は大人123,000円・小人63,500円
●特別殯館の使用料金は大人160,000円・小人88,000円
【火葬中の待合室の料金が必要】
●代々幡斎場の葬儀式場を利用する場合、火葬炉を利用する場合、どちらでも「火葬中の待合室」の費用が別途必要。
●代々幡斎場には「鶴の間」「星の間」「雪の間」と呼ばれる待合室がある。収容人数に応じて金額が異なる。
代々幡斎場はアクセスのよい都心にありながら、静かで厳かな雰囲気の斎場です。
葬儀と火葬が施設内でできることから、渋谷区民だけでなく、近隣の区民や市民にも選ばれています。
ただし人気が高く、葬儀を行うまでに数日かかることも多いので、納得した上で申し込むようにしましょう。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール