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御膳料とは?相場と渡し方と注意点とマナーを解説!

Apr 13 2020

法事の際に聞くことになる、「御膳料」という言葉。読み方は「御膳料(おぜんりょう)」です。本記事では御膳料の相場やお渡しする際の袋、封筒などマナーや注意点なども含めて基本的な内容を解説します。

(2021/4/5 情報更新)

法事の際に聞くことになる、「御膳料」という言葉。普段からは聞きなれない言葉で、どんな意味なのか、どれくらいの相場なのか、など分からないことが多いものです。

とはいえ、その場で聞くわけにもいかないことなので、今回は御膳料について、マナーや注意点なども含めて基本的な内容を解説します。

御膳料(おぜんりょう)とは?(御膳料の意味)

御膳料とは、「食事のお膳に代えてお渡しするもの」という意味を持ちます。法事においては、僧侶を招きお経をあげていただいた後に、「お斎(とき)」という食事の席を設けることが一般的です。

お斎(おとき)とは?

お斎は、法事に集まった人たちで故人の思い出話などをしながら、故人を偲ぶ会食のことです。

また、お斎は僧侶や参列をしてくれた方々に対して、遺族から感謝の気持ちを込めたおもてなしの食事という意味も持ちます。

お斎を辞退された場合に渡すのが「御膳料」

ですが、僧侶がそのお斎をどうしても辞退せざるを得ないことがあります。その際には、お斎で出す予定だった料理やお菓子を箱詰めにして僧侶にお渡しするのが慣例でした。

一方で、僧侶も多忙な時期などには、すぐ次の法事へ向かうことも多くあり、お斎への参加だけでなく、箱詰めの品を持ち歩くことも難しくなってきました。

そこで、御膳料としてお金を包んで僧侶に渡す、という慣習が一般的になりました。

逆に言うと、僧侶がお斎に列席される場合には必要ありません。

お斎については「おとき(お斎)とは?意味とマナーと香典相場を3分で解説!」の記事もご参考ください。 

御膳料が必要なシチュエーション

ここまで解説したように、御膳料を僧侶にお渡しするのは、法要後のお斎に僧侶が列席されない場合になります。

御膳料の用意は、僧侶の都合によってお斎を受けていただけるかどうかで決まります。したがって、法事の前に確認することが必要になります。

形式上、お斎への列席をお願いする場合も

最近では、法事においてお斎を省略することも増えてきていることから、省略する際も遺族は形式的に、お斎への列席をお願いします。

僧侶側もそれを分かっている上で、こちらも形式として気遣いの断り返事をします。そして、御膳料を受け渡しする、というのが通例となっています。

日頃からお付き合いのあるお寺の場合は、ある程度コミュニケーションも取りやすく、お斎を省略する旨も理解されているためスムーズに進みますが、初めてのお寺の場合などは、必ず事前にお斎を省略する旨を伝え、御膳料を渡すようにしましょう。

やさしいお坊さんであれば御膳料をはじめお車代、お心づけなども不要です。

 

御膳料を渡す相手

御膳料は、法要時に読経をしてくださった僧侶へお渡しします。個人的なお礼の意味があるため、僧侶も個人として受け取ることになります。

御膳料の相場

実際に気になるのが、いくら包めばいいのか?という点です。御膳料は、会食の代わりとなるものなので、会食の会場が自宅なのか、斎場・寺院なのか、という場所の観点と食事の内容によって変動します。

一般的に、自宅や斎場にて仕出し弁当などで対応する場合には、5千円から1万円が一般的な相場と言われています。

また、ホテルのレストランや料亭といったところで行う場合には、少し高くなり1万円から2万円と言われています。それほど複雑なルールはないので、覚えておくとよいでしょう。

御膳料の包み方

それでは、次に御膳料の包み方について解説していきます。御膳料を包む際には、不祝儀袋または白無地の封筒を用いるのが一般的です。

白封筒を使う場合

白封筒でも全く問題はないのですが、郵便番号などが付いていない無地のもの、二重封筒ではないもの。この2点に注意しましょう。特に二重封筒については、二重に重なることは「不幸が重なる」とされ、弔事の場において縁起が悪いものとされています。

不祝儀袋を使う場合

不祝儀袋を使う場合には、黒白もしくは双銀の色で、結びきりの水引のものを使います。

御膳料の書き方

封筒、または不祝儀袋への書き方については、表側中央上部に「御膳料」と濃く墨書きし、表側中央下部に喪主の氏名、もしくは「●●家」と濃く墨書きします。

氏名や「●●家」については書かないことも多いです。また、これらは香典袋と違い、薄い墨書きでなく、濃く書くようにしましょう。

また、袋の裏には、住所、電話番号を書き、次に少し下げて金額を記します。金額を書く際には漢数字、例えば一万円なら「金壱萬円也」と書くようにしましょう。

筆ペンで書いても良い

筆で書くのが一番望ましいですが、筆ペンであっても問題ありません。また行書体で書かなくても、楷書体で構いません。ゆっくりと丁寧にキレイに書きましょう。

お金の入れ方、入れるお金について

お金の入れ方も迷ってしまうポイントですが、こちらも簡単に解説します。お札の表側(肖像画が描かれた方)と袋の表が同じ向きになるように入れます。

上下の向きは、肖像画が上になるようにします。また、お札を複数枚入れる場合には、お札の向きを揃えるようにしましょう。

御膳料は新札が好ましい

新札か旧札か、についても多くの方が迷ってしまうポイントです。まず、通夜や葬儀の香典において、新札を用いることはマナー違反になります。

しかし、御膳料においては、僧侶の方に個人的に渡すものになるので、できるだけ新しいお札の方が好ましいとされています。新札を事前に用意できるとよいでしょう。

御膳料を渡すタイミング・渡し方

御膳料を渡すタイミングと渡し方についてご紹介します。

御膳料を渡すタイミング

御膳料を渡すのは、基本的には法事が終わり、僧侶が帰られる際にお渡しします。「本日は手厚い供養をありがとうございました。どうぞお納めください」と一言添えながら渡しましょう。

御膳料の渡し方

また、渡す際に封筒そのままでは失礼にあたりますので、切手盆を用意し、字の向きを僧侶側に向けて差し出すのが一般的です。

この際、御布施、御膳料、御車料をまとめてお渡しすることもありますが、一番上に御布施を重ねるようにします。

切手盆とは?

また、良かれと思って、切手盆を畳や床において滑らせるように渡してしまう人も度々見かけますが、これは、実は行儀の悪い行為になりますので注意しましょう。

切手盆とは、ちょうど封筒が乗る大きさで、黒塗り・長方形のお盆です。最近では、通販で簡単に購入することもできますが、ない場合にも袱紗(ふくさ)で代用することができます。

僧侶の前で袱紗を開き、字の向きを僧侶側に向け、袱紗をたたんで金封を乗せて渡すようにしましょう。

袱紗(ふくさ)の包み方(爪付き布の場合)

①爪を左にし、袱紗の内側の台の上(中央より右側)に香典袋を置く
②右側からたたむ
③次に下側をたたむ
④上側をたたむ
⑤最後に左側(爪のある方)をたたむ
⑥爪を留めて完成

 

袱紗(ふくさ)の包み方(金封タイプの場合)

弔事の場となるため、「左開き」になるように入れるようにしましょう。

御膳料以外に渡すお布施・お車代

御膳料は、ほとんどの場合、お布施やお車代と一緒にお渡しします。それぞれで意味合いがありますので、全て別の封筒に分けてお渡しします。

その際、御布施が一番上になるようにします。御膳料と御車代については、順番の決まりはありません。それぞれについて簡単に解説します。

お布施について

本来の意味や由来などについては別記事で解説していますので、ここでは簡単に紹介します。納骨や四十九日法要、一周忌法要といったタイミングでお経をあげていただいた菩提寺の本尊への感謝の気持ちとしてお渡しするものです。

お布施については「四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!」「お布施を完全解説!意味・相場・表書き・裏書などを解説!」「一周忌とは?意味・香典・お布施・お供え・マナーを完全解説!」の記事もご参考ください。

お車代について

 お車代は、自宅や斎場などで法事を行う際には、僧侶に出向いていただくことになり、それに対する交通費としてお渡しするものになります。したがって、法事を行うのが寺院で、こちらが出向く場合には必要ないものになります。

御礼、志について

僧侶にではありませんが、受付係、案内係、司会など法事を手伝ってくれた方にお礼を渡す場合があります。その場合は、「御礼」または「志」をお渡ししましょう。あらかじめ人数分を用意しておくことをおすすめします。また御礼は急遽手伝いに入ってくれた方へ渡す場合がありますので、多めに用意しておくと安心でしょう。

御膳料以外に渡すお布施・お車代の相場

また、それぞれの相場についても併せて簡単に解説します。

お車代の相場について

お車代は、前述のとおり、僧侶に交通費としてお渡しするものです。一般的な相場としては5千円から1万円とされていますが、場所が遠かったりする場合には、その分いくらか考慮すると失礼には当たりません。

お布施の相場について

香典などと同様に、やはり、お布施についても一般的な金額相場が気になるものです。お布施は、僧侶に対する感謝の気持ちだとされてはいるものの、失礼にならない金額感については知っておきましょう。

注意点として、お布施は地域により金額にかなり幅があります。また、法要を菩提寺の僧侶にお願いするしない、寺院との親しさの度合い、などによってもお布施の金額は変わります。

そういった条件があることを踏まえた上で、一般的な金額相場を紹介します。

一般的なお布施の相場

通夜・葬儀(戒名と読経まで): 15万円から35万円
四十九日法要での読経: 3万円から5万円
お盆での読経: 5千円から2万円
新盆での読経: 3万円から5万円
一周忌法要での読経: 3万円から5万円
三回忌以降の法要での読経: 1万円から5万円
祥月命日法要での読経: 5千円から1万円

上記はあくまでも一般的なお布施の金額相場なので、実際には親族や地域の詳しい方に事前に確認しておくのがよいでしょう。

各法要の詳細については下記記事をご覧ください。
<四十九日法要>

四十九日の香典相場を完全解説!書き方・マナー・故人との関係別相場も紹介!
四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!

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初盆(新盆)のお布施を完全解説!金額相場・渡し方・マナーを紹介!
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13回忌とは?13回忌の準備から招待された場合のマナーまでを完全解説!

御膳料の注意点とマナー

ここまで御膳料について解説してきましたが、改めて簡単に注意点とマナーをまとめます。

金額について

5千円から1万円が一般的な相場で、ホテルのレストランや料亭といったところで行う場合には、少し高くなり1万円から2万円と言われています。

お札を包む袋

市販されている白い封筒で問題ありませんが、縦型で郵便番号枠がないこと、二重袋ではないこと、だけは注意しましょう。不祝儀袋を使う場合には、黒白もしくは双銀の色で、結びきりの水引のものを使います。袋の裏側に金額を書く際には、漢数字を使って書くようにしましょう。

入れるお札

できれば新札を使うようにしましょう。お札は肖像画のある方を袋の表面にし、かつ封筒の口側に肖像画がくるようにしましょう。

渡し方

御膳料を渡すのは、基本的には法事が終わり、僧侶が帰られる際にお渡しします。「本日は手厚い供養をありがとうございました。どうぞお納めください」と一言添えながら渡しましょう。

御布施、御膳料、御車料をまとめてお渡しすることもありますが、一番上に御布施を重ねるようにしましょう。

切手盆を畳や床において滑らせるように渡すことは行儀の悪い行為になりますので注意しましょう。

切手盆がない場合には袱紗で代用することができます。僧侶の前で袱紗を開き、字の向きを僧侶側に向け、袱紗をたたんで金封を乗せて渡すようにしましょう。

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御膳料に関する知識のまとめ

 「御膳料」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。

御膳料(おぜんりょう)とは?
●食事のお膳(お斎)に代えてお渡しするもの
●お斎とは故人を偲ぶ会食のこと

【御膳料を渡す相手】
●法要時に読経をしてくださった僧侶へお渡しします

【御膳料の相場】
自宅や斎場:5千円から1万円
ホテルのレストランや料亭:1万円から2万円

【御膳料の包み方】
●白封筒を使う場合
・郵便番号などが付いていない無地のもの
・二重封筒ではないもの

●不祝儀袋を使う場合
・黒白もしくは双銀の色
・結びきりの水引のものを使う

【御膳料の書き方】
●表側中央上部に「御膳料」
●表側中央下部に喪主の氏名または「●●家」
●袋の裏には、住所、電話番号を書き少し下げて金額を記します
●金額を書く際には漢数字で書く

【御膳料を渡すタイミング】
●法事が終わり、僧侶が帰られる際にお渡しする
●切手盆を用意し、字の向きを僧侶側に向けて差し出す

御布施や御車料と併せて理解しておくと、寺院も気持ちよく対応していただけ、故人も安心します。日常ではなかなか接することのないものですが、守るべきマナーや考えを理解し、法事を行いましょう。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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