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春彼岸とは?春彼岸の意味から準備や過ごし方、ふさわしいお供え物まで完全解説!

Aug 22 2021

春彼岸という言葉を聞いたことがありますか?日本ではお彼岸という概念がありますが、中でも、春に行われるお彼岸の行事があり、これは一年の中でも無視できない大切な催しとなっています。この記事では、そもそもお彼岸とは何かというテーマから、春彼岸の意味や準備すべきこと、お供え物まで徹底的に解説していきます。

春彼岸という言葉を聞いたことがありますか?日本ではお彼岸という概念がありますが、中でも、春に行われるお彼岸の行事があり、これは一年の中でも無視できない大切な催しとなっています。

この記事では、そもそもお彼岸とは何かというテーマから、春彼岸の意味や準備すべきこと、お供え物まで徹底的に解説していきます。

春彼岸とは?

まず、春彼岸とはなにかについて説明するにあたり、そもそもお彼岸とはどういったものなのか、歴史や行われる時期についてご紹介していきます。

お彼岸とはなにか?

お彼岸とは、日本の特別な暦日のひとつで、春分の日、秋分の日をそれぞれ中日とし、前後3日ずつの7日間の期間のことを指します。

一般的にはこの期間でお墓参りをすることが多いです。お彼岸の初日のことを「彼岸入り」と言い、最終日を「彼岸明け」と呼びます。

春分と秋分には死後の世界が開かれる

一年の間でも昼夜の長さがそれぞれ等しくなる春分と秋分は、極楽浄土(安楽の世界)や死後の世界への道が開かれるという説もあります。

そこで、真東から太陽がのぼり、そして極楽浄土があると言われている西の方角へと沈んでいく際に、人々が極楽浄土へと思いを馳せていたことが、お彼岸の始まりとも言われています。

したがって、ご先祖様のいる場所を彼岸、私たちのいる場所を此岸(しがん)と区別することもあります。

お彼岸では先祖供養をおこなう

現在、お彼岸の期間は、親族が集まり、ご先祖様への感謝や健康に過ごせるようにと思いを込めて、お墓参りをし、お坊さんにお経を読んでもらって、手を合わせることが主流となっています。

さらに、お彼岸は、「自分たちもお彼岸に行けるように」という意味から、自らを悟りの境地に立たせる修行の期間とも認識されています。

春彼岸とはなにか?

お彼岸とは前述の通り、一年で春と秋の2回ある期間です。春分の日も秋分の日も国民の祝日であり、毎年2月頃になると次の年の日程が決められます。

多くの場合、春分の日であれば3月20日か21日あたりになり、秋分の日は9月の22日か23日あたりになることが一般的です。この日程を中心とした一週間がお彼岸となり、春分の日を中日とした前後3日間の合計7日間が春彼岸となります。

お彼岸の歴史

お彼岸の歴史は平安時代にまでさかのぼります。朝廷からの命令で、金剛般若波羅蜜経(こんごうはんにゃはらみつきょう)と呼ばれるお経を読むことを命令され、春と秋に一週間法会を行っていたことが恒例となったようです。

ただ、当時のお彼岸の目的は、早良親王の祟りを恐れたことによる鎮魂だったと言われており、現代の趣旨とは少し異なっていることがわかります。

極楽浄土の思想が広がった後、日が沈む方向、すなわち極楽浄土があると信じられている方向に日が沈む瞬間、自分の死後にも思いを馳せ、なおかつご先祖様があの世で幸せに暮らしていけるようと願うようになり、現代のお彼岸の概念へと変化したのです。

お彼岸の時期

お彼岸は一年で春と秋の2回ある期間で、春のお彼岸は、春分の日を中日とした前後3日間、また秋のお彼岸は秋分の日を中日とした前後3日間のそれぞれ合計7日間を指します。

お彼岸は明確な日は決まっていない

春分の日と秋分の日は、前年の2月頃になると日程が決められますが、春分の日は、3月20日か21日あたりになり、秋分の日は9月の22日か23日あたりになる傾向にあります。

なお、これらの春分の日と秋分の日の日程が明確に決まっていない、つまりお彼岸の時期が曖昧なのは、一年が365日として決められていることが原因なのです。

太陽暦で一年は365日と決まっていますが、地球は厳密には365日間+数時間で太陽の周りを一周します。

たとえば、2020年の春分の瞬間(昼夜の長さが一緒になる瞬間)は、3月20日12時50分でしたが、2021年の場合は、3月20日18時37分でした。

春分の日は前年の2月ごろに決まる

つまり、春分の瞬間を迎えるタイミングが1年の間で6時間程度ずれているのです。このずれを確認しながら春分の日を決定するため、前年の2月ごろまでは明確に決まっていないということになります。

ちなみに、生じたずれを調整しないまま春分の日が決まっていくと、どんどん日程はずれていく一方です。そのずれを調整するために、うるう年というのが存在します。

お彼岸については下記記事もご参考ください。
今年はいつから彼岸入り?お彼岸の期間だけでなく、準備や過ごし方まで徹底解説!
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お彼岸とお盆の違い

お彼岸とお盆の大きな違いとしては、行われる時期の違いが挙げられます。

お盆は8月に行われる

お盆とは8月に行われる、ご先祖様を祀る行事です。毎年8月15日頃はお盆と呼ばれ、その期間はあの世からご先祖様が帰ってくるため、親族で集まったり、法要を行ったりしてご先祖様をお迎えするのです。

盂蘭盆会とは?

なお、お盆という言葉自体は、仏教用語である「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という言葉を省略して取られています。

>>お盆(盂蘭盆会)とは?期間・意味・マナーを完全解説!

また、日本では8月15日前後はお休みになることが一般的で、お盆休みとして広く知られています。

お盆はご先祖様を迎え入れる意味合いもありつつ、年末年始のようにまとまったお休みになるというのも特徴です。

お彼岸は休みにはならない

一方で、お彼岸はご先祖様に手を合わせる、供養するといった意味では同じですが、日程によっては連休とならないこともあります。

春分の日もしくは秋分の日の前後が平日であれば、お彼岸であっても連休にはなりません。

また、お彼岸は自分自身が修行をする時期でもあることから、お盆とは少しだけ意味合いが異なると言えるでしょう。

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お彼岸の準備と迎え方

それでは、お彼岸はどのように準備する必要があるのでしょうか?具体的に何を用意しておかなければならないのか、抜け落ちがないよう頭にいれておきましょう。

仏壇や仏具の手入れ

自宅に仏壇や仏具がある場合には、きちんとそれらのお手入れをしましょう。手順としては、

①仏壇の中にある仏具を取り出す

②上部から下部へとはたきで埃を落とす

③雑巾や布で拭く(濡れた布で金部分に触れないようにする)

④位牌などの仏具を掃除する

⑤仏具を中に戻す

が基本です。金でできている仏壇であれば、指紋や皮脂などがつくと落ちなくなるので注意が必要です。

仏壇や仏具の手入れのコツ

また、中の仏具を一旦出す際には、下に新聞紙や柔らかい布を敷いてから置くようにしましょう。フローリングなどに直接おいてしまうと、傷みの原因となります。

掃除用の器具としては、仏壇用の専用のはけや、専用のクリーナーなども販売されているので一度調べてみることをおすすめします。

ほかにも、ろうそくのろうを落とすためのろう落としや、細かい溝などを掃除するための綿棒、古くなって着なくなった綿の洋服やストッキングなども仏壇や仏具の掃除に便利です。

また、仏壇や仏具のお手入れをする際には、作業に取りかかる前に合掌をして、ご先祖様に「掃除をさせていただきます」と、一言お伝えするとよいでしょう。終わってからも「終わりました」と挨拶しましょう。

>>仏壇はどうやって処分すればよいの?仏壇を処分する方法や注意点を完全解説!

お墓の掃除

続いてはお墓の掃除です。大きく行うこととしては以下のような項目が挙げられます。

①お墓が立っている区画を掃除する

②墓石を水洗いする

③墓石を専用の洗剤で洗う

④その他の細かいものや部品類を洗う

詳しく見ていきましょう。

・お墓が立っている区画を掃除する

お墓はお寺や霊園から区画を契約して立てています。したがって、自分の家系のスペースであれば自分で綺麗にする必要があります。

敷地内によく見られるものとしては、雑草や落ち葉などです。手入れをしていないとみすぼらしいお墓に見えてしまうため、雑草はこまめに抜き、落ち葉や枝などがあれば拾いましょう。

また、雑草を生えにくくするために、玉砂利を引いている人もいるかもしれません。

・玉砂利の掃除方法

玉砂利もそのままおいていると、玉砂利自体が劣化していることもあれば、苔が生えてきてしまったり、土の頑固な汚れがこびりついてしまったりすることもあります。もし玉砂利が少量であれば、ザルなどで洗うことも可能ですが、それが大変であれば一度玉砂利を入れ替えることも検討されるとよいかもしれません。

また、玉砂利の上を人が行き来することで、玉砂利が下に埋もれていってしまい、玉砂利が全体に行き届かなくなることもあります。変に隙間があったりすると、それもみすぼらしい印象になりかねないため、玉砂利を追加することをおすすめします。

・墓石を水洗いする

ほこりや花粉、砂など、日々の汚れが墓石にも付着しています。

軽度の汚れであれば水洗いで汚れが取れますので、柔らかい雑巾やスポンジなどで優しく丁寧に水拭きをします。

この際ごしごしとこすってしまうと墓石が傷つく原因となるため、取れない汚れがあったとしても、強くこすることは避けてください。墓石の文字の部分などは柔らかめの歯ブラシなどを使用するとよいでしょう。

・墓石を専用の洗剤で洗う

頑固な汚れが付着している場合は、専用の洗剤を使用してもよいでしょう。スポンジなどにクリーナーを付けて、優しく塗布してから角や文字の溝をしっかりと掃除します。その後水でしっかりと洗い流しましょう。

・その他の細かいものや部品類を洗う

水鉢や花立て、香炉(お線香立て)、墓誌や塔婆立てなど、墓石の周りにあるものもしっかりと拭き掃除をしましょう。水鉢や花立ての隙間には水垢などが溜まってしまっていることもあります。

普段からお墓参りをする際にちょっとした掃除をすることはあるかもしれませんが、お彼岸の際は念入りに取りこぼしのないよう掃除を行いましょう。

お墓を清潔に美しく保つことで、ご先祖様も気持ちよく過ごすことができるはずです。

お坊さんの手配

お彼岸の期間は、お坊さんを自宅に招いて彼岸法要を行うこともあります。その場合、あらかじめお坊さんを手配しておく必要があります。

普段からお世話になっているお寺があれば馴染みの住職さんにお願いしましょう。

場合によっては、僧侶を手配する専門のサービスもあるので、利用を検討してみてもよいでしょう。当日は、お坊さんをお呼びしたらお布施を渡す必要があるので、忘れずに準備しておきます。

僧侶派遣はやさしいお坊さんでもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。法事・法要は業界最安値水準の50,000円からご依頼可能です。

 

供花やお供え物の準備

お彼岸には、供花やお供え物の準備も欠かせません。お墓参りに行く際、掃除もかねてお供え物の用意も忘れずに行いましょう。

お花の供え方

お墓には花立が2つあるので、お水を少し入れて、両方の花立に差します。ご先祖様にお花を供える意味ですが、ご先祖様への感謝や敬意を示すという意味があります。

もともとは、まだ土葬が主流だった時代に、動物などに死体を荒らされたりしないようにするために、樒(しきみ)などのお花を一緒に入れて埋葬していたことがきっかけのようです。

樒は仏前草とも呼ばれ、仏事におけるお花として使用されることも多いため例外ですが、基本的に供花は香りの強すぎるものや棘のあるものは避け、長持ちするものを選ぶとよいでしょう。

>>樒とは?榊との違いは?仏事に必須の樒を解説!

供物の準備

また、お花だけでなくお供え物も忘れてはいけません。この後でお彼岸にふさわしいお供え物をご紹介しますが、和菓子や小分けの焼き菓子、果物や故人の好きだったものを準備するとよいでしょう。

>>供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!

お彼岸の過ごし方

お彼岸の過ごし方としては、お墓参りや彼岸会、精進料理をいただいたり、六波羅蜜の修行などが挙げられます。それぞれについてまとめていきます。

お墓参り

お墓参りは経験のある人がほとんどかと思います。

自分たちの家系のお墓の元に足を運び、ご先祖様が飲むための水を入れたり、供花や食べ物などのお供え物をお供えしたり、お線香をあげたりと一連の流れがあります。

なお、お彼岸は一週間と書きましたが、その間であればいつお墓参りをしても問題ありません。

彼岸会(ひがんえ)

お彼岸の時期においては、お寺で彼岸法要や彼岸会(ひがんえ)と呼ばれる法要が行われることがあります。

お寺に足を運ぶ場合もあれば、自宅に住職を呼んで個別で執り行うこともあります。彼岸会自体は平安時代から始まったもので、今や日本独自の年中行事となっています。他の国に彼岸会という考え方はありません。

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精進料理を食べる

お墓参りや彼岸会が終わると精進料理を頂きます。お彼岸には自分自身の仏道修行の意味合いもあるためです。

精進料理とは?

そもそも精進料理とは、お肉や魚介類を使用しない野菜や穀類を中心としたシンプルな味付けの料理のことで、お彼岸の時期にも精進料理をお彼岸料理として仏壇にもお供えし、そして自分たちも頂きます。

基本的には一汁三菜の献立で、ご飯と汁物、煮物や漬物、和え物などが並びます。

精進料理は殺生を避ける仏教から始まった料理であるため、たとえばお味噌汁であれば、お出汁にはかつお出汁は使用せずに、昆布や干し椎茸などからお出汁を取ります。

また、五葷(ごくん)と呼ばれる、にんにく、ネギ、ニラ、らっきょう、のびるといった、香りが強く辛い食べ物は精進料理では避けられているため注意しましょう。

春彼岸であれば、旬のタラの芽やたけのこ、菜の花などを使用した一品もよいでしょう。

なお、地域によっては彼岸うどんや、彼岸そばを食べる地域もあります。こういったものには「胃腸を休めて自分の体を労りましょう」という意味が込められているようです。

>>精進落としとは?葬儀後に行われる食事の席の流れや内容から注意点やマナーまで徹底解説!

六波羅蜜(ろくはらみつ)の修行

お彼岸の過ごし方で特徴的なものとして、六波羅蜜の修行があります。

六波羅蜜は、悟りの境地に到達するための6つの行いのことで、具体的には、布施(ふせ)、持戒(じかい)、忍辱(にんにく)、精進(しょうじん)、智慧(ちえ)、禅定(ぜんじょう)を指します。いつかお彼岸に行くためにも現世で修行を行うのです。

・布施

相手の利益になるように教えを説いたり、何かを施したりすること。見返りを求めることなく与えることを意味する。

・持戒

規律を守り、慎みを持って行動すること。自分を律すること。

・忍辱

どれだけ苦しく悲しいことが起こったとしても、耐え忍ぶこと。

・精進

何事においても怠けることなく最善を尽くし、努力しつづけること。

・智慧

真理、真相を見極められるよう学ぶこと。本質に気がつけるようになること。

・禅定

常に平常心を保ち、心を乱さないこと。何が起こっても、平静をキープし、心身を鎮めること。

ご先祖様がいるあの世であるお彼岸と、私たちが現在暮らしているこの世の此岸の間には、苦悩や煩悩の水でできた川が流れており、その大河を渡る上で必要となるのがこの六波羅蜜と言われています。

お彼岸中はこの六波羅蜜の教えを自分の中に落とし込むことを心がけ、仏様の悟りの境地に歩み寄ろうと試みます。お彼岸はご先祖様への感謝や敬意を伝えるだけでなく、六波羅蜜を改めて意識することで、自分と向き合うことのできる大切な機会とも言えるでしょう。

先祖供養については下記記事もご参考ください。
仏事を完全解説!時期・内容・費用・供養方法を紹介します!
先祖供養とは?先祖供養の効果や正しい供養の方法を完全解説!

なぜ彼岸にお墓参りをするのか?

そもそもお彼岸になぜお墓参りする必要があるのでしょうか。理由について解説していきます。

お彼岸は中道思想にマッチする

仏様は「両極端の考え方はやめましょう」という中道思想を広めました。それぞれに適したバランスがある、何かに固執することはやめるという考え方です。

また、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、お彼岸は昼夜の長さが等しく、お彼岸を起点に暑さや寒さがそれぞれ緩和されていくことから、中道の考え方を彷彿とさせます。

お彼岸の特性は中道思想とマッチすることからも、あの世との結びつきが強くなるお彼岸の時期にお墓参りすることが一般化していったようです。

お彼岸は八王日にあたる

日本には季節の移ろいを大切にする文化があり、季節を表現する言葉が多く存在します。

八王日とは?

季節を24分割したものを二十四節気と呼び、その中の8つの節気(立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至)である八王日にお彼岸も含まれているのです。

元々、この八王日のタイミングに合わせて諸王神が交代すると言われており、これらの日に神様たちが人々の行いをチェックしていることから、この時期に合わせて善い行いをすると良いと言い伝えられてきたのです。そういったことからお彼岸にお墓参り(=ご先祖様を尊ぶ善い行い)をすることが定着してきたようです。

西方浄土に生まれ変わるのにふさわしい

お彼岸の中日である春分の日、秋分の日は、太陽が真東からのぼり真西に沈み、昼と夜の長さが等しくなります。極楽浄土が西方にあることから、仏教において人々は、真西に沈む太陽を見ては、遥か彼方にいる仏様やご先祖様のいる安寧の地に憧れ、そちらの世界にいずれ行けることを願います。

そのため、お彼岸の日にお墓参りをし、西方浄土へと生まれ変わるための行いをするというのは、タイミング的にも申し分ないということです。

また、お彼岸は暑さや寒さがそれぞれ緩和されていくタイミングでもあるので、人が集まって、お墓参りに行くには適した気候であることも理由として挙げられるでしょう。

お墓については下記記事もご参考ください。
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お彼岸のお供え物

お彼岸のお供え物としてふさわしいものを簡単にご紹介していきます。「お彼岸に何を持っていけばいいかわからない」という方は参考にしてみてください。

ふさわしいお供え物

「お彼岸のお供え物といえばコレ!」というものが、春のお彼岸と秋のお彼岸でそれぞれ存在します。

春彼岸の場合は、ぼたもちで、秋のお彼岸の場合はおはぎをお供えします。ぼたもちもおはぎも、もち米やうるち米をついたお餅にあんこをいれたものですが、それぞれ食べられる季節で区別することができます。

おはぎとぼたもちの由来

ぼたもちは元々牡丹(ぼたん)という春に咲く花に見立てられたことから、「ぼたんもち」と呼ばれ、人々に親しまれるようになる中で、徐々にぼたもちと呼ばれるようになり、春のお彼岸にお供えするものになったようです。

一方でおはぎは、萩(はぎ)という秋に咲く花に見立てられたことから、おはぎもちと呼ばれ、次第におはぎとなっていき、今では秋のお彼岸のお供え物になったようです。

ちなみに、小豆は秋に収穫されるため、おはぎにはつぶあん、春のぼたもちには、固くなってしまった皮を取り除いた小豆でできたこしあんが使用されていたようです。

故人が好きだったものを供えても良い

なお、ぼたもちやおはぎ以外にも、ご先祖様がかつて好きだった食べ物や飲み物、フルーツや、後々親戚で分けられるように小分けになった焼き菓子などもおすすめです。

選ぶ観点としては、日持ちがすることと、分けやすいことを念頭に置いておくとよいでしょう。

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ふさわしい供花

お彼岸のお供え物には供花も欠かせません。

代表的なのは菊の花

お彼岸の供花としてふさわしいお花として、明確なルールはありませんが、菊は代表的なお花です。

お彼岸のみならず、普段から仏壇などにも供えられていることが多いです。というのも菊は長持ちし、カラーバリエーションも豊富なのです。

さらに邪気を払うとも言われており、仏事と相性が良いことが特徴です。

他にも、カーネーションやスターチス、シロユリなども長持ちするお花で人気があるようです。もし春彼岸の供花であるのならば、季節のお花である牡丹やマーガレットなどを一緒に持っていってもいいかもしれません。

供花にふさわしくない花

一方で、ふさわしくないお花もあるため注意が必要です。棘を持つバラなどのお花や、毒や強い香りのあるもの、アサガオなど独立して立てられないものや、花粉が多く、墓石を汚してしまう可能性もあるものなどは避けることをおすすめします。

このように美しい花をお供えすることで、ご先祖様にも感謝の気持ちを伝えられるでしょう。また、やがては枯れてしまう花の様子から、お供えする側も命の有限性や尊さを再認識できるのも供花の役割と言われています。

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お彼岸のお布施の目安

お彼岸の際、お坊さんに対してお礼の気持ちをお布施としてお渡しします。

お布施の相場

お布施はお彼岸だけではなく、法要を行ってもらうときには基本的に必要となるものです。金額の目安としては、5,000円〜3万円程度です。

価格帯が幅広いのですが、菩提寺と各家庭の関係性によっても異なり、あくまでも自分がお渡ししたい金額をお渡しするのがよいとされています。

悩んでしまう場合には、失礼にならず、かといってお坊さんに気を遣わせてしまわない程度の丁度いい料金を近親者に相談してみると良いでしょう。

自宅で法要する場合は3万円以上

また、もし自宅に足を運んでもらい、個別で彼岸法要をしてもらうとなるとおおよその場合3万円以上を想定していると安心です。

お坊さんの出張サービスなどもありますが、そちらもだいたい3万円程度でサービスを受けることができます。

参考にしてみてください。ただ、あくまでもお布施を渡す目的は、お坊さんにわざわざ法要を行ってもらうことへの感謝の気持ちを伝える手段であることを忘れないようにしましょう。

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お彼岸の日に行ってならないことはない

お彼岸は仏事であるものの、特に期間中してはならないことや制限されることもありません。

喪中では控えることが多い

たとえば親族が亡くなった後の期間は、喪に服する「喪中」という期間であるため、身を慎まなけれなならないという決まりがあります。

この場合、結婚式などのハレの場に参加することを制限されたり、年賀状を送るのを控えたりしなければならないのですが、お彼岸の日は特にそういったことはありません。

お彼岸は先祖に思いを馳せる時期

中には、お彼岸の期間に結婚式を挙げてはならない、車の納車や神事を行ってはならないと考える人もいるようですが、仏教に置いては禁止されているわけではありません。

ただ、悪事をはたらいてよいというわけでもありません。あくまでもお彼岸は、ご先祖様や仏様に思いを馳せ、また自らの心身と向き合い直す時間であるということを頭に入れておきましょう。

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春彼岸についてのまとめ

「春彼岸」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。

【お彼岸とは?】
●日本の特別な暦日のひとつで、春分の日、秋分の日をそれぞれ中日とし、前後3日ずつの7日間の期間のことを指す
●お彼岸の期間は、親族が集まりご先祖様への感謝や健康に過ごせるようにと思いを込めて、お墓参りをし、お坊さんにお経を読んでもらって、手を合わせることが主流

【春彼岸とはなにか?】
●一年で春と秋の2回あるお彼岸の期間
●春分の日も秋分の日も国民の祝日であり、毎年2月頃になると次の年の日程が決められる

【お彼岸とお盆の違い】
●お盆は毎年8月15日頃。お彼岸は春分の日もしくは秋分の日
●お盆は仏教用語である「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という言葉を省略したもの
●8月15日前後はお盆休みとなる

【お彼岸の準備と迎え方】
●仏壇や仏具の手入れ
●お墓の掃除
●お坊さんの手配
●供花やお供え物の準備
 -供花にふさわしいのは菊やカーネーションやスターチス、シロユリなど。
 -供花にふさわしくない花もあるので注意(棘を持つバラなどのお花や、毒や強い香りのあるもの、アサガオなど独立して立てられないもの)
 -お供え物に適しているのは、おはぎやぼたもち。もしくは故人の好きだった食べ物

【お彼岸の過ごし方】
●自分たちの家系のお墓の元に足を運び、ご先祖様が飲むための水を入れたり、供花や食べ物などのお供え物をお供えしたり、お線香をあげる
●彼岸会と呼ばれる法要が行われる
●お墓参りや彼岸会が終わると精進料理を頂く
●悟りの境地に到達するための6つの行いを指す六波羅蜜(ろくはらみつ)の修行をおこなう

【お彼岸のお布施の目安】
●お布施の相場は5,000円〜3万円程度
●自宅で法要する場合は3万円以上

 

春彼岸をはじめ、お彼岸やその概要についてまとめてきましたがいかがでしたでしょうか?お彼岸という言葉はよく耳にする言葉ですが、親族で法要を行うといった点からお盆と混同してしまうケースも少なくありません。

春彼岸は、お彼岸の中でも春分の日を中日とする期間のことですが、この期間には基本的にはお墓参りに行き、彼岸法要を行った後に精進料理をいただくのが一般的な流れです。

そして自らも六波羅蜜の修行を行うとよいと言われています。また、大事な節目となる時期でもあるので、お墓や仏壇の掃除も行うとよいでしょう。

お盆もご先祖様を尊ぶという意味合いではお彼岸も同じなのですが、六波羅蜜の修行などを見ると、春彼岸とお盆とでは時期や目的が異なることがおわかりいただけるかと思います。

春彼岸は、ご先祖様や仏様のいるお彼岸に思いを馳せながらも、自らを問い直すいい機会になるのではないでしょうか。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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