肝臓がんは他のがんに比べて生存率が低いですが、余命宣告されても明日亡くなるわけではありません。本記事では、精神状態や気持ちの向き合い方だけではなく、病院選びや後悔しないために行う治療費軽減・終活といった余生にやるべき準備7つも紹介します。
「肝臓がんで余命3ヶ月と宣告されてしまった…」
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、とても丈夫であり、少しくらい腫瘍ができても機能低下しないため、自覚症状がでにくく、発見も遅くなる傾向があります。
食生活や喫煙、飲酒、生活習慣、ストレス、疾病を持っている方が肝臓がんになりやすいと言われているため、心当たりがある方は注意しましょう。
こんな話を聞いてしまうと、
「もう余命通りにおしまいなんだ」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、余命宣告とはあくまで医師が統計上のデータと経験を元に推測しているため、必ず3ヶ月で亡くなるわけではなく、中にはそれ以上生きる方もいます。
実際に「がんになっても|皆さんからの体験談」より、肝臓がんと診断され、当初「手術はできない」と言われていましたが、手術を行い、3ヶ月ごとの検査は続いているものの、4年経った今でも再発せずに元気な方もいるのです。
本記事では、今の気持ちを少しでも整理できるように、”肝臓がん”ついてお話しながら、これから後悔しないための以下3つのことを詳しく順番に解説していきます。
- 1.がん患者の精神状態と向き合い方
- 2.肝臓がんで余命宣告、失敗しない病院選びポイント2つ
- 3.余命宣告されて余生にやっておくべき準備7つ
- 2.肝臓がんで余命宣告、失敗しない病院選びポイント2つ
4.今はまだ、大切な人や家族に何かしてあげるような気持ちになれないかもしれません。しかし、気持ちを整理し向き合うことで、落ち着いて現状を理解できるでしょう。
流れのままに読んでいけば、どういった手続きがあり、何をしなければいけないのかも分かってきますので、ぜひ最後まで読了ください。
また、大切な方が余命宣告をされて接し方などで悩んでいる場合は、「【もし大切な人が余命宣告されたら】後悔しないための4つのポイント」も併せて参考にしてください。
INDEX
肝臓がんで余命宣告されたとしても諦める必要はない
肝臓がんと診断され、余命宣告されたとしても人生を諦める必要はありません。
余命宣告とは、あくまで医師が統計上のデータと経験を元に推測しているため、必ず3ヶ月で亡くなるわけではなく、中にはそれ以上生きる方もいます。
確かに、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、とても丈夫で少しくらい腫瘍ができても機能低下しません。そのため、自覚症状がでにくく、発見も遅くなる傾向があります。
さらに、肝臓がんと診断されましたが、5年生存した割合については以下の通りです。
症例数 | 実測生存率 | |
ステージ1 |
1,862人 |
57.2% |
ステージ2 |
1,030人 |
36.4% |
ステージ3 |
876人 |
13.7% |
ステージ4 |
817人 |
3.5% |
引用元:全がん協加盟施設生存率協同調査|5年生存率 2011年~2013年全症例
上記の表の数字を見ると、不安が増してしまうかもしれませんが、全ての方が亡くなるわけではありません。
実際に、ジャーナリストである鳥越俊太郎さんは、始めは肝臓ではないものの、2005年に直腸がんの手術を受け、その後2009年に肝臓に転移が見つかり再手術をしました。
しかし、今はYouTubeやTwitterで情報発信しながら講演会を行い、現在も元気な姿で活動されています。
肝臓がんだけではなくがんという病気は、まずは余命がどうであれ、5年や10年と長い時間をかけて治療をしていく病気だと理解し、これからの人生を諦めずに生きていくことが大切です。
がん患者の精神状態と向き合い方
肝臓がんに限らずがんと宣告された場合、「何かの間違いだ」「そんなはずがない」といった自己防衛が働きます。
さらに、不安などが続くと、眠れなかったり、食欲がなくなったりといった辛い状態に陥ってしまうかもしれません。
がんを宣告された方が不安で落ち込んでしまうのは、自然なことだといえます。まずは気持ちの変化について理解を深めながら、どのように向き合えばいいかを、順番に紹介していきます。
気持ちと向き合う方法
- 1.がんと診断された場合の心の変化
- 2.悲しみと向き合うことから始める
- 3.同じ境遇の方が執筆した本やブログを読む
がんと診断された場合の心の変化
「がん」という言葉を聞くと大きなストレスから、不安になり落ち込んでしまうのが一般的です。しかし、心の状態は以下のような流れで動き、徐々に変化していきます。
- 1.ショック期
「まさか自分が、がんになるはずない」という状態
- 2.否認期
「何かの間違いだ」という否定して認めない状態
- 3.混乱期
状況を受け入れながらも、「これからどうすればいいのか」という余生に不安を感じて混乱している状態
- 4.努力期
今の自分が「何をしたらいいか」を考えて、解決に向けて努力しようとする状態
- 5.受容期
価値観が変わり前向きに捉えようと、行動し始める状態
- 5.受容期
- 4.努力期
- 3.混乱期
- 2.否認期
そのため、始めは何をしても思うように考えられず、受け入れられないことがあるでしょう。人によっても気持ちの変化期間は異なりますが、2〜3週間程度で落ち着く傾向がありますので、まずは時間をかけて解決していくことが大切です。
悲しみと向き合うことから始める
自分の気持ちを周囲に打ち明けるところから始めてください。悲しい気持ちを1人で抱え込んでしまうと、前に進めない状態が続くかもしれません。
周囲と気持ちを共有すると、1人で考えるよりも気持ちの整理ができる可能性があります。
他にも、家族や友人などには話しにくいけど、誰かに相談したい場合には、心理士や担当医といった専門家に相談することをおすすめします。
専門家は心についてのプロなので、今の気持ちから、どうしたらよくなるかといった「気持ちの運び方」を教えてくれるはずです。
同じ境遇の方が執筆した本やブログを読む
心の専門家であっても「当事者でもないくせに」と考えてしまい、なかなか意見を聞き入れられない場合があります。
そんな時こそ、がんを経験した方々の体験をまとめた本やブログを読んでみるといいでしょう。
文字は喋らないため、自分のペースで読み進められ、時間をかけることで気持ちの整理にも繋がり、客観的に自分の気持ちと向き合うことができるでしょう。
以下、数ある本の中から2冊を紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
1.がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと 1,980円
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がんの自然治癒を体験した100人以上の方にインタビューした結果、共通する「9つの実践事項」があることが分かりました。その9項目について、体験談を元に解説しています。
がんと向き合いながら、毎日を笑って送れるような前向きな気持ちになれる本です。
購入した方のレビュー
【評価:★★★★★】癌になっあら病気になったら読んでほしい
癌になって、抗がんや放射線に頼らない治療の本を探していたところ、この本に出会いました。
作者は自分の思い込みや経験ではなく、1000人の劇的寛解のがん患者に会ってどう考えたか何をしたかの話をまとめてあるので、とても参考になり、癌になってしまった自分を見つめるのと同時に怖くもなくなりました。笑って過ごして必ず治せる気持ちが湧きました。このサプリとかこの食べ物とか、このスピリチュアルとかそういう限定ではなく、治った人みんなの共通項目がまとめられているのがすごくいい。
病気は自分で向き合うものだと確信しています。きっと、病気にならないと本当の意味でピンと来ないかもしれないけれど、絶対に治さなければならない病気になったら、身体の病気も、心の病気でもぜひ読んでほしい本だと思いました。
引用元:Amazon
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- 2.5年生存率7%未満のがんステージIVを宣告された私が8年たっても元気な理由1,540円
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ステージ4と診断された方は、5年生存率は極めて低いですが、この本ではがんという絶望や死の恐怖から、どのように再発を防ぎ、退院直後から8年間行ってきたかを紹介しています。
食生活や生活習慣の改善だけでなく、不安に打ち克つ方法が書かれていますので、新しい道が見つかるかもしれません。
購入した方のレビュー
【評価:★★★★★】私も5年生存率が低い癌と告知を受けたので共感し尊敬!
私も生存率が低い癌だと医師に告知され、著者と同じ様に真っ白になりました。まさか自分が癌にかかるとは夢にも思わなかったので、癌とは怖い病気としか知識がなく、この本を探しまくりました。
著者がご自分の体験談を元に癌についてや、どうして癌を克服できたのかを具体的にお話して下さっているのでとても説得力があります。
引用元:Amazon
- 2.5年生存率7%未満のがんステージIVを宣告された私が8年たっても元気な理由1,540円
がんを経験した方の声やブログ
- 1.がんになっても|皆さんからの体験談
ブログではありませんが、がん患者本人や家族の声がたくさん書かれています。がんの種類や細かい状況などを選択して検索できるので、似ている境遇の方が見つかるかもしれません。
- 2.肝臓のがんと闘う旅行と株式投資が好きなパパのブログ
高校の英語教師をしていた方で、2018年8月に肝臓がんと診断され、現在も治療を続けている方です。株式投資を利用しながら、楽しく生活しています。
- 3.ゆいの肝臓がんブログ
手術をして5年経っている方で、3ヶ月に1回は検査を行っているものの、旅行や日々の出来事を書いていて、元気に生活している姿に勇気づけられるでしょう。
- 3.ゆいの肝臓がんブログ
- 2.肝臓のがんと闘う旅行と株式投資が好きなパパのブログ
肝臓がんで余命宣告、失敗しない病院選びポイント2つ
肝臓がんに限らずがんと宣告されると、そのまま検査した病院で治療を受けることがほとんどです。しかし、もし検査結果や医師との意思疎通ができない場合、他の病院でセカンドオピニオンを受けるといいでしょう。
セカンドオピニオンとは、診断や治療選択などについて、現在の担当医とは別に、違う医療機関の医師に第2の意見を求めることをいいます。セカンドオピニオン=転院と考えられてしまいがちですが、基本は現在の担当医の元で治療を受けることが前提です。
たとえ医師でも、1人の意見だと「本当にその治療法でいいのか」と考えてしまい、納得して選択できない場合もあります。
自分が納得した上で治療を行えば、後悔せずに前を向いて専念できるでしょう。以下、重要な順番に2つのポイントを紹介します。
病院選びのポイント2つ
- 1.大きい病院だけに固執しない
- 2.心に寄り添ってくれる医師を探す
大きい病院だけに固執しない
がんと聞くと大きな病院でないと治療ができないと考えてしまいがちですが、クリニックでもがん治療を行っているところはあります。
専門的に治療を行っているところもありますので、大きな病院で検査した後、セカンドオピニオンをこうしたクリニックで相談するのもいいでしょう。
がんを治療するために、いろいろな病院を探すことになります。以下、必ず確認しておきたいポイントを紹介します。
- 1.新しい医療機器を導入しているか
医療機器は高額で、扱うには勉強が必要なため
- 2.病院の口コミを調べる
がん治療は長い付き合いのため、信頼できるところを選ぶ
- 2.病院の口コミを調べる
がん治療を行っている病院紹介
- 1.Clinic C4(クリニックC4)
身体への影響が少ないトモセラピーを使用しているクリニック
- 2.江戸川病院
22時まで放射線治療を行っているため、働きながらでも治療が受けられる病院
- 2.江戸川病院
心に寄り添ってくれる医師を探す
医師だからといって、誰しもがんに詳しいわけではありません。そのため、がんの治療や転移治療で、実績のある医師が在籍している病院を探すようにしてください。
さらに、近年ではどの病院でもチーム医療を行っています。優秀な医師が1人いたとしてもチーム関係者が技術不足だと、いざ治療を開始したら不安に思ってしまうかもしれません。
まずは、ホームページなどで病院全体での実績数を確認し、併せて医師の紹介も確認しておくといいでしょう。
余命宣告されて余生にやっておくべき準備7つ
万が一のことを考えて、大切な家族が後々困らないために、以下の7つのことを準備しておくと、自分にとっても安心して毎日の生活を送れます。
さらに、がんの治療には高額な費用が必要です。治療費を軽減させる制度も紹介しながら、行うべき順番に紹介していきます。
順番に読み進めていけば金銭面や手続き関係も分かり、今から後悔しないための行動ができるでしょう。
余生にやっておくべき準備7つ
治療費軽減制度を知る
がん治療は費用が高額です。治療法や部位によって費用は異なりますが、3割負担であっても一度の支払いに7万円〜300万円以上かかる可能性があります。
そのため、軽減制度を知っておくことで、高額な請求があったとしても費用を抑えながら、安心して治療にも専念できるでしょう。
以下の項目に分けて、申請するべき順番に紹介していきます。
申請可能な制度一覧
※公的医療保険とは:健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険、共済組合などのこと
支払い前に手続きした方がいい制度 | ||
制度 | 利用可能な方 | |
限度額認定証
医療費が高額になることが予想される場合、予め公的医療保険に申請し、送られてきた認定証を医療機関の窓口で提示すると、通常の支払いよりも軽減される。 |
治療費が高額になると予想される方 | |
高額療養貸付制度
医療費が高額で支払い困難な場合は、高額療養費が払い戻されるまでの間、還付金の8〜9割程度の金額を無利子で借受できる制度 申請場所:公的医療保険(※) |
医療費の支払いが困難な方 |
事後に手続きするべき制度 | ||
制度 | 利用可能な方 | |
高額療養費制度
月初から月末までの1ヶ月で世帯が支払った医療費が高額であった場合、収入や年齢に応じて後から払い戻される制度。 申請場所:公的医療保険(※) |
69歳未満は一度の支払いが21,000円以上の方、または70歳以上は全部の自己負担額の合計が21,000円以上の方 | |
医療費控除
毎年行われる確定申告時に1年間で、世帯が支払った医療費が10万円を超えた場合、医療費控除の対象。 申請場所:税務署 |
税金の還付を受けたい方 | |
傷病手当金
被用者保険の加入者本人が病気や怪我で4日以上仕事を休んだ場合、1日給与の3分の2程度を補償する制度。 申請場所:勤務先または公的医療保険 |
仕事を休職したい方 | |
障害年金
病気や怪我によって、日常生活に支障が出た場合に受けられる制度。身体に障害があると証明する「医師の診断書」が必要。 申請場所:年金事務所や市区町村の国民年金担当窓口 |
病気で生活や仕事などが制限された方 |
保険会社へ連絡する
がんと宣告された場合、加入している保険会社に忘れずに連絡して、現状を説明してください。
加入している保険の内容によっては、以下の特約を利用できる場合もあります。上記で紹介した制度とは別で治療費の確保ができるため、必ず確認するといいでしょう。
保険会社で利用できる2つの特約
制度 | 利用可能な方 | |
先進医療特約
厚生労働大臣が「先進医療だ」と認可した治療を受けた時にかかる費用の全額、または特約の上限内で保証される特約 |
先進医療を受けたい方 | |
リビング・ニーズ特約
余命6ヶ月以内といった一定の余命期間と診断された場合に、死亡保険金の一部または全部を生前に受け取れる特約 |
余命6ヶ月以内と宣告された方
※保険会社規定で多少前後あり |
財産と負債の確認
財産と負債の確認を行うことで、家族が行う相続税の申告が簡単になります。
例えば、財産とは家や土地、車、銀行口座、年金、証券、株式投資などです。ローンなどの借金もある場合にも、しっかりとまとめておいてください。
財産が多い場合には、弁護士に依頼して作成してもらえますが、個人で作成する場合には、Excelなどで財産目録として作成しておくといいでしょう。
財産目録は、いざ書こうとしても書けるものではありません。詳しい書き方については、「「財産目録」の書き方のポイントは5つだけ!簡単な作成のコツを解説」「相続をよりスムーズに!「財産目録」の目的と知るべき3つのメリット」を参照ください。
相続人と配分を確認
財産の確認ができたら、誰に何の遺産を渡すかを考えておくと、後で書くことになる遺言書の作成時にスムーズに取り組めます。
相続は適当に配分できるわけではなく、基本的には配偶者や子どもがいる場合、民法が定める「相続人の優先順位」と「相続の割合」通りに配分されるのです。
しかし、何らかの理由から配偶者や子どもがいない場合には法定相続人の範囲が親や兄弟、親族まで広がり、人数が増えたことでトラブルになる可能性があります。
配分が複雑になるようであれば、行政書士などの専門家に相談するか、「原戸籍謄本」を取り寄せて確認してみるといいでしょう。
相続には遺産相続の順位や範囲や順位のパターンが決まっています。実際に、遺産の分配はどのようにして行うべきかは、「遺産相続は配偶者が最優先!順位を決める4つのポイントと割合を解説」を参考にしてください。
エンディングノートの作成
財産や相続人について確認ができたら、自分の終末期や亡くなった後のことなどを記載するエンディングノートを書きます。
遺言書とは違い法的拘束力がないため、自分の考えやメモ代わりにも使えます。
万が一の時に、家族に伝えておきたいことや治療法(延命治療をするかしないか)、葬儀の希望を書いておくといいでしょう。
自分の気持ちを書き出しながら書くことで、気持ちの整理にも繋がります。さらに、思いついたことをメモしておけば、残された時間の中で「やっておきたいこと」が見つかるかもしれません。
エンディングノートに書いておくといいこと
- ・生年月日や血液型、本籍地といった自分の個人情報
- ・家族などの家系図
- ・学歴や職歴、資格
- ・運転免許証番号や健康保険証番号、マイナンバー
- ・自分について(好きなことや自分の行き方、趣味、特技など)
- ・預金や不動産といった財産
- ・デジタル遺品(ネット上にあるアドレスや登録しているサイトなどのID・パスワードなど)
- ・親しい友人や知人のこと
- ・葬儀について(信仰している宗教や葬儀の方法)
- ・遺言書について
- ・万が一の時に連絡してほしい人の連絡先 など
遺言書の作成
遺言書とは自分の死後に財産をどのように分けるかを示したもので、財産の分け方を書いておけば、渡したい人に財産を譲ることができます。
遺言書は以下のことができるため、トラブルにならないように示しておくといいでしょう。
- 1.誰に何を渡すかを指定できる
- 2.特定の相続人から相続の権利を剥奪可能
- 3.隠し子を認知できる
- 4.遺言書の内容を執行する遺言執行者を指定できる
- 5.保険金の受取人が変更できる
さらに、遺言書には3種類あり、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があり、一般的に利用されるのは「自筆証書遺言」「公正証書遺言」です。以下2種類について、簡単に紹介します。
- 1.自筆証書遺言【費用:0円、ただし法務局などで保管の場合、手数料3,900円】
財産目録を除き、すべて本人の手書きであることが必須条件。簡単に作成でき費用もかからないが、法的要件を満たしていないと無効になる可能性がある。
- ・本人の手書きであること(パソコンや代筆での作成は不可)
- ・誰に何を残すかを明記している
- ・遺言書を書いた日付が明記している
- ・署名・押印している(実印がより効果的)
- 2.公正証書遺言【費用:2万円~5万円】
公証役場の公証人に、遺言書に記載したい内容を伝えて作成してもらう。作成後は公証役場で保管され、紛失の心配も、誰かに見られる心配もない。
- 2.公正証書遺言【費用:2万円~5万円】
自筆証書遺言は費用をかけずに簡単に作成できますが、病気をしていると自力で書くのも難しいかもしれません。そうした場合には、公正証書遺言を利用して公証人に書いてもらうといった方法がおすすめです。
遺言書がなければ、遺産の分配は相続人全員で話し合って決めることになりまが、相続問題に発展しやすいため、しっかりと準備しておくといいでしょう。
何もない状態で遺言書を書くのは難しいです。詳しい遺言書の書き方は、「【文例付き】相続プロが教える!有効な遺言書の書き方完全マニュアル」を参考にしてください。
葬儀の準備
葬儀の準備は、「生前予約」を考えておくといいです。生前予約とは、葬儀の規模や内容、費用、支払い方法など事前に葬儀会社と相談して、予約しておくことを指します。
自分の意思で葬儀を選ぶと、自分らしい形が選べ、さらに大切な家族が後々精神的にも金銭的にも楽になるでしょう。
しかし、生前予約は事前に予約しておくものなため、信頼できる葬儀社を選ぶことが大切です。
葬儀プランの見直しや解約ができるか、解約時に違約金が発生するか、支払った金額が返金されるのかといった点を確認します。
仮に今すぐ予約をしても時間が経てば、葬儀に対する考え方が変わる場合もあります。また、葬儀社の新しいプランに心移りすることも考えられるため、必ず確認しておくといいでしょう。
葬儀の準備には、実に50項目以上ものことを決めなければいけません。何から始めればいいか分からない場合は、「【保存版】葬式準備に必要な8つのポイントと4つの注意をプロが解説」を参照ください。
葬儀についての不明点や疑問は「やさしいお葬式」から24時間365日無料相談を承っています。しつこい勧誘等も致しませんのでお気軽にご連絡ください。
まとめ【肝臓がんで余命宣告されても諦めない】
肝臓がんと診断され、余命宣告されたとしても人生を諦める必要はありません。余命宣告はあくまで医師が統計上のデータと経験を元に推測しているため、必ず3ヶ月で亡くなるわけではないからです。
確かに、肝臓がんは他のがんに比べて生存率は低めですが、著名人に限らずブログやSNSで体験をつづりながら、元気に生活を送っている方々がいることを忘れないようにしてください。
さらに、がんと向き合いながらやらなければいけない手続きがたくさんあります。以下のことを参考にすれば、少しでも不安から解放されるでしょう。
気持ちと向き合う方法
- 1.がんと診断された場合の心の変化
2〜3週間程度かけながら、以下のように気持ちが変化していく。
ショック期~否定して認めない否認期~混乱期~解決に向けて努力しようとする努力期~価値観が変わり、前向きに捉えようとする受容期
いつかは必ず気持ちが変化するタイミングがあり、時間が必要だと思っておく。
- 2.悲しみと向き合うことから始める
家族や友人たちに気持ちを打ち明け、相談をする。しかし、大切な人だからこそ相談できない場合には、心のケア専門家に相談をするといい。
- 3.同じ境遇の方が執筆した本を読む
専門家であっても当事者ではないため、意見を上手く受け取れない場合には、がんを体験した方々を元にした本を読んでみる。
- 3.同じ境遇の方が執筆した本を読む
- 2.悲しみと向き合うことから始める
余生にやっておくべき準備7つ
- 1.治療費軽減制度を知る
支払い前に手続きした方がいい制度 制度 利用可能な方 限度額認定証 治療費が高額になると予想される方 高額療養貸付制度 医療費の支払いが困難な方 事後に手続きするべき制度 制度 利用可能な方 高額療養費制度 69歳未満は一度の支払いが21,000円以上の方、または70歳以上は全部の自己負担額の合計が21,000円以上の方 医療費控除 税金の還付を受けたい方 傷病手当金 仕事を休職したい方 障害年金 病気で生活や仕事などが制限された方 - 2.保険会社へ連絡する
保険会社で利用するべき2つの特約
制度 利用可能な方 先進医療特約 先進医療を受けたい方 リビング・ニーズ特約 余命6ヶ月以内と宣告された方 - 3.財産と負債の確認
遺産となる家や土地、車、銀行口座、年金、証券、株式投資や家のローンなどの負債を書き出しておく。
- 4.相続人と配分を確認
誰に何の遺産を渡すかを考えておく。基本的には、民法が定める「相続人の優先順位」と「相続の割合」通りに配分される。
- 5.エンディングノートの作成
終末期や自分が亡くなった後のことなどを書くノートで、遺言書とは違い、法的拘束力がないため、自分の考えやメモ代わりに使用するといい。
- 5.エンディングノートの作成
- 4.相続人と配分を確認
- 6.遺言書の作成
「自筆証書遺言」は費用をかけずに作成可能だが、1つでも間違えたら法的拘束力はなくなる。
しかし、「公正証書遺言」は2〜5万円程度かかるが、公証人に内容を伝えて書いてもらえる。亡くなるまで保管もしてくれる。
- 7.葬儀の準備
「生前予約」を考えておく。葬儀社に、葬儀プランの見直しや解約ができるか、解約時に違約金が発生するか、支払った金額が返金されるのかといった点を確認するといい。
- 3.財産と負債の確認
- 2.保険会社へ連絡する
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール