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家族葬での会社への連絡方法は?マナーと伝える内容を紹介

Jul 20 2024

年々増えてきている家族葬。家族葬は、ごく小規模で行う為、故人が会社員だった場合、会社への連絡方法に戸惑う方も多いのではないでしょうか。本記事では、家族葬を執り行う場合の会社への連絡の文例や香典を辞退する場合についてなど解説しています。

葬儀形式の多様化にともなって、家族葬は年々増えてきています。しかし、通常の葬儀とは異なるため、連絡方法や香典などの受け取りをどうするかなど、遺族も戸惑ってしまうことも少なくありません。特に困る人が多いのが、故人や喪主、遺族が勤務している会社への連絡方法や対応です。また、会社側でも家族葬の場合にどう対応するか規定されていないこともあります。

この記事では、家族葬を執り行う遺族側から会社への対応、会社側から遺族への対応の両方について詳しく解説します。

家族葬とは?

家族葬とは、文字どおり故人の家族や親族を中心に行う、小規模の葬儀を言います。故人の遺志や家族の意向で「大がかりな葬儀はしない」「身内だけですませたい」といった理由で選ばれることが増えています。故人とのお別れの時間を確保しやすく、一般的な葬儀より費用を抑えられるのがメリットです。

家族葬では葬儀の日時や会場を知らせない

しかし、「家族葬だから」と伝えても、知っている人が亡くなったと聞けば、誰しもお参りだけでもさせてほしい、香典を受け取ってほしいと思うものです。家族葬ではこうした気遣いや予期せぬ会葬を遠慮してもらうために、基本的に葬儀の日時や会場を知らせません。

故人の友人や近所の人などへは、葬儀が終わった後で、死亡通知状などで故人が亡くなったことや、家族葬で葬儀をすませたことを報告します。そのため、葬儀後自宅への弔問が多くなり、対応に追われる可能性があるというデメリットがあります。

家族葬のメリット・デメリットについては「家族葬によるメリットデメリットから、家族葬で葬儀を行う場合の費用相場までを徹底解説!」の記事もご参考ください。

家族葬の場合の会社への連絡

家族葬を選択したとはいえ、故人や遺族が勤務している会社に対しては連絡が必須です。少なくとも社員本人が亡くなったことは知らせなければなりません。また、遺族も葬儀やさまざまな手続きのために、一週間は忌引休暇を取ることになります。その間、上司や同僚に自分の仕事をフォローしてもらう必要があるため、迅速な連絡が望ましいとされているのです。

ここでは、家族葬で葬儀を行う際の、会社への連絡方法やマナーについて解説します。

故人が亡くなって気が動転しているときに、会社へ大切な連絡をしなくてはならないのは大変なことです。言いたいことが十分に伝わらない可能性もあります。ここでは言い忘れや説明不足を防ぐために、連絡するべきポイントをまとめました。

誰が亡くなったか、亡くなった人との関係を明確にして伝える

会社に勤めている本人が亡くなったときは、できるだけ早く知らせましょう。この場合、故人は死亡退職ということになり、会社側でもさまざまな手続きが必要になるからです。

自分が勤務している会社であれば、亡くなった人が自分とどのような関係にあるかを明確に伝えます。忌引休暇の規定がある会社の場合、亡くなった人との関係の近さによって取得できる日数が変わってくることが多いので、何日取れるか、合わせて確認しておくとよいでしょう。

葬儀は家族葬で執り行うことを伝える

葬儀を家族葬で執り行う場合は、訃報と一緒に知らせるようにします。会社の上司や同僚が弔問に訪れることが予想される場合には、遠慮してもらいたいという意向をなるべく早く連絡しましょう。上司や同僚が通夜や葬儀に参列するために予定を変更したり、香典を用意してしまったりといった気遣いをさせないためです。

また、家族葬であることを知らせないと、会社側は一般葬と考えて、香典や供花、供物などの手配を始めてしまいます。葬儀会場に届いてから「実は家族葬なので受け取れない」と断ると、遺族も会社側も、お互いに困ることになります。こうしたトラブルを防ぐためにも、家族葬で執り行うこと、香典や供物などを辞退するときは、その旨を忘れずに伝えましょう。

休みを取る期間を伝える

忌引休暇(慶弔休暇)は社員の親族などが亡くなった時に、会社が特別に与える休暇です。福利厚生(賃金・給与以外の非金銭報酬。健康保険や各種手当など、会社が費用の一部またはすべてを負担する)の一つで、通常忌引休暇で休んだ場合は欠勤扱いになりません。また、正社員かパートかなど、雇用形態によりますが、有給であることが多いようです。

一般的な忌引休暇の期間

忌引休暇の期間は、会社の規定や亡くなった人との関係によって異なりますが、一般的には以下のようになっています。

配偶者:10日間
父母:7日間
子:5日間
祖父母:3日間
兄弟姉妹:3日間
おじ・おば・孫:1日間
配偶者の父母:3日間
配偶者の祖父母:1日間
配偶者の兄弟姉妹:1日間

忌引休暇は故人が亡くなった日またはその翌日を一日目として数えます。自分の会社がどちらを起算日とするか、連絡時に確認しておくとよいでしょう。その上で、自分が休みを取る期間を伝えます。

喪主の場合は長く休みを取ることも考慮しておく

ただし、喪主となった場合は、葬儀が終わった後も支払いやさまざまな手続きに忙殺されがちです。また、家族葬で葬儀をすませたことを故人の友人などが知って、弔問に訪れることも多くなる可能性があります。心配な人は忌引休暇に有給休暇を加えて長めに休みを取っておくことをおすすめします。忌引休暇は途中で切り上げても構わないので、事後処理や弔問客が一段落したところで出社するようにしましょう。

香典をもらった場合

香典は故人への弔意を表すものであると同時に、葬儀の費用を援助するという意味もあります。そのため、家族葬であっても親族以外から香典をいただいたら受け取ることになっています。ただし、基本的に返礼品を用意していないので、この場合は後日改めて返礼をしましょう。

香典を辞退する場合

香典を辞退する旨をあらかじめ知らせておいた場合は、お礼の言葉を述べた上でいただいた香典をお返しします。どうしても受け取ってほしいと言われたら「故人の遺志」「宗教・宗派上の理由」など、相手が納得できるよう、理由を丁寧に伝えるとよいでしょう。

また、「香典・供物等は辞退する」という意志を遺族・親族全員が共有することが大切です。ある人からはもらったのに、別の人には辞退したなど、異なる対応をしないように注意しましょう。

香典については「葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!」の記事もご参考ください。

会社の方が弔問してきた場合

故人や遺族の上司や同僚が弔問に訪れた場合は、まずお礼の言葉を述べましょう。その上で家族葬であることを丁重に伝えます。しかし、せっかく足を運んでくれたのに、家族葬だからと引き取ってもらうのは遺族としても心苦しいものです。その場合は状況を見て、焼香だけでもしてもらうとよいでしょう。

弔問については「弔問とは?意外と知らない弔問の注意点とマナーを徹底解説!」の記事もご参考ください。

家族葬であることを情報共有してもらう

本来、家族葬に身内以外の人が弔問するべきではありません。しかし、家族葬で行うことを知らなかったという可能性も考えられます。こうした事態を防ぐために、会社へ訃報を入れる際には、葬儀を家族葬で行うことを必ず伝える必要があるのです。情報が総務部から社内に行き渡るように依頼するとよいでしょう。

また、訃報を改めてFAXで知らせるのであれば、家族葬で行うことや親族以外の参列や香典などは辞退することなども合わせて連絡できます。近年では、家族葬の場合は葬儀の日時や会場を知らせないのが一般的になってきています。

訃報については「訃報のお知らせを完全解説!文例集と書き方・マナー・送り方・返信の仕方を紹介!」の記事もご参考ください。

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会社へ訃報などの連絡をする際のマナー

社員本人または家族が亡くなった場合は、できるだけ早く会社に連絡をする必要があります。すでに述べたように、会社側ではさまざまな手続きや、福利厚生上の準備があるからです。しかし、電話に出た人に一言伝えればよいというわけではありません。

ここでは会社へ訃報などの連絡をする際に知っておきたいマナーについて解説します。

連絡を入れるのは総務部と上司へ

会社への連絡は、まず総務部へ入れましょう。会社の代表電話番号が総務部になっているところが多いということもありますが、特に社員本人が亡くなった場合に各種の手続きをしてもらうために必須だからです。誰が亡くなったのか、自分との関係などを説明し、忌引休暇の期間も知らせておきます。

葬儀を家族葬で行うときや、弔問や香典、供物などを辞退するときは、その旨も伝えておきましょう。

親族が亡くなって忌引休暇を取る場合は、総務部だけでなく自分の直接の上司にもできるだけ早く連絡するのがマナーです。自分が休んでいる間の仕事の割り振りや、進捗状況などを知らせておく必要もあるためです。その際に、総務部へ知らせた内容に加えて、忌引休暇中の緊急連絡先も伝えておくと、会社側が確認したいことなどがある場合にスムーズです。

仕事に深く関係する人へはなるべく連絡する

身内の不幸の多くは、突然起こるものです。葬儀のために急に休まなくてはならなくなっても「休んで申し訳ない」と謝る必要はありません。

しかし、現在担当している案件や、チームで取り組んでいる仕事がある場合には、自分が休むことで進行に支障が出たり、同僚に負担がかかったりすることもあるでしょう。「忌引だから休むのが当然」と考えず、休んでいる間にサポートしてくれる同僚に感謝の気持ちを忘れないようにしたいものです。

また、自分が直接やり取りをしている取引先や社外の担当者に対しては、同僚から忌引で休んでいることを連絡してもらうとよいでしょう。忌引休暇の予定も合わせて知らせておくと、先方からの電話や訪問を控えてもらうこともできます。葬儀が終わって出社したら、上司を始め、同じ部署やチームの人など仕事のフォローをしてもらった同僚に挨拶を兼ねて、お礼の言葉を忘れずに伝えましょう。

亡くなった後の手続きについては「家族が亡くなくなった時こそ冷静に!死亡に際して必要な手続き」「親が死んだらすることは何?亡くなってから一周忌までを時系列順に解説!」の記事もご参考ください。

家族葬を会社へ連絡するときの例文

家族葬を会社へ連絡するときは、重要事項に漏れや抜けがないように気をつけましょう。自分が喪主や故人の親族の場合、会社から確認の電話があってもすぐには応答できない可能性があるためです。会社側も、仕事の合間に何度も確認の電話をするのは難しいかもしれません。

伝え忘れを防ぐために、会社に電話をかける前に連絡事項を一覧にしておくとよいでしょう。ここでは自分の父親が亡くなり、喪主を務める場合の例文を紹介します。

「〇〇部××課の□□ □□です。昨晩、父が亡くなりましたので連絡させていただきました。葬儀のため〇月×日から10日間、忌引休暇をいただきますのでよろしくお願いします。

葬儀は父の遺言で、身内だけで執り行うことに致しました。大変失礼ですが、ご厚志も辞退させていただきます。どうぞよろしくお願いします」

この他、仕事の上で知らせておきたいことや頼みたいことなどがあれば、直属の上司に伝えるようにします。伝達し忘れによって業務に支障が出ないよう、リストアップしておくとよりスムーズです。

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家族葬を会社に連絡した後の対応

次に、家族葬を会社に連絡した後で、慶弔見舞金や会社名での香典を受け取った場合の対応について解説します。

慶弔見舞金を受け取った場合

慶弔見舞金は福利厚生の一つで、社員本人または社員の家族にお祝い事(結婚・出産)や不幸(葬儀)があったときに支給されるお金です。葬儀の場合は弔慰金とも言われます。

香典と慶弔見舞金は別物

「香典は辞退すると伝えたのに」と戸惑うかもしれませんが、慶弔見舞金は香典とは異なり、故人への弔いと遺族への慰めの気持ちを表すものです。また、香典は喪主に渡しますが、慶弔見舞金はその会社の社員に対して支給されます。つまり、喪主に限るというわけではないということです。

慶弔見舞金は本来であれば総務部への申請が必要です。しかし、慣例として社員本人か社員の家族が亡くなったことを知らせた時点で手続きを始めてもらえることがほとんどです。慶弔見舞金がいつ支給されるかは会社によって異なりますが、香典と区別するために、葬儀が終わってしばらくしてからというところが多いようです。なお、慶弔見舞金については返礼は必要ありません。

会社名での香典を受け取った場合

慶弔見舞金の規定がない会社では、香典をその代わりとしていることがあります。また、福利厚生の一つとしている会社もあるでしょう。この場合は香典を辞退していても受け取るようにします。ただし、返礼はしなくても大丈夫です。

また、事前に連絡していても、会社の上司や同僚から、個人または連名で香典だけでもと出されるケースもよく見られます。この場合は、家族葬であること、香典などは辞退していることを改めて伝えて、お返しするようにしましょう。

香典返しについては「香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!」の記事もご参考ください。

会社側の対応

家族葬は増えてきてはいますが、まだ主流とはいえません。そのため、社員の遺族や社員本人から家族葬の知らせを受けたら、会社側は香典や供物は受け取ってもらえるのか、弔問は一切辞退するのかなど、詳細を確認する必要があります。

社内での通知

社員本人が亡くなったときは、会社全体に知らせなくてはなりませんが、社員の家族の場合は意向をよく確認しましょう。家族葬を選択したということは、身内の不幸をあまり広めたくないと思っている可能性があるためです。

「家族葬で執り行うが、社内には知らせてもらって構わない」という場合は、一般葬の場合と同じような文言で通知します。また、遺族が弔問や香典、供物などを辞退しているときは、社内通知にもその旨を必ず記載しましょう。

社員本人が亡くなった場合の通知文例

「社員各位

〇〇部××課 □□ □□殿
令和〇年〇月〇日、享年〇〇歳にて永眠されました。
ここに心よりご冥福をお祈りするとともに、謹んでお知らせします。

通夜及び葬儀、告別式は故人の遺志により、ご家族のみで執り行うとのことですので、ご会葬はお控えいただくようお願い致します。

また、香典・供物等のご厚志についても辞退されております。」

 

社員の家族が亡くなった場合の通知文例

「社員各位

〇〇部××課 □□ □□殿のご尊父、□□ △△様
令和〇年〇月〇日、享年〇〇歳にて永眠されました。

ここに哀悼の意を表するとともに、謹んでお知らせ致します。

通夜及び葬儀、告別式は故人の遺志により、ご家族のみで執り行うとのことですので、ご会葬はお控えいただくようお願い致します。

また、香典・供物等のご厚志についても、固く辞退されておりますので、ご配慮のほどお願い致します。」

社内通知で社員または社員の家族の訃報や、家族葬を行うことなどを知ったら、遺族の意向を汲んで弔問や香典を送ることは控えましょう。自分の上司など、日頃からお世話になっている人であれば、焼香や香典だけでもと思うかもしれません。しかし、あらかじめ家族葬であることを知らされている場合には、控えるのがマナーです。

会社から弔電を送る際の注意点

家族葬で香典や供物等を辞退していても、弔電までは断らず受け取ることが多いようです。直接葬儀に訪れるわけではないこと、返礼の必要がないことなどがその理由でしょう。

会社から弔電を送る際は、必ず事前に送ってもよいか確認しましょう。喪主あるいは遺族に連絡がつかない、電話がしづらいという場合には、家族葬を行う会場や担当する葬儀会社に問い合わせることをおすすめします。

宛名は「喪主」に

弔電の宛名は喪主にするのが基本です。わからない場合は、葬儀会場に葬儀の日時と喪家を伝えて確認します。確認が取りづらいときは宛名を「〇〇家ご遺族様」としてもよいでしょう。

弔電を送るときは故人の敬称に注意が必要です。故人が喪主や遺族など、弔電の受取人から見て、どのような関係にあたるのか、手配する前によく確認して間違いのないようにしましょう。

※受取人から見て
父:
ご尊父様・お父様・お父上様
母:ご母堂様・お母様・お母上様
夫:ご主人様・旦那様・ご夫君様
妻:ご令室様・奥方様・奥様
祖父:ご祖父様・お祖父様・祖父君
祖母:ご祖母様・お祖母様・祖母君
兄・弟:ご令兄様/ご令弟様・兄上様またはお兄様/弟様
姉・妹:ご令姉様/ご令妹様・姉上様またはお姉様/妹様
息子・娘:ご令息様/ご令嬢様・ご子息様/ご令嬢様またはお嬢様
伯父・叔母(父母の兄・姉):伯父様/伯母様・伯父上様/伯母上様・ご令伯
叔父・叔母(父母の弟・妹):叔父様/叔母様・ご令叔
配偶者の父母:お舅様/お姑様・お父様/お母様・ご尊父様/ご母堂様

弔電の例文

ここでは故人が喪主の父の家族葬に、喪主の会社の同僚から弔電を送る場合の例文を紹介します。

〇〇 〇〇(喪主)様

ご尊父様のご急逝を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。
心よりご冥福をお祈りいたします。
△△(会社名)□□部一同

送り先は「会場」に

弔電は通夜や葬儀で読み上げられることもあるので、送り先は葬儀会場とするのが一般的です。そのため、葬儀会場名と住所は必ず確認しておく必要があります。また、依頼主(この場合は会社名や所属部署名)もはっきりわかるようにしましょう。

弔電は遅くとも告別式が始まるまでには届くよう手配します。オンラインでは24時間受け付けており、申し込みから数時間で弔電を届けてくれるサービスもあるので、急な葬儀の場合にも活用するとよいでしょう。

忌み言葉を避ける

弔電に限らず、葬儀においては避けるべきとされる「忌み言葉」があります。死や苦しみ、不幸が重なることを連想させるような言葉の繰り返しは、マナーに反するので使わないようにしましょう。

●死ぬ、落ちる、病む、数字の4や9など
●重ね重ね、くれぐれ、再び、再三、つぎつぎなど

宗教による違いを考慮する

忌み言葉だけでなく、宗教や宗派によっては使用しない言葉や言い回しもあります。弔電を送るときには、できれば故人や喪家の宗教・宗派を確認することをおすすめします。

●仏教の場合:仏教の葬儀は、故人を仏弟子とし、浄土へ送る儀式とされています。そのため「迷う」「浮かばれない」など、故人の魂が浄土へたどり着けないことを思わせる言葉は避けましょう。また「天国」は仏教の概念にはないので使えません。

●キリスト教や神道の場合:キリスト教や神道の葬儀は、故人が召された先に存在する神への礼拝の儀式と考えられています。他宗教の用語は、キリスト教や神道において信仰される神以外に祈りを捧げることを意味するため、使わないようにしましょう。特にお悔やみによく使われる「冥福」「供養」「成仏」「合掌」「往生」といった言葉は仏教用語なので不適切とされています。

また、キリスト教の場合、弔電の冒頭部は「〇〇様のご逝去」でなく「神の御許に召された〇〇様」とするとよいでしょう。

●相手の宗教がわからない場合:「ご冥福をお祈りします」のような仏教用語を使わず、「心より哀悼の意を表します」など宗教に触れない文章にします。 

弔電については「どうやって送るの?弔電の送り方から費用・注意点までを徹底解説!」の記事もご参考ください。

家族葬の場合の会社への連絡についてのまとめ

「家族葬」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。

【家族葬とは?】
●故人の家族や親族を中心に行う、小規模の葬儀

【家族葬の場合の会社への連絡】
●誰が亡くなったか、亡くなった人との関係を明確にして伝える
●葬儀は家族葬で執り行うことを伝える
●葬儀の日時や会場は知らせない
●忌引休暇を取る期間を伝える
●仕事に深く関係する人へはなるべく連絡する 

【家族葬を会社に連絡した後の対応】
●慶弔見舞金を受け取った場合は返礼は必要ない
●会社名での香典を受け取った場合も返礼は必要ない

【会社側で対応すべきこと】
●社内での通知
●家族葬であることを明確にし、会葬を控えることを明記していおく

【会社から弔電を送る際の注意点】
●宛名は「喪主」にする
●送り先は「会場」にする
●忌み言葉を避ける
●宗教による違いを考慮する


家族葬は、故人との最後の時間をゆっくり過ごしたいという遺族の気持ちに寄り添う葬儀方法です。悲しみの最中に葬儀の準備や会葬者への挨拶などに慌ただしくする必要もありません。その気持ちを汲んでもらうためにも、会社への連絡はできるだけ早く、確実に行いましょう。

また、会葬を控えてもらいたい、香典・供物は辞退するなど、遺族側の考えもしっかり伝えておくと、会社側でも混乱せず、適切な対応がしやすくなります。 

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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