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終活カウンセラーとは?資格取得の方法と費用・年収・将来性を徹底解説!

Apr 10 2020

人生の終わりをどう迎えるかを考えるのが「終活」です。終活について相談に乗るのが「終活カウンセラー」という資格。人が誰でも迎える死とどう向き合い、どう生きていくかを導きます。自分や周囲の終活を考えるのにも役立つ資格です。今回はそんな「終活カウンセラー」について詳しくご紹介します。

終活カウンセラーとは?

終活への案内人

終活カウンセラーは、「一般社団法 終活カウンセラー協会」が認定する民間の資格です。

誰でも人生の終わりがあります。そんな人生の終わりをどう迎えるのか、どう生きていくのかを考えるのが「終活」です。「終活」という言葉を聞いたことがあっても、具体的に何をすれば良いのかわからず悩む人も多く、手助けをするのが「終活カウンセラー」です。

まずは今の自分を受け入れて、自分らしい最期を考えます。そこから。自分らしい生き方を考え、未来に向かって進むのが終活の基本的な考え方です。自分らしい終活ができるよう、具体的な提示をしながら案内するのが終活カウンセラーの仕事です。

さらに資産や財産といった“もの”と、自分の“思い”を引き継ぐ、具体的な方法を提案します。終活を考えている当人にはもちろん、残された人のためにもなる役割です。終活を考えている自分自身も、終活に悩む家族や親戚、友達も助けられます。

終活カウンセラーを目指す人

終活カウンセラーは、人生の行く末を考える50歳以上のシニア世代におすすめの資格です。自分の終活を自分で考えるときに、資格で学んだ知識が役立ちます。

また本来の職業で終活の相談を受ける機会がある人も、終活カウンセラーの資格を取得するのがおすすめです。例えば保険会社、士業、葬儀社などは終活カウンセラーの資格があることで、競合他社との差別化や事業拡大といったメリットにもつながる場合もあるでしょう。

終活カウンセラーの主な仕事

終活を考える人の心に寄り添う

終活“カウンセラー”という資格なので、ただ終活の知識を身につけるだけでなく、人の話をよく聞き、良い方向へ導くコーチング力やカウンセリング力も身につけられます。終活を考える人の心に寄り添うための資格でもあるのです。

終活のお手伝い

エンディングノート作成へのアドバイス

自分の身にもしものことがあったとき、「保険はどうなっている?」「葬儀をしたいけど知人の連絡先は?」など残された人がする手続きはたくさんあります。突然の別れが訪れたときに残された人のために、エンディングノートがあると助かります。

エンディングノートとは、人生のエンディングつまり終末期に備えて、家族などに知らせておくべきことを書き残すノートです。まさに終活のためのノートですね。遺言書とは違い、法的拘束力を持ちません。

終活カウンセラーは、自分のエンディングノートを作成できるようになります。また他の人がエンディングノートを作成するときのアドバイスするのも、終活カウンセラーの仕事です。

エンディングノートに厳格なルールはなく、書き方は自由です。残された人にとって知っておきたい項目は、家族へのメッセージ、自分史、趣味、銀行口座、相続(財産・不動産)、年金、保険、クレジットカード、口座引き落とし、住居(家賃・光熱費)、負債、重要な連絡先、医療・治療・介護、葬儀・お墓・供養、ペット、形見分けなど多岐にわたります。

終活に対する考えや必要な事柄を全てひとつにまとめられるのがエンディングノートなのです。

専門家への橋渡し

終活は悩み事によって解決できる専門家が異なります。相談者の漠然とした悩みを具体的にして、何を必要としているのかを明確にした上で、専門家や専門企業への橋渡しをするのも終活カウンセラーの仕事です。

相続で考えるべき分野は相続・遺言・保険・葬儀・お墓・介護・健康などが挙げられます。それぞれどんな専門家や専門企業を必要とするのかも合わせて解説します。

相続・遺言→士業

相続の手続きをしたい、あるいは遺言を残しておきたいという相談があった場合には、士業へと橋渡しをします。具体的には行政書士、司法書士、税理士、弁護士などが相続・遺言の手続きをしてくれます。

・相続に関わるさまざまな手続きを任せたい→行政書士
・不動産が関わる→司法書士
・税金での手続きがある→税理士
・相続で揉めている→弁護士

保険→保険会社、保険代理店、ファイナンシャルプランナー

もしものときに備えるのが保険です。終活という視点で考えたときに、保険の見直しをしたり、新たに生前契約をしたりする必要もあります。

終活に関する保険で悩んでいる人には保険業への橋渡しをします。保険会社や、多数の保険会社を扱う保険代理店、保険に詳しいファイナンシャルプランナーなどが保険の専門家・専門企業です。

葬儀→葬儀社、葬祭ディレクター

葬儀について形式や費用、宗教などそれぞれの考えあり、自分の考えをエンディングノートに記しておくこともできます。ただ具体的な形式や費用を知らないと、要望を出せません。葬儀の専門家として、葬祭業や葬儀社の相談窓口、葬祭ディレクターに相談するのがベターです。

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お墓→石材業、お墓ディレクター

墓地の種類や埋葬の方法、お墓の場所などお墓の要望もあるでしょう。終活カウンセラーはお墓に関する基本的な知識が伝えられます。より詳細を知りたい人や生前に決めておきたいという人には、石材業やお墓ディレクターなどへの相談がおすすめです。

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介護、健康→ケアマネジャー

終活は亡くなってからだけでなく、亡くなる前の終末期についても考えます。介護が必要になったり病気になったりと、健康に関する問題も出てくるのが終末期です。多くの場合終末期の方がいると、家族はどこに相談をしたら良いのか悩みます。

介護に悩む人が相談すべきなのは地域のケアマネジャーです。ケアマネジャーは介護保険制度に基づく介護専門支援員で、介護を必要としている人と介護サービス事業所をつなぐ役割を担っています。

介護に対する疑問や相談を受けて、ケアマネジャーなど介護を支援する人へと案内するのも終活カウンセラーの仕事です。

専業よりもさまざまな業種にプラスした活かし方

終活カウンセラーだけの仕事はほとんどありません。今している仕事が終活に関わっていたり、終活の相談を受けたりする人が、業務の補助として終活カウンセラーの資格を取得するケースが多いです。

終活カウンセラーは人の心に寄り添うことを大切にしているので、顧客目線での仕事をする上でも役立つ資格になります。

葬祭業

今までは遺族が葬儀の手続きをするケースがほとんどでしたが、終活という考えが広まれば、自分で自分の葬儀を考える人も増えます。葬祭業としても、遺族目線だけでなく、終活をしている当人目線での葬儀を考える上で、終活カウンセラーの知識や話を聞くというスキルが役立つでしょう。

石材業

お墓を取り扱うのが石材業です。終活の一環で、自分のお墓について相談にやってくる人が増える可能性もあります。終活カウンセラーを学ぶことで、終活をしている人が何を求めているのか考えながら、お墓の専門知識を伝えられるでしょう。

保険業

終活はもしものときの備えを考えるものです。同じもしものときに備える保険において、終活する人の目線を持つことが必要になってきます。終活で知っておきたい保険の知識はたくさんあります。

例えば、亡くなったときに保険金を受け取るタイミングや手続き、保険の支払いをどうするのか、終活の一環としてエンディングノートにまとめておくと、残された遺族は助かります。

また葬儀やお墓などの費用を遺族に負担させたくないと考える人に向けて、葬儀費用を積み立てる保険もあります。

保険に関してはもちろん、終活に関しても深い知識を持って、人の心に寄り添って話を聞くスキルを身につけることは、信頼向上にもつながります。加入者は安心して終活できる、保険業は保険加入を前向きに検討してもらえる、お互いにとってのメリットがあるといえるでしょう。

金融業

人が亡くなると金銭トラブルが起きるケースがあります。例えば、本人だけが知っている資産があって遺族がわからず手続きができなかったり、手続きに時間がかかったり、相続で揉めたり、など。

銀行や証券会社などを通じて、自分の資産を整理・集約するのも、金銭トラブルを避けるための資産や財産の終活です。また、遺言があっても遺産を相続する手続きには時間がかかることを懸念する場合には、「遺言代用信託」といって、遺産をスムーズに受け取れるサービスもあります。

金融業から終活に関するアドバイスをするのに、終活カウンセラーが役立ちます。終活目線での金融サービスを提示すれば、顧客の信頼を得られて、未然にトラブルを防ぐことにもつながるでしょう。

士業

弁護士や司法書士、行政書士、税理士など士業は遺産相続や遺言の手続きを行えます。相続を専門とする仕事をしたいのであれば、法律の観点だけでなく、終活カウンセラーとして幅広い知識を持っているとさらに信頼を得られるでしょう。

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終活カウンセラーの歴史

2011年に一般社団法人終活カウンセラー協会が設立されました。協会の代表理事である武藤頼胡氏が、終活カウンセラーの創始者です。

武藤氏は保険会社やベンチャー企業を経て2006年にコーチングの勉強を始め、2008年に独立した方です。日本葬祭アカデミー教務研究室にて葬送文化についても勉強をしました。

現在は終活という考えを広めるために、メディアやセミナーを通じて全国各地で活動しています。

終活カウンセラー関連の著書・映画

著書①『終活の教科書』

終活カウンセラーの資格を取得する前に、まずは終活について一から知りたい人におすすめの著書です。資格取得の受験やセミナーなどを行っている、終活カウンセラー協会が監修しています。

終活の知識を身につけると、無駄なお金を使わず、自分の要望を叶えられます。また残された人たちの困り事を減らせるでしょう。終活の漠然とした思いや悩みが明らかになり、身辺整理から葬儀、供養、遺言書、介護、など終活の知識が身につく一冊です。

著書②『元気なうちから始める!こじらせない「死に支度」』

終活カウンセラー協会の代表理事である、武藤頼胡氏の著書です。終活のために最低限知っておきたい60のエッセイが綴られています。人生の終わりは誰もが迎えるとはいえ、受け入れるのは難しいと感じる人もたくさんいます。たくさんの人の終活を見てきたか方が執筆しているからこそ、終活をする人に共感できる一冊です。

映画『エンディングノート』

熱血営業マンとして高度経済成長時には仕事に励み、退職してから第2の人生を歩み始めた67歳のサラリーマンは、突然ステージ4のがんを告知されました。エンディングノートを作り、残される家族のため、大切な時間を過ごすため、最期まで生き抜く姿を追ったドキュメンタリーです。

映画を作成した監督は主人公の男性の娘さんです。実の父親の姿をひとりの人として見つめ、家族として撮影しています。いつか自分にも訪れるからこそ、生きていく人の姿が強く心に残るはずです。

終活カウンセラーを持っている有名人

フリーアナウンサー・キャスター 大村正樹さん

大村正樹さんは鹿児島放送のアナウンサーとして3年間務め、退社してからもフリーアナウンサーやキャスターとして活躍する一方「初級 終活カウンセラー」を取得しています。フジテレビのワイドショー情報番組『直撃LIVE グッディ!』にキャスターとして出演しているほか、フリーアナウンサーという経歴を生かし講演などでも活動しています。

終活カウンセラーの一般的な生活

終活カウンセラーのみで仕事する人はほとんどいないため、普段の暮らしに終活カウンセラーの知識やスキルを活かす生活を送ります。

人生は終わりに向かって進んでいますが、日常で最期を意識することはほとんどありません。終活カウンセラーの知識を得ることで、日常でも意識を変えて、毎日を自分らしく生きられるでしょう。また家族や友達などから終活の相談に乗り、周囲を手助けすることもできます。

終活カウンセラーになる方法と費用

終活カウンセラーの資格には、「初級」「上級」「上級インストラクター」の3種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

「初級 終活カウンセラー」になる方法

終活に関する幅広い分野の基礎知識を身につけて、自分でエンディングノートが書けるようになるのが「初級 終活カウンセラー」です。自分の終活のために資格を得られます。

初級の終活カウンセラーになるためには、まずは受講を申し込みテキストを送ってもらいます。練習問題なども解きながら、試験当日まで勉強をしましょう。試験日は約6時間の受講でテキストの解説をしてから、同日に筆記試験を行います。試験に合格すれば、「初級 終活カウンセラー」の資格を得られます。

受験料は税込9,970円で、試験に合格したら終活カウンセラー協会の会員に登録する必要があり、会員登録料は月額400円です。

試験日は地域ごとに異なり、終活カウンセラー協会の公式HPで公表しているので、参考にしてください。

「上級 終活カウンセラー」になる方法

終活に関するカウンセリングや案内するスキルを身につけて、自分だけでなく他の人にも終活の案内役をできるのが「上級 終活カウンセラー」です。エンディングノートを書くアドバイスもできます。

応募資格があるのは、「初級 終活カウンセラー」を取得し、勉強会に1回以上参加したことがある人のみです。事前にレポートを提出し、講習が1日あります。課題に取り組む試験も半日あり、合格すれば取得可能です。

受験料は税込で41,000円かかり、別途事前審査費が2,500円かかります。

「終活カウンセラー 上級インストラクター」になる方法

終活カウンセラーを育てるための講師の資格です。応募条件は「終活カウンセラー勉強会に年間で2回以上参加」「エンディングノート書き方セミナー講師養成講座受講者」「終活カウンセラー 上級所有者」です。

受験料は試験代と資料代込みで、税込250,000円です。

終活カウンセラーの給与・年収

終活カウンセラーの資格を生かしてアドバイザーとして独立している人もいますが、大半は他の仕事をしながら必要性を感じて資格を取得した人です。本来の仕事によって終活カウンセラーの給与は大きく変わるので、一概にいくらとは断言できません。

終活カウンセラーで仕事のスキルアップをしたり、競合他社との差別化で販路を拡大したりできれば、給与アップが見込める可能性もあります。

終活カウンセラーの将来性

終活カウンセラーは、資格ができたのが2011年でまだまだ歴史が浅いです。「終活」という言葉自体も2012年に流行語大賞になるなど、まだ使われ始めたばかりで、最近になってようやく終活の考え方が浸透しつつあります。

ただし、日本は超高齢化社会という点は見逃せません。令和元年版高齢社会白書によると、2018年で65歳以上の人口は総人口の28.1%の割合を占めて、国民の約3.6人に1人が高齢者です。2065年になれば、65歳以上の人口は総人口38.4%に達して、約2.6人に1人が高齢者となると推定されています。

また平均寿命は、2018年に男性が81.25歳、女性が87.32歳。2060年には男性が84.19歳、女性が90.93歳とさらに長生きすると見込まれています。

人生100年時代ともいわれますが、終末期を健康に過ごす人も多く、今後は終活について考える人も増えるでしょう。さまざまな業種で終活が注目され、幅広い分野に広がっていく可能性もあります。

日本の社会と照らし合わせると、終活カウンセラーは将来性があり、社会のためにもなる仕事といえるのではないでしょうか。

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終活カウンセラーについてのまとめ

自分で自分の死を考えて、前向きに生きていくために「終活」の考えは今後も広まるはずです。同時に終活カウンセラーも、より必要とされる時代になるかもしれません。自分と周りの大切な人の終活を手助けするために、終活カウンセラーになることを考えてみてはいかがでしょうか。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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