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知らないと恥をかく!供花の手配方法や相場を徹底解説!

Mar 27 2020

お葬式の供花の手配方法をご存知ですか?親戚や取引先などのお葬式で供花を注文・手配する方法や費用相場はもちろん、供花を連名での送り方やお礼はどうすればよいのかまで分かりやすくご紹介しています。

「供花(きょうか/くげ)」とは、読んで字のごとく「おそなえする花」のこと。では、いつ、何のために、どこにおそなえする花なのでしょうか。今回は、「供花」について詳しく説明します。

供花とは?(供花の意味)

「供花」は、「きょうか」または「くげ」と読みます。

言葉の意味は、亡くなった方の冥福を祈る気持ちを込めて、故人の霊を慰めるために、生花をおそなえすること。なぜ、故人の霊を慰めるために生花をおそなえするようになったかというと、かつてお釈迦様が亡くなられた際、空から美しい花が降ったという伝説が残っています。

供花を贈る理由

また、家族が亡くなって悲しんでいる遺族も、祭壇がたくさんの供花で彩られることによって、少しでも心が慰められるとする考えもあります。 

事実、お通夜や葬儀・告別式の会場に贈られた供花は、祭壇のまわりや斎場に入口を美しく彩り、故人とのお別れの儀式に荘厳な雰囲気をもたらしてくれています。

供花の上部または下部には名札がつけられているため、誰からの贈り物あるかわかるのが一般的であり、遠方に住んでいるためお通夜や葬儀・告別式に参列できない人などが贈っているケースも多いですが、贈り主はさまざまです。

贈り方に特別な決まりもなく誰でも贈ることができるので、故人への感謝の気持ちやお世話になったお礼を示す場合、ぜひ贈ってみてはいかがでしょうか。

供花の手配方法

供花の手配方法についてご紹介します。

贈る前に遺族の了承を得る

供花を贈る前には、遺族の了承を得ることが望ましいです。葬儀・告別式に参列できない場合など、香典代わりに供花を贈る人もいますが、故人の遺志を尊重して辞退されるケースもあるので、行き違いのないよう事前に確認を取るとよいでしょう。 

葬儀社に供花を依頼する

遺族の了承を得ることができたら、葬儀を担当する葬儀社に供花を依頼します。

個人で手配することも可能

もしくは、行きつけの花屋やオンラインのショップから手配することも可能ですが、直接依頼しないなら、「他社で手配したいが、統一感を出すためにどういう種類の花にすればいいか」など葬儀社に確認を取ると安心です。

なぜかというと、供花や供物をはじめとする祭壇の飾りつけは、お通夜がおこなわれる日の午前中からはじめるので、後からまったくイメージの異なる花が届くと、会場の統一感を壊してしまうことになるためです。

メッセージを添えることも

供花を送る際にはメッセージを添えることで、より遺族の気持ちに寄り添うことができます。

「○○様のご冥福を心よりお祈り申し上げます」「ご逝去の報に接し心から哀悼の意を捧げます」など遺族の気持ちに寄り添ったメッセージを添えて弔意を伝えましょう。

供花の手配方法については「供花の手配方法!供花の意味と費用相場と宗教ごとのマナーを紹介!」の記事もご参考ください。

供花の手配は早めに行う

同じ理由から、供花の手配を早めにおこなうことも大切。お通夜当日の午前中に間に合うよう、早めに手配しましょう。ただし、早すぎる到着だと失礼にあたるので、ほどよいタイミングを図ることも必要。どのタイミングがベストかわからない場合は、葬儀社に早めに連絡を取ったうえで相談してみてください。 

供花を贈る際にもうひとつ気をつけたいことが、葬儀社に対して、故人と自分との関係性をはっきりと伝えるということです。

理由は、供花は飾る順番に決まりがあるためです。供花は通常、祭壇の中心から外側に向かって、故人ともっとも近しい遺族や親族、プライベートで親しくしていた方、会社関係者という順番で、全体のバランスをみながら飾っていきます。

供花を飾る順番

祭壇中央から外側に向かって、1から4の順番で飾られます。

    1. ①遺族・親族

    2. 「喪主」「兄弟一同」「孫一同」などの名札を掲げて共同で供花を贈るのが一般的です。
    3. ②友人

      特に親しかった人は個人名で供花を贈ることもありますし、「友人一同」の連名で、複数名で贈ることもあります。
    4. ③会社関係者、仕事関係者

    5. 故人の勤め先や得意先、クライアントなどは、「会社名」あるいは「会社・代表者名または連名」で供花を贈ることが多いようです。
    6. ④喪主や遺族の会社関係者、仕事関係者

    7. 喪主や遺族の勤め先や取引先が供花を贈る場合もあります。その際は、故人の勤め先や取引先同様、「会社名」あるいは「会社・代表者名または連名」で贈るのが一般的です。

また、個人で贈るのか、会社名義や連名で贈るのかを伝えることも大切です。

なぜなら、個人で贈る場合と団体で贈る場合で、供花に用いる花や飾りつけに違いがあるため。贈り主が個人なのか団体なのかをしっかりと伝えて、マナーに沿った形で供花を飾ってもらうようにしましょう。

葬儀のマナーについては「弔事とは?基礎知識からマナーまで弔事を完全解説!」の記事もご参考ください。

供花のマナー

供花は誰でも贈ることができますが、どんな種類の花がふさわしいかは、宗教によって異なります。

仏式の場合

仏式のお通夜や葬儀・告別式に贈る供花は、籠盛りにしたフラワーアレンジメントが一般的です。しかし、会場となる斎場が広い場合は、フラワースタンドを一基贈る場合も多いので、どちらがいいかわからない場合は、葬儀社に相談するとよいでしょう。

仏式では菊やカーネーション、百合

仏式の供花に使用する花は、基本的に生花とされます。一般的なのは菊やカーネーション、百合、デンファレなど。高級感を演出したい場合、胡蝶蘭を入れることもあります。

色は、白や薄いピンクなどをベースにして、落ち着いた雰囲気に仕上げますが、地域や宗派によっても違いがあるので、この点に関しても、不安な場合は葬儀社に確認するのがおすすめです。

仏式葬儀については「仏式葬儀とは?一般的なマナーや葬儀の流れについて徹底解説」もご覧ください。

神式の場合

神式のお通夜や葬儀・告別式に贈る供花も、仏式と同じく、籠盛りやフラワースタンドが基本です。かつては神道のおいては榊(さかき)が使用されていましたが、最近では、喪主である祭主のみが榊をそなえ、他の人は花をそなえるのが一般的です。 

神式では白い菊や百合

花の種類は、白い菊や百合をはじめとする、白色を基調としたシンプルなものが一般的。仏式では胡蝶蘭が贈られることがありますが、神式のお通夜や葬儀・告別式では、胡蝶蘭が飾られることはほとんどありません。

神道(神式)については「神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説」をご覧ください。

キリスト教式の場合

キリスト教式のお通夜や葬儀・告別式の斎場(教会)には、仏式や神式のように供花を飾ることはあまりありません。

キリスト教における葬儀の場での花は、「故人を慰める」という意味は持っておらず、遺族への慰めとして贈られるものだからです。そのため、贈られた花に贈り主の名前が記された名札がついていたとしても、斎場に飾る際には名札は外されます。

しかし、基本的には教会に花が贈られることはなく、遺族宛てに自宅に贈られます。

遺族宛てに贈る場合、籠盛りのようなフラワーアレンジメントが一般的。仏式や神式のように白菊を使うことはなく、菊を盛り込む場合は、スプレー菊などの小ぶりなものを選び、洋花を中心にまとめます。

キリスト教式ではカーネーションや百合

その他、カーネーションや百合なども使われることが多いですが、色は白に限らなくても大丈夫です。色が入った花も織り交ぜてアレンジメントをつくります。

また、十字架やハート型のフラワーアレンジメントを贈るのもキリスト式ならではとなり、十字架は肉親や友人などが贈るもので、ハートは、親族や親しい間柄の友人が贈るものとされています。

それぞれの意味はモチーフ通りで、安らかな眠りや永遠の愛を表しています。ただ、十字架やハートのアレンジメントは日本ではまだあまりなじみがないものなので、店舗によっては取り扱っていないことも多いです。どうしても贈りたい場合、ネットショップなどで取り扱いのあるところを探してみると良いと思います。

地域による違いもある

供花には、宗教や宗派による違いの他、地域による違いもあります。一般的には、葬儀場などで飾りやすいアレンジメントで贈られますが、地域によっては花輪で贈るところもあるようです。

供花の代わりに樒(しきみ)を用いられる場合も

また、関西の一部地域では、供花の代わりに常緑樹である樒(しきみ)を用いるところもあります。

樒はニオイが強く、実に毒があることから、邪気を払ってくれる魔除けの植物だと信じられております。

結婚を機に引っ越した先で供花を贈る場合や、遠方に住んでいる遠縁に贈る場合などは、こうした地域ごとの違いがあることも踏まえて、葬儀を担当する葬儀屋/葬儀社に相談できるといいですね。

樒(しきみ)については「樒とは?榊との違いは?仏事に必須の樒を解説!」の記事もご参考ください。

葬儀に用いられる供花以外の花

供花の他にも葬儀で用いられる花があります。

献花

線香の代用となる「献花」は、供花とは異なるものですので、注意しましょう。献花は、1人1本ずつ花をとり、順番に祭壇の上に置いていくもの。これは、故人とのお別れを意味する儀式です。

枕花

こちらも供花と似た言葉ですが、供花とは異なる物です。「枕花」は、お通夜の際に故人の枕元に親近者が置く花のことです。

供花をはじめ、献花や枕花も白を基本とした花が送られることが多いですが、最近ではあまりこだわらず、故人が好きだった花を使用することが増えて来ています。

枕花については「枕花とは?枕花の贈り方から贈る際の注意点、枕花に用いる花の種類まで徹底解説!」の記事もご参考ください。

供花の札名の書き方

仏式や神式のお通夜や葬儀・告別式の倍に供花を贈る場合、供花に札名をつけるのがマナーです。

法人で供花を贈る場合

会社の代表者が供花を贈る場合、会社名で贈るのが一般的です。会社名が長い場合は、「株式会社」を(株)と省略しても構いません。

また、会社の部署で贈る場合は、会社名の後に部署名まで書いた後に「一同」と入れますが、連名にする場合は、役職が上の人から順番に、右から左に向かって名前を書いていきます。

個人で供花を贈る場合

個人で供花を贈る場合は、個人名のみを記載すれば問題ありません。

連名で供花を贈る場合

連名で供花を贈る場合、会社の同僚同士で贈る場合同様、役職が上の人から順番に、右から左に向かって名前を書いていきます。

役職に差がない場合、順番は気にせず一人ひとりの名前を記載していってもいいですが、「友人一同」とまとめるのでも問題ありません。もしくは、人数が多い場合、別途書面に記すこともあります。

親族の連名で供花を送る場合

親族や兄弟などの連名で供花を贈る場合は、「兄弟一同」「従姉妹一同」などと書くのが一般的です。故人の子どもの連名となる場合は、右から順番に年齢順に、フルネームでの記載や長男〇〇、次男〇〇、というように記していきましょう。

供花を手配するときの注意点

前述した通り、供花の飾りつけはお通夜当日の午前中にはスタートするので、贈りたい場合はなるべく早く手配することが必要です。午前中に間に合いそうにない場合でも、遅くともお通夜が始まる3~4時間前には葬儀社に連絡を入れましょう。 

どうしてもその時間までに間に合わない場合は、供花ではなく、葬儀・告別式が終わった後、自宅の祭壇用に飾ってもらえるお花を贈るのがおすすめです。その場合は、焦って贈る必要はありませんが、四十九日までには届くように贈りましょう。

供花の費用相場

供花は、ひとつを「一基:いっき」、ふたつを「一対:いっつい」と数えます。

祭壇のまわりに飾られている籠盛りの供花の相場は、7,000円~2万円程度です。

斎場内や入口に飾られる大きな供花は、一基が1万5,000円~2万円程度、一対(=二基)で贈る場合は、その倍の3万円~4万円程度となります。 

フラワーアレンジや籠アレンジは一基で贈るのが一般的、フラワースタンドは二基一対で贈るのが一般的とされていましたが、近年は、たくさんの供花を置けるほど広いスペースがある会場が少ないことから、どちらを贈る場合も一基だけで贈る場合が多いようです。

季節によって価格は変動する

ちなみに、供花は基本的に生花を使用するため、季節によって盛り込める花の種類が変わるため、相場の価格も変動します。供花を手配・注文する際、見本となる写真があったとしても、その通りの生花は用意できないと思っておいたほうが無難です。価格も季節によって変動するため、不安な場合は葬儀社によく確認を取りましょう。 

供花を贈ったら香典は不要か?

また、供花には香典と同じ意味もあるため、供花を贈ったら香典は贈らなくてもよいとする考え方もあります。しかし、近親者や故人と仲の良い間柄の場合、供花と香典の両方とも贈ることも珍しくありません。供花を会社や親族などの連名で贈った場合は、香典は各自包むケースが多いです。

いずれの場合も、供花にお悔やみの言葉などを添えるのは問題ありません。筆ペンや万年筆などのボールペン以外の筆記具を使用して、便箋一枚におさまるように気持ちをしたためましょう。

供花のお礼には何を贈ればいい?

供花をいただいた場合、基本的にはお礼の品を贈る必要はありません。

しかし、供花をいただいたことに対してお礼状を出すことはマナーとされています。お礼状は形式的なものでも構いませんが、「いただいたお花は生前故人が好きだったものです。きっと故人も喜んでいることと思います」などと添えると、感謝の気持ちがより伝わりやすくなるでしょう。 

品物を贈る場合

もしも、お礼状だけではなくお礼の品も贈りたいと考えるなら、贈ってもらった供花の2分の1から3分の1程度の金額のものを選ぶといいでしょう。

贈るものは、石けんやお茶、お菓子などの消耗品の他、タオルやハンカチなどが一般的です。

お礼の時期

供花のお礼状や品物を贈る場合は、1週間程度を目安にしましょう。もし、品物の選別に時間がかかるようであれば先にお礼状だけでも送るのがマナーです。できるだけ早めに連絡をしましょう。

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供花の知識に関するまとめ

「供花」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。

【供花とは?】
●故人の霊を慰めるために、生花をおそなえすること

【供花の手配方法】
①遺族の了承を得る
②葬儀社もしくは花屋やオンラインショップで供花を依頼する

【供花を送る際のマナー】
●お通夜当日の午前中に間に合うよう、早めに手配する
●宗教によってふさわしい花が異なる
・仏式の場合:菊やカーネーション、百合、デンファレ
・神式の場合:白い菊や百合
・キリスト教式の場合:カーネーションや百合

【供花を飾る順番】
①遺族・親族
②友人
③会社関係者、仕事関係者
④喪主や遺族の会社関係者、仕事関係者

【供花の札名の書き方】
●法人で供花を贈る場合は会社名で贈る
●部署の場合は「部署名」記載後に「一同」と入れる
●個人では個人名
●連名で贈る場合は
・役職が上の人から順番に、右から左に向かって名前を書く
・役職に差がない場合は順番を気にせず書く
・「友人一同」などまとめても良い
・親族の場合は「兄弟一同」「従姉妹一同」などと書く

【供花の費用相場】
●籠盛りの供花:7,000円~2万円
●斎場内や入口に飾られる大きな供花
・一基が1万5,000円~2万円程度
・一基では3万円~4万円程度

【供花のお礼】
●基本的にはお礼の品を贈る必要はない
●ただしお礼状は出すのがマナー
●品物を贈る場合は供花の2分の1から3分の1程度の金額を

供花の意味や贈り方、マナーを知ったうえで、贈るかどうかは自分次第です。

香典のほうが遺族の役に立つとする考え方もありますし、絶対に贈らないといけないというものではありません。それでも贈りたい場合、故人の最期に寄り添うお花であることを考えて、これまでの感謝を込めて贈ることができたらいいですね。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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