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「公正証書遺言」は1番おすすめの遺言形式!費用・効力と書き方を解説

Feb 20 2023

公正証書遺言とは「公証人・証人と共に作成・公証役場に保管」する遺言形式です。内容不備や紛失の心配がなく、年間10万人近くの人が利用しています。公正証書遺言の作成方法や、他遺言形式との違い・法的な効力などの情報を分かりやすく解説します。

「法的に不備のない遺言書を作りたい」

「1人で遺言書を仕上げるのは不安・・・」

「遺言書の様々なリスクを最小限に抑えたい」

そんなお悩みを抱える方には、公正証書遺言の作成がおすすめです。

遺言書は、故人の意思や考えを後世に伝える手段です。せっかく遺言書を作成していても、決められた様式や適切な単語を使っていないものは、法的に無効であると見なされ、遺言書通りの相続が行われないケースも少なくありません。

公正証書遺言は、年間約10万人以上が利用する遺言形式です。相続や法律のプロである「公証人」と共に遺言書を作成することができるため、内容不備や記載漏れのリスクを最小限に抑えることができるでしょう。


「相続トラブルを起こさないため、遺言はしっかりと残したい」

「家族には、自分の意思を尊重した相続をしてほしい」

このように感じている方は、公正証書遺言を使って法的に有効な形で正しく意思を残しておくことが大切です。

当記事では、公正証書遺言の特徴や書き方といった基本的な情報に加えて、他遺言形式との違いや注意点などを分かりやすく解説しています。

自分や家族にあった遺言形式を迷われている方や、公正証書遺言の作成を検討している方のためになる記事ですので、是非最後までお読みいただき、遺言書作成にお役立てください。

INDEX

公正証書遺言とは「公証人と共に作成・公証役場に保管」する遺言形式

公正証書遺言とは「国の定めた公証人と共に作成し、完成した遺言書は公証役場にて保管される」遺言形式のことです。

「自分だけで正しい遺言書を作るのは不安・・・」

「法的に不備のない遺言書を残したい」

という方が選ぶ傾向にある遺言形式で、年平均10万人の人が利用する非常にメジャーな方法です。

公正証書遺言とはどのようなものかを知るために、まずはメリット・デメリットを確認しましょう。その上で、どのような人に向いている遺言書形式なのかを順番に解説します。

1.メリット

2.デメリット

3.向いている人

メリット

公正証書遺言とはどのようなものなのかを理解するために、まずは遺言者や家族にとってプラスとなる部分から解説します。

メリット 概要
1.方式不備のリスクはほぼない 公証人と作成するので、不備リスクが少ない
2.紛失リスクがない 完成した遺言書は、公正役場にて保管される
3.「遺言書を見つけてもらえない」という心配がない 証人がいるため、遺言書の存在は認知される
4.開封に裁判所の検認が不要 公正役場にて受け取り後、すぐに閲覧できる

それぞれの項目について、重要度の高い順に詳しく確認しましょう。

方式不備のリスクはほぼない

公正証書遺言は、法律や相続のプロである「公証人」と一緒に遺言書・財産目録を作成できるため、方式不備のリスクがほとんどありません。

遺言書の書き方は、民法960条にて様式や適切な用語が定められています。遺族への感謝の気持ちを伝える為の遺言であれば好きなように想いをしたためることができますが、様式や用語・押印の場所など、不備がある遺言書は、法的に無効と見なされるリスクがあります。

せっかく残した遺言書が法的に効力を持たないとなると、「遺言書通りの相続が行われない」「相続問題が長引く」といったトラブルが懸念されるでしょう。

その点、公正証書遺言は、遺言書に対する専門知識が豊富な公証人と共に作成できるため方式不備のリスクを最小限に抑えることが可能です。正しい様式の遺言書を、自分一人で作成することに不安がある方でも、安心して作成を進められます。

紛失リスクがない

完成した公正証書遺言は、全国にある「公証役場」にて厳重に保管されます。自己管理が不要なため、紛失や改ざん等のリスクがありません。

遺言書の保管場所に悩むという声は多く聞かれます。簡単に目に付く場所に置いておくと、すぐに発見してもらえるものの、改ざんや破損・紛失等のリスクがあり、反対に厳重にしまいすぎてしまうといざという時に発見されないリスクが伴います。

公的な機関で保管・管理してもらえるというのは、安全性が高く大きなメリットです。

「遺言書を見つけてもらえない」という心配がない

公正証書遺言は、公証人の他に遺言者が用意した2人の証人立ち合いのもとで完成・保管となります。そのため、遺言者の死後「遺言書が発見されないまま相続が進んでいく」というリスクが抑えられます。

証人の条件や作成方法については、「公正証書遺言をスムーズに作成する為の5ステップ」で詳しく解説していますので、参考にしてください。

開封に裁判所の検認が不要

公正役場で保管されている遺言書は、所定の手続きを踏んで遺族が受け取った後、裁判所の検認なく開封が可能です。

遺言形式によっては、遺言書が手元に来てからも開封前位に家庭裁判所による検認を挟むものがあります。裁判所での検認は、完了までに通常1ヶ月?2ヶ月程度かかり、混雑具合によってはさらに期間が帯びる場合も少なくありません。

相続にあたっては、相続放棄の申述期限(3か月)や相続税の申告期限(10か月)等があります。そのため、検認が終わるまで相続が進められないのは大きなネックとなるでしょう。

公正証書遺言は、遺族が必要書類を持って公証役場に出向けば、預けていた遺言書を受け取れ、すぐに遺言内容を確認できるため相続手続きがスムーズに進められます。

デメリット

公正証書遺言の作成には、いくつかのデメリットも存在します。自分や家族にあった遺言方法かどうか確認するという意味も含め、公正証書遺言のデメリットとなる部位分にもしっかりと目をむけましょう。

メリット 概要
費用がかかる 財産状況によって異なるが一定の費用がかかる
秘匿性に欠ける 公証人に遺言内容や財産状況が知られる
証人を用意する必要がある 所定の条件を満たした証人を2名用意する
内容のアドバイスは受けられない 財産分与や相続関係の相談は対応範囲外

それぞれの項目について、重要度の高い順に詳しく確認しましょう。

費用がかかる

公正証書遺言を作成するにあたっては、一定の費用が発生します。

・公正証書作成手数 目安:5千円~

・戸籍謄本、印鑑証明書、登記事項証明書などの資料を取得する費用 目安:千円~

・交通費(公証人に出張して作成を依頼する場合) 目安:実費

・証人の日当(証人を公証役場に用意してもらう場合) 目安:5千~1万円

中でも、財産状況に応じた「公正証書作成手数料」は5万円以上の高額になるケースも多く、費用をかけずに遺言書を作成したいと考える人にとっては大きなデメリットとなります。

具体的な費用の内訳について、本記事の「公正証書遺言の作成費用と内訳」でも解説しています。また、より詳細な手数料の計算方法や財産状況に応じた具体例については「公正証書遺言の費用はこれで完璧!計算方法と費用を抑える3つのコツ」に特化した記事もありますので、参考にしてください。

秘匿性に欠ける

公正証書遺言は、遺言書・財産目録共に、公証人と共に作成を行います。そのため、遺言内容を自分だけの秘密にしておくことはできません。

公証人が、業務で知り得た個人の意思や財産状況などを他人に漏えいさせることの無いよう、法律で罰則が定められています。また、公証人自身は公務員という立場で職務についています。利益のために情報を外部に漏らすことは考えにくいでしょう。

実際、公証人が依頼人の遺言内容や財産状況を漏えいさせて大きな事件となったケースはありません。しかしながら、自分の意思や財産といったプライベートな情報を他人に知られることを良く思わない人もいるでしょう。

公正証書遺言は、内容を完全に内密にしておきたいという方にとってはあまり適さない遺言形式です。

証人を用意する必要がある

公正証書遺言の作成にあたっては、2人以上の証人を用意する必要があります。証人になれる人は、以下の条件に該当しない人のみとなりますので、親しい知人などにお願いしましょう。

・遺言者の推定相続人と受遺者(遺言によって財産を取得する人)

・未婚の未成年者

・公証人の配偶者や4親等内の親族

・公証役場の関係者

証人が用意できない場合、事前に公証役場に相談することで有料ではありますが証人を手配してもらうことが可能な場合があります。最寄りの公証役場に相談してみましょう。

内容のアドバイスは受けられない

公正証書遺言を書く際、「子ども達にどのように財産を分配するべきか」「家族の関係性に応じた適切な相続のアドバイスが欲しい」等、遺言内容に対する助言を公証人に求めることはできません。

公証人と共に作成をするのですが、あくまでも様式や適切な言い回しなど書き方に関する案内がメインです。そのため、どのように相続させるか・どういった内容を家族に残したいかについては遺言者自身が主体的に考えておかなければなりません。

遺言書の内容や相続についてのアドバイスを受けながら作成を進めたいという場合には、弁護士や行政書士の先生に相談するのがおすすめです。相談先の具体的な探し方については「遺言書について困った時の相談先」にて解説しています。

向いている人

ここまでの特徴を踏まえ、公正証書遺言はどのような方に向いた遺言形式であるかを箇条書きにしてみました。

・自分だけで遺言書、財産目録を作成するのが不安な方

・相続内容が複雑で、法的に不備の無い適切な形で遺言書を残したい方

・自宅での遺言書の保管に不安がある方

・自力での遺言書作成が困難かつ、代筆を知人等に頼みたくない方

公正証書遺言は「公証人と共に作成ができる」こと「遺言書を公証役場にて保管できる」この2つを兼ね備えている点が大きな特徴です。遺言者の意思を元に、法律のプロである公証人が作成をする方式であるため、不備なく法的に有効な遺言書を残すことができます。

また、「よい保管場所が思い浮かばない」と感じる方や「相続手続きがスムーズに進む方法で遺言書を残したい」という方にとってもメリットの大きい遺言形式です。これらの点に魅力を感じる方は、公正証書遺言の作成を前向きに検討してみましょう。

公正証書遺言の効力に期限はない

公正証書遺言の効力に、特別な期限は定められていません。そのため、一度作成しておけば永年に渡って効力を発揮し続けます。ただし、「効力が無期限」と「法的に効力を発揮する」ことは別問題です。

遺言者の気持ちを残された家族に託すための方法が「遺言書」です。そのため、本当に遺言者本人が書き記したものであれば、「有効」「無効」という概念なく内容通りの相続が行われるべきでしょう。

しかし、「遺言書の内容に不服があり第三者の見解を聞きたい」「遺言書そのものに疑念が残るため、本物かどうか確かめたい」というケースも少なくありません。そんな時、残された遺言書が法的に有効なものかどうかは事態を左右する大きなカギを握ります。

公正証書遺言が法的に有効であるための条件や、無効となるケースについての具体的な条件を、詳しく確認しましょう。

遺言書の作成については民法に規定があり、正しく書かない場合は、全て無効、または一部無効になるリスクがあります。無効にしたくない場合は「遺言書の効力と4つの無効なケースを解説!納得いかない場合の相談先」の記事も合わせてお読みください。

公正証書遺言が有効と見なされる6つの条件

作成された公正証書遺言が、法的に「有効である」と見なされるためには、以下の7つの条件を満たしている必要があります。

1.満15歳以上で遺言能力のあるものであること

2.遺言者が口頭で公証人に遺言内容を伝えていること

3.条件を満たした証人2人以上の立ち合いのもと作成されていること

4.公証人が遺言者及び証人に、作成した公正証書遺言を読み聞かせるか閲覧させていること

5.遺言者、証人2人以上、公証人の全員分の署名・押印があること

6.遺言内容が公序良俗に反していないこと

7.遺言者が被後見人の場合、後見人・後見人の配偶者・後見人の直系卑属の利益となる内容でないこと

法律のプロである公証人と共に作成するため、公正証書遺言が無効となるケースはほとんどありません。「2.遺言者が口頭で公証人に遺言内容を伝えていること」があるため、財産目的の脅迫等、本人の意思と反する内容の遺言書が作成される心配もないでしょう。

遺言者の意思の元、撤回することは可能

一度完成させた公正証書遺言は、遺言者の意思の元であれば内容の撤回や作成のし直しが可能です。遺言の撤回については民法1022条に定められており、後に違う内容の遺言を作成すれば、抵触する部分は古いものが撤回され新しいものが有効とみなされます。

この際、後に作成する遺言書は公正証書遺言でなく他の形式でも問題ありません。

遺言で定めることができる事項

遺言書には、定めることのできる事項と効力の及ばない事項があります。効力の及ばない事項に関しては、いくら遺言内容として記載されていても遺族に遵守を強いることはできません。

相続や財産に関する内容で、遺言で定めることのできる事項は以下の通りです。

相続に関する事項 財産に関する事項
・推定相続人の資格排除

・相続分の指定

・遺産分割方法の指定や禁止

・相続人相互の担保責任の指定

・生命保険の受取人指定

・財産を他人に遺贈すること

・信託の設定

・遺留分減殺方法の指定

こちらは、公正証書遺言に限らず「遺言書」の効力について民法に定められた事項です。他の遺言形式を選んだ場合でも定めることができる事項については共通となります。

遺言書の効力について詳しくは「 【文例付き】相続プロが教える!有効な遺言書の書き方完全マニュアル」にて解説しています。遺言書が効力を発揮する上記の事項1つ1つについて具体的な例を挙げ分かりやすくまとめたタメになる記事です。

遺言内容が無効になるケース

遺言書形式の中で最も「無効となるリスク」が少ない公正証書遺言ですが、以下の2つのケースでは遺言内容が無効と判断される場合があります。

遺言内容が無効となるケース 概要
遺留分が侵害される場合 遺留分より少ない相続分しか与えられなかった相続人は、遺言書の内容を覆すことができる
遺言内容が公序良俗に反する場合 内容があまりにも倫理的に不適切であると判断されると、裁判の結果無効となることがある

せっかく残した遺言が無効となってしまうことを防ぐためにも、実際に起こった事例を交えながら内容を詳しく確認しましょう。発生頻度が高いものから順に解説します。

遺留分が侵害される場合

遺留分とは、法律で保障されている一定割合の相続分のことです。公正証書遺言の内容が、この遺留分を侵害する内容であった場合、相続人は請求を行うことで正しい割合で相続分を獲得することができます。

遺留分の対象となるのは、兄弟姉妹を除く法定相続人です。基本的には子や配偶者・両親に適用される制度であると考えておきましょう。

遺言書に「遺産や全額〇〇へ寄付する」と書いた場合でも、遺族が遺留分減殺請求を行うことで遺産の一部を受け取ることが法律上可能となり、遺言書通りに相続が行われないという結果になります。

遺留分について詳しくは「 遺留分のもらえる範囲と割合!遺産を損なく受け取れる3つのポイント」にて解説しています。遺留分の計算方法を図や表を用いて分かりやすく学べる記事ですので、是非参考にしてください。

遺言内容が公序良俗に反する場合

本人の意思の元で残された公正証書遺言であっても、内容が公序良俗※に反していると判断される遺言は、裁判を経て無効となるリスクがあります。

※公序良俗・・・社会的妥当性が認められる道徳観のこと

「6.遺言内容が公序良俗に反していないこと」の抵触例
・妾関係維持継続のために財産を遺贈する

・不倫相手に財産を全て贈与する

・他人への財産の遺贈により、相続人らの生活の基盤を脅かす可能性がある場合

冒頭で紹介した「公正証書遺言が有効と見なされる6つの条件」の内、「6.遺言内容が公序良俗に反していないこと」の遺言内容については、遺言者側が抵触しないよう気をつける必要がある項目です。

公正証書遺言の作成費用と内訳

公正証書遺言の作成にあたっては、主に「必要書類の費用」「公証人に支払う手数料」この2つの費用が発生します。また、証人を手配してもらう場合など必要に応じた費用もあります。

・必要書類の費用(目安:千円~)

・公証人に支払う手数料(目安:5千円~)

・証人を依頼する場合の日当(目安:5千~1万円)

秘密証書遺言や自筆証書遺言保管制度など手数料が一律で固定されているものもある中公正証書遺言の手数料は遺言者の財産状況や相続先によって変動します。

公正証書遺言の作成にかかる費用についてより詳しく知りたい場合には「公正証書遺言の費用はこれで完璧!計算方法と費用を抑える3つのコツ」の記事も参考にしてください。具体例を用いた手数料の実例や、他遺言形式との費用の違いなどをわかりやすく解説しています。

費用の内訳について、必要度の高いものから順に確認しましょう。

必要書類の費用(目安:千円~)

公正証書の作成には、様々な種類の公的な書類を準備する必要があります。1つ1つの発行に対して数百円程度の手数料が発生し、トータルで数千円程度の出費となるでしょう。

用意する書類について詳しくは「証人2名と必要書類を準備する」で解説していますので参考にしてください。

公証人に支払う手数料(目安:5千円~)

公証人に支払う手数料は、遺言の目的となる財産の価額に応じて変動します。遺言者の財産総額ではなく、受ける人ごとの財産額をベースに計算するため、財産を相続させる相手が多いほど費用も加算されていきます。

公証役場に出向くことが困難なケースなど、公証人に病院や自宅などに来てもらうことも可能です。その場合、出張代という形で手数料が1.5倍になる他、交通費の実費や別途日当など諸経費がかかりますので注意しましょう。

証人を依頼する場合の日当(目安:5千~1万円)

公正証書遺言を作成するにあたっては、2名の証人をたてる必要があります。証人を知り合いに頼まず公証役場に手配してもらうことも可能で、その際には証人の日当として1人あたり5千?1万円を支払います。

金額は、利用する公証役場により機微があることや何名の遺言書を同時に作成するかなどによっても変動があるため、直接公証役場に問い合わせてみましょう。

専門家へ依頼する場合の費用(目安:7~20万円)

ここまでを読んで、「公正証書遺言の作成って以外とお金がかかるのね・・・」と思った方も多いでしょう。しかし、公証役場に頼まず弁護士や税理士に依頼して遺言書を作る際の費用相場は、7?20万円程だといわれています。

「費用だけ」を比較すると、公正証書遺言の方が費用を安く抑えられるでしょう。

ただし、相談の回数や出張料など金額を左右するポイントは多々ある他、専門家と公証役場とでは相談できる内容なども違ってきます。費用も大切なポイントですが、何を相談したいか・どこまでのサポートを求めるかなど慎重に検討して相談先を決めましょう。

公正証書遺言をスムーズに作成する為の5ステップ

公正証書遺言を作成する際は、以下の5つの手順を踏んで進めましょう。

1.遺言内容・財産状況などを整理する

2.最寄りの公証役場に申し込みをする

3.公証人と遺言書の内容を詰める

4.証人2名と必要書類を準備する

5.公証役場で遺言書を作成する

作成の順番に沿って確認していきましょう。

遺言内容・財産状況などを整理する

内容のアドバイスは受けられない」でもふれたように、公正証書遺言作成にあたって遺言内容についての助言を受けることはできません。そのため、作成をはじめる前に自身で遺言内容をある程度まとめておく必要があります。

まずは、預金・株・不動産など自身の財産状況を整理して、「誰に」「何を」相続させたいのか考えをまとめましょう。

最寄りの公証役場に申し込みをする

公正証書遺言を作成する際は、全国にある「公証役場」が依頼の窓口となります。利用する公証役場に決まりはなく、自宅の最寄り・病院の最寄りなど自身が便利だと感じる場所でOKです。

まずは電話をして予約を取り、一度相談をしてみましょう。相談は無料で、そのまま作成の申し込みに進むこともできます。

証人2名と必要書類を準備する

公証役場で正式に遺言書を作成するにあたって必要となる、証人2名と諸書類を準備しましょう。

必要書類 申請先
3ヶ月以内に発行された印鑑登録証明書 居住地の市区町村役場
本人確認書類 免許証、マイナンバーカード、パスポート等
遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本 本籍地の市区町村役場
(相続人以外に相続する場合)

相続相手の住民票

相手の居住地の市区町村役場
(遺贈先が法人の場合)

登記事項証明書

法務局(所在地に関わらず、どこでも取得可)
(財産に不動産がある場合)

登記事項証明書

固定資産評価証明書

固定資産税・都市計画税課税明細書

登記事項証明書・・・全国の法務局

固定資産評価証明書、固定資産税・都市計画税課税明細書・・・不動産が所在する市区町村役場

なお、事案に応じて、他にも資料が必要となる場合もあります。詳しくは担当の公証人や公証役場に確認してください。

証人については、規定の条件を満たした人物でなければなりません。詳しくは「証人を用意する必要がある」にて解説していますので、参考にしてください。

公証人と遺言書の内容を詰める

担当になった公証人の協力の元、遺言書の内容を詰めていきます。まずは、「遺言内容財産状況などを整理する」で自身がまとめた内容を伝えましょう。その際、「証人2名と必要書類を準備する」で用意した書類も提出しましょう。

公証人は、遺言者の意思と各書類に基づいて「公正証書遺言」の案を作成してくれます。内容を確認し、修正箇所の修正を重ねて原案を完成させていきます。

書類の提出や仮案の提示などは、公証役場に出向くことなく行うことも可能です。公証人に出張を依頼することも可能で、病院や入居施設などで打ち合わせを行うケースも少なくありません。また、希望があればFAXや郵送・メール等にも対応しています。

公証役場で遺言書を作成する

作成日当日は必要書類を持参の上、証人2名と公証役場に向かいましょう。遺言者本人が遺言内容を口頭で告げ、公証人・証人2名の前で「この遺言書が自身の真意であること」を確認し作成が進められていきます。

公証人が同じ公正証書遺言を3通作成します。内容に間違いがない場合には原本となる1通に、遺言者・証人2名が、遺言書の原本に署名・押印をします。その後、公証人による署名と公証役場の職印を押して完成です。

原本は公証役場に保管されますが、2通は正本及び謄本として遺言者が持ち帰ることができます。この正本の通数については、遺言者の希望で増やすこともできます。

内容の修正や作り直し等で、預けていた遺言書を受け取りたい場合には、本人確認書類等必要な書類を用意した上で、事前のアポイントの後 受取の手続きが必要となります。詳しくは最寄りの公証役場に問い合わせてください。

他遺言形式と比べてみよう

当記事では「公正証書遺言」について解説していますが、国が認めている遺言書の形式はほかにもあります。

それぞれの形式との違いを確認し、公正証書遺言についての知識を深めると同時に、より自分にあった遺言方法を検討するきっかけになるでしょう。

【遺言書の種類と特徴】

  公正証書遺言 秘密証書遺言 自筆証書遺言 自筆証書遺言

保管制度

概要 公証役場で公証人と一緒に作成する遺言。保管をしてもらえる。 自作の遺言書の存在だけを公証役場で証明してもらう遺言。 遺言者が自筆で作成した遺言 2020年より始まった「自筆証書遺言」を保管するための制度
書き方 公証人が作成 パソコンで作成

※署名は必要

全文を自筆

※財産目録はパソコン可

全文を自筆

※財産目録はパソコン可

費用 財産の価値に応じた手数料 11,000円 0円 3,900円~
証人 2人以上 2人以上 不要
内容不備の
可能性
公証人が作成するため低い あり
紛失リスク なし あり あり なし
秘匿性 公証人には内容を知られる 内容のみ 存在と内容 内容のみ
改ざんリスク なし なし あり なし
代筆 公証人 代筆可 本人のみ
裁判所の検認 不要   必要 不要

※各項目をクリックすると詳細記事が表示されますので、合わせてご参考ください。

それぞれの遺言形式がもつ特徴を表にすると、比較するべき項目が多岐に渡ることが分かります。1つ1つの形式と比較し、違いと特徴を詳しく確認しましょう。

秘密証書遺言との違い

「公正証書遺言」と「秘密証書遺言」違いのポイントは、内容の正確性と秘匿性です。

公正証書遺言は国の認めた公証人と一緒に作成するため、書式・法的効力・書き漏れといった遺言書のルールに沿った精度の高い遺言書の作成が可能です。一方で秘密証書遺言は、最後まで自分一人で書きあげるため他人に内容を知られることなく作成できます。

【ポイント】

公正証書遺言・・・内容不備や紛失のリスクはないが、秘匿性に欠ける

秘密証書遺言・・・秘匿性は高いが内容不備や紛失リスクがある

・証人が必要である点や改ざんリスクがない点は共通

違いのある項目 公正証書遺言 秘密証書遺言
遺言書の作成者 公証人 本人・代筆可
費用 財産価値に応じて変動 11,000円
秘匿性 公証人に内容を知られる 内容を知るのは自分だけ

遺言内容を秘密にしたいという気持ちが強い方や、法的に有効な書き方のルールに沿った作成に自信があるという方は、秘密証書遺言が良いでしょう。反対に、秘匿性よりも内容の正確度を重視したい・1人での作成が不安という方は、公正証書遺言がおすすめです。

秘密証書遺言については「秘密証書遺言の特徴と費用!他遺言との違いと作成時の注意を徹底解説」で詳しく解説しています。メリット・デメリットの他、依頼先別の費用目安などを分かりやすく解説しています。

自筆証書遺言との違い

「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」違いのポイントは、手軽さと安全性です。

公正証書遺言は、証人と公証人立ち合いの元で封止や署名をするため、改ざんや未発見等のリスクがありません。一方、自筆証書遺言は証人や費用等の手間がかからず手軽に作れる反面、「本物の遺言書である」という立証がなされない等のリスクがあります。

【ポイント】

公正証書遺言・・・遺言の存在を周知しつつ、改ざんや偽造等の心配がない

自筆証書遺言・・・気軽に作れるが、見つけてもらえない・改ざん・偽装のリスクあり

違いのある項目 公正証書遺言 自筆証書遺言
証人 必要 不要
費用 財産状況により変動 不要
裁判所の検認 不要 必要

自分の遺言書をねつ造・改ざんから守りたい方や、手間はかかっても遺言書の信憑性や認知を希望する方は、公正証書遺言が良いでしょう。反対に、手軽に自分の意思を残しておきたい・堅苦しい手続きは苦手だという方は、自筆証書遺言がおすすめです。

自筆証書遺言保管制度

「自筆証書遺言保管制度」作成した自筆証書遺言を法務局の遺言保管所に預ける制度で、2020年7月に始まりました。公正証書遺言と秘密証書遺言の良いとこどりをしたような内容で、利用者は年々増加傾向にあります。

「公正証書遺言」と「自筆証書遺言保管制度」違いのポイントは、執筆方法と費用です。

【ポイント】

公正証書遺言・・・公証人と作成するため内容不備のリスクがないが、費用は割高

自筆証書遺言保管制度・・・自力で作成する必要があるが、費用は一律で低価格

・公証役場での保管、裁判所の検認が不要である点は共通

違いのある項目 公正証書遺言 自筆証書遺言保管制度
費用 財産状況により異なる 3,900円
証人 必要 不要
内容不備のリスク ない あり
秘匿性 公証人に内容を知られる 内容を知るのは自分のみ

費用や手間がかかってもプロと共に作成し、内容不備のない遺言を残したい方には、公正証書遺言が向いています。反対に、内容不備のリスクは伴ってもより手軽に作成したい方は自筆証書遺言保管制度がおすすめです。

公正証書遺言に関するよくある質問

公正証書遺言についてのよくある質問をQ&A方式で紹介します。

質問 答え
公正証書遺言の有無は遺族に知らされる? 自動で通知される制度はないが、検索は可能
自筆が難しい人でも公正証書遺言は作成できる? 可能。公正証書遺言では本文の自書は求められない。
公正証書遺言の秘密保持とは? 公証人には守秘義務が課せられているため、安心して相談できる。
公正証書遺言の保管期間は? 規則では20年。現状は半永久的に保存されるケースも多い。

それぞれの内容について詳しく確認しましょう。

公正証書遺言の有無は遺族に知らされる?

遺言者の死後、公証役場から「公正証書遺言の有無」について遺族に連絡がいくことはありません。そのため、遺族が公正証書遺言の存在に気づかずに保管期間が過ぎて破棄されてしまうケースも少なからず存在します。

そのため、公正証書遺言の有無については遺族が自ら公正役場に問い合わせる必要があります。平成元年以降に作成されたものであれば、日本公証人連合会側の検索システムを使ってすぐに調べてもらうことが可能です。

なお、秘密保持のため検索の依頼ができるのは「相続人等、利害関係人のみ」です。遺言者の死亡の記載があり、検索依頼主と遺言者の利害関係が証明できる戸籍謄本等、必要書類を持参する必要があります。詳しくは、最寄りの公証役場に問い合わせてみましょう。

自筆が難しい人でも公正証書遺言は作成できる?

公正証書遺言の作成は主に公証人が行うため、自筆が難しい人でも作成が可能です。そのため、病気や怪我などを理由に自筆が難しい・代筆を頼める知人がいないというケースであっても作成できます。

公正証書遺言は遺言者の意思と諸書類の内容に基づいて公証人が作成するものです。正式な完成には、遺言者本人に加え証人2名と公証人全員の署名と捺印が必要となりますが、遺言書と財産目録の作成は公証人が行います。

ただし、例外として身体上や健康の理由で署名が行えない場合に限り、公証人が公正証書にその旨を記載することで署名無しでも対応可能です。

公正証書遺言の秘密保持とは?

公正証書遺言の作成をサポートしてくれる「公証人」には、法律上の守秘義務が課せられているため、遺言内容や財産状況といったプライベートな内容も安心して話すことができます。

公証人の守秘義務について、日本公証人連合会は以下のように説明しています。

※引用元  日本公証人連合会

遺言公正証書に関する情報サイトや保険会社のリーフレット等には、「公証人や証人が関与する遺言公正証書には秘密が保てない欠点がある」とする記載も見受けられますが、上記の秘密保持義務があることから、内容の漏えい等の心配は不要であると言えます。

公正証書遺言の保管期間は?

公正証書の保存期間は、公証人法施行規則により「20年」と決められています。この規則には特例があり「特別の事由により保存の必要があるときは、その事由のある間は保存しなければならない」とも定めています。

公正証書遺言は、この「特別事由」に該当するものとして扱われており、半永久的な保管・遺言者の生後120年間の保管を行う公証役場が主流です。

遺言書について困った時の相談先

当記事では「公正証書遺言」について解説してきましたが、「どの形式の遺言書を残すか」といったお悩みも含めた遺言書全般についての相談先を3つご紹介します。

1.弁護士(費用相場:5,000円~/30分 ※初回相談のみ無料の事務所もある)

2.行政書士(費用相場:5,000円~/60分 ※初回相談のみ無料の事務所もある)

3.無料相談を利用して専門家を紹介してもらう

いずれも遺産や相続といった法律関係のプロですので、個々の状況に合わせた適切な遺書形式の選び方や遺書の書き方についてのアドバイスを受けられます。

「緊急度の高い順」にご紹介しています。相談を上手に活用して、遺言書作成を正確に進めていきましょう。

弁護士(費用相場:5,000円~/30分)

相続の内容が複雑な場合は、弁護士の力を借りるのがおすすめです。プラスの財産もマイナスの財産も、亡くなった人の名義であれば全て相続財産となるため、遺産の種類や金額が多ければ多いほど、相続終了までの道のりは長くなります。

弁護士に相談したからといって必ず依頼しなければならないということはありません。特に相続について不安や悩みがあれば、早めに相談して適切なアドバイスをもらいましょう。

アドバイスを踏まえた「法的に有効な遺言書」を残すことで、残された家族の間で相続トラブルが起こるリスクを大きく軽減させることができます。

相続に強い弁護士の選び方や、選び方のポイントなどは、「 知らないと損をする!相続弁護士を選ぶ9つの要点と費用を抑える準備」に詳しく解説しています。参考にしてください。

行政書士(費用相場:5,000円~/60分)

現在は司法書士や行政書士も積極的に遺言書作成業務を行なっています。弁護士に比べ、費用が安く、気軽に遺言書作成を行いたい方は弁護士よりも相談しやすいというメリットがあります。

国家資格者だからといって、すべての行政書士が遺言書作成の実務に精通しているとは限りません。依頼を検討する場合には、「専門性」を確認し、相続や遺言に詳しい先生を選ぶことが大切です。

専門性を確認するためには、事務所のホームページのチェックが有効です。遺言作成業務をよく受ける事務所の場合は、遺言に関する記事や解決事例が豊富に掲載されています。また、直接電話で問い合わせして確認してみるのもよいでしょう。

無料相談を利用して専門家を紹介してもらう

弁護士や行政書士の伝手がない人や、不安がある人は「無料相談」を利用してみるのもオススメです。

どの専門家にお願いすればいいのかなどの疑問も『 やさしい相続』の24時間365日無料相談で承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。しつこい勧誘等も行いません。

大切なことだからこそ、丁寧に・確実に進めていきましょう。

まとめ

当記事では、「公正証書遺言」について詳しく解説しました。

「公正証書遺言」とは、公証人・証人と共に作成・公証役場に保管する遺言形式です。

メリット デメリット
・方式不備のリスクはほぼない

・紛失リスクがない

・見つけてもらえないという心配がない

・開封に裁判所の検認が不要

・費用がかかる

・秘匿性に欠ける

・証人を用意する必要がある

・内容のアドバイスは受けられない

どんな人におすすめ? ・1人での遺言書作成に不安がある方

・内容に不備の無い遺言書を作りたい方

・正しい遺言書を残して相続トラブルを防ぎたい方

公正証書遺言作成の5ステップ 1.遺言内容・財産状況などを整理する

2.最寄りの公証役場に申し込みをする

3.証人2名と必要書類を準備する

4.公証人と遺言書の内容を詰める

5.公証役場で遺言書を作成する

公正証書遺言最大の特徴は、「公証人と共に作成ができる」という点です。口頭や書面にて自分の意思を公証人に伝えることができれば、後の作成は公証人が行ってくれるため、寝たきり等で自筆が難しい場合にも遺言書を残すことができます。

また、弁護士や行政書士にお願いする際に生じる「どこに頼めばよいか分からない」「複数の事務所に話を聞いて信頼できる先生を探す」といった労力を必要とせず、国の定めた法律のプロ公証人とマッチングできるのも大きなメリットです。

シチュエーションや考え方によって、どの遺言形式が最適かというのは変わってきます。それぞれの特徴を知り、自分が大切にしたい部分が叶えられる形式を選びましょう。

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【監修】高橋圭(司法書士・宅地建物取引士)

略歴
高橋圭 (たかはし けい)
青山学院大学法学部卒業。
2007年司法書士試験に合格後、都内司法書士法人にてパートナー司法書士としての勤務を経て2016年ライズアクロス司法書士事務所を創業。
司法書士法人中央ライズアクロスグループCEO代表社員

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