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【終末期を迎えた患者のために】家族ができることは4つのケアから!

Jul 19 2022

終末期の患者のためにできることには、医療スタッフだけでなく、家族の協力も必要です。まずは、家族として患者の気持ちを尊重し、QOLを考えたターミナルケアについて理解し実践することで、患者にとって残された時間を充実した人生として過ごしてもらえます。

家族が終末期を迎えた…「最期」の最後まで充実した幸福な人生を送ってもらうために、残された者には何ができるんだろう。

終末期とは、医学的に治療や延命が不可能になった状態で、余命が数ヶ月程度と想定される時期をいいます。

人生の「最期」をどう生きるべきかを考え実行していく大切な時期です。「終末期とはなにか?」についてより詳しく知りたい方は、「人生の「終末期」をどう充実させるか?知っておくべき3つのポイント」もご覧ください。

患者の終末期に、敢えて延命治療は行わない「終末期医療(ターミナルケア)」を選択すれば、患者の家族は、医療スタッフとともに一緒にターミナルケアに参加することができます。

ターミナルケアには、主に「身体的な苦痛へのケア」「社会的な苦痛へのケア」「精神的な苦痛へのケア」「スピリチュアルな苦痛へのケア」の4つの側面がありますが、それぞれ家族がケアできることがたくさんあります。

ターミナルケアの役割 内容
身体的な苦痛へのケア 床ずれの予防や身体の清潔を維持したり、排泄の介助など、家族のしてもらって快適に思えること
社会的な苦痛へのケア 経済的な不安や社会的な立場の喪失感へのサポートとして、患者を尊重するコミュニケーションをとること
精神的な苦痛へのケア 「死」を直面したことから起こる不安や悲しみ、怒りなどを鎮められるよう献身的に耳を傾けること
スピリチュアルな苦痛へのケア 「人生に対する意味」「自責の念」「死への恐怖」「死生観に対する悩み」など人間の本質的な悩みに対して、患者の自己肯定感につながるように、話を聴き、真摯に寄り添うこと

そこで今回は、患者の終末期にその家族ができることを、ターミナルケアの観点から解説。

万一家族が終末期を迎えた際、どんなふうにサポートし、残された時間で充実した幸福な人生を送ってもらうか、の参考になれば幸いです。

ターミナルケアとして家族ができること

患者が終末期を迎えた場合に、その家族ができることは医療スタッフとともに、終末期医療(ターミナルケア)に携わることです。

なぜなら、家族がそばにいて患者のためにいろいろとしてくれることは、安心感や生きている喜びなどプラスの思考が芽生え、医療を超えたケアになるからです。

具体的なケアの内容は次の4つがあります。

・身体的な苦痛へのケア

・社会的な苦痛へのケア

・精神的な苦痛へのケア

・スピリチュアルな苦痛へのケア

この4点に順番はありませんが、家族がそれぞれの苦痛を緩和するために真摯な気持ちで取り組むことが大切になります。

「身体的な苦痛へのケア」

身体的なケアでは、病気による痛みや苦痛を緩和することを目的にしていますので、医療チームが行う施術が多いです。

しかしながら、日々の生活においては清潔・着替え・排泄・移動といった日常行為でストレスを感じないよう環境を整えることはできるだけ家族がしましょう。

すると患者は「家族がそばにいる」「愛されている」という心強さと安心感を得られ、それが何よりのケアになるからです。

患者さんが寝たきりなどの場合は、床ずれが発生しやすくなるため床ずれ防止や体を清潔に保つことを意識しましょう。

誤嚥性肺炎予防のために口の中の清潔を保つことも身体的ケアとして重要になります。

こうしたケアは、看護師らの指導を受ければ家族でも対応できる施術です。

また、患者の好みに合わせたオシャレな装いで身だしなみを整えたり、特に女性の場合には華やかなメイクアップで気分転換してもらうことも、家族だからこそできる大切なケアになるでしょう。

「社会的な苦痛へのケア」

患者は時には入院や介護にかかる費用が家族の負担になっていないだろうかと悩みます。

また、仕事のことで「迷惑をかけている」「でももう自分は必要のない人間だ」など不安感や孤独感、役割の喪失感などの思いを抱いてしまうことも…。

こうしたマイナス思考を緩和したり取り除くためには、家族がしっかりコミュニケーションを取って支えてあげてください。

「精神的な苦痛へのケア」

精神的な苦痛へのケアとは、「死」に対する不安な気持ちや心残りを少しでも改善できるようにすることです。

終末期をむかえている人は、病気になってしまったことでたくさんのものを失ったり、あきらめたりしています。同時に、悲しみや怒りなど様々な感情と葛藤し苦痛を感じているのです。

だからこそ、患者本人が感じる苦しみを共有し、受け止め、本人の話しに耳を傾けます。

また、本人が大切にしてきた趣味や好きなもの、得意な事、大事にしてきた価値観などを一緒に共有し理解することが大切です。

「スピリチュアルな苦痛へのケア」

「死」を意識したときに、患者の心の中で「人生に対する意味」「自責の念」「死への恐怖」「死生観に対する悩み」を思い苛まれることがあります。

しかし、こうしたスピリチュアルな痛みは言葉として表に出てこないことがほとんどです。

裏返せば、相手の気持ちを想像して共感することがとても重要で、真摯に相手の心に耳を傾け、理解しようと寄り添い、話を聞く姿勢が必要になります。

「本気で自分を理解しようとしてくれている」という患者と家族の心のつながりは、安らかな死を迎えるためのケアではなく、いまを生きることを支えるケアなのです。

ケア以外に家族ができること

病床で患者を支えるだけが、家族にできるケアとは限りません。例えば次の3つを意識することで、患者・家族、双方にとって良い効果が生まれる可能性があります。

いい思い出を作る

主治医から許可や旅行中の注意事項を聞く必要がありますが、無理のないスケジュールで家族でいい思い出を作ることも大切です。

例えば、多忙だった患者は家族で出かけた記憶が少ないものです。ならばいっそ家族旅行に出かけるのはどうでしょうか。

最近では、医療チームが病気を抱えながらも旅行がしたい人を旅行をサポートする「トラベルドクター」という取り組みもありますので、参考にしてはいかがでしょうか。

患者がしたいことをサポート

医師からの許可や注意点に応じて、後悔のない時間の演出を一緒にプロデュースしてあげることもできます。

いままで時間が取れなくてできなかった、ダイビングやヘリコプターでの空中散歩、高級レストランでのグルメ三昧など希望を聞き、できる限り望みに近い形で実現してあげましょう。

実際、終末期の患者さんの「ビールが飲みたい」という希望を、訪問介護という形で叶え満足して旅立たせたというケースもあります。

寄り添うこと、語り合うこと、感謝すること

とはいえ、一番大切なことは、家族が寄り添い続けることです。物理的にも、精神的にも寄り添い、日常の会話を大切にし、家族になれたことを感謝しましょう。

例え、過去に家族のトラブルやわだかまりがあったとしても、「ありがとう」「あのときはごめんね」「いいんだよ」と感謝と許す気持ちを持つことは、大切なことです。

どうしても、直接言いづらい場合は、手紙や動画でも構いません。患者が「最期」のゴールテープを切るまで、家族は伴走者であり、最高のサポーターですから。

終末期に家族として気をつけたいこと

終末期は、患者本人はもちろん、残される家族もつらい立場にありますが、そんな不安や悲しみを乗り越えて、最期を看取るために知っておいてほしいことを3つ紹介します。

「死」をタブー視しない

患者本人や家族が人生の最期について話す機会を持ち、「死ぬことをどのように考えているか」「どのような最期を迎えたいか」「絶対にしてほしくないこと」などの価値観を共有し、確認することが大切です。

終末期の身体の衰えかた

終末期には、食事の摂取量やバイタルサインなど、病状に応じて様々な身体の衰弱が始まります。

個人個人によってもタイミングや身体機能の変化はまちまちですので、医師や医療スタッフから事前に情報を得ておき、ケアのしかたを準備しておくといいでしょう。

患者の変化がどんなものかを事前に知っておくために、「臨終の前にはどのような症状があるの?臨終前の症状を体と心に合わせてわかりやすく解説」もご覧ください。

看護する家族のストレスをなくす

家族だけで抱え込まず、医師や医療スタッフ、ソーシャルワーカーなど信頼できる人や専門家に相談してください。

なぜなら、患者に寄り添うことで、家族にも不安やストレスはつきものだからです。

また、たまには患者に寄り添うことを忘れて、自分の時間を充実させることも、家族のストレス解消につながる大切な心得です。

家族がストレスなく笑顔でいることも大切なケアとなるでしょう。

終活の手伝い

終活としてポイントになる3つのことを説明します。終末期でも身体が動くうちなら患者本人でもできますが、家族もできるかぎり終活を手伝ってあげるといいでしょう。

遺言書や相続の準備

終末期の患者に相続や自分がいなくなった後に託したい思いなどがあれば、早めに相続の準備や遺言書の作成をサポートしてあげてください。

相続の準備は、遺産を譲りたい相手(配偶者や子供など)にきちんと遺産を相続させるための手続きとなるうえ、その意思を反映させることができます。

同時に相続の準備をしておくことは、前もって遺産相続をめぐる争いやトラブルを避けることにもつながります。

そのためには、法的効力をともなう遺言書の作成や相続財産の内容を明確にする財産目録を作っておくことも大切です。

相続をスムーズにさせるために役立つ財産目録の作り方や、書き方を間違えて向こうにならない遺言書の書き方については次の記事もぜひご覧ください。

相続をよりスムーズに!「財産目録」の目的と知るべき3つのメリット

『財産目録』の書き方のポイントは5つだけ!簡単な作成のコツを解説

【文例付き】相続プロが教える!有効な遺言書の書き方完全マニュアル

エンディングノートを書く

意思の疎通ができなくなった時の、医師や医療スタッフへのリクエストやまた自分がいなくなった後で、家族に伝えておきたいことや願い。

さらに葬式に関する希望などを書き記すことで、終末期の患者には、胸のつかえが取れたような安心感を覚えることがあります。

もちろん、遺言や財産目録の内容を書くことも自由です。残された家族にとっても意義のあることが多いことでしょう。

形式も書く内容も自由ですが、自分らしい書きやすいエンディングノートを選ぶために、「エンディングノート最新人気ランキング20選!書き方も完全解説!」もぜひご一読ください。

葬儀の準備

生前に葬式を語ることは縁起でもありませんが、終末期の患者の意思を尊重する意味では大切なことです。

参列してほしい人のリストや宗教・宗派の確認、遺影のリクエスト、棺に入れて欲しいものなどを話し合っておきましょう。

最後のお別れをスムーズに執り行うために知っておくべき葬式の準備に関しては、「【保存版】葬式準備に必要な8つのポイントと4つの注意をプロが解説」をご覧ください。

まとめ:患者にとって残された時間を充実した人生として過ごしてもらう

終末期の患者に対して家族としてできることは、患者の気持ちを尊重し、ターミナルケア(終末期医療)について理解し、医療スタッフとともにターミナルケアに携わり、次のような患者の苦痛を緩和することです。

「身体的な苦痛へのケア」

「社会的な苦痛へのケア」

「精神的な苦痛へのケア」

「スピリチュアルな苦痛へのケア」

いずれも患者に寄り添い、患者の声に耳を傾け、後悔のない最期へと努めることが基本になります。

同時に、家族も不安やストレスに苛まれないような心の持ち方や解消法を知っておくことも大切です。

「患者にとって残された時間を充実した人生として生き抜いてもらいたい」という患者本人の思いと家族の願いが叶うために、この記事がお役に立てたら、大変うれしく思います。

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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