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家族葬によるメリットデメリットから、家族葬で葬儀を行う場合の費用相場までを徹底解説!

Feb 20 2021

近しい親族だけでおこなう家族葬。費用を抑えることができる葬式の形として家族葬を選択する人たちも多いようです。そこで本記事では、家族葬の費用相場やメリット・デメリット。注意するべきポイントについてご紹介致します。

家族葬についてご存知ですか?近年、耳にするようになった「家族葬」について、イメージとしては「家族のみで行う葬儀なのかな」と思い浮かぶものの、他の葬儀と具体的にどのように違うのかと聞かれると答えに窮する方が多いのではないでしょうか。

密葬や一日葬、直葬など、様々な形で行われるようになった葬儀ですが、それぞれの葬儀には、特徴やメリット・デメリット、注意点など、様々な違いが存在しています。

この記事では近年、費用負担が軽減される点や生前の故人の意向により選ばれることの多い家族葬の特徴の一つである「費用」について、相場やポイントを徹底解説いたします。

家族葬とは?

お葬式には多種多様な形があり、故人の希望や状況により葬式のあげ方を適切に決める必要があります。

今回は数あるお葬式の種類の中でも、最近良く聞かれるようになった、身内だけでお葬式をあげる「家族葬」について解説します。

家族葬とは?

近年よく耳にするようになった「家族葬」とは、親類と場合によっては親しい友人や知人など、ごく限られた会葬者のみで執り行われる葬式のことです。会葬者が限られる点で一般的な葬式と異なりますが、通夜や告別式は、一般的な葬式と同様にあげることが多いです。イメージとしては、少人数での葬式となります。

しかしながら、家族葬には厳密な決まりが存在しません。家族葬によっては、会葬者を限定するだけで会葬者の人数自体は多くなる家族葬や、なかには通夜や告別式などの宗教儀式を伴わない家族葬が行われる場合もあります。一言で家族葬と言っても、本当に様々な家族葬が存在します。

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家族葬の特徴

家族葬の「費用」は、他のお葬式形態とは違った特徴の一つであると言えます。普通のお葬式と比べて極めて少人数でのお葬式になりやすい家族葬は、その分、お葬式のために必要な支出も低くなるのです。
支出以外にも、一般的なお葬式では訃報などを通して一般の会葬者が参加するのに対して、家族葬では、事前に親しい関係者のみに会葬礼状を出して参列者を限定するといった点も、家族葬の大きな特徴と言えます。

家族葬の費用相場

お葬式を行う地域や依頼する葬儀会社によって異なりますが、全国的な家族葬の価格の平均はおよそ90万円程度(お葬式の際の飲食や香典返し、お布施などは除く)となります。

一方で、一般的なお葬式の価格の平均は140万円ほどとなっています。また、一般的なお葬式に必要な支出として最も多い金額帯は120万円前後となっており、価格相場を比べると家族葬は支出が大きく抑えられていることが明確にわかります。その理由は、家族葬の場合、会葬者の数を絞るために会場が小さく、会場にいるスタッフも少ないためです。

家族葬の費用については、「家族葬の費用相場は?損をしないための全国相場と費用を安くする方法を解説!」でもご紹介しています。

また、一般的なお葬式の価格相場については「葬式の費用はどれ位?予算内で希望の葬儀を行うための方法も紹介」の記事でも詳しく紹介しています。

業界最安値水準の「やさしいお葬式」での家族葬費用の内訳は下記にもご案内しています。

→ やさしいお葬式の家族葬

家族葬で抑えられる支出と抑えられない支出

家族葬で葬儀をあげる際の支出は、葬儀会社に支払う費用(式場の使用料等の設備の利用料など)や棺やドライアイス、装束などのお葬式に必要な物品、ご遺体を運ぶ車両費や火葬にかかる費用、通夜・告別式での飲食のための費用、僧侶に読経をあげてもらう際のお布施など様々な費用がかかります。その中でも、家族葬にすることによって抑えられることのできる支出と抑えることのできない支出に分けることができます。

家族葬で抑えられる支出

一般に、家族葬では会葬者の人数が絞られるため、大掛かりな会場や設備は必要なく、葬儀会社に支払う費用のうち、式場の使用料等の設備の利用料などは大きく抑えられます。また、同様に通夜・告別式での飲食のための費用や香典返しの費用も抑えることができます。

家族葬で抑えられない支出

家族葬で抑えることができる支出がある一方で、お葬式の際に使用する棺やドライアイス、装束などのお葬式に必要な物品、故人を運ぶ車両の費用や火葬費用、僧侶に読経をあげてもらう際のお布施などの費用は、お葬式の会葬者の人数で変化するわけではないので、家族葬でお葬式をあげたとしても抑えることのできない支出となります。

家族葬のメリット

一般的なお葬式と比べて、家族葬にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、家族葬のメリットをご紹介します。

一般的な葬儀より支出が抑えられる

この記事でも紹介したように、一般的なお葬式に比べて、お葬式にかかる支出が抑えられる点は大きなメリットと言えます。抑えられるのは支出のみではなく、同時にお葬式の準備にかかる時間も大きく抑えることができます。これまでは経済的理由によりお葬式あげられないケースもありましたが、家族葬の登場により、経済的負担を抑えつつ、しっかりと故人を送り出すことができるようになりました。

遺族の精神的な負担も抑えられる

一般葬では会葬者が多く、その分、会葬者への挨拶や気配りなど喪主をはじめとした喪主や遺族の精神的な負担が大きくなる傾向にあります。家族葬では、親しい間柄の身内のみでお葬式をあげるため、会葬者への対応に追われることなく精神的な負担を軽減することができ、故人とのお別れの時間をゆっくりと静かに過ごすことができます。

香典返しの手間が少ない

一般葬に比べて会葬者が少ないため、香典の管理や香典返しをなどの発送の手間が少なくて済みます。故人が亡くなった直後である、お葬式では時間的な余裕はもとより、精神的な余裕も持つことが難しいため、こうした手間をなるべく省くことができることは、大きなメリットであると考えられます。

香典返しのマナーについては「香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!」をご覧ください。

家族葬のデメリット

家族葬には、価格面など大きなメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットもあるため注意が必要です。

非会葬者に十分な理解をしてもらう必要がある

家族葬の場合、会葬者を絞ってお葬式をあげるため、お葬式に呼ばれることのなかった親族や知人などが、あとから故人の死やお葬式があったことを知り、気分を害してしまうことはあります。こうしたトラブルを回避するために、少なくとも親族には事前に家族葬でお葬式をあげる理由などをしっかりと説明し、理解を得ておく必要があります。近頃家族葬によるお葬式が増え、家族葬に対する認知や理解が進んだとはいえ、まだ一般的な葬儀形態ではないことに十分に注意する必要があります。

葬儀後の弔問が増える可能性がある

周囲から十分な理解を得て家族葬をあげたとしても、お葬式に参列できなかった親族や知人などが、「お別れを伝えたい」「線香だけでもあげさせてほしい」など、後日自宅に弔問することが増えます。家族葬は、お葬式当日の会葬者を絞る分、参加したくてもできなかった方が多く、一般葬に比べて後日の弔問が多くなる傾向にあります。こうした場合、故人の知人であっても、喪主や遺族との面識がない場合が多く、また、喪主と弔問者が一対一で応対することが多いなど、こうした方の対応で喪主や遺族の負担が増える場合もあります。

家族葬のメリット・デメリットについては、「家族葬ってどんなお葬式?メリット・デメリットや料金の内訳も紹介」の記事もご参考ください。

家族葬を営む際の注意点

記事の中で説明したように、大きなメリットのある家族葬ですが、家族葬を営む際に注意しなければならない点がいくつかあります。

注意点1:必ず支出が抑えられるわけではない

1つ目は、必ずしも支出を抑えることができるわけではないということです。記事の中でご紹介したとおり、家族葬には抑えることのできる支出と抑えることのできない支出があります。このうち「抑えることのできる支出」は地域や葬儀会社によって異なるため、事前に葬儀会社に「なるべく費用を抑えたい」と相談することをおすすめします。

なお、家族葬の費用を抑えたい場合は「家族葬を安くするための7つのポイントを公開!一般葬との違いとメリット・デメリット!」の記事もご参考ください。

注意点2:香典が少なくなる

2つ目は、会葬者を絞る分、香典も少なくなるということです。会葬者の多い一般的なお葬式の場合、接待飲食費用や香典返しの費用などが高くなりますが、一方で、香典により入ってくるお金も多くなります。しかしながら、会葬者の少ない家族葬では、接待飲食費や香典返しの負担が少ない分、香典も少なくなることに十分に注意する必要があります。支出を抑えるために家族葬にしたが、会葬者が少ないために、香典として受け取れる金額も少なくなり、かえって喪主や遺族の負担が増えてしまう可能性もあるのです。

香典について詳しく知りたい場合は、「葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!」「香典を完全解説!意味・歴史・金額相場・書き方・包み方・渡し方を解説!」の記事もご参考ください。

葬儀費用を抑えるための工夫

経済的な負担を減らすことが期待できる家族葬で、さらに葬儀費用を抑えるための工夫をいくつかご紹介いたします。また、こうした工夫は、家族葬に限らず行うことができます。

各自治体などの補助制度を活用する

各自治体や加入している保険事務所によっては、葬祭費補助制度が設けられていることがあります。例えば、国民健康保険加入者であれば、故人が亡くなってから2年以内の申請で1万円から5万円程度の葬祭費が支給されます。社会保険加入者であれば、5万円の埋葬料が支給されます。ただし、地域や保険事務所によって異なる場合があるため、事前に確認する必要があります。

葬祭費に関しては「忘れてはいけない⁈申請すれば頂ける葬祭費・埋葬料とは?給付金制度の概要と申請時のポイント」の記事もご参考ください。

扶助制度を活用する(生活保護受給者に限る)

生活保護を受給しており、お葬式にかかる費用を支払うことが難しい場合は、葬祭扶助制度によって、火葬式などの最低限のお葬式を自己負担無しで葬儀をあげることができます。お葬式の前に手続きをする必要があるため、葬儀社や自治体に事前に相談することをおすすめします。

相続した遺産で支払う

亡くなった故人から相続した現金や貯金などで葬儀費用を支払うことも可能です。しかしながら、遺産は手続きを行うのに時間がかかり、遺産相続人が複数いる場合は、さらに時間がかかることが考えられます。そのため、はじめは支払いを立て替える必要があり、かつ、想定していたとおりに遺産を相続できない場合があるため、最初から遺産をあてにすることは避けることをおすすめします。

遺産を使用する際は「家族葬の費用相場と内訳について!支払い方法や遺産を使う際の注意点も紹介」の記事もご参考ください。

共済制度や保険制度を活用する

葬儀用の保険や共済保険として、少額短期保険(保険金額が少額で、保険期間が1年から2年程度の保険)があります。こうした保険に入っておくことで、保険金として最高金額300万円、実際には100万円程度支払われることが一般的です。保険料が安く、葬儀費用を抑えることができるためおすすめです。また、相続と違い、故人が亡くなった後、1週間程度で保険金が支払われるなど、保険金の支払いが早いことも特徴です。

懇意な葬儀屋を作っておく

こちらは地域や葬儀社によって大きく異なるため注意が必要ですが、普段からお付き合いのある葬儀社を作っておくことで、割引などを受けることはできる可能性があります。もし、普段からお付き合いのある葬儀社があれば、一度「なるべく支出を抑えたい」旨を前もって相談しておくことをおすすめします。

葬儀屋については「葬儀屋/葬儀社の手配方法を完全解説!流れ・タイミング・費用を紹介!」の記事もご参考ください。

家族葬で葬式を行う際の費用相場についてのまとめ

この記事では、家族葬の費用相場からメリット・デメリット、注意点まで解説してきました。

重要なポイントは下記にまとめました。ぜひご参考ください。

【家族葬とは?】
●ごく限られた会葬者のみで執り行われる葬式のこと

【家族葬の費用】
平均はおよそ90万円程度(一般的な葬儀では140万円)
●お葬式の際の飲食や香典返し、お布施などは別途かかる
●棺やドライアイス、装束などのお葬式に必要な物品、故人を運ぶ車両の費用も別途かかる

【家族葬のメリット】
一般的な葬儀より支出が抑えられる
遺族の精神的な負担が抑えられる
●香典返しの手間が少なくて済む

【家族葬のデメリット】
●お葬式に呼ばれることのなかった親族とトラブルになる可能性がある
葬儀後の弔問が増える可能性がある

【家族葬の注意点】
●必ず支出が抑えられるわけではないので、葬儀会社との打ち合わせが必須
●参加者が少ないため香典が少なくなる

【費用を抑えるためにできること】
自治体などの補助制度を活用する
●(生活保護受給者であれば)扶助制度を活用する
●相続した遺産で支払う
共済制度や少額保険制度を活用する
●懇意な葬儀屋を作り割引してもらう 

一般的なお葬式の平均的な費用が140万円程度で、最も多い金額帯は120万円前後なのに対し、家族葬の平均的な費用は90万円程度で大きく費用を抑えることができます。

他にも、会葬者が少ない分、準備や気配りなどの精神的な負担が少なくて済むメリットがあります。一方で、近頃増えつつあるもののまだまだマイナーな葬儀形態なため、事前に親族や知人から理解を得る必要があり、場合によっては逆に費用が大きくなる場合があるなど、デメリットや注意点があることも事実です。

経済的な理由により家族葬を検討する場合は、事前にしっかりと葬儀社に相談しておくことや、場合によっては各自治体などに相談することを強くおすすめします。

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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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