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喪中に初詣に行っても良い?判断に迷う喪中の初詣について徹底解説!

Apr 22 2021

近親者が亡くなると「喪中」という形で喪に服すというのが一般的です。喪中期間が初詣の時期と重なったときに参拝してもよいか迷う方は多いのではないでしょうか?本記事では、お寺や神社への初詣はいつから行って良いかを分かりやすく解説しています。

初詣は一年の始まりを祝いおめでたい行事です。しかし、大切な方が亡くなったばかりの時期だと、手放しで初詣に行ってもよいのか不安ですよね。本記事では、喪中期間中の初詣や参拝などの扱い方についてご紹介します。

喪中に初詣に行っても良いのか?

近しい人物が亡くなると「喪中」という形で喪に服すというのが一般的です。そのため、人によっては「故人を偲ぶ期間におめでたいイメージのある初詣をしても良いのか?」と迷うこともあるでしょう。

結論から言えば、喪中期間中でも初詣をすることは基本的に問題ありません。しかし、細かく言えば「忌中期間と被っているのか?」「宗教がどこなのか?」ということによって少し考え方が異なる場合もあります。

それでは、そうした細かい内容についてご説明しましょう。

喪中と忌中の違い

上記でも記載した通り、喪中と似ている言葉に「忌中」があります。どちらの場合も「故人を偲ぶためのものである」という点は同じです。しかし、その期間や考え方に違いがあるためしっかり押さえておきましょう。

喪中とは?

喪中とは、一般的に「故人を偲ぶために一周忌までは慎ましく行動する」という考え方を指します。

喪中の歴史

この「一周忌までは喪中」という考え方は明治時代に広まりました。当時は、喪中の期間やその間の服装、行動まで細かく規定されていましたが、現代ではそこまで気にする方はほとんどいません。ある程度慶事を避けたりすることはありますが、規定があった時のようにそこまで厳しくする必要はないでしょう。基本的には「大切な方を無くした哀しみを少しずつほぐしていく期間」というように捉えておけば大丈夫です。

もちろんこの期間は「絶対守らなければいけない」というものではありません。早い段階で哀しみから立ち直り次に進む意味で喪中を明けることもあれば、ご遺族が立ち直るのに時間がかかるためもう少し期間を延ばすこともあります。さらに、故人との関係性が親密だった場合にも長期間喪に服すということもあるでしょう。

地域ごとに喪中の習慣がある

また、地域によっては昔ながらの喪中の習慣を受け継いでいる場合もあります。旅行やお出かけなどを自粛する場合もありますが、この辺りも法律で決まっているわけではないため、自分の家系や地域の慣習に合わせると良いでしょう。

また、地域ごとに葬儀屋告別式のマナーも異なります。詳しくは、「今更聞けない葬儀・告別式のマナーと費用を地域別に徹底解説!」をご参考ください。

忌中とは?

忌中では「四十九日までは喪に服すために慎ましく行動する」というように考えられています。仏教では「故人の魂の行き先は49日目に決まる」と考えられているため、この期間を一つの区切りとしているのです。ちなみに、四十九日法要を以って忌中を明けることを「忌明け」と呼びます。

四十九日法要については、「四十九日法要のお布施を完全解説!相場・地域・宗派を詳しく紹介!」もご参考ください。

宗教別の忌中と喪中の違い

このように忌中と喪中には少なからず違いがあります。

ただし、上記はあくまでも仏教における考え方です。宗教が変われば忌中や喪中への考え方も変わるのでしっかり確認しておきましょう。

仏教

先述の通り、「喪中は一周忌まで」「忌中は四十九日法要まで」というのが基本です。

神道

まず神道における喪中の考え方は、仏教と同様で「故人が亡くなってから約1年間」です。

ただし忌中に関しては仏教と異なります。神道では一周忌のような年忌法要ではなく「式年祭」を行うため、そのタイミングに合わせるのが一般的。具体的には、故人の命日から50日目に行われる「五十日祭」までが忌中とされています。

また、神道における忌中の期間は故人との関係性によって変わることもあります。

ただし神道の場合、仏教と比較して「喪中期間中は良いが忌中期間中にはすべきでないこと」が多く定められているので要注意です。これは、神道において「死は穢れである」という考えがあるため。この穢れが残っている忌中期間中に神様に近付くのはふさわしくないという慣習があるのです。具体的な内容は後ほどご説明します。

仏教と神道の違いについては「仏式とは?意味・流れ・マナー・神式との違いを解説!」「神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説」の記事もご参考ください。

キリスト教

喪中と忌中の考え方は日本独自のもの。そのためキリスト教ではこうした概念はありません。そもそもキリスト教では「人の死は祝福されるもの」という考え方もあります。そのため、仏教や神道のように「喪に服して慎ましく行動することがふさわしい」という訳でもないのです。

とはいえ、これはあくまでも伝統的な宗教の考え方の一つ。「喪に服す期間を設けることは絶対にNG」ということでは決してありません。

そのため、カトリックの場合は「追悼ミサを行なったら忌明けとする」と考えたり、プロテスタントの場合は「召天記念日(亡くなってから1ヶ月後)を以って忌明けとする」と考えたりすることもあります。

また、日本の慣習に合わせて喪中ハガキを出すこともあるそうです。

宗教ごとの葬儀の違いについては「前もって理解しておこう!葬儀の種類や宗教ごとの違いを解説」の記事もご参考ください。

忌中における参拝に関するお寺と神社の違い

このように忌中では、故人を偲ぶために大なり小なり慎ましく行動して喪に服すというのが伝統的です。

また、参拝に関しても忌中期間中ならではの考え方があります。これは、参拝先が神社なのかお寺なのかということによって異なるので確認しておきましょう。

神社への忌中の参拝はNG

忌中期間中に神社を参拝することはNGとされています。これは、神道における「死への考え方」によるものです。

神道において、死は「穢(けが)れ」と考えられています。もちろんこれは一般的な「汚れ」とは異なり、汚いものであるわけではありません。

穢れは「気枯れ」とも呼ばれており、これは「哀しみの中にあるため生きる気力を失っている状態」を指します。そして神道では、このような状態で神様と向き合うことは失礼に値すると考えられているため、忌中期間中の神社への参拝はNGとされているのです。

お寺への忌中の参拝はOK

その一方で、忌中期間中であってもお寺への参拝はOKです。

仏教において、死は穢れであるという考え方はありません。そもそもお寺へ参拝するのはご先祖様への挨拶が目的なので、供養の方法としても適切といえるでしょう。

ちなみに先祖代々のお墓を管理しているお寺を「菩提寺(ぼだいじ)」と呼びます。昨今は、お寺とのお付き合いも薄くなってきており菩提寺を持っていない方も多いです。その場合は僧侶を手配することもできます。

やさしいお坊さんでもご相談を受け付けております。追加費用が不要でお車代、御膳料、お心づけなども必要ありません。

 

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喪中の初詣の5つのポイント

このように、喪に服す期間にはいくつか気をつけるべき点があります。

また、先述の通り喪中であっても初詣に行くこと自体は問題ありません。とはいえ、細かい部分で「これはしても大丈夫なのだろうか?」と思うこともあるでしょう。

そこでここからは、初詣において起こりがちなシチュエーション別にどのように扱うべきなのかをご説明します。

そもそも忌中は参拝しない

そもそも忌中期間がまだ明けていない場合、初詣はできるだけ避けましょう。

とはいえ、これは「いつも神社で参拝を行っている場合」です。お寺であれば先述の通り初詣をしても問題ありません。自分たちが神道であっても、忌中の初詣に関してはお寺を選べば大丈夫です。

ただし、お寺に行く場合もなるべく静かなところを選ぶと良いでしょう。特に初詣は参拝人数も多いため賑やかな雰囲気になる可能性が高いです。なるべく人がいないようなお寺か、三が日を外して人が少なくなってから行くと良いでしょう。

もちろん誰かに監視されているわけではないので、そこまで気にしすぎる必要もありません。とはいえ「喪に服している間は慎ましく行動する」というのが基本的な考えとして浸透しているため、お祝いの雰囲気が漂う賑やかなお寺は避けた方が無難でしょう。

喪中のお正月の過ごし方について「喪中の正月の過ごし方とは?やること・控えることを完全解説!」の記事もご参考ください。

喪中にお守りや破魔矢は新調してもよいのか?

初詣と同時にお守りや破魔矢の新調を検討することもあると思います。古いお守りや破魔矢をお焚き上げで処分してもらい、新しいものを購入することでまた1年間を過ごすというのが習慣になっている方もいるでしょう。こうした方は喪中に新調して良いのかどうかが気になりますよね。

新調をするのであれば、忌中期間が明けた喪中に行うというのが良いでしょう。それに、そもそも忌中期間中であれば神社に参拝できません。そのため忌明けまで待つのが一般的です。

もし忌中期間中にお焚き上げをしたい場合は、郵送で依頼できることもあります。お焚き上げ料を同封して郵送することでお焚き上げしてもらうことが可能です。なお、お焚き上げ料は定額小為替にして送りましょう。全ての神社で対応しているわけではないので一度確認してみてください。

また、新品の購入に関しても郵送してもらえる場合があります。神社によっては忌明けまでお取り置きをしてくれることもあるので、こちらも合わせて確認してみると良いでしょう。

喪中におみくじを引いてもよいのか?

初詣でおみくじを引く方も多いでしょう。特に1年の始まりの時期なので、習慣的に自分の運勢を占いたいと考える方もいます。

おみくじに関しては、基本的にはひいても問題ありません。忌中の場合はそもそも神社には参拝しない方が良いため、忌中と初詣が被った場合はお寺でおみくじをひくと良いでしょう。

ただし神社によっては、忌中を過ぎた喪中期間であっても初詣をあまり歓迎しない場合があります。その場合はおみくじをひくかどうか以前に、初詣自体をしない方が無難です。

喪中に厄払いをしてもよいのか?

厄年の方であれば、初詣と一緒に厄払いをしたいと考えることがあるかもしれません。しかし喪中期間だとそうしたことを行うのも迷ってしまいます。

基本的に忌中を過ぎた喪中期間中であれば、神社やお寺で厄払いをすること自体は問題ありません。ただし、もしもまだ忌中期間を明けていない場合は神社での厄払いは避けましょう。これは先述の通り、神道においての穢れである死を神社に入れないようにするための配慮です。「忌中期間中だがどうしても厄払いをしたい」という場合はお寺で行いましょう。

とはいえ、宗教上の理由やこれまでの慣習上どうしても神社で厄払いをしたいケースもあるかと思います。その場合は忌明けするのを待ってから神社で厄払いをしましょう。厄払いには特に期限は無いため慌てなくても大丈夫です。

間違って忌中に参拝してしまった場合はどうするのか?

上記の通り、お寺であれば忌中や喪中に関係なく参拝できます。しかし神社に関しては、穢れを持ち込まないために忌中期間中の参拝は避けるべきです。しかし知らずに参拝してしまうこともあるでしょう。

その場合は、その神社の神主の方に相談をしてください。事情を説明してお祓いをしてもらえることもあります。そして、忌明け後に神社を再訪し神様に対して「穢れを入れてしまったこと」をお詫びすれば大丈夫です。もちろんこれは儀礼的なことではあるので、絶対にしなければならないということでもありません。

また、忌中期間中であっても参拝できる方法があります。それが「事前に神社のお祓いを受ける」というものです。このお祓いは「忌明け払い」と呼ばれており、神社ごとに作法は異なるので希望する方は確認しておきましょう。

初詣以外に喪中で注意すること

喪中の初詣においては上記のようなことを意識しておきます。それ以外にも、喪中期間中には以下のことに注意しましょう。

年賀状は送らない

喪中期間中に翌年の年賀ハガキを送るのはやめましょう。代わりに、年賀ハガキのやり取りがあった方には「喪中ハガキ」を送ります。この喪中ハガキには「新年の挨拶ができないお詫び」を記載するのが一般的です。

しかし最近では家族葬や直葬など小規模な葬儀も増えている影響で、そもそも故人の訃報を知らないという方もいます。そのため「訃報のお知らせ」として喪中ハガキを送るのも良いでしょう。

この喪中ハガキは相手が年賀ハガキの準備を始める前に届ける必要があります。そのため、11月中旬〜12月初旬までには送るようにしましょう。

喪中ハガキについては「喪中ハガキとは?書き方と文例と出す相手と時期を徹底解説!」「喪中に寒中見舞いを出してもよい?時期・マナー・文例集を紹介!」の記事もご参考ください。

正月飾りなど対外に見えるものは控える

喪中は喪に服し慎ましく振る舞うというのが基本であるため、正月飾りも控えましょう。特に外から見える位置に新年を祝うような門松などが飾られていると、喪中であることを知っている方からしたら不思議に思われるかもしれません。正月は故人を偲びゆっくり過ごすのがベストです。

新年の集まりは身内に留める

正月飾りのような目立つことを控えるのと同時に、大勢で新年の集まりをすることも避けましょう。喪中期間中は慎ましくしておくのが原則です。

もし集まるとしても、現在喪中であることを認識している近しい身内だけで集まりましょう。

新年会などの宴会にはなるべく参加しない

上記と関連して、大勢が集まる新年会への参加も控えましょう。1年の始まりはおめでたい時期なので盛大に新年を祝いたい方もいるかもしれません。しかし喪中期間中は、故人を偲ぶ意味合いも込めてなるべくそうしためでたい席には参加をしない方が無難です。

喪中の初詣についてのまとめ

以上が喪中期間中の初詣に関する基本的な内容です。最後に今回の知識をまとめて振り返りましょう。

【喪中に初詣に行っても良いのか?】
喪中期間中でも初詣をすることは基本的に問題ない

【喪中と忌中の違いは?】
喪中とは、一般的に「故人を偲ぶために一周忌までは慎ましく行動する」という考え方を指す
●この期間は「絶対守らなければいけない」というものでもない
忌中では「四十九日までは喪に服すために慎ましく行動する」というように考えられている。また、四十九日法要を以って忌中を明けることを「忌明け」と呼ぶ

【宗教別の忌中と喪中の違い】
仏教では、「喪中は一周忌まで」「忌中は四十九日法要まで」というのが基本
神道では、喪中の考え方は仏教と同様。忌中に関しては仏教と異なり、式年祭を行うためそのタイミングに合わせるのが一般的
キリスト教には喪中と忌中の考え方は無い。ただし日本の慣習に合わせて喪中ハガキを出したり、追悼ミサや召天記念日を以って忌明けとすることもある

【忌中における参拝に関するお寺と神社の違い】
神社への忌中の参拝はNG。これは、人道では「死は穢れである」という考え方があるため
●仏教には死は穢れであるという考え方は無いため、お寺への忌中の参拝はOK

【喪中に初詣をする気を付ける5つのポイント】
そもそも忌中は神社への参拝はしない。お寺はOK
●喪中にお守りや破魔矢は新調しても良い。ただし基本的には忌中期間が明けた喪中に行う
●喪中におみくじを引いても良い
忌中を過ぎた喪中期間であれば、神社やお寺を問わず厄払いをしても良い
●間違って忌中に参拝してしまった場合は神社の神主の方に相談をする

【初詣以外に喪中で注意すること】
年賀状は送らない。その代わりに喪中ハガキを送る
正月飾りなど対外に見えるものは控える
●新年の集まりは身内に留める
●新年会などの宴会にはなるべく参加しない

本来であれば、新年というのは一年の始まりであるため盛大にお祝いしたいもの。しかし大切な方が亡くなったばかりであれば普段通りにお祝いするというわけにもいきません。しばらくの間は故人を偲び静かに過ごすのがベストです。

しかし、いつまでも行動を制限していては普段の生活が送れませんし、哀しみに沈み続けるというのも精神的によくありません。今回のようにある程度お祝い事の扱い方には気をつけつつ、徐々に普段通りの生活を取り戻すと良いでしょう。

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・喪中とは?喪中の期間・喪中にしてはいけないことを完全解説!

     

 

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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