喪中とは？喪中の期間・喪中にしてはいけないことを完全解説！

喪中にしてはいけないことをご存知でしょうか？許されることは何なのか疑問に思う方もたくさんおられると思います、喪中とはなんなのか？といった喪中の基礎知識から、喪中の期間や年賀状、喪中はがきの文例など知っておきたい情報について解説しています。

近しい親族を亡くした際、一定期間は喪に服しますが、その期間はどのくらいで、「喪に服す」にはどのような意味やその背景はご存知でしょうか。

「死」はデリケートであるため、触れる自体がタブー視されてきた歴史もあります。けれども、今を生きる社会の一員の私たちには、喪中について知っておくべき知識や礼儀の情報をあらかじめ得ることは重要だと考えます。

喪中の間に避けること、しても大丈夫なこと、いざという時のために知っておきたいさまざまな情報を集めて詳しく解説します。

喪中とは？

家族などの近しい人が亡くなった際に、故人を偲ぶ期間が喪中です。この間には、結婚式などの慶事を執り行うことや出席、祝い事を催すのを控えて故人の冥福を祈りながらつつしんだ生活を送るのが慣わしです。この喪中の期間でのふるまいが「喪に服す」です。

ひと昔前までは喪中の間は家の中でも喪服を着て、外部の接触を避けるために家の中に閉じこもっていましたが、現在はそれほど日常に制限をつけることはありません。

喪に服すことの詳細は「喪に服すとは？意味と期間と宗教と寺社と注意点・マナーを徹底解説！」もよく読まれています。

喪に服す人の範囲

故人との血縁の深さ、いわゆる続柄によって、喪中に服す人の範囲は変わってきます。一般的には、故人から二親等までの親族がその範囲といわれています。

自分を基準として三親等までを以下にまとめました。

二親等までというのはあくまで目安です。三親等以降でも付き合いが深った場合などには、自分の気持ちとして喪に服することはまったく問題ありません。昨今では、同居しているかどうかで決める人も多くなっているようです。

親族間、地域などで慣習がある際には、まず相談や確認をしてみましょう。。

喪中の期間(故人との関係別)

故人との血縁関係、つまり続柄で喪中の期間についての大まかな長さが決まっています。

明治時代には太政官布告（明治七年発令）という法令により喪中の期間は続柄ごとに詳細に定められていましたが、それは一世紀以上前の法令で、昭和二十二年に廃止されています。

現在は社会に見合った期間に修正され、喪中は父母や配偶者などのごく近しい関係でも一周忌までとするのが基本概念になっています。

以下に、故人からみた主な続柄毎の喪中の期間をまとめました。

喪中の期間は、家庭毎の考えや地域性、同居しているか否か、また、故人との親交度合で変わってくるため、ものさしのひとつとして参考にしてください。最近では、二親等の祖父母であったとして同居をしていない場合には喪中はしないという人も増えていることも事実です。

喪中と忌中の違い

喪中と似ており、その違いが判り辛いのが「忌中」です。臨終からの日数で変わる呼び方が、喪中・忌中です。喪中は亡くなった人の死を悼み偲ぶ期間で、忌中は社会との接触を避けるべき時間の長をさします。

一般的に忌中は、故人が亡くなってから四十九日の忌明けまでが期間となります。喪中は一般的には一周忌までの期間をいいます。

忌中とは？

忌中は、故人が亡くなってから四十九日の忌明けまでが一般的です。忌中の期間中は故人を悼み、冥福の祈りをささげながら、身についている死の穢（けが）れが外部に感染しないように家に閉じこもり、外部との接触を避けるための期間となっています。

「忌服（きふく）」とも呼ばれ、「忌」は忌中のことをさします。

故人との続柄によってその長さは異なりますが、喪中は故人から二親等までの遺族が、目安として三カ月～十三カ月まで喪に服します。

忌引き

忌引きとは、葬儀に出席するためと喪に服すために学校や会社を休むことを指します。「忌引き休暇」とも呼びます。一般的な忌引きの期間は下記の通りです。忌引きの日数は故人との関係や会社や学校ごとにも異なります。

喪中はがき（喪中欠礼）とは？

年賀の欠礼状のことを喪中はがきといいます。身内に不幸があり、喪中の期間中のため年賀の挨拶を控えるという旨を知らせる詫び状のことです。

年賀の欠礼状だった喪中はがきですが、葬儀が小規模な家族葬などへと多様化している昨今では、年賀の欠礼を詫びる意味だけではなく、訃報の知らせという意味合いが強くなっている傾向にあります。

喪中はがきを送るタイミング

望ましいタイミングとしては、相手が年賀状の準備を始める前までに届くように出すのがよいといわれ、できれば十一月中旬、遅くとも十二月中旬頃までに出すのが礼儀です。

あまりに早過ぎる時期に送ってしまうと、年に一度年賀状のみのやり取りだけで日頃からそれほど深い交流がない相手の場合には、相手が年賀状を準備する頃には失念していたり、喪中はがきそのものを紛失するなどといったリスクが高くなってしまいます。

一方で、あまりに遅過ぎてしまうのも配慮に欠けます。相手が既にもう年賀状の準備を済ませていて、送ってしまった後で喪中はがきが届いてしまうようなことはできるだけ避けたいものです。
　

喪中はがきを送る相手

毎年のように年賀状をやり取りするような間柄の人や、ご縁があり今後年賀状のやり取りが予測できる人には送りましょう。葬儀に参列いただいた方や喪中であることをすでに知っている方にも喪中はがきを送ることは礼儀とされています。

何年も年賀状のやり取りをしていない人、また、喪中はごくプライベートなことですので、仕事上でのみの関係者や取引先などにも喪中はがきは出しません。

年賀状が来た場合は寒中見舞いを出す

万が一、喪中はがきを出していない人から年賀状が届いたときには一月七日の松の内が過ぎてから、身内に不幸があったために返礼が遅れたことの詫びを書き添えて寒中見舞いを出すのが礼儀とされています。

寒中見舞いについては「喪中に寒中見舞いを出してもよい？時期・マナー・文例集を紹介！」の記事もご参考ください。

喪中はがきの書き方

喪中はがきにはデザインに特別な決まりはないので、自分で作成することもできます。ただし、喪中はがきのような形式的な文章の際には、句読点を入れないといったようなことがルールです。

基本的な喪中はがきの文章の構成は、下記のとおりです。

私製はがきで親しい方に送りたい折りには、句読点の入った文章にして気持ちを伝えることも見かけるようになってきました。また、私製はがきを用いる際には、弔事用切手を貼るのが慣習でしたが、近年では弔事用の切手でなく普段使用している切手でも特に問題はないとされています。

喪中はがきの文例

喪中はがきのように形式的な意味合いが強くある場合、本来は句読点を入れないルールですが、親しい人へは自分の言葉で送りたい場合には気持ちが伝わりやすいように句読点を入れても大丈夫です。

以下は、一般的な喪中はがきの文章の一例となります。

喪中はがきのデザイン

喪中はがきは墨一色のイメージですが、花やペットなどの挿絵などが入ったりしたカラーの喪中はがきも登場してきています。

これまでは年賀状のように喪中はがきに故人の写真をことはまずありませんでしたが、芸能人など著名人のお別れの会などの会葬礼状には、故人の遺影や生前の写真、故人が描いた絵や書などをプリントするケースが目立ってきています。

葬儀の在り方も多様化している現代社会では、故人の遺影や思い出の写真などをプリントした自由な喪中はがきが一般的になる日もそう遠くないかも知れません。

喪中はがきが届いた場合

続いて喪中はがきを受け取った場合についてです。

故人と親しい間柄であった場合は、葬儀に参列したかったという方もいらっしゃるかも知れません。ただ、最近では、家族葬や直葬など近親者のいで葬儀をおこなう形式も増えて来ています。電話で弔意を伝えても良いですが、手紙で故人との想い出や悲しみ、感謝を伝えるのも良いでしょう。直接、ご家族のもとに弔問したい場合は、必ず事前に確認をとってから訪問をするようにしましょう。

供物や供花を送る場合も、逆に迷惑になってしまう場合があります。送ってもよいかの確認はしっかりとりましょう。

喪中や忌中のない宗派と宗教

「死」に対しては宗教によりさまざまで、同じ仏教でも宗派によって考えに相違があることもあります。

キリスト教と浄土真宗では喪中は無い

実際に、キリスト教と仏教の浄土真宗には喪中や忌中といった概念自体がありません。忌中は死を穢れとして社会との接触を断って、喪中の間は故人の死を悼み行動をつつしむ時間とされています。

キリスト教

「人は死ぬと神様の導きで天国に行き、現世の人間は死んで天国へ行けば故人とまた会える」といった考えをもつキリスト教は、お別れの会や偲ぶ会が個別に行われることもありますが、そもそも「死」を穢れとしていません。そして、天国へ行けばまた故人とは会えるのですから、特別に死を悼む時間は必要ないというとらえ方です。

浄土真宗

仏教の浄土真宗では、「人は亡くなるとすぐに極楽浄土へ旅立ち仏さまになる」という教えです。ですから、「亡くなった人はすぐに仏さまになるので魂がさまようこともなく、現世に穢れを残さない」として浄土真宗ではとらえているのです。亡くなった人はすでに成仏しているので、故人の死を悼まなくてよいということです。

浄土真宗では喪中・忌中そのものが無く、故人の死後も変わらずこれまでどおりの生活を過ごすことを概念としています。

喪中の宗教ごとの注意点は「喪に服すとは？意味と期間と宗教と寺社と注意点・マナーを徹底解説！」の記事もご参考ください。

喪中にするべきこと

喪中の期間は、華やかな行動はつつしむべきとされており、故人の臨終からは実際なにかと慌ただしいものなのです。だからこそ、喪中の期間にするべきことはあらかじめ把握しておきましょう。

香典返しを送る

葬儀の参列者にいただいた香典に対しては、「香典返し」を送るのが一般的です。

ただし、忌中の間は香典返しを送る時期としては適していないといわれています。忌中は、死を穢れとして捉えて外部との接触を断つ期間ですので、香典返しを送るのは四十九日法要が終わって忌明けになって喪中からというのが慣例です。

忌明けは、宗教的な意味合いで故人の魂の行き先が決まるタイミングでもあり、遺族も慌ただしい中でさまざまな手続きなどが済み、同時に気持ち的にも一旦落ち着きを取り戻せる時期でもあります。
香典返しは、忌中ではなく喪中の期間に入ってから送ります。

香典返しについては「香典返しのマナーを完全解説！相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介！」の記事もご参考ください。

四十九日法要を執り行う

四十九日法要は、人の魂の行き先が決まる大事な日であり、葬儀の一連の流れの中でとても重要な法事のひとつです。

遺族は、四十九日法要までにも七日毎の忌日法要やさまざまな手続き、遺品整理など、故人に思いを馳せながらも慌ただしく、やらなければならないことは予想以上に多いのです。

四十九日法要は、遺族として忌明けを迎え、気持ちの面でも新たにできるタイミングとしても大切な行事といえます。

ひとつの区切りとして、きちんと四十九日法要を執り行えるよう準備しておきましょう。

四十九日法要については「四十九日法要のお布施を完全解説！相場・地域・宗派を詳しく紹介！」もご参考ください。

喪中はがきを送る

毎年年賀状をやり取りするような間柄の人には、喪中はがきを出しましょう。

ただし、喪中はごくプライベートなことであるという見識が一般的ですので、仕事上の付き合いだけの相手や取引先には喪中はがきは送る必要はありません。

喪中はがきを送るタイミングは、相手が年賀状の準備を始める前までに届くように送るのが礼儀です。目安として十一月中旬、遅くても十二月初旬までには出すようにしましょう。

喪中はがきについては「喪中ハガキとは？書き方と文例と出す相手と時期を徹底解説！」の記事もご参考ください。

喪中にしてはいけないこと

喪中では、派手なふるまいは控えることが肝心とされていますが、これは昔からのしきたり、伝統であり形式上ではそうするべきだとされてきたものです。近年はその意識も徐々に薄れてきている傾向も見受けられますが、実際にはどの程度の範囲なのかを具体例をあげて説明します。

慶事の参加や執り行い

結婚式やお祝いパーティなどの慶事への出席は、控えるのが礼儀です。

招待された場合

招待される側であれば、忌明けの法要が済むまでは遠慮します。招待する側の両家が盛大にお祝いする場であるということもあり、喪中に出席するということはかなり不謹慎であるといえます。

ただ、父母や子、同居の親族などごく近しい身内が亡くなった場合を除けば、本人の気持ち次第で慶事に出席する人もいます。もっとも招待する側が逆に気にすることは当然ありますので、断るのが無難だといえます。

主催者側の場合

結婚式を催す当事者が喪中の場合は延期することが一般常識ですが、亡くなった人との関係性や年齢などの状況に応じ、また、四十九日の忌明け以降であれば、結婚式をそのまま予定どおり開くという流れもあります。

ホームパーティなど自宅に人を招くこともタブーとされています。忌明けを迎え、喪中になれば良しとするケースも増えてきましたが、それぞれの家庭や地域によって考え方はさまざまといわれています。

旅行などのレジャー

以前は旅行など楽しむレジャーも控えなければならないとされていましたし、現代でも極力控えることは無難ではあります。ただし、遊びをすべて控えるということは現実的には難しいことだといえます。例えば、旅行は四十九日の忌明けを目処に行くなど、あくまでも何事においても節度をもった行動をすることが大切です。

神社への参拝

喪中の期間は神社への参拝はできません。これには、神社には喪に服している人は入ることが許されないという事情があるためです。

仏教では葬儀を寺院で行うことがありますが、神道では人や動物の死を穢れとしていることから神社で葬儀を行うことはできません。そのため、喪中に神社に足を踏み入れたり参拝したりすることは禁じられているのです。

喪中の期間は神社への参拝はできませんが、喪が明けた後であれば参拝することができます。正式には神道において忌中である五十日が過ぎれば参拝できるとされていますが、その神社の地域によっても考え方は違いますので、確認した上でそれに従いましょう。

年賀状

新年を祝う挨拶である年賀状は出すことはできません。事前に年賀の欠礼を詫びる喪中はがきを出し、喪に服していることを知らせておきます。

正月のお祝い

しめ縄や門松など玄関や門の正月飾り、鏡もちは不要、おせち料理やお屠蘇の用意もしないのが慣習です。年始まわりや神社、仏閣への初詣も控えるのが一般的です。

喪中期間のお正月の過ごし方は「喪中の正月の過ごし方とは？やること・控えることを完全解説！」の記事もご参考ください。

お年玉をあげたい場合

なお、お年玉をあげることも厳密に言えば避けた方が良いといわれていますが、子どもにとってお年玉は年に一度のお楽しみでもあります。渡したい場合には、地味目なポチ袋に「お小遣い」などと書いてあげるということもよい方法です。

喪中にしても許されること

喪中の期間には控えるべきなのか迷ってしまうようなことも多々あります。こちらでは基本的に行っても許される、問題ないことをあげていますが、あくまでも目安として捉えてください。

葬儀への参列

自分が喪中であっても、他の方の通夜、葬儀、法要には参列できます。その後の会食についても、故人を想い、偲ぶための食事会ですので節度を持って出席することは問題ありません。

葬儀のマナーについては、「今更聞けない葬儀・告別式のマナーと費用を地域別に徹底解説！」「仏式葬儀とは？一般的なマナーや葬儀の流れについて徹底解説」もご参考ください。

また、葬儀についての不明点や疑問は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。やさしいお葬式では葬儀の見積もり、遺影写真、参列者のリストアップなど事前準備をおすすめしています。葬儀の作法や服装などについてもご相談できます。 

飲み会・スポーツ・コンサート

仕事の取引先の宴席に招かれるなど避けられないケースもありますし、友人との付き合いで飲み会へ参加することは大丈夫です。とはいえ、結婚披露宴の二次会のような祝い事などの飲み会などは控えるのが無難です。

ゴルフなどスポーツやコンサートに行くといった遊びも問題ありません。身内を失った気持ちを遊ぶことで癒すことも必要な場合もあります。

お歳暮・お中元のやり取り

お歳暮やお中元のやり取りは、お世話になっている方への日頃の感謝と季節の挨拶の意味をもちますが、お祝いではありません。ですから、喪中にお歳暮・お中元をやり取りすることは問題ないのです。また、相手方が喪中でも大丈夫です。

ただ、贈る際には熨斗（のし）に注意してください。紅白の水引は避け、白字または無地の包装に変更してもらいましょう。

暑中見舞い・寒中見舞いを送る

暑中見舞いや残暑見舞い、寒中見舞いもお祝いではなく、相手方の健康を気遣うものですので、喪中であっても送ることはできます。

寺院への参拝

喪中であっても寺院へは参拝することはできます。神社は人や動物の死を穢れと捉えますが、寺院にはそういった考えがないからです。

節分の豆まき

節分の豆まきは行っても大丈夫です。「鬼は外、福は内」というように節分の豆まきには、悪いことを家や人から追い払うという言い伝えがあります。

書初め・餅つきなど年末・年始の風習

書初めや年越しそば、餅つき、カルタなど、お祝いごとではなく風習の場合は、喪中と関係がありませんので特に控える必要はありません。

故人に想いを寄せるのが大切

最近では、喪中期間でもそこまで厳密に行動を制限する必要はありません。しかし、喪に服す期間は、故人を失った悲しみと感謝に想いを寄せる大切な期間でもあります。

できるだけ、華美なイベントは避け慎ましく生活するのが故人への供養にもなります。

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喪中についてのまとめ

「喪中」について重要となるポイントを下記にまとめました。

喪中や忌中には古くからの慣習などが多くあることをお伝えしてきましたが、絶対的なものではなく、法律で決められているものでも無いため、必ず守らなければならないものではありません。あくまでも「一般的な考え方」です。

多様化するライフスタイルからも、喪中の振る舞い、喪の服すこと自体が基本的には本人次第なのです。「遺族には悲しんで欲しくない」という故人の意向で、遺族が喪に服さないというケースもあるのです。

最終的には個人や家庭の考え方が尊重されますが、「喪中は故人を偲ぶ期間である」という正しい認識を持ち、基本的な知識や礼儀を踏まえて、喪中にふさわしいふるまいを行うことが大切です。

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