葬式で僧侶にお渡しするお布施の相場は47,3万円です。マナーが心配な方は、本記事でご紹介している「包み方」「書き方」「渡し方」「タイミング」をそれぞれしっかり押さえておくことで、スムーズに迷いなくお渡しすることができるでしょう。
「檀家(だんか)に入っていないしお布施っていくらか分からない…」
「お坊さんに〇〇円と言われたけどこれって高くないの?」
「いつどこで、どうやって渡したらいいの?」
上記のような声ををよく耳にしますが、葬儀に参列する、ましてや喪主(施主)として参加する機会は滅多にないものです。
それが故に「わからない」ことは普通であり、全くもって恥ずべきことではないのです。
結論を申し上げますとお布施の相場は全国平均で47.3万円です。皆さんがお考えになられているほどマナーも難しくはなく、たった4つのポイントだけ抑えてしまえば慌てることもなければ、恥をかくこともありません。
そこで今回の記事では、お布施の相場がいくらで、なぜその金額なのか?そしてこれだけ抑えておけば大丈夫!という4つのマナーについてまとめました。
当記事をご覧いただくことで相場やマナーを理解することができますので、皆様が僧侶のお手配をする際のお力になれれば幸いです。是非最後までお読みください。
INDEX
葬式時のお布施相場は47,3万円!(全国)
葬式時のお布施は全国平均47,3万円となっております。
(第11回「葬儀についてのアンケート調査」日本消費者協会調べ)
葬儀の際は地域による風習の違いもあり異なる場合がございますが2回~5回の読経が行われます。
(枕経)⇒通夜読経⇒告別式読経(式中初七日込)⇒(火葬炉前読経)
*1回あたり9,46万円~23,6万円という幅の相場です。
*枕経:納棺の前に、死者のまくらもとであげるお経。
*式中初七日:故人が亡くなってから7日目に行う法要。それを式中にやるという形。
*火葬炉前読経:火葬炉の前で故人と遺族や参列者がお別れをする最後の儀式です。その際に読んでいただくお経のこと
上記は地域の風習の違いなどにより異なりますが、何回読経をお願いするかは基本的には遺族のお考えになります。枕経と炉前読経は地域や火葬場によってしない、していない。などがあります。
全国のお布施相場(各宗派合算)は以下の通りです。
北海道:33.4万円、東北:60,9万円、関東52,2万円、中部:54,3万円、関西:46,5万円、中国42,6万円、四国:39,2万円、九州29,1万円
*地域によって幅があるのは、寺院によって考えも様々であること、あるいは地域によって葬儀内容や僧侶を1人ではなく2,3人呼ぶなども要因として考えられます。
そして、お布施というのは読経(お経を読む)だけではありません。戒名、お車代、お食事代など全てを合わせての料金となります。
読経料:15万~30万
法要の際などに僧侶にお経をあげてもらう際のお布施のこと
*読経の回数は一日葬、通夜葬儀など法要の種類により変動します。
戒名料:15万~30万
戒名を付ける際に戒名に対する感謝の気持ちをお供えするお布施のこと戒名のランクや宗派によって変動します。「戒名とは?浄土宗の戒名の特徴から他宗の特徴、生前戒名まで徹底解説」では各宗派ごとの詳細を詳しく書いておりますので、ご自身の宗派をチェックすることでより理解を深めていただけます。合わせてお読みください。
お車代:5千円~
僧侶が会場まで移動する交通費を「お車代」と言います。
通夜葬儀など何度か足を運んでもらう場合もまとめてお渡しします。
もともとは僧侶をお寺まで迎えに行くのが一般的でしたが、葬儀の形式の変化など時代の流れもあり、葬儀会場まで来てもらうケースが多くなりました。 迎えに行かない代わりに「お車代」を用意するようになったのです。
寺院によって考えが違っていたり、地域によっても風習などの違いもあることから大きく変動があると言えます。
お布施のマナーたった4つ覚えればOK!
お布施のマナーは「包み方」「書き方」「渡し方」「渡すタイミング」の4つを覚えるだけでOK。
参列経験がなかったり、死と向き合うであったり、いわゆる終活に対してまだまだマイナスのイメージをもたれている方が多いのでいざ亡くなるまで準備出来ていないケースがほとんどです。
マナーを理解せず独自の考えでやってしまうと、お世話になる僧侶に失礼になってしまいます。
したがって、下記4つを覚えるだけで大丈夫ですので覚えておきましょう。
包み方 |
・奉書紙で包む ・封筒でも代用可能 |
書き方 |
・黒いペンで記入 ・お車代などは小分け |
渡し方 |
・切手盆にのせる ・切手盆のない場合は袱紗を使用する |
渡すタイミング | ・終了後にお渡し |
僧侶に感謝の気持ちをお渡しするので、マナーとして間違った包み方で包むのはNGです。
1)お布施の包み方
奉書紙(ほうしょがみ)に包むのが望ましいですが、持ち合わせのない場合は封筒で代用も可能となります。
*お布施は奉書紙などに「入れる」ではなく「包む」と表現します。
・奉書紙の包み方
奉書紙で包む場合は、包むお金の表面を見える状態にして紙の上に置き、包むように折っていきます。折る順番としては「左」→「右」→「下」→「上」といった具合におっていくようにしましょう。
・封筒を使う場合
奉書紙がない場合などは封筒を代用することができます。
とはいえ特に社葬など、厳格なマナーを求められる葬儀においては奉書紙を使うのが鉄則。略式でも良い場合に限り封筒で包むこともマナー違反にはなりません。葬儀の形式(厳かな式なのか、簡単に済ませる式なのか)によって、紙を使い分けると良いでしょう。
不幸が重なることを連想させてしまうため、封筒が二重になっているタイプのものもありますが、避けたほうが良いでしょう。また、茶封筒ではなく、白封筒にしてください。茶封筒だと、ラフすぎると思われてしまいます。こうした細かな気遣いも重要になると言えます。
2)お布施の書き方
表書きには作法があり、それぞれの内容によってわける必要があります。基本的には(下記画像の『御布施』部分)「御布施」と書きましょう。
ただし、御車料など別に渡す場合は、それぞれ「御車料」など小分けにします。
表書きを書く際には、なるべくなら黒い筆ペンを用いると良いでしょう。どうしてもない場合には、黒いサインペンなどを用いても構いません。
また、袋の下部には、ご自身のお名前を書き入れることを忘れないように注意してください。
*上記イメージ画像です。
3)お布施の渡し方
お布施を渡す際は一般的に「切手盆」の上に載せてお渡しするのがポピュラーな作法とされています。
◆切手盆とは御祝金・香典・お布施などの金封を丁寧に差し出す時に使う20cm程の縦長の漆塗りのお盆のこと。
準備できない場合もあるかと思いますがそうした際は「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる風呂敷状の布を使ってお布施をお渡ししましょう。
「袱紗とは?お葬式にふさわしい袱紗の色から包み方まで完全解説」では袱紗とは何か?から使用方法まで詳しくご紹介いたします。
弔事用の袱紗で使用して良いとされる色は寒色系だとされています。参考までに下記も合わせてご覧ください。
4)お布施を渡すタイミング
お布施は基本的に『儀式が始まる前、あるいは終わった後』に渡しましょう。
誤ったタイミングで渡してしまうと失礼にあたったり、渡しそびれてしまったりするからです。
儀式前や儀式後は「本日は宜しくお願いします」や「本日はありがとうございました」などのご挨拶や御礼をお伝えしながらお渡しすることも出来ますので、最良なタイミングと言えます。
施主様も僧侶様も当日は忙しいと思います。儀式前か儀式後どちらでも問題ありませんので、渡せるいずれかのタイミングでお渡ししましょう。
依頼前に知っておきたい3つの依頼先と良い点・悪い点
お坊さんに読経を依頼するには「葬儀社」 「檀家住職 」「僧侶派遣」の3通りあります。
依頼先 | メリット | デメリット | |
葬儀社 付き合いのあるお寺がない、全て段取りもしてほしい方へおすすめ。 |
・自分で手配する手間が省ける
|
・どんな僧侶がくるかわからない | |
檀家住職 ご自身が檀家である場合、永続的にお付き合いしたいお寺をお探しの方へおすすめ |
・どんなお寺か、住職か実際に確認できる
|
・檀家勧誘がある | |
僧侶派遣 少しでも安く抑えたい、その後のお付き合いは不要という方へおすすめ |
・お布施が低額かつ明記されている ・その場限りのお付き合いが可能 |
・どんな僧侶がくるかわからない |
上記メリットとデメリットをご確認いただいた上で「何を重要視するか?」が一番重要なポイントとなります。
一番気になる「費用」を抑えたい!という方は僧侶派遣に依頼するのが一番安価で依頼が完了できます。
ただし僧侶派遣関しましては、まだまだ良くないイメージを持つ寺院が多いので、依頼者の方の近所の寺院を手配できるかどうかは疑問です。近所の寺院や、実際に顔の知っている住職に依頼したい場合は直接伺ったり電話して相談するのが良いと思います。
これってどうなの?みんなの疑問を解決します。
下記よく困っているケースが多いのでご紹介いたします。
・宗派がわからないいですがどうしたらいいですか?
宗派を調べる方法として「親戚に尋ねる」「仏壇を確認する」「お墓を確認する」などがあります。
どうしてもわからない場合は親戚、とりわけ本家に当たる親戚の宗派に合わせるというのも一つの選択肢です。あらゆる意味で信仰の自由が保障されている現在では、自分たちで宗派を自由に選ぶとしても何ら問題はありません。
・お布施をいくら渡せばいいのかわりません。お坊さんに聞いてもいいの?
直接聞いても問題ありません。ただ、このとき「お布施代はいくらですか?」と聞いてしまうと、多くの場合「お気持ちでけっこうです」と返ってきます。
そのため、「他のみなさんは、お布施をどれくらいされていますか?」と聞くことがおすすめです。このような聞き方をすれば、お坊さんも答えやすいですし、後でトラブルになることも少ないでしょう。
・お坊さんは必ず呼ばなきゃいけないの?
お坊さんを呼ぶのは仏式の葬儀の考え方のため、キリスト教や神道など他の宗教を信仰している場合はお坊さんを呼ぶ必要はありません。
また、宗教への信仰がなく無宗教形式の葬儀を行いたい場合や、宗教儀礼にこだわらない葬儀(自由葬)を行いたい場合などはお坊さんなしで葬儀を行うことも可能です。
*自由葬とは宗教儀礼や宗教作法での葬儀進行を行わず、自由な形式で故人を見送る葬儀の形です。
・お布施は新札を用意しないといけないのか?
お布施は新札でも旧札でも問題はありません。 しかし、お布施は僧侶への感謝を伝えるものです。 そのため、新札を準備できるのであれば、準備する方が好ましいです。 難しい場合でも、できる限りきれいな状態のものを選ぶことが大切です。
お寺選びに困ったらこれ!厳選4社紹介
実際に相談や依頼をする際は「どこを頼ればいいのか?」
昨今では少子高齢化による世帯人員の減少などによりいわゆる「寺離れ」が進み、お寺との付き合いが続いている家はかなり減ってきています。どこに相談していいかわからない、そんな方におすすめなのが僧侶派遣会社になります。
低額制はもちろん、その後の煩わしい付き合いも必要なく、一度のみでお願いすることが可能です。
参考までにいくつかご紹介させていただきます。
なお、オススメ度の基準は「料金」「信頼」「評判」をトータルして私が評価させていただきました。
また、2021年9月6日にまとめておりますので画像キャプチャ・料金体系が変更になっている可能性がございます。ご了承願います。
全国、各宗派対応の僧侶派遣会社(サイト)
運営会社:ライフエンディングテクノロジーズ株式会社
オススメ度 |
★★★★★ オンライン法要の実績多数、お坊さんの質が高い |
料金 |
一日葬の場合:64,000円~ 通夜葬儀の場合:139,000円~ |
口コミ |
無宗教の父と私、先祖代々の宗派を依頼して 孝行ができたと大満足 |
引用元:葬儀利用インタビュー
運営会社:株式会社ユニクエスト
オススメ度 |
★★★★★ 受注件数3年連続No.1獲得、累計18万件突破と安心の信頼と実績。 |
料金 |
一日葬の場合:60,000円~ 通夜葬儀の場合:135,000円~ |
口コミ |
丁寧に故人の生前の話を聞いて戒名を考えて下さり、その説明もわかりやすくありがたかったです。 人柄がにじみ出る優しい穏やかな方でした。この方なら続けてお付き合いしていきたいと思いました。 |
引用元:お客様の声
運営会社:よりそう
オススメ度 |
★★★★☆ NHK等800社以上のメディアで紹介 |
料金 |
一日葬の場合:60,000円~ 通夜葬儀の場合:135,000円~ |
口コミ |
特定のお寺への信仰がなかったため、法事の際の僧侶依頼に悩んでおりました。解決できました人柄、対応共に満足ですが、特に同じ方と希望はありません。 |
引用元:利用者の声
運営会社:株式会社おぼうさんどっとこむ
オススメ度 |
★★★☆☆ 僧侶が運営、生涯一万円のみの入会金でお得な費用でご案内 |
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料金 |
一日葬の場合:80,000円~ 通夜葬儀の場合:100,000円~ |
|
口コミ |
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引用元:お客様の声
お布施についてのまとめ
・全国相場は47,3万円!
・マナーは包み方、書き方、渡し方、渡すタイミングの4つ覚えればOK!
・葬儀社や寺院、僧侶派遣サイト。費用や近い寺院など、何を重視するかで依頼先を選定しましょう。
お布施の相場は地域や宗派によって違っていて、葬儀の種類などによっても変動があります。
ご自身の宗派を確かめておいたり、どんな葬儀にしたいか?まで考えておけるとお布施の相場を確かめる近道と言えます。
覚えるべき4つのマナーというと、一見難しそうですが確認いただければ簡単だと思いますのでご安心ください。
最後に実際に依頼される際は何を重要視されるかで依頼先を考えられるといいと思います。
この記事がお布施について理解し、トラブルになったり後悔のないご供養ができるようお役立ちできますことを願っております。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール