13回忌とは故人が亡くなってから12年目の命日に行う法要のことです。13回忌では故人の家族や親戚がメインとなります。本記事では、13回忌の準備や参加する際の服装や香典、お供え物などの知識やマナーについて詳しくご紹介します。
大切な方が亡くなってから節目の年ごとに行うものとして「13回忌」があります。故人の命日から日が経っているタイミングで行うものですが、弔いをするためにきちんと行うのが理想です。この記事では、その13回忌で気をつけるべきマナーや準備すべきことなどについてをご紹介します。
INDEX
13回忌とは?
13回忌に関しての基本的な内容を押さえていきましょう。
13回忌とは?
「13回忌」とは年忌法要の1つ。故人が亡くなってから数えて「満12年目の命日」に行うのが一般的です。
年忌法要とは?
そして、上記の13回忌が含まれている「年忌法要」とは、故人が亡くなった日から数えて節目の年ごとに行われる法要のこと。
年忌法要の具体的なタイミングは以下の通りです。
●1周忌
故人が亡くなった翌年の命日に行う
参考記事:「意外と相場がわからない!一周忌の香典の相場やマナーを完全解説!」「一周忌とは?意味・香典・お布施・お供え・マナーを完全解説!」
1周忌以降は「回忌数 - 1」年目の命日に行う
●3回忌
参考記事:「三回忌とは?意味と施主と参列者が知っておくべき法事・法要のマナーとは?」
●7回忌
参考記事:「七回忌とは?意味とお布施・香典の相場と出席マナーを解説!」
●13回忌
参考記事:「法事・法要の香典相場はいくら?三回忌・七回忌・十三回忌と故人との関係別に解説!」
●17回忌
●23回忌
●27回忌
●33回忌
●50回忌
このように、年忌法要は命日当日に行うのが理想です。しかし現代では、仕事の都合などもあるためきっかり同日に行うのが難しい場合もあるでしょう。そのため、全員が集まりやすい「命日直前の休日」に行われることが多くなりました。
ただし現代では、親戚等を招いて大規模な法要を行うのは「3回忌まで」であることがほとんど。基本的に7回忌以降はご遺族やごく近しい親戚のみで行います。
また、33回忌あるいは50回忌を以って年忌法要を最後とする「弔い上げ」とすることも多いです。しかしこれに関しては特に決まりがあるわけではありません。場合によっては、7回忌を行なった段階で弔い上げにする場合もあります。この辺りは、そのご遺族の仏教に対しての考え方などを基に決めれば良いでしょう。
年忌法要を最後とする「弔い上げ」については「亡くなった方の法事法要は「いつまで」行うことが多いの?」の記事もご参考ください。
13回忌までに準備すること
このように、13回忌に関しては規模が縮小されたり、故人の命日から年数も経っているので行わないこともあります。もし行うとしたら以下の段取りで準備をしましょう。
招待者を決める
先述の通り、13回忌に関してはご遺族のみで行うことも多いです。ご遺族以外を招待するとしても、ごく近しい親戚などがメインとなるでしょう。
この招待する範囲にルールはありません。故人やご遺族との関係性を考慮して決めましょう。
13回忌に参列するのがご遺族やごく近しい親戚のみである場合は、電話連絡程度でも問題ありません。ただしそれよりも人数が増えそうであれば、13回忌の日時と場所を記載した「案内状」を送ると良いでしょう。法要の1ヶ月前を目安として出欠確認しておくのが理想です。その場合は返信用ハガキも忘れずに同封しておきましょう。
日時と場所を決める
13回忌の日時と場所も決めましょう。理想は故人の命日と同日ですが、難しければ命日直前の休日でも大丈夫です。全員の予定が合う日を選びましょう。
こうした法要は葬儀場や寺院で行うのが一般的ですが、13回忌に関しては規模を縮小することも多いです。そのため自宅で行うことも検討すると良いでしょう。
ただし自宅以外で13回忌を行う場合、他の方も法要を休日に行うため会場が埋まっている可能性もあります。13回忌を行う時期はほぼ決まっているため早めに予約しておきましょう。
お斎(食事)を手配する
法要の後には「お斎(おとき)」と呼ばれる会食を参列者に振る舞うのが一般的です。13回忌では参列者数がそこまでは多くならないはずなので、あまり大規模な料亭等でなくても問題ありません。参列者の年齢や好みを把握できればそれに合わせると良いでしょう。一人当たりの食事代は、だいたい「5千円〜1万円程度」になることが多いです。
なお、お店を予約する場合は「法要の会食である」という旨を伝えておくと良いでしょう。タイや伊勢海老などのおめでたいイメージがある食材を抜いて料理を作ってくれます。
お斎については、「おとき(お斎)とは?意味とマナーと香典相場を3分で解説!」の記事もご参考ください。
お坊さんに連絡する
法要では読経を行うのが慣例です。13回忌でもそれは変わらないので、お世話になっている寺院や菩提寺(ぼだいじ)のお坊さんに連絡をしましょう。ちなみに、菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺をさします。
13回忌の日時を決めてから連絡をしても良いですが、お盆などの繁忙期にはすでにお坊さんの予定が埋まっている可能性もあります。そのため、早めに連絡をしてお坊さんの予定を先に抑えるか、日時を決める段階でお坊さんと相談しておくのも良いでしょう。
13回忌など法要の読経に関しては、基本的に菩提寺に依頼をすれば大丈夫です。とはいえ、近年ではそうした先祖代々の寺院を持たない家庭も増えています。その場合は以下のどちらかの方法でお坊さんを手配しましょう。
葬儀社に紹介してもらう
葬儀会社にお坊さんを手配してもらう方法があります。
『やさしいお葬式』から24時間365日無料で、専用オペレーターがご相談を承っています。
僧侶手配サービスを活用する
最近では、僧侶手配サービスでお坊さんを探す方も多いです。
『やさしいお坊さん』では、各宗派に応じたお坊さんを法事・法要でお呼びすることができます。
お坊さんに渡すお布施を用意する
読経を行なったお坊さんには必ず「お布施」をお渡ししましょう。
13回忌におけるお布施の一般的な相場は「3万〜5万円程度」とされています。しかしこれは厳格な決まりがあるわけではありません。お坊さんのご遺族との付き合いの深さや地域の慣習によっても異なります。特に13回忌の場合は、代々お渡ししていた金額が相場となることもあるので、親族やお坊さんに確認してみても良いでしょう。
もし寺院以外で13回忌を行なった場合は「お車代」もお渡しします。実際の交通費に関係なく「5千円〜1万円程度」となることが多いです。
また、お坊さんが会食に参加しない場合は「御膳料」もお渡ししましょう。こちらも実際の会食費に関係なく「5千円〜1万円程度」が相場です。
●一般的な相場は3万〜5万円程度
●寺院以外で行なった場合は「お車代」として5千円〜1万円程度渡す
●会食に参加しない場合は、「御膳料」として5千円〜1万円程度渡す
香典返しを用意する
13回忌に参列する方は香典を持参するのが一般的。そのため香典返しも用意しましょう。
香典返しの品物相場は「3千円〜5千円程度」であることが多いです。品物の内容に関しては、他の年忌法要と同様に日常的に消費できるものが好ましいでしょう。具体的には以下のような品物をお渡しすると良いです。
●調味料
●洗剤
●タオル
●カタログギフト
13回忌のマナー
それでは、13回忌に参列するとなった場合に「注意すべきマナー」についてご紹介しましょう。
故人が亡くなったから日が経っているとはいえ、その死を弔うものであることには変わりありません。そのため、故人やご遺族に失礼とならないように以下のことに気をつけましょう。
服装はどうするのか
13回忌は規模が縮小されるため「平服でお越しください」と告知されることも多いです。そのため、喪服の中でも「略式喪服」というタイプの平服を着用すれば問題ありません。ここで変に気を遣って正喪服で参列することはマナー違反となります。
特に13回忌などの法要では「参列者の服装が喪主よりも格下がりになっている」という状態が理想です。喪主側も略喪服を着用する場合が多いので、最低でも格を合わせる、あるいは格を下げた喪服を着用しましょう。
男性の服装
服装の色味などは、他の法要とも同様です。男性は黒・紺色・グレーなどのスーツで、白いワイシャツ、地味な色のネクタイと靴下を着用します。
女性の服装
女性も黒やグレーなどのスーツを着用し、ストッキング・靴・バッグも黒を選ぶと良いでしょう。また、結婚指輪以外の華美なアクセサリーの着用は避けます。
法事・法要の服装については「法事とは?日程とお布施と服装持物を徹底解説!」もご参考ください。
香典の相場と表書きはどうするのか?
続いて、香典の相場と表書きについてご紹介します。
香典の相場
13回忌の香典の相場は以下の要素を基にして変動します。
●参列者の年齢
●会食の有無
基本的には、故人との関係性が深かったり参列者の年齢が上がると香典の相場も増えます。
例えば、故人との関係性が「祖父母などの親戚関係」の場合、会食付きなら「1万〜3万円程度」が相場で、会食無しなら「5千〜1万円程度」が相場となることが多いです。また、故人が両親の場合は、会食付きなら「2万〜5万円程度」で、会食無しなら「1万〜3万円程度」となります。
もちろん関係性が深い場合はさらに多く包んでも大丈夫です。ただしその場合でも、縁起の悪い言葉とされる「4=死」「9=苦」が入った金額は渡さない方が良いでしょう。
香典の相場については「意外と相場がわからない!一周忌の香典の相場やマナーを完全解説!」の記事もご参考ください。
【祖父母などの親戚関係】
●会食付き→1万〜3万円程度
●会食無し→5千〜1万円程度
【両親の場合】
●会食付き→2万〜5万円程度
●会食無し→1万〜3万円程度
香典の表書き
香典袋の表書きに関しては、宗教ごとに合わせて記載する必要があります。
●仏教の場合
「御仏前」「御香料」「御供物料」「御香典」と記載するのが一般的です。「御霊前」という言葉もありますが、13回忌では使いません。なぜなら、仏教においては「四十九日を過ぎた魂は成仏し、霊から仏になる」と考えられているためです。すでに仏様に成っている故人にお供えするものなので「御仏前」となります。
●キリスト教の場合
キリスト教には、13回忌のような年忌法要の考え方はありません。その代わり、カトリックでは「追悼ミサ」が行われ、プロテスタントでは「記念式」が行われます。
「御花料」という表書きであれば、カトッリク・プロテスタントの両方で使えます。もし厳密にどちらかがわかっていれば、カトリックでは「御ミサ料」、プロテスタントでは「弔慰料」と記載すれば大丈夫です。
●神道の場合
神道にも年忌法要の考え方はありません。その代わりに「式年祭」というものを行います。これは、故人が亡くなってから節目の年ごとに行われる儀式のこと。「1年祭」「3年祭」「5年祭」「10年祭」というような種類があります。神道の場合は、この式年祭で包む香典の表書きに気をつけましょう。
基本的には「御榊料」「御玉串料」「御神饌料」というように記載すれば大丈夫です。仏教とは異なり神道では「御霊前」が使えます。
●無宗教の場合
故人やご遺族が無宗教の場合は「御香典」「御霊前」を記載すれば大丈夫です。
香典の書き方については、「香典の袋の書き方を完全解説!金額相場・書き方・渡し方を紹介!」もご参考ください。
参加できない際はどうするのか
13回忌は他の法要とは異なりごく近しい者だけで行います。そのため招待を受けたらなるべく参列したいところです。
しかし、仕事の都合などでどうしても難しいこともあります。その場合は、欠席が判明した段階で早めに連絡をしましょう。直前連絡となると、会食の予約などを変更する手間を生んでしまうかもしれません。案内状が来ている場合は、お詫びの言葉も忘れずに添えましょう。
そして、香典やお供え物を13回忌に間に合うように送ります。香典は現金なので「現金書留」で送りましょう。香典を送るときはそのまま現金を封筒に包むのではなく、上記の表書きの作法に従いきちんと香典袋に包みます。
案内状がなければ、お詫びのお手紙を添えるのも良いですね。
法事・法要については「法事・法要を完全解説!法事の種類・数え方・マナーを紹介いたします!」の記事もご参考ください。
13回忌のお供え物の選び方
13回忌でもお供え物を持っていくと喜ばれます。特にすでに社会人として働いている場合はきちんと用意をしましょう。
ただし、働いていても大学を卒業したばかりなどの場合は両親が合わせて用意することも多いです。この辺りはその時の状況に合わせて決めると良いでしょう。自分で用意する場合は、だいたい「5千〜1万円程度」を目安にして用意するのが無難です。
送っても良いお供え物
もちろんお供え物はどんな内容でも良いというわけでもありません。具体的には以下に該当するものを選ぶと良いでしょう。さらに、地域によっては「個包装されている品物」を選ぶと良いでしょう。地域によっては、お供え物を13回忌の参列者で分けて持ち帰る習慣があるためです。
形が残らないもの
日常的に消費しやすく形が残らないものを贈ると喜ばれます。具体的には、(日持ちする)お茶菓子・調味料・洗剤・飲料などです。形が残らない品物の方がご遺族にとっても便利ですし、いつまでも保管しておく必要も無いのでその点でも負担が軽減できるでしょう。
故人が好きだったもの
せっかくなら故人の好物をお供えしたいですよね。「故人が好きだった日持ちするお菓子」などであれば、形が残らないのでご遺族の負担にならない上に故人も喜んでくれるでしょう。
避けたほうが良いもの
食べ物であっても、日持ちしない生鮮食品やあまりにも派手なもの、匂いがきついものなどはふさわしくありません。
肉などの生鮮食品
特に生鮮食品は、日持ちしないだけでなく殺生を連想させてしまうためNGです。生鮮食品以外の要冷蔵食品も避けておきましょう。
かさばる品物や重いもの
また、保管の際にスペースを取ってしまうサイズの品物や重すぎる品物も避けた方が無難です。ご遺族が持ち帰る時に負担となってしまいます。
お供え物については「供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!」もご参考ください。
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13回忌についてのまとめ
以上が13回忌に関するマナーや準備すべきことなどについてです。最後に改めて今回の内容をまとめて振り返りましょう。
【13回忌とは?】
●年忌法要の1つ
●年忌法要とは、故人が亡くなった日から数えて節目の年ごとに行われる法要のこと
●13回忌は故人が亡くなってから数えて「満12年目の命日」に行うのが一般的
【13回忌の準備】
●招待者を決める
●日時と場所を決める
●お斎(食事)を手配する
●お坊さんに連絡する
・『やさしいお坊さん』
●お坊さんに渡すお布施を用意する
●香典返しを用意する
【13回忌のマナー】
●服装は、喪服の中でも「略式喪服」タイプの平服を着用する
●香典の相場は「故人との関係性」「参列者の年齢」「会食の有無」によって変動する
【祖父母などの親戚関係】
●会食付き→1万〜3万円程度
●会食無し→5千〜1万円程度
【両親の場合】
●会食付き→2万〜5万円程度
●会食無し→1万〜3万円程度
●香典袋の表書きは、宗教ごとに合わせて記載する
・仏教の場合
「御仏前」「御香料」「御供物料」「御香典」
●キリスト教の場合
「御花料」
カトリック:「御ミサ料」
プロテスタント:「弔慰料」
●神道の場合
「御榊料」「御玉串料」「御神饌料」「御霊前」
●無宗教の場合
「御香典」「御霊前」
●13回忌に参加できない場合は、欠席が判明した段階で早めに連絡をする
●香典やお供え物は13回忌に間に合うように送る
【13回忌のお供え物の選び方】
●形が残らないものを選ぶ
●故人が好きだったものを選ぶ
●「日持ちしない生鮮食品」「あまりにも派手なもの」「匂いがきついもの」などは避ける
●地域によっては参列者で分けるため「個包装されている品物」を選ぶ
13回忌は故人の命日から年数が経っているため行わないことも多いです。しかし、時間が経過しても故人を弔いたいと思う気持ちを持っている方はいるでしょう。その場合は上記のようなマナーなどを意識しつつ、しっかり故人のことに思いを馳せると良いですね。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール