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創価学会の葬式|友人葬の考え方や流れを全解説!費用とマナーも紹介

Sep 30 2022

創価学会の葬式は、信仰する日蓮大聖人の仏法に沿って行われ「故人の成仏と葬儀形式はまったく関係がない」と考えられています。僧侶は呼ばずに学会員が、友人代表として葬儀信仰を担うため「友人葬」と呼ばれ、費用は参列者数やスタイルによって変わります。

「創価学会の葬式の仕組みが分からない…」

「費用の面も含め色々と心配」

「一般的な葬式とはどこが違うのかな…」

創価学会の葬式は、信仰する日蓮大聖人の仏法の本義に則り、「まごころ」を大切にして故人を送る葬儀で「友人葬」とも呼ばれます。

葬儀で大切なのは、故人を悼む心であり、故人の成仏と葬儀の形式はまったく関係がないと考えられています。

僧侶を呼ばず、戒名、香典がないのも「まごころ」を重要視しているためです。ですから、創価学会を信仰されていない方も、もちろん参列ができます。

葬儀では、参列者が一斉にお題目と呼ばれる「南妙法蓮華経」を唱えるなど、一般的な葬儀との違いに戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、故人を悼み、送る気持ちで葬儀にのぞむ点は、どのような宗教・宗派でも同じでしょう。

また、創価学会の葬式(友人葬)の規模や費用は、参列者数と葬儀スタイルによって決まり、一般的な葬儀と大きく変わることはありません。

【創価学会の葬式(友人葬)の規模と特徴】

  参列者数

の目安

特徴 相場費用
一般葬

30~100人

通夜・葬儀を行う最も一般的な葬儀

150万円

家族葬

~30人

通夜・葬儀を家族や近しい友人のみで行う

100万円

一日葬

5~30人

通夜を省略し一日で終わらせる

90万円

火葬式(直葬)

〜10名

通夜・葬儀をせず火葬のみ

40万円

参考:プロが教える葬儀種類の”正しい”選び方!6つの特徴〜費用の全情報

この記事では、創価学会の葬式である友人葬についての不安を取り除き、流れや注意点、費用や参列するときのマナーなどについても書いていきます。

喪主であれば「創価学会の葬式の考え方や流れを知ることで、安心して葬儀を執り行うことができる」

参列者であれば「友人葬のマナーを重んじて参列できるようになる」

など、参考になることが多いはずです。ぜひしっかり読まれることをおすすめします。

創価学会の葬式(友人葬)で知っておくべき2つの知識

創価学会の葬式は「まごころ」が重要視される

先ほども述べたように、創価学会の葬式は「まごころ」を大切にする教えに沿って執り行われます。

どの宗教・宗派の葬儀においても「故人を悼み、故人との想い出に思いを馳せ、遺族の悲しみを癒す」という考え方は変わらないものでしょう。

しかし創価学会のお葬式は、他の一般的な葬儀と違う点が多いため、特殊な葬儀として捉えられがちです。一般的な葬儀との主な違いである点についてご説明いたします。

一般的な葬儀との3つの違い

僧侶は呼ばず戒名も付けない

創価学会のお葬式において、もっとも気になるのが「僧侶を呼ばない」「戒名を付けない」という点ではないでしょうか。

これは、創価学会では「僧侶が引導文を読み上げないと成仏しないという考え方は、仏教の本義に照らして正しいものとはいえない」と考えられているからです。

そのため僧侶の代わりは、学会員が「導師」として進行役を務めますし、導師への謝礼(一般的に言う「お布施」)も一切必要ないとされています。

香典は不要

創価学会のお葬式は「香典なし」ということもよく耳にすることです。「儀礼的な意味での香典は持参しなくてよい」が慣例となっており、多くの学会員はその教えを守っています。

これも「儀礼」ではなく、「まごころ」が重要視されている点から考えると、理に適っているといえますね。

葬儀では参列者が一斉にお題目を唱える

創価学会のお葬式では、鈴の合図に合わせて参列者全員で題目を唱える場面があり、これは創価学会が、『葬儀は何より故人を悼む、「まごころ」からの題目による追善回向である』と考えているためです。

多くの参列者が「南妙法蓮華経」を10分以上も唱えることもあるため、はじめて参列した方は驚かれることでしょうし、一種独特な雰囲気にもなると思います。

このことを人づてに聞いた方が、創価学会のお葬式を「こわい」と表現されていることもありますが、あくまでも宗教上の違いなのです。

また題目がわからなければ、無理に唱える必要はないとされていますから、一緒に唱えられなくても心配することはありません。

創価学会の葬式の流れ

一般的な葬儀とは違う点もある創価学会のお葬式ですが、流れは他の葬儀と大きくは変わらず、以下のように進みます。

1.臨終〜ご遺体の安置 医師により死亡確認後、亡くなった場所からご遺体を移動し、自宅や安置所にて葬儀までの間、安置する
2.通夜 学会員である導師(どうし)による儀式。読経・唱題、焼香などを行う
3.告別式・出棺 導師による儀式。読経・唱題と焼香を行い、その後、最後のお別れを行う
4.火葬 ご遺体を火葬し、骨壷に納める

また、葬儀の流れや考え方などが、創価学会の公式サイトでも「友人葬」として紹介されていますので、見ておくことをおすすめします。

動画引用先:動画で分かる 創価の「友人葬」 | 創価学会公式SOKAnetチャンネル 創価学会公式

臨終後は自宅安置か斎場のお預かり安置

医師による死亡確認が行われ、ご臨終となります。

その後、直接火葬を行う直葬(火葬式ともいう)以外は、お通夜または葬儀・告別式までの間は、自宅や斎場先などで故人を安置します。

安置場所として考えられるのは以下であり、この点も一般的な葬儀と変わりません。また、ご臨終の時に葬儀社が決まっていなければ、搬送だけを依頼することもできます。

もし直接火葬を行う直葬を検討されるようでしたら、通夜・告別式を行う場合とは違った注意点もあります。

こちらの「直葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!」の記事を一読され、正しい直葬の流れを把握しておきましょう。

お通夜

すでに申し上げた通り、創価学会のお葬式では、学会員の方が友人代表として「導師(どうし)」という立場で葬儀全般の進行を担います。

この導師は、「儀典長(ぎてんちょう)」と呼ばれる、葬儀の流れに精通している学会員が行い、喪主が創価学会の幹部に頼むことになっていますので、忘れずに連絡してください。

一般的な葬儀と同じように、通夜は基本的に葬儀式・告別式の前夜に行います。また創価学会のお葬式においても「友引に葬儀や告別式、火葬を行うのは縁起が悪いとされています。

1.開式の辞

参列者が着席し、導師の入場により、司会から葬儀開始が案内されます。

2.読経・唱題

創価学会のお葬式では「読経として、法華経の方便品と寿量品の自我偈(2回)を読誦する」とされていて、唱題では「南無妙法蓮華経」を唱えます。

分からない方は無理に唱える必要はありません。

3.焼香

1回目の自我偈で、導師が焼香を行います。その後は順に、副導師、親族、参列者と続いて焼香を行います。焼香は、お香をつまみ、額まで持ち上げるのを3回繰り返すのがマナーです。

4.御祈念文・題目三唱

唱題が終了すると、導師が鈴を打って合図をし追善供養の祈念をします。その後、鈴の合図があり参列者で題目を唱えます。

5.弔慰文・弔電の紹介

司会者より弔慰文・弔電が紹介されますが、弔慰文はこの後の導師の挨拶の時に一緒に読み上げる場合もあります。

6.導師より挨拶

導師が挨拶を述べます。一般的な葬儀では僧侶の法話のところですが、導師の挨拶は友人代表と言う立場です。

7.謝辞

喪主または親族代表が謝辞を行います。導師や弔問客に参列のお礼を述べれば良いでしょう。

8.題目三唱

謝辞の後、導師が鈴の合図をし、参列者で題目を三唱します。

9.閉式の辞

司会が葬儀終了の案内をします。葬儀や告別式についての案内などを一緒に伝えましょう。

告別式・出棺

一般的には通夜の翌日に、葬儀・告別式を行います。通夜と同じような流れで進みますが、告別式も導師が進行を担います。

告別式終了後は、樒(しきみ)を棺に納めます。火葬場に行かない友人は、ここで故人と最後のお別れをします。この間も導師・遺族・弔問客による唱題が行われます。

喪主が弔問客にお礼を述べ、棺が霊柩車に運ばれると出棺です。

火葬場へ

一般的な葬儀と同じく、火葬場へ行くのは近親者のみです。霊柩車、喪主や導師、遺族の代表者、親族や友人の順に火葬場へ向かいます。

創価学会のお葬式の参列マナー

香典について

創価学会のお葬式では「香典は必要ない」が慣例となっています。しかしこれは、あくまでも創価学会員の中のしきたりです。

一般的には、香典でお悔やみの気持ちをお伝えしたいと思われることでしょう。その点は失礼には当たりませんので、安心してください。

香典袋の書き方は、以下のイラストを参考にされてください。基本的に一般の葬儀の場合との違いはありません。

香典袋の表書きは薄墨で

を記入します。

香典金額の相場は、2,000円〜3,000円と一般的な葬儀と比べると少なめです。この点も「まごころ」重視の考え方に基づいています。

もし香典の書き方や渡し方のマナーについて不安があるようでしたら、「葬式の香典を完全解説!マナー・金額相場・書き方・渡し方を紹介!」の記事を一読され、失礼のないように気をつけましょう。

香典についての注意点ですが、熱心な創価学会信者のご遺族の中には、香典を受け取らない方もいらっしゃいます。その場合は無理に渡さず弔意だけお伝えすれば大丈夫です。

供花(きょうか)について

創価学会のお葬式は、祭壇も白い花や樒(しきみ)を用いるのが一般的です。

樒は葬儀などの仏事で使われる植物ですが、多くの一般的な葬儀では、色とりどりな祭壇が多く採用されていますので、少し違った印象を受けるかもしれません。樒はあまり馴染みがなく、また写真だけを見ると榊と勘違いされる方も多いです。

樒を送る送らないに関わらず、一度こちらの記事「樒とは?榊との違いは?仏事に必須の樒を解説!」で理解しておいてはいかがでしょうか?

故人やご遺族が、樒だけでの祭壇を希望された場合には、供花も白い花や樒だけになります。花を送りたい方は事前に遺族に確認を取るようにしましょう。

お焼香の方法

通夜・葬儀を通して焼香が行われるのは、一般的な葬儀と同じで、進行役を担う導師の合図で焼香が始まります。

概ね法華経の方便品と寿量品のタイミングで行われますが、司会者や進行役によって案内がされますので、心配はいりません。

焼香の作法は以下となります。

  1. 1.遺族へ一礼をして祭壇へと進む
  2. 2.焼香は、右手の親指と人差し指・中指でお香をつまみ、目を閉じて額の高さまで上げた後、つまんだお香を香炉の中に落とす
  3. 3.これらの動作を3回行う
  4. 4.遺影に合掌・礼拝する
  5. 5.遺族へ一礼をして席に戻る

焼香は宗派によって作法が違い、それは創価学会のお葬式も同じですが、気持ちを込めて行うことに違いはありません。

ですが、焼香マナーについての不安はないにこしたことはありませんので、「正しい焼香の仕方とは?焼香の基本的な方法から宗派別の方法、焼香の種類やマナーまで徹底解説!」を読んで、最低限のマナーは守るようにしましょう。

喪服や数珠について

創価学会のお葬式においても服装や持ち物は、一般的な喪服で参加される方が多く、通夜・告別式とも同じ服装で構いません

念珠はご自分がお持ちの念珠で結構ですので、忘れずに持っていきましょう。喪服については以下のイラストを参照ください。

ただ気を付けたいのは、特に女性の方の喪服でうっかりマナー違反になってしまう可能性があることです。これは一般的な葬儀でも多々見られる点です。

特に急に葬儀に参列することになった場合が多いですから、あらかじめ「急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!」をお読みいただき、知らないうちにマナー違反になっていることがないようにしましょう。

創価学会のお葬式の費用相場は40~150万円

創価学会のお葬式は、費用の面でも一般的な葬儀と変わらず、参列者数と葬儀のスタイルによって決まります。以下の表を参照ください。

【創価学会のお葬式の費用相場】

  相場費用 参列者数

の目安

特徴
一般葬

150万円

30~100人

通夜・葬儀を行う最も一般的な葬儀
家族葬

100万円

~30人

通夜・葬儀を家族や近しい友人のみで行う
一日葬

90万円

5~30人

通夜を省略し一日で終わらせる
火葬式(直葬)

40万円

〜10名

通夜・葬儀をせず火葬のみ

費用参考:プロが教える葬儀種類の”正しい”選び方!6つの特徴〜費用の全情報

費用内訳

創価学会のお葬式にかかる費用は、「葬儀にかかる費用」と「参列者への飲食や返礼品」の合計で算出されますので、まずは以下を決めておく必要があります。

費用の内訳は以下となります。

葬儀全体の項目 具体例
葬儀にかかる費用

(約40~150万円)

【葬儀に必要なもの】

・搬送費や安置室利用、ドライアイス、棺、枕飾り、線香、祭壇、遺影、骨壷、火葬料金など

【人件費】

・葬儀スタッフや司会者

参列者への飲食や返礼

(約30~100万円)

・通夜や葬儀後の会食(通夜振る舞い、精進落とし)

・香典返し

・会葬礼状

創価学会のお葬式が「友人葬」と呼ばれることから小規模なお葬式と思われることがありますが、一般葬と同じように100名ほどの参列者による大きな葬儀も行われています。

費用や内訳は、他の一般的な葬儀と大きくは変わりませんので、参列者数の概算を元に、葬儀会場や費用などを葬儀社の方と相談しましょう。

創価学会のお葬式の費用について心配がある方は、正しい判断をするためにも「【創価学会の葬儀・友人葬の費用は40万円~】特徴や流れまで全解説」の記事を一読されることをおすすめします。

僧侶への「お布施」と「戒名料」は不要

「まごころ」が重んじられている創価学会のお葬式で、もっとも一般的な葬儀とは違うのが以下です。

一般的な葬儀の相場では、お布施と戒名料として約50万円かかりますので(※)、上記費用がかからないのは、費用面での大きな違いではないでしょうか。
相場参考:第11回「葬儀についてのアンケート調査」|日本消費者協会

香典を頂いた場合は「香典返し」が必要

創価学会のお葬式では、香典についても「まごころ」が重要視され「儀礼的な意味での香典は持参しなくてもよい」とされています。

学会員の弔問客は基本的に香典を持参しませんので、香典返しも必要ありません。費用の面で考えれば、喪主には香典料が入ってこないことになりますので、その点は考慮が必要でしょう。

また、一般の弔問客の多くは香典を持参することが十分に考えられますね。その場合には香典返しが必要です。こちらは一般的な葬儀と同じように考え、失礼のないように準備をしておく必要があります。

香典返しは、あくまでも不祝儀であるためマナーがあります。こちらの「香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!」では、例文なども一緒に紹介していますので、一度目を通しておくことをおすすめします。

創価学会のお葬式(友人葬)を依頼する時の2つのポイント

創価学会のお葬式を執り行う可能性が出てきたときに「一般的な葬儀社に頼めるのだろうか?」と心配になるかもしれませんね。

その点につきましては宗教上の違いがあるというだけですので、多くの葬儀社で行うことが可能ですから、ご安心ください。

下記2つを満たしている葬儀社かどうかで判断すると、よりスムーズかつ確実に葬儀を執り行うことができるでしょう。

特に、「友人葬のプランがあるかどうか?」は大きなポイントとなります。

【友人葬を葬儀社へ依頼する際の2つのポイント】

1.『友人葬』のプランが用意されているか?

2.幅広い葬儀形式から選ぶことが可能か?

『友人葬』プランが用意されている

葬儀プランに『友人葬』が明記されていれば、葬儀社のスタッフも友人葬に慣れている為、流れや注意すべき点にも詳しく、相談もしやすいでしょう。

実際に、やさしいお葬式で友人葬を依頼されたお客様の中には、

「創価学会のしきたりやマナーが分からず不安だったが、詳しいスタッフの方がいてくださって非常に助かった」

と言ったお声もありました。

幅広い葬儀形式から選ぶことができる

葬儀形式はできるだけ柔軟に選択できる葬儀社を選びましょう。

創価学会の葬式も、一般葬や家族葬、一日葬を執り行うことが可能です。葬儀にかかる費用は規模によるので、ご遺族の意向にあった予算を立てやすいからです。

一律に「友人葬であればこの予算と規模」とされるより、参列者が30人未満であれば「家族葬」。さらに少ないようであれば「直葬」など選択肢はできるだけ多い方が良いですね。

上記2つのポイントを満たすオススメの葬儀社を知りたい方は「【2022年最新版】創価学会の葬儀(友人葬)のオススメ葬儀社3選」の記事でご紹介しています。「友人葬は手慣れたプロにお任せしたい!」という方はぜひご参考ください。

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まとめ

創価学会の葬式は、信仰する日蓮大聖人の仏法の本義に則り、「まごころ」を大切にして故人を送る葬儀で「友人葬」とも呼ばれます。

葬儀で大切なのは、故人を悼む心であり「僧侶が引導文を読み上げないと成仏しないという考え方は、仏教の本義に照らして正しいものとはいえない」と考えられているからです。

一般的な葬儀と大きく違う点は以下です。

友人葬 その他の一般的な葬儀
・葬儀の進行は儀典長〔ぎてんちょう〕と呼ばれる学会員が導師〔どうし〕として担い、僧侶は呼ばない=お布施が必要ない ・僧侶をよび読経などをお願いする=お布施が必要
・戒名が必要ない=戒名費が必要ない ・一般的には僧侶に戒名をつけてもらう=戒名費がかかる
・香典制度がない=香典を持ってきた弔問客にのみ香典返しが必要

・遺族には、学会員の参列者からの香典が入ってこない

・香典制度あり=ほぼ参列者の数だけ香典返しが必要

・遺族には、香典料が入ってくる

・祭壇は「しきみ式」と呼ばれ、主に白い花としきみ(樒)だけで飾られる ・祭壇は菊を中心に色とりどりの花で飾られることが

多い

※儀典長は『喪主が創価学会の幹部に頼む』ことになっているので、友人葬で葬儀を行う場合には、支部などにお願いする。

僧侶を呼ばず、戒名、香典がないのも「まごころ」を重要視しているためであり、僧侶の代わりは、学会員が「導師」として進行役を務めます。

葬儀では、多くの参列者が「南妙法蓮華経」を10分以上も唱えることがありますが、こちらは宗教上の相違点ですし、題目がわからなければ無理に唱える必要はないとされていますので、安心してください。

葬儀の流れは一般的な葬儀とは違う点もある創価学会のお葬式ですが、流れは他の葬儀と大きくは変わらず、以下のように進みます。

1.臨終〜ご遺体の安置 医師により死亡確認後、亡くなった場所からご遺体を移動し、自宅や安置所にて葬儀までの間、安置する
2.通夜 学会員である導師(どうし)による儀式。読経・唱題、焼香などを行う
3.告別式・出棺 導師による儀式。読経・唱題と焼香を行い、その後、最後のお別れを行う
4.火葬 ご遺体を火葬し、骨壷に納める

葬儀の流れや考え方などが、創価学会の公式サイトでも「友人葬」として紹介されていますので、見ておくことをおすすめします。

動画引用先:動画で分かる 創価の「友人葬」 | 創価学会公式(SOKAnetチャンネル 創価学会公式

創価学会のお葬式(友人葬)の費用は、一般的な葬儀と変わらず、参列者数と葬儀のスタイルによって決まります。

【創価学会の葬式(友人葬)の規模と特徴】

  相場費用 参列者数

の目安

特徴
一般葬

150万円

30~100人

通夜・葬儀を行う最も一般的な葬儀
家族葬

100万円

~30人

通夜・葬儀を家族や近しい友人のみで行う
一日葬

90万円

5~30人

通夜を省略し一日で終わらせる
火葬式(直葬)

40万円

〜10名

通夜・葬儀をせず火葬のみ

参考:プロが教える葬儀種類の”正しい”選び方!6つの特徴〜費用の全情報

また費用の内訳は以下です。

葬儀全体の項目 具体例
葬儀にかかる費用

(約40~150万円)

【葬儀に必要なもの】

・搬送費や安置室利用、ドライアイス、棺、枕飾り、線香、祭壇、遺影、骨壷、火葬料金など

【人件費】

・葬儀スタッフや司会者

参列者への飲食や返礼

(約30~100万円)

・通夜や葬儀後の会食(通夜振る舞い、精進落とし)

・香典返し

・会葬礼状

多くの点で一般的な葬儀とは変わりませんが、創価学会の信者の友人や支部の会員なども参列することがあります。

事前に、学会支部などに参列される学会員の数を確認しておくとよいでしょう。おおよその参列者数を元に、葬儀会場や費用などを葬儀社の方と相談してください。

創価学会のお葬式に参列する場合、創価学会の信仰者である必要はありません。また葬儀の流れは他の宗派とほぼ変わりませんが、葬儀の中で題目を唱える場面があります。

これは宗教上の違いですし、題目は無理に唱えなくてもよいとされていますので、安心して参列してください。

【参列者】友人葬と他の葬儀との主な違い

友人葬 その他の一般的な葬儀
【装い】

・参列者は一般的な喪服で参加。念珠を持参する

【装い】

・参列者は一般的な喪服で参加。念珠を持参する

【香典】

・学会員は香典なしが慣例となっているため香典を持参しない

・学会員以外は、香典を持参してもよい

【香典】

・一般的には香典を持参する

【供花】

・白い花や樒(しきみ)が使われることが多いため、送る時には事前に確認をする

【供花】

・菊を中心に、故人が好きだった花などを飾ることが多く、あまり縛りはない

【葬儀の流れ】

・導師による儀式だが、流れは読経・唱題、焼香と続き一般的葬儀と変わらない

・唱題では「南無妙法蓮華経」の題目を唱える(分からなければ唱える必要なし)

【葬儀の流れ】

・僧侶による儀式。読経・唱題、焼香と続く

・唱題では、各宗派ごとで題目が違う(別宗派などで題目が分からなければ唱える必要なし)

※参列者で供花を送りたい場合は、事前に遺族に確認を取るようにしましょう

創価学会のお葬式(友人葬)を葬儀社に依頼する時ですが、信仰する宗教の違いというだけなので、多くの葬儀場で対応が可能でしょう。

ただし葬儀の規模(参列者数)や葬儀スタイルによっては、対応していない葬儀社もあるので、できるだけ事前に確認しておくことをおすすめします。

費用は

など一般的な葬儀と費用面での違いが出る場合もありますが、総費用は参列者数(規模)や葬儀スタイルによって変わりますので、その点は他の葬儀と同じと考えてよいでしょう。

創価学会のお葬式について書いてきました。葬儀全般を通じて「まごころ」を大切にした葬儀であることがお判りいただけたと思います。

いくつか、他の一般的な葬儀との違いを理解しておくことで

を心配することなく、葬儀にのぞめるはずです。

創価学会のお葬式に限りませんが、葬儀を執り行う可能性があるようでしたら、早めに葬儀社に相談しておくことが、もっとも安心して葬儀を行えるコツでしょう。

この記事を参考にされて、創価学会のお葬式(友人葬)だからといって慌てることなく、余裕を持って葬儀にのぞめることを祈っています。

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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