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緩和ケアにかかる費用と自己負担額を抑える4つの制度を詳しく解説!

Jul 08 2022

緩和ケアの費用は高額ですが、自己負担額を抑える4つの制度を利用すると減額が可能です。実際の費用が明確になると患者・家族間での費用負担の話し合いもスムーズに。制度利用時に抑えておくべきポイントや注意点を解説します。

「緩和ケアの費用が捻出できるか心配だ…」

ご自分や身内の療養にかかる費用の捻出に悩んでいませんか?

緩和ケアを受ける場合、主に以下のような費用がかかります。

【入院の場合】

入院費 10,000円~30,000円/1日あたり
食事療養費 1,380円/1日あたり
差額ベッド代・個室使用料 約3,000円~90,000円/1日あたり

【在宅の場合】

訪問診療 6,000円~20,000円/1日あたり
訪問看護 5,000円~8,000円/1日あたり
お薬代 2,000円~3,000円/1か月あたり
介護用品(ベッド等)レンタル代 8,000円〜12,000円/1か月あたり

病気治療にかかる費用や療養費は長引けば高額になるケースがとても多いですが、本記事でご紹介する下記制度を利用すると自己負担額を抑えることが可能です。

・高額療養費制度
・限度額適用認定証制度
・介護保険制度
・生活保護受給

しかし、医療に関わる制度は複雑でわかりにくいものが多いため、戸惑ってしまう方が多くいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、緩和ケアにかかるおおまかな費用と経済的負担を軽減する制度、利用時に抑えておくべきポイントや注意点を解説します!

緩和ケアにかかる費用感と自己負担額を抑える制度について知ることで、実際にかかる費用が明確になり、減額も可能になります。また、患者・家族間での費用負担の話し合いが円滑になりますよ。

緩和ケアにかかる費用が知りたい方、療養にかかる費用を安く抑える方法を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

「緩和ケアってそもそもなに?」や「療養場所はどうやって決める?費用は?」などの疑問を解決されたい方は、「緩和ケアの定義と制度を解説!療養場所の決め方と知るべき5つの注意」をご参考ください。

緩和ケアにかかる費用と内訳(費用目安:約3万円~/1ヶ月あたり)

緩和ケアにかかる費用は1ヵ月あたり約3万円〜が相場です。

約3万円〜というのは、これからお伝えする4つの要素とそれぞれの詳細によって大きく変動しますので、まずはこちらをご覧ください。

緩和ケアを受けられる

主な施設

費用目安 向いているケース
緩和ケア病棟へ入院 1万5千円~13万円/1日あたり ・一時的な疼痛コントロール目的

・最期の時を病院で過ごしたい方

在宅療養 1~3万円1ヶ月あたり ・最期まで自宅で過ごしたい方

・家族に介護の協力が得られる方

一般病棟へ入院 2万3千円~/1日あたり ・疾病の治療を継続したい方
一般病院へ外来通院 1万2千円~/1日あたり ・自宅で過ごしながら外来で疾病の治療を継続したい方

それぞれにかかる費用と内訳について説明していきます。

緩和ケア病棟へ入院するケース(費用目安:約1万5千円~13万円/1日あたり)

厚生労働省が承認した『緩和ケア病棟』に入院する場合の入院費は、どのような内容の治療を受けたとしても1日の医療費が一定の『定額制』となります。※表1参照

例えば緩和ケア病棟へ10日間入院した場合の計算式は次の通りです。

計算式:51,070円×10日間×医療保険自己負担率

医療保険自己負担率が1割の場合の自己負担額は51,070円

医療保険自己負担率が3割の場合の自己負担額は153,210円となります。

【表1】

入院日数 入院料1(※1) 入院料2
30日以内 51,070円 48,700円
31~60日 45,540円 44,010円
61日以降 34,500円 32,980円

(※1)入院待機期間14日以内、死亡退院等15%以上等の基準を満たす場合

緩和ケア病棟に入院した際の入院費用の内訳・医療保険適応になるか否かは以下の通りです。※表2参照

【表2】

内訳 費用 医療保険

適応判定

医療費 入院料定額×入院日数×医療保険自己負担率
食事療養費(※1) 460円×1日3食×入院日数 ×
室料差額(※2) 個室利用等に対して各病院が設定する費用

約3,000円~90,000円

×
文書料 診療情報提供書や紹介状の作成を依頼した際にかかる費用 ×

(※1)食事療養費は住民税非課税世帯の場合減額されます

(※2)入院する緩和ケア病棟によって費用は変動します。詳細は各施設へお問合せください。

在宅で緩和ケアを受けるケース(費用目安:約1~3万円/1カ月あたり)

在宅で緩和ケアを受けた際の医療費用の内訳と、医療保険適応になるか否か、介護保険適応になるか否かは以下の通りです※表3参照

在宅で訪問診療にて緩和ケアを受ける場合、1か月の費用目安は6千円〜2万円程、訪問看護の1か月の費用目安は5千円〜8千円で、医療保険負担割合や往診の頻度によって変動します。

【表3】

内訳 費用 医療保険

適応判定

介護保険

適応判定

訪問診療にかかる費用 医療保険自己負担割合によって1~3割負担

※【表4・表5】参照

×
処方箋薬局で支払う薬代 個人によって異なる ×
訪問看護にかかる費用 医療保険自己負担割合によって1~3割負担

※【表6】参照

ケースにより〇(※1)

衛生材料費 ガーゼ、アルコール綿、包帯、絆創膏等

使用量は個人によって異なる

× ×
交通費 個人によって異なる × ×
介護用品 電動リクライニングベッド、ポータブルトイレなどのレンタルにかかる費用 ×

(※1)訪問看護は介護保険の適応となる場合もあります。ソーシャルワーカーやケアマネージャーに確認すると良いでしょう。

【表4】訪問診療にかかる費用

医療保険負担割合 1割 2割 3割
訪問診療(定期)

888円/回

1,776円/回

2,664円/回

在宅時医学

総合管理料

厚生労働大臣が

定める状態(※1)

5,050円~

5,800円/月

10,100円~

11,600円/月

15,150円~

17,400円/月

上記以外

4,900円/月

9,800円/月

14,700円/月

1か月にかかる医療費の目安

5,788円~6,688円/月

11,576円~13,376円/月

17,364円~20,064円/月

(※1)厚生労働省HP 訪問看護別表7・8参照

【表5】訪問診療で患者の病状によって別途費用のかかる主な項目と医療費の目安

項目 内容 1割負担 2割負担 3割負担
初診料 初診の際にかかる費用

368 円

736 円

1,104 円

往診料 定期訪問以外の病状悪化の際の往診(※1)

720 円/回

1,440 円/回

2,160 円/回

退院前カンファレンス 退院される病院などの関連機関と家族が出席して病状の把握や退院後の生活に関する調整を行う場への出席

1,700 円/回

3,400 円/回

5,100 円/回

訪問看護指示書 訪問看護師への指示と情報提供

300 円/回

600 円/回

900 円/回

診療情報提供書 他の医療機関を受診する際に医師へ情報提供をするための文書の作成

250 円/回

500 円/回

750 円/回

(※1)休日・夜間・深夜は別途加算があります。

※この他の項目も詳細に料金が決まっています。詳細はかかりつけ診療所にお問合せください。

【表6】訪問看護基本療養費(医療保険)の目安

看護師・保健師・助産師

による訪問の場合

1割負担 2割負担 3割負担
週3日目まで5,550円/日

555円

1,110円

1,665円

週4日目まで6,550円/日

655円

1,310円

1,965円

訪問看護管理療養費 月の初日 7,400円/日

740円

1,480円

2,220円

その月の2日目以降 2,980円/日

298円/回

596円/回

894円/回

早朝・夜間加算(6~8時・18~22時)2,100円

210円

420円

630円

深夜加算(22~6時)4,200円

420円

840円

1,260円

※この他の項目も詳細に料金が決まっています。詳細はかかりつけ訪問看護ステーションにお問合せください。

表5・表6に示した以外にも、必要に応じて検査・処置・医学管理料等の費用がかかる場合があります。

一般病棟へ入院するケース(費用目安:2万3千円~/1日あたり)

一般病棟に入院し、病気の治療を継続しながら緩和ケアを受けた際の入院費用の内訳・医療保険適応になるか否かは以下の通りです。※表7参照

一般病棟に入院した場合の1日の自己負担費用の平均は約2万3千円となっています(※1)。

緩和ケアを受ける場合はこの自己負担額に加えて、1日につき1割負担で390円/日、3割負担で1,170円/日がかかるため、1日の自己負担額は2万3千円〜2万4千円程になります。

(※1)生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」

【表7】

内訳 費用 医療保険

適応判定

医療費 治療にかかる費用×医療保険自己負担率
食事療養費(※1) 460円×1日3食×入院日数 ×
室料差額(※2) 個室利用等に対して各病院が設定する費用 ×
文書料 診療情報提供書や紹介状の作成を依頼した際にかかる費用 ×
緩和ケア診療加算

(※3)

1日につき3,900円

※1割負担で390円/日、3割負担で1,170円/日

(※1)食事療養費は住民税非課税世帯の場合減額されます

(※2)入院する病棟によって費用は変動します。詳細は各施設へお問合せください。

(※3)厚生労働省から認可を受けた院内の緩和専門チームが診療に携わった際にかかる費用

外来受診で緩和ケアを受けるケース(費用目安:1万2千円~/1日あたり)

1日あたりの通院費の全年齢での平均1万1千円となっています。(※1)

外来で緩和ケアを受ける際は治療にかかる費用に加えて、1日につき1割負担で290円/日、3割負担で1,170円/日の費用がかかるため、1日の自己負担額は1万2千円程になります。

(※1)厚生労働省HP「年齢階級別 三要素(入院外、平成22年度)」

外来通院時に緩和ケアを受けた際の費用の内訳・医療保険適応になるか否かは以下の通りです。※表8参照

【表8】

内訳 費用 医療保険

適応判定

医療費 治療にかかる費用×医療保険自己負担率
処方箋薬局で支払う薬代 個人によって異なる
緩和ケア診療加算 1回につき2,900円

※1割負担で290円/日、3割負担で1,170円/日

緩和ケアの費用を抑える4つの制度

緩和ケアの費用を抑える4つの制度を『利用しやすく、一時負担金が安く抑えられる順番』にご紹介していきますので、制度利用を検討する際にお役立てください。

制度 減額例
1.限度額適用認定証制度 入院費15万円/月→窓口支払いが5万8千円までに減額
2.高額療養費制度 入院費15万円/月→一旦窓口で全額支払うが9万2千円返金
3.介護保険制度 介護ベッドレンタル1万2千円/月→1,200円/月
4.生活保護受給 保険適用内治療が無料

限度額適用認定証制度(減額例:入院費15万円/月→窓口支払いが5万8千円/月まで)

限度額適用認定証制度を利用するメリットは、事前に申請をしておくことで、医療機関での支払いを高額療養費の上限額までにする事ができる点です。

例えば、70歳以上75歳未満で、年収が80万円以上370万円未満の方の場合、自己負担上限額は外来で18,000円/月、入院で57,600円/月です。

それ以上に医療費がかかった場合、一旦は医療機関窓口で支払いをする必要があり、返金までには3〜4か月がかかります。

また、限度額適用認定証制度を利用すると自己負担上限額以上の窓口支払いは不要となります。

限度額適用認定証制度の利用方法

1.あらかじめ加入している医療保険の窓口で申請を行い、『限度額適用認定証』を交付してもらう

2.入院時に限度額適用認定証と被保険者証を病院へ提示する

70歳未満の方は病院での支払いを高額療養費の上限額までの支払いにすることが出来ます。

70歳以上のうち、所得区分が現役並みⅠ・現役並みⅡの方は、健康保険証・高齢受給者証・限度額適用認定証を、所得区分が一般・現役並みⅢの方は健康保険証・高齢受給者証を医療機関窓口に提示すると自己負担限度額までの支払いとなります。※表9参照

【表9】医療機関へ提示する各種交付証

  70歳未満 70歳以上75歳未満 75歳以上
現役並みⅠ、Ⅱ 健康保険証

限度額適用認定証

健康保険証

高齢受給者証

限度額適用認定証

後期高齢者医療被保険者証

限度額適用認定証

一般、現役並みⅢ 健康保険証

高齢受給者証

後期高齢者医療被保険者証
住民税非課税世帯

(※1)

限度額適用認定証・標準負担額減額認定証

(※1)住民税非課税世帯の場合、『限度額適用認定証・標準負担額減額認定証』が交付され、入院中の食事療養費も減額されます。

医療保険適応の費用に関して、自己負担限度額までの支払いになります。入院・通院・訪問診療・訪問看護・処方箋薬局も上記の対象となります。

限度額適用認定証制度利用時の注意点

『限度額適用認定証』の有効期限は、発行日の月から1年間で、健康保険料の未払いがあると交付が受けられないので注意しましょう。

さらに、同月内に複数の医療機関にかかった場合は、各機関ごとに自己負担限度額までの支払いが必要です。

その後、加入されている医療保険窓口で払い戻しとなります。

高額療養費制度(減額例:入院費15万円/月→一旦窓口で全額支払うが9万2千円返金)

保険適応の費用に限り高額療養制度の対象となり、医療機関や薬局の窓口で支払った1か月の医療費の自己負担額が一定額を越えた場合、越えた分の費用が返金される制度です。※図1参照

【図1】出典:厚生労働省HP

自己負担の上限額は年齢や所得によって異なります。

1.70歳以上の場合※図2参照

【図2】出典:厚生労働省HP

2.69歳以下の場合 ※図3参照

【図3】出典:厚生労働省HP

自己負担をさらに軽減する『世帯合算』や『多数回該当』も条件により適応となる場合があり、医療費の家計負担が重くならないような仕組みが設けられています。

高額療養費制度の利用方法

基本的に高額療養費制度を利用するのは、医療機関受診後となるため、一時的に窓口での支払いが必要です。返金を受けるには必ず申請が必要になり、申請の手続きは加入している医療保険によって異なります。

・健康保険(協会けんぽの場合)

医療費が自己負担限度額を超えた月がある場合、健康保険証に記載されている協会けんぽの支部に「高額療養費支給申請書」を提出します。

・国民健康保険(東京都港区の場合)

自己負担額を超えていた月の3〜4か月後に、区から申請書が郵送されるので、その申請書に必要書類を添付して郵送で提出します。

※お住まいの自治体ごとに申請方法が異なる場合があります。

詳しくは加入している医療保険(医療保険者)に確認・お問い合わせください。

高額療養費制度利用時の注意点

『高額療養費制度』の有効期限は、診療を受けた月の翌月から2年間で、受診した医療機関の領収書の添付が必要なため、確実に保管しておくようにしましょう。

申請後に払い戻しを受けられるまでに3~4か月以上かかるため、その間はご自身で自己負担限度額を超える分を立て替える必要があります。

『高額療養費制度』が対象となるのは、医療保険が対象となる支払いのみなので、保険外治療、食事療養費、室料差額、文書料などは対象とならないため、注意が必要です。

介護保険制度(減額例:介護ベッドレンタル1万2千円/月→1,200円/月)

以前は家族や子供がおこなうものとされていた親(高齢者)の介護を社会全体で支えることを目的に、2000年に創設された制度です。

介護保険制度を利用出来る対象者は65歳以上の第1号被保険者と、40~64歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)に分けられます。※表10参照

例えば、在宅で介護用のリクライニングベッドを導入することを検討した場合、レンタルした場合の相場は月々8千円~1万2千円ですが、介護保険負担割合が1割で制度を利用した場合の自己負担額は月々800円~1,200円となります。

【表10】

  65歳以上(第1号被保険者) 40~64歳(第2号被保険者)
対象者 65歳以上の方 40歳以上65歳未満の健保組合、全国健康保険協会、市町村国保などの医療保険加入者
受給要件 ・要介護状態

・要支援状態

・要介護(要支援)状態が、老化に起因する疾病(※特定疾病)による場合に限定。

※特定疾病:介護保険の対象となる16の疾病(がん末期や関節リウマチなど)

介護保険制度の利用方法

介護保険制度を利用して介護サービスを受ける際には、要介護(要支援)認定を受ける必要があります。介護サービス利用開始までの流れは下記の通りです。

1.市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」の申請

2.市区町村職員や主治医による要介護認定の調査・判定

3.申請から30日以内に市区町村から認定結果が通知

4.ケアマネジャーに依頼してケアプランを作成

5.介護サービスの利用開始

介護保険制度利用時の注意点

介護保険の自己負担割合は、1割負担が一般的ですが、現役並に所得がある高齢者などが介護保険を利用する場合の自己負担割合は2〜3割となります。※表11参照

【表11】

介護度 給付限度額 1割負担 2割負担 3割負担
要支援1

50,302円

5,032円

10,064円

15,096円

要支援2

105,310円

10,531円

21,062円

31,593円

要介護1

167,650円

16,765円

33,530円

50,295円

要介護2

197,050円

19,705円

39,410円

59,115円

要介護3

270,480円

27,048円

54,096円

81,144円

要介護4

309,380円

30,938円

61,876円

92,814円

要介護5

362,170円

36,217円

72,434円

108,651円

生活保護受給(保険適用内治療が無料)

資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。給の条件は、申し込み者の世帯収入が居住地の最低生活費よりも低いことになります。

例えば、東京都に住む75歳以上の1人暮らしの方の場合、生活保護費として約13万円が本人へ支給されます。この13万円の内訳は、基本的な生活費と住居費用です。

医療費がかかる場合は、医療機関へ別途費用が直接支払われるため、自己負担額はかからなくなります。

生活保護受給の利用方法

生活保護受給のための手続きの流れは以下の通りです。

1.最寄りの福祉施設の窓口で生活保護を受けたい旨を伝える。

2.ケースワーカーからの家庭訪問を受ける(翌日~1週間以内)。

3.2と並行して、扶養調査と金融機関への調査が行われる。

4.審査結果の通知

5.受給開始

生活保護の申請から受給までの期間は、原則として14日以内です。

ただし調査の過程で申込者の資産状況が正確に把握できないなどの特別な理由がある場合は、期間が30日まで延長されてしまいます。

生活保護によって受けられる経済的援助の種類(扶助)は、以下の8つです。基本的に生活保護費として支給されるのは生活扶助であり、それ以外の扶助は必要に応じて加算される仕組みです。※表12参照

【表12】

扶助の種類 概要
生活扶助 食費・光熱費・被服費など日常生活に必要な費用
住宅扶助 アパートやマンションの家賃など

※一定の範囲内で実費を給付

教育扶助 義務教育を受けるのに必要な学用品費

※一定の範囲内で実費を給付

医療扶助 必要な医療を受けるための費用

※直接医療機関へ支払われ、本人へは支給されない

介護扶助 介護を受けるのに必要な費用

※直接介護事業者へ支払われ、本人へは支給されない

出産扶助 出産するに必要な費用

※一定の範囲内で実費を給付

正業扶助 就職するのに必要な技術の習得に係る費用や、作業着など就職時にかかる費用※一定の範囲内で実費を給付
葬祭扶助 葬式・通夜・法事といった葬祭にかかる費用

※一定の範囲内で実費を給付

生活保護受給の際の注意点

生活保護を受給する際には、土地や貴金属、車、貯蓄性のある生命保険、株などを売却して生活費にあてる必要があります。ケースワーカーの指導を守るようにしましょう。

生活保護と公的年金を同時に受給することは可能ですが、その際生活保護で支給されるのは年金の収入を差し引いた金額になります。

医療扶助は保険適用内の治療は無料ですが、医療保険外費用は自己負担になります。また、受診できる医療機関が限定される場合があるため注意が必要です。

病気や障害で働けない方の場合は、申請の際に診断書や障害者手帳を持参すると申請がスムーズになります。

診断書の発行には5,000〜10,000円ほどの費用がかかるため、出費を抑えたい方は、過去の受診時の領収証や病状を記録した日記などを提出しましょう。

緩和ケアの各療養場所の特徴と向いている人

緩和ケアは緩和ケア病棟や在宅だけでなく、一般病院でも入院や外来で受ける事ができます。

緩和ケア病棟

緩和ケア病棟では、在宅や一般病棟での生活が難しい際に、疼痛管理目的などで一時的に利用する目的や、最期の時を静かに迎えることを目的とした施設です。

普段は在宅で過ごしているが一時的に疼痛コントロールがしたい方や、最期の時を病院で、家族や友人と穏やかに過ごすことを希望する方に向いています。

メリット デメリット
・緩和ケアに関する研修を受けた医師や看護師から苦痛を和らげる処置が24時間体制で受けられる

・個室の施設が多く、周囲へ配慮することなく家族や友人と穏やかな時間を過ごすことが可能

・積極的な治療は行われない

在宅

訪問診療や訪問看護を利用しながら住み慣れた自宅での生活を継続することが可能です。

最期まで自宅で過ごしたいというご希望の強い方や、介護者となるご家族の協力が得られる方に向いています。

メリット デメリット
・家族や友人と気兼ねなく会うことが出来るため、楽しい時間を多く過ごせる

・介護サービスや介護用品のリース料などに介護保険の利用が可能なため、介護にかかる経済的負担を軽くすることができる

・家族の介護負担が増える

・医療職がいない時間帯に急変した場合対応が遅れる

一般病院(入院)

病気の積極的な治療を受けながら、並行して緩和ケアを受けることが可能です。疾病の治療を継続したい方に向いています。

メリット デメリット
・病気の治療と緩和ケアを同時に受けらる

・24時間治療や看護・介護が受けられるため安心して過ごせる

・必ず個室に入れるとは限らず、プライバシーが守られない可能性がある

・治療が終了した際は退院となるため、別の療養先を探す必要がある

一般病院(外来)

外来通院で治療を継続しながら緩和ケアの専門的なアドバイスが受けられます。自宅で過ごしながら外来で疾病の治療を継続したい方に向いています。

メリット デメリット
・病気の治療と緩和ケアを並行して受けられる

・自宅での生活を継続できる

・外来で緩和ケアを受けられる対象者が各施設ごとに異なる場合が多い

・外来受診時にアドバイスを受けるのみなので、緩和ケアの必要度が高い場合は不安を感じる

まとめ

緩和ケアにかかる費用についてご紹介しました。

・緩和ケア病棟の場合(費用目安:約1~5万/1日あたり)

入院費は定額制で、入院30日以内の場合の医療費の自己負担は1日51,070円または48,700円ですが、医療保険が適用されます。その他に食事療養費や室料差額などの医療保険外の費用がかかります。

・在宅の場合(費用目安:約1~3万円/1カ月あたり)

訪問診療にて緩和ケアを受ける場合、1か月の費用目安は6千円~2万円ほど、訪問看護の1か月の費用目安は5千円〜8千円ほどで、医療保険負担割合や往診の頻度によって変動します。その他に薬代や介護用品などの費用がかかります。

・一般病棟(入院)の場合(費用目安:2万3千円~/1日あたり)

一般病棟に入院した場合の1日の自己負担費用の平均は約2万3千円となっています(※1)。緩和ケアを受ける場合はこの自己負担額に加えて、1日につき1割負担で390円/日、3割負担で1,170円/日がかかるため、1日の自己負担額は2万3千円~2万4千円程になります。

(※1)生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」

・一般病棟(外来)の場合(費用目安:1万2千円~/1日あたり)

1日あたりの通院費の全年齢での平均1万1千円となっています。(※1)治療にかかる医療費の他に緩和ケア診療費がかかります。緩和ケア診療日は、1割負担で290円/日、3割負担で1,170円/日です。その他に薬代がかかりますが、個人によって費用は異なります。

(※1)厚生労働省HP「年齢階級別 三要素(入院外、平成22年度)」

自己負担額を抑える4つの制度は下記の通りです。

・限度額適用認定証制度(減額例:入院費15万円/月→窓口支払いが5万8千円/月)

限度額適用認定証の交付を受けておくと医療機関窓口での支払いが自己負担限度額までになり、一時負担金が抑えられます。

・高額療養費制度(減額例:入院費15万円/月→一旦窓口で全額支払うが9万2千円返金)

一か月にかかった医療費の自己負担額が一定額を越えた際に、加入している医療保険から越えた分の払い戻しが受けられます。

・介護保険(減額例:介護ベッドレンタル1万2千円/月→1,200円/月)

65歳以上の介護が必要な人が自己負担1~3割の自己負担で様々な介護サービスを受けられます。自己負担割合は要介護度によって変動します。

・生活保護受給(保険適用内治療が無料)

生活保護を受給すると国民健康保険の資格を失いますが、その代わりに医療費の全額が生活保護の医療扶助で賄われることになり、保険適用内の治療は無料になります。しかし、受診できる医療機関が限定される場合があるため注意が必要です。

緩和ケアにかかる費用は高額となりますが、経済的負担を軽減する4つの制度が整っていますので、費用を抑えることが可能です。

この記事を参考に、制度利用を検討してみてはいかがでしょうか。

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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