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ゆうちょ銀行相続を徹底解説!流れ・必要書類・期間・費用紹介!

Oct 01 2020

遺産相続において無視できないのが、故人の銀行口座の相続です。

銀行によって相続手続きは多少異なりますが、中でもゆうちょ銀行は手続きが少しややこしいと言われています。

なお、ゆうちょ銀行の通常貯金の口座数はおおよそ1億2000万にものぼり、多くの人が口座を開設していることがわかります。

「故人が残したゆうちょ銀行の口座って、そのあとどうすれば良いのだろう?」

「相続人が決定したので、口座の相続手続きを進めなければならないが、何から手をつけて良いのかがわからない。」

そんな方に向けて、この記事では、ゆうちょ銀行の相続手続きについて必要書類、手順について徹底的に解説していきます。

INDEX

01
ゆうちょ銀行の相続手続きの流れ
02
ゆうちょ銀行の相続手続き前にしておくこと
03
ゆうちょ銀行の相続手続きに必要になる書類
04
ゆうちょ銀行の相続手続きにかかる費用
05
ゆうちょ銀行の相続手続きにかかる期間の目安
06
被相続人が保有するゆうちょ銀行口座の調べ方
07
ゆうちょ銀行の相続手続きのポイント・注意点
08
ゆうちょ銀行口座の相続についてのまとめ

ゆうちょ銀行の相続手続きの流れ

ゆうちょ銀行は相続手続きに他の銀行よりも少し手間がかかります。

他の銀行では郵送での必要書類送付も受け付けているのですが、ゆうちょ銀行では窓口へ足を運ぶ必要があります。

また、ゆうちょ銀行固有の書類提出をはじめ、自分で準備しなければならないものもいくつかあります。まずは手続きの流れについて詳しく見ていきましょう。 

相続の申し出(1回目の窓口訪問)

相続人の中から1人、代表として代表相続人が責任を持って手続きを行います。

まず、代表になった方は、ゆうちょ銀行へ出向き相続の申し出を行う必要があります。窓口へ訪問し、被相続人が死亡した旨を申し出ましょう。

ゆうちょ銀行の場合、故人の口座がどこのゆうちょ銀行で口座を開設されていたとしても、相続手続きはどこの支部でも行えるため、代表相続人にとって立地的に都合の良いゆうちょ銀行で手続きをすることができます。

相続手続きの流れの説明

 相続の申し出が終われば、続いてはゆうちょ銀行の窓口の担当の人から、相続手続きの流れについて説明を受けましょう。

ゆうちょ銀行の相続は他の銀行とは少し異なり、提出書類なども独自の形式のものがあります。 

1度目の訪問のあとは

①相続確認表の記入、提出

②ゆうちょ銀行から貯金事務センターへと①の書類を送付

③貯金事務センターから代表相続人へと必要書類の案内を送付

④代表相続人が必要書類を準備し、ゆうちょ銀行へ提出

⑤ゆうちょ銀行から④の提出書類をまた貯金事務センターへ送付

⑥払戻証書もしくは名義書換が済んだ通帳を送付 

⑦ゆうちょ銀行へ払戻証書の提出

⑧代表相続人へ払戻金の支払い

といった流れで相続手続きを進めていきます。お分かりの通り、一度訪れただけでは手続きは完了しません。あらかじめ頭に入れておきましょう。

相続確認表の記入・提出

ゆうちょ銀行に出向いた際、まずはじめに相続確認表という書類の記入と提出を求められます。

相続確認表とは、代表相続人をはじめとした法定相続人と被相続人との関係性を記すもので、ゆうちょ銀行特有の書類となっています。

記入内容は以下のような項目が挙げられます。 

・遺言書の有無

・故人の名前や住所、生年月日、死亡年月日などの情報

・代表相続人の名前や住所、生年月日などの情報

・被相続人の配偶者の情報

・第一順位(相続する上でもっとも優先される)である子供の情報(養子も含む)

・子供の代襲相続(第一順位の子供が死亡している場合に限り、代わりに相続人となる)である孫の情報

・第二順位(第一順位がいなければ相続できる)である父と母の情報(第一順位の子供が存命の場合記入不要)

・同じく第二順位である祖父母の情報

・第三順位(第一順位、第二順位がいなければ相続できる)兄弟姉妹の情報

・兄弟姉妹の代襲相続である(第三順位の兄弟姉妹が死亡している場合に、代わりに相続人となる)甥姪の情報

・遺言執行者の情報

ちなみに、この相続確認表はゆうちょ銀行のホームページや郵便局でも手に入れられます。

記入例などに沿って書き損じのないようにあらかじめ準備しておきましょう。 

<h3>相続確認表の送付 

相続確認表に必要情報を漏れなく記載できたら、その書類はゆうちょ銀行から、貯金事務センターへと送付されます。

なお、貯金事務センター(JC)とは、ゆうちょ銀行の貯金などを総合的に管理している場所です。

他の銀行では支部ごとにお金をはじめとする資産の管理を行っていますが、ゆうちょ銀行は各支店ごとにまとめるのではなく、各地域に点在する貯金事務センターでエリアごとにまとめて貯金の口座を管理しています。

そして、相続確認表を送付することで、今後相続手続きにおいてどのような書類が必要になるのかが代表相続人へと送付されます。

「必要書類のご案内」の受け取り

相続確認表を送付してから1〜2週間ほどで、貯金事務センターから「必要書類のご案内」という書類が送られてきます。

なお、必要書類としては以下のような書類が挙げられます。 

・貯金等相続手続請求書 (名義書換請求書兼支払請求書)

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(改正原戸籍・除籍)

・相続人全員分の戸籍謄本

・相続人全員分の印鑑証明書(6ヶ月以内に発行したもの)

・国債等相続手続請求書

・遺産分割協議書

・相続人代表者の本人確認書類

・被相続人の通帳&キャッシュカード(紛失している場合は、その旨を相続手続請求書に記載)

・遺言

など
ただし必要書類は、遺言書の有無や被相続人の貯金の金額、相続の方法によっても異なってくるため、記載されている必要書類をしっかりと確認しながら、抜け落ちのないよう準備を行い提出に臨みましょう。 

ちなみに、必要書類に関しては、ゆうちょ銀行のホームページにある相続手続きナビゲーションでも確認することができます。

チャット形式で質問されることに答えていき、データを送信すると必要書類を自分で印刷できるサービスです。

なお、故人のゆうちょ銀行の口座情報や遺言書の有無、遺言書の種類、国債の契約の有無、貯金総額などを聞き取りされます。

あらかじめ下調べしておくと良いでしょう。

必要書類の提出(2回目の窓口訪問)

案内に記載されていた必要書類を全て準備できたら、それらを提出しにゆうちょ銀行の窓口へと再度足を運びましょう。

ただし、この書類提出の窓口は1回目の窓口訪問の際に訪れたゆうちょ銀行でなければいけません。

必要書類に抜け落ちがあるとまた後日改めて足を運ばなければならず二度手間になるので、書類を十分に確認してから窓口へ向かうようにしましょう。

なお、だいたいのケースで必要となる必要書類の一例をご紹介します。 

・被相続人が死亡するまでの全ての戸籍謄本

・遺産分割協議書

・相続人全員分の印鑑証明書

・相続手続き請求書(相続人全員分の自筆署名と押印が必要)

・貯金通帳、キャッシュカード 

市役所などへ行って発行してもらう必要のあるものもあれば、相続人の自筆サインを集めなければならないものもあるため、相続人が多くいる場合には少々骨折り仕事となるかもしれません。上手に段取りよく進行していきましょう。

必要書類の送付

ゆうちょ銀行の窓口へ提出した必要書類は貯金事務センターへと送付されます。

特に問題なく書類が受理されると、後日払戻証書と名義書換済の通帳などが送られてくるはずです。

なお、詳細は後述しますが、払戻証書は払い戻しを現金で行いたい場合に、名義書換済の通帳は相続人がゆうちょ銀行の口座を持っていて、なおかつそこに振替したい場合に必要となります。ここまでくれば相続手続き完了まで残りわずかです。

払戻証書・名義書換済の通帳の送付

必要書類が無事貯金事務センターで処理されると、代表相続人へ払戻証書と、故人の名義から相続人の名義へと書換が済んだ通帳が郵送されてきます。

払戻証書とは、故人の通帳などを紛失してしまった場合や、相続人がゆうちょ銀行に口座を持っていない場合に、ゆうちょ銀行から発行してもらう証書です。

ゆうちょ銀行は預貯金の他銀行への振込を実施しておらず、払戻証書があれば預貯金の払戻手続きを行ってもらえます。

なお、払戻証書には利用期限があり、原則発行から6ヶ月と決まっています。

さらに、6ヶ月をすぎた後、再度払戻証書の申請を行えるのは、前回の払戻証書の期限が失効してから3年以間とされています。したがって、早めの手続きを推奨します。 

払戻証書の提出(3回目の窓口訪問)

どれだけ手続きが長くなったとしても、不備さえなければゆうちょ銀行の窓口に訪れるのはこれが最後です。

払戻証書を持っている方は、ゆうちょ銀行の窓口で提出しましょう。払戻証書を提出すると、現金でゆうちょ銀行が支払いを行ってくれます。

なお、他銀行の払い戻しでは、他銀行への預貯金振込が可能であるのに対し、ゆうちょ銀行では対応不可となっています。

したがって、この払戻証書はゆうちょ銀行独自のシステムであり、他銀行では利用できませんので、ご注意ください。 

払戻金の支払い

3回目の払戻証書の提出をすれば、ゆうちょ銀行から現金で払戻金を受け取ることができます。

1番長くてここまでの手続きとなりますが、途中で書類をすっぽ抜かしたり、平日の窓口の空いている時間にうまく来れなかったりして、なかなかスムーズに段取りよく進行できないこともあるかと思いますので、相続手続きを行う方はあらかじめある程度シミュレーションを行って、きちんと確認しながら手続きに臨むのがよいでしょう。 

ゆうちょ銀行の相続手続き前にしておくこと

ここまで読んでくださった方はすでにお気づきかもしれませんが、ゆうちょ銀行での相続手続きは思ったよりも工数が多いです。

したがって、できるだけ手続きをスムーズに行うためにも、あらかじめ行っておくべきことがいくつかあります。順を追ってご説明していきます。

死亡届

相続とはそもそも誰かが亡くなることで始まる手続きです。中でも死亡届の提出は相続の第一ステップと言っても過言ではありません。

死亡届を提出していない場合、遺体を火葬するために必要な許可を得ることができないため、本来であれば死亡を確認してから1週間以内に役場へと申し出なければなりません。

そして、死亡届が受理されると戸籍に死亡した旨が記載されます。

そして、ある人が死亡し、故人となってしまった瞬間に、被相続人として相続人たちへと遺産を相続する立場になります。

つまり、死亡届を提出することで、初めて相続手続きに移る体制が整うのです。 

現存調査

故人の貯金の有無を確認する作業を現存調査と呼びます。仮に口座はあることはわかっているものの、番号がわからないといった場合に、口座情報を取得するために行います。

ゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口で確認することがき(貯金等照会)、申請するには貯金等照会書の記入のほか、以下の書類を準備する必要があります。

・被相続人が死亡したことがわかる戸籍謄本

・相続人の戸籍謄本

・相続人本人の印鑑

・相続人本人であることが証明できる身分証明証(運転免許証など) 

ゆうちょ銀行の相続手続きに必要になる書類

ゆうちょ銀行の相続手続きにおいて必要となる書類をまとめます。

想像以上に多くの書類が必要となるので、あらかじめきちんと頭に入れておき、いざ手続きをする際に慌てないようにしましょう。

遺産分割協議書

相続権を持つ人間は複数人いるケースが多くあります。

この場合、遺言の有無に関係なく、相続人たちで必ず遺産分割協議という遺産分配に関する話し合いの場を設けます。

そして、遺産分割協議書というのは、相続人全員による遺産分割協議を終えた後、誰がどの遺産を取得するのかということを明記し、本人の署名・押印を記した書類のことを言います。 

当たり前ですが、遺産分割協議書を作成するにあたっては、相続人全員の合意形成ができていないといけません。

なお、遺産分割協議書には定型の方式があるわけではありませんが、遺産が誰の手にどの程度渡るのかを書面で残しておく必要があります。

遺言(遺言がある場合)

もし故人が残した遺言書があれば、相続手続きに必要な書類となります。

遺言は法的な効力を持つ書類で、法律ですでに決まっている相続割合に基づいて相続するのではなく、誰がその遺産を相続するかを具体的に指定するなどといったことは遺言でしか実現できません。

なお、遺言には公証人という専門家が代わりに書いてくれる公正証書遺言書と、被相続人自らが書く自筆証書遺言書などいくつか種類があります。 

相続人代表者の本人確認書類

相続手続きを行う相続人代表者の本人確認書類も準備が必要です。具体的には以下のようなものが該当します。

・運転免許証

・旅券(パスポート)

・健康保険証

・マイナンバーカード

・年金手帳

・各種福祉手帳

運転免許証などはいつも肌身離さず持ち歩いている人が多いかと思いますが、念の為チェックしておきましょう。

印鑑証明書(相続人全員)

手続きには実印が必要であるため、使用した印鑑が印鑑登録を行っている本物であるかどうかを証明する書類である印鑑証明書も必須です。

印鑑証明書には登録している印鑑の印影をはじめ、登録者の氏名、生年月日、住所が記載されています。

なお、注意したいのが代表相続人だけではなく、相続人全員分の印鑑証明書が必要となることです。

他に相続人がいる場合には、できるだけ迅速に準備してもらえるよう声をかけておくなど、あらかじめ対策を練っておきましょう。 

戸籍謄本等(被相続人と相続人の戸籍謄本)

被相続人と相続人の戸籍謄本も用意しなければなりません。

また、被相続人の戸籍謄本は、被相続人が誕生してから死亡するまでの一生分の戸籍謄本が必要となります。

何かしらの理由で本籍地を変更する人もいるかもしれませんが、ころころと何度も変更する人はそこまで多くないと考えられます。

なお、被相続人の戸籍謄本は、被相続人の最後の本籍地にある役場で申し出ると、おおよそ一生分の戸籍を取得することができます。

また、相続人の戸籍謄本も役場か、もしくはマイナンバーカードや住民基本台帳カードをもっていれば、コンビニで発行することも可能です。

相続確認表(ゆうちょ銀行の書類)

相続確認表は、ゆうちょ銀行や郵便局から取得して記入しなければなりません。

もしくはゆうちょ銀行のホームページからもダウンロードできます。

相続確認表は被相続人の情報や代表相続人の情報をはじめ、相続に関わる親族の情報について記載する必要があるため、誰の情報が必要なのかあらかじめ調べておくことを推奨します。

なお、相続確認表はゆうちょ銀行ならではの書類で、相続確認表に記載している内容と、後々提出する戸籍謄本などの情報との差異がないかどうかをチェックされることになります。

相続請求書(ゆうちょ銀行の書類)

貯金等相続手続請求書と呼ばれる書類には、故人の情報、代表相続人の情報、そしてその他相続人の情報がそれぞれ求められます。

なお、基本的にその他の相続人の部分を代表者が記入することはできず、相続人それぞれの自署と実印が必要となります。

ただし、貯金額が100万円を下回る場合には、貯金等相続手続き請求書のほか、相続手続き自体が代表相続人のみの署名と実印だけで進行できる場合があります。

なお、詳細についてはゆうちょ銀行の窓口で確認してみてください。

被相続人の通帳・キャッシュカード

被相続人とゆうちょ銀行との取引内容がわかる通帳やキャッシュカードも手元に置いておきましょう。

もし紛失した場合であっても手続きは進められるため、手元にない場合はその旨を伝えましょう。 

委任状(相続人以外の人が手続きをする場合)

相続人以外の人物が代理で相続手続きを行うこともできますが、その場合は代表相続人による委任状を用意しなければなりません。

また委任状の記入は、相続手続きを委託する側の立場である代表相続人が自筆で記入する必要があります。

なお、委任受託者が請求を行なった場合に、ゆうちょ銀行から代表相続人へと電話で委任内容を確認される可能性もあります。 

ゆうちょ銀行の相続手続きにかかる費用

それでは、実際にゆうちょ銀行の相続手続きにかかる費用はどのくらいなのでしょうか?それぞれ内訳をみていきましょう。 

残高証明書

被相続人の口座の貯金の有無について調べる際には、ゆうちょ銀行から残高証明書という書類を発行してもらいます。

一通の証明書を発行してもらうのに、520円がかかります。

他にも被相続人と相続人の戸籍謄本や相続人の身分証明書、印鑑が申請には別途必要となり、戸籍謄本は1通発行につき450円料金がかかるため、残高証明書を手に入れるためには合計で1000円ほどかかることになります。

取引明細証明書(ゆうちょ銀行では「入出金照会」

被相続人のゆうちょ銀行口座での入出金取引の履歴がわかる入出金照会には、通帳一冊につき、520円料金がかかります。

なお、通常貯金の入出金の場合、過去10年間まで遡ることができます。

専門家に依頼した時の報酬

行政書士などが運営する相続サポートの専門会社に相続手続きを代行してもらう場合、料金は相続財産の総額によって変動します。

ただし、10万円〜30万円程度が一般的な相場とされています。 

ゆうちょ銀行の相続手続きにかかる期間の目安

ゆうちょ銀行の相続手続きにかかる期間の目安としては、ゆうちょ銀行への相続の申し出から相続確認表を記入して必要書類の案内が来るまでにおおよそ1週間。

その後必要書類の準備や、ゆうちょ銀行窓口への訪問などがあり、1ヶ月程度かかるとされています。

必要書類の準備を収集するのに手間取ってしまったりすると、もう少しかかる可能性もあります。

被相続人が保有するゆうちょ銀行口座の調べ方

相続手続きを実施する際には被相続人が保有するゆうちょ銀行の口座がわかっていることが前提です。

もしわからない場合には、ゆうちょ銀行窓口で口座情報について調べてもらうことが可能です。具体的な方法は以下の通りです。 

ゆうちょ銀行窓口で「残高証明書」の発行依頼をする

貯金等有無の照会手続を行い、残高証明書の発行依頼をしましょう。なお、ゆうちょ銀行に調査してもらうため、 

・被相続人と相続人の戸籍謄本

・免許証などの本人確認証

・印鑑 

を準備してゆうちょ銀行の窓口で手続きを行いましょう。

貯金以外にも振替・国債等の相続財産の有無も確認する

ゆうちょでは預貯金以外にも相続財産に該当する国債等振替口座の開設が可能です。

したがって、その有無をきちんと確認しておく必要があります。

なお、国債等振替口座とは、国債売買を行うために使用する口座のことを指します。

国債は窓口で購入するのではなく、引き落とし専用の口座を開設して管理するため、国債等振替口座が必要となるのです。

ゆうちょ銀行の相続手続きのポイント・注意点

最後にゆうちょ銀行の相続手続きのポイントと注意点についてまとめていきます。

貯金の払戻方法

被相続人の貯金を払い戻す場合には、ゆうちょ銀行へと相続確認表を提出した後に、必要書類を新たに提出するといったステップが必要となります。

書類の中でも貯金等相続手続請求書と呼ばれる書類に記載された口座情報を元に、代表相続人へと貯金が払い戻されます。 

なお、口座名義人が死亡した場合、その口座はすぐに凍結されるのがルールです。

これは、遺産の取り分を相続人の間で話し合う遺産分割協議が実施される前に、相続人の1人が貯金を全て払い戻すことで独占するといったことを未然に防ぐためです。

しかし、口座が完全に凍結されてしまうと、その口座に依存する遺族の生活費などがまかなえなくなる場合などを考慮し、2018年の民法改正で故人の預貯金を遺産分割協議前にも一部払い戻しできるようになりました。

払戻証書はゆうちょ銀行・郵便局窓口での受け取りのみ

代表相続人がゆうちょ銀行に口座を持っていない場合や、通帳を紛失した口座の預貯金を払い戻ししたい場合には、ゆうちょ銀行から払戻証書を発行してもらい、払い戻しを行ってもらうことができます。

また、払戻証書はゆうちょ銀行と郵便局窓口の受け取りのみ可能です。なお、払戻証書には発行から6ヶ月の有効期限があるため注意が必要です。 

権利が失効してから再発行してもらう場合、権利が失効してから最長でも3年以内に請求しなければなりません。

3年を過ぎてしまった場合には改めて払戻証書の申請を行うことができなくなることを覚えておくとよいでしょう。

貯金額が100万円以下の場合には代表相続人のみで手続きが可能

ゆうちょ銀行の相続手続きに関しては、基本的に代表相続人以外の相続人による署名や押印が必要になってきたりと、相続人が多いほど手続きに手間取ってしまうことが特徴的です。

ただし、例外として、貯金額が100万円以下の場合には代表相続人のみで手続きを行うことが可能です。また、この際に必要になる書類は以下の通りです。 

・貯金等相続手続請求書

・被相続人の戸籍謄本

・代表相続人の戸籍謄本

・代表相続人の印鑑証明書

・パスポートや運転免許証などといった代表相続人の本人証明書

・被相続人のゆうちょ銀行口座の通帳 

改めてになりますが、相続人全ての自筆の署名や押印を集める手間が省けるため、時間・精神的にも随分と負担が軽減されます。

ゆうちょ銀行での相続手続きは委任できる

ゆうちょ銀行での相続手続きは、代表相続人以外の委任者が行えることもポイントです。

たとえば社会人として働いている人物が、平日でかつ窓口が空いている限られた時間に、時間を割いて相続手続きを行うというのはなかなかハードとも考えられるでしょう。

そういった場合には、代表相続人以外の人物が相続手続きを進行することが可能です。

なお、委任するには委任状を代表相続人が記入し、ゆうちょ銀行へと提出しなければなりません。

委任状には、委任者である代表相続人の名前や住所、届印をはじめ、代理人である受任者の名前や住所の情報を記入し、該当する委任内容にチェックをする必要があります。 

ゆうちょ銀行口座の相続についてのまとめ

ゆうちょ銀行の口座相続は、窓口で手続きを進める場合には数度窓口へ足を運ばなければならないため、段取りをしっかりと組んでから手続きを進めていくことがスムーズに済ませる上では重要です。 

また、必要書類も少なくなく、相続人の数が多いほど自筆の署名や押印を集めるのは大変になり、それだけ手間と時間が取られます。

なかなかの骨折り仕事だと言えるゆうちょ銀行の口座相続ですが、ゆうちょ銀行のホームページからは必要書類のシミュレーションなどが行えるようなので、今回記事でご紹介したものをはじめ、何を準備しなければいけないかをあらかじめ認識しておくとよいでしょう。

                                                                                                 

【監修】高橋圭(司法書士・宅地建物取引士)

略歴
高橋圭 (たかはし けい)
青山学院大学法学部卒業。
2007年司法書士試験に合格後、都内司法書士法人にてパートナー司法書士としての勤務を経て2016年ライズアクロス司法書士事務所を創業。
司法書士法人中央ライズアクロスグループCEO代表社員

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