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高齢出産に伴う8つのリスク!妊娠前後に行う大切な13の準備と対策

Jun 07 2022

高齢出産は初産婦で35歳、経産婦で40歳以上と言われ、年齢を重ねるにつれて妊娠、出産、産後に様々なリスクが伴います。どんなリスクがあるのか、 今から準備しておけることはないのか。8つのリスクと13の準備を詳しく解説します。

「今の自分の年齢から妊娠を考えても良いのだろうか」

「高齢出産のリスクはどんなものなのか、きちんと知りたい」

家族計画を考えたときに、ふと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

現在日本産科婦人科学会が定義する高齢出産は、初めての妊娠である初産婦で35歳以上、すでに出産経験のある経産婦は40歳以上とされています。

年齢を重ねてからの妊娠、出産はどうしても不安が絶えないものです。

特に、近年は晩婚化により高齢出産も珍しくありません。2012年には人気ラジオパーソナリティの坂上みきさんは53歳で初めての妊娠と出産。最近では、お笑い芸人のだいたひかるさんも不妊治療の末、46歳で出産されています。

実際、女性の年齢別出生率も35歳以上の出生率はここ数年で年々上がってきています。

とはいえ高齢出産には、

・妊娠しにくく、流産、難産になりやすい
・妊婦特有の病気にかかりやすい
・胎児の染色体異常の確率が上がる
・産後の疲労回復速度の低下

などさまざまなリスクがあります。

今回は上記のリスクはそれぞれ具体的にどんなものなのか、そしてそれらに対して気づいたときから準備しておけることはないのか8つのリスクと13の準備について詳しく解説いたします。

リスクを正しく理解し、計画的に夫婦で話し合いながら準備していくことで、高齢出産へ漠然とした不安を抱えすぎず、少しでも冷静に出産まで考えることができるでしょう。

また、不安要素だけではなく、高齢出産のメリットもご紹介いたします

是非ゆっくりとご覧ください。

高齢出産の妊娠前~出産後の8つのリスク

妊娠前

1.妊娠率の低下

日本産科婦人科学会によると、閉経の平均は約50歳となり、早い人では40代前半の場合もあります。

卵子が増えることはなく、年齢とともに年を取り、徐々に数が減少し、全ての卵子が失われるタイミングで閉経となり、卵巣の活動が消失し、生理が停止します。

さらに、年齢と共に老化し、異常が多くなるため受精しにくく、受精ができても染色体や遺伝子に異常が発生しやすくなるのです。

男性の精子に関しては女性と反対で、生まれてから老年期まで毎日作られています。

しかし近年の研究で、年齢とともに精子も変化することが報告され35歳をすぎると精子機能が急速に低下し、精子を育てるホルモンや細胞、精子そのものの数が少なくなり、DNAが損傷している精子の増加傾向がわかってきました。

男性の変化は女性に比べて非常に緩やかな衰えですが、DNAが損傷した精子は着床率を下げることとなります。その結果、人工妊娠や人工授精での妊娠率は加齢とともに低くなるのです。

2.流産率の増加

日本では妊娠22週前に赤ちゃんが亡くなる「流産」の確率は、20代で全体の15%なのに対し、35〜39歳になると約20〜30%、そして40〜44歳では30〜40約%と半数まであがってしまいます

 

上記卵子や精子の影響で、せっかく妊娠しても流産してしまうケースも多く、周りでも家族以外に話していないだけで密かに悲しい経験をしている女性も決して少なくありません。

妊娠中

3.前置胎盤(ぜんちたいばん)

胎盤が子宮の中で通常よりも下の位置に来てしまい、子宮口を塞いでしまうことを「前置胎盤」といいます。

赤ちゃんが成長していくために、お母さんからの酸素や栄養を届ける大切な場所である胎盤が塞がれることで、流産・早産の危険も非常に高くなり、妊娠から出産後まで十分な注意が必要です。

自覚症状はほとんどないため、突然出血をしてしまうことがあるので病院での処置が必要です。妊娠初期に診断され、成長とともに解消されることが多いですが、妊娠31週以降に診断された場合は帝王切開となるケースもあります。

4.妊婦高血圧症候群

妊娠時に高血圧を発症することを「妊婦高血圧症候群」と言います。

妊娠前からもともと持っていた方だけではなく、高血圧じゃなかった人もかかる病気で、重症化すると尿からたんぱく質が漏れてしまうたんぱく尿が出て、様々な合併症を引き起こすものです。

合併症の進行次第では早産や死産も起こるので持病を持っていたり、かかったことがある方、家族に高血圧の人がいる、肥満の方は注意しましょう。

血圧がコントロールできれば産道を通って膣から産む経膣分娩も可能です。

5.妊婦糖尿病

妊娠中に血糖値のコントロールが上手くできず、糖の代謝異常を引き起こすことを「妊婦糖尿病」といい、妊娠中に初めて異常が発見された場合を指します。

自覚症状がなく、血糖値が高い状態が続くと流産や早産だけではなく、お母さんだけではなく赤ちゃんにも影響が出てしまうものなので早期発見が大切です。

合併症がなく、血糖値がコントロールできれば経膣分娩も可能となります。

6.胎児の染色体異常

そもそも染色体とは、両親からの遺伝情報であるDNAが太く折り畳まれたもので、人には父と母それぞれから受け継ぐものが23組のペアで46本あり、血液を決めるものや眼の色を決めるものがあります。

これらの染色体の数が増減したり、形が変わることを「染色体異常」といい、赤ちゃんに様々な影響が出ます。

主な染色体異常の症状は下記になります。

21トリソミー(ダウン症)

特徴:知的障害、身体的発達遅延、全身の筋肉が弱い

原因:21番目の染色体が1本多い

検査方法:エコー検査、血液検査、NIPT(新型出生前診断)、羊水検査

18トリソミー(エドワーズ症候群)

特徴:手指の重なり、短い胸骨

原因:18番目の染色体が1本多い

検査方法:NIPT(新型出生前診断)、絨毛検査、羊水検査

13トリソミー(パトウ症候群)

特徴:体の形成異常、顔面奇形、耳奇形、手足の先天異常、難聴、心臓奇形、知的・発達障害

原因:13番目の染色体が1本多い

検査方法:NIPT(新型出生前診断)、超音波検査、血液検査、絨毛検査、羊水検査

ターナー症候群

特徴:低身長、月経異常、不妊、首から肩にかけての皮膚のたるみ

原因:2本ある染色体のうち1本の全体か一部が欠失

腺ホルモン分泌低下、骨粗鬆症

知的面:正常でまじめな人が多く医師や看護師につくことも

検査方法:一部のNIPT(新型出生前診断)、血液検査

クラインフェルター症候群

特徴:男性のみ、指定難病の一つ、性機能不全、四肢細長、二次性徴未熟

原因:男性の性染色体が多い

検査方法:一部のNIPT(新型出生前診断)、血液検査、コンバインド検査、超音波検査

出産時

7.軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)による難産

「軟産道強靭」は赤ちゃんが通る子宮から膣につながる子宮頸管(しきゅうけいかん)という部分が出産時に十分に開かず硬く、赤ちゃんの移動を邪魔してしまうことです。

自覚症状は特になく、出産時になかなか分娩が進まないときに診断されます。

初産で余計なところに力が入りすぎていたり、必要なところにうまく力を伝えられていなかったりすることがあるので、お母さんをリラックスさせつつ、それでも改善が見られなければ帝王切開に切り替えることもあります。

産後

8.産後の疲れ

出産は女性にとって人生をかけた大きなものです。

妊娠し、大きくなった子宮は元の大きさに戻り、体はもちろん心も妊娠前に戻るためにも産後はとても大切な時期で、6〜8週間が必要と言われています。

高齢になると体力の衰えだけではなく、両親が高齢で育児や家事のサポートも受けるのが難しく、疲れがなかなか取れず、子宮復古不全という収縮が悪く元の大きさに戻らない状態になりやすくなってしまうのです。

また、疲れが溜まってしまうと母乳が十分に出なかったり、産後うつにもなりやすいので、一人で乗り越えようとせずに家族や親族に相談したり、育児をサポートしてくれる公共のサービスを利用するなど、遠慮せずに甘えて力を合わせて乗り切りましょう。

出産までにできる13の準備と対策

妊娠前と妊娠後

高齢出産での妊娠、そして出産へ向けてできることがいくつかあります。

元気な赤ちゃんを妊娠、出産するためにも気づいたときから心がけて体の準備をして待ちましょう。

1.ストレス対策

普段の仕事、家事、そして妊娠、出産への準備など、毎日の中には様々なストレスがありますよね。

しかしストレスは女性にとってはもちろん、男性にとっても大敵です。

十分な休息は難しくても質の良い睡眠を取れるように工夫してみたり、お風呂時間の過ごし方など、日常生活でのちょっとした工夫だけはもちろん、趣味を見つけたり、友人とコミュニケーションを取ったり、自分のストレス発散方法を見つけて、夫婦でよりリラックスして過ごしましょう。

2.適度な運動

妊娠前

女性は運動をすることで血液の流れが良くなり、生殖器官の働きも活発になります。

特に最近では、デスクワークや在宅の方も増え、体を動かす機会が少なくなっていますね。

男女問わずウォーキングやストレッチなどの適度な運動は、ストレス発散やむくみ、体重増加の防止にも役立つでしょう。

女性は上記の「軟産道強靭」へ向けて体の必要なところに力を入れるためにもヨガやピラティスなども良いとされています。

妊娠後

適度な運動は出産へ向けての体力づくりのためにも大切で、妊娠中になりやすい便秘対策としても有効です。

ただし、妊娠12週までの妊娠初期は流産しやすいと言われているので、安静に過ごしましょう。

13週以降、自分の体と会話しながら少しずつ運動を取り入れていきますが、激しい運動は禁止です。転倒や体への衝撃を与える可能性があるものも避けましょう。

気軽に始められ、気分転換にもなるウォーキングや、今はマタニティヨガやマタニティピラティスがあるところやオンラインで受けられるものも増えていますので、自分に合うものを探してみるものオススメです。

3.冷え対策

冷えは妊娠へ向けてはもちろん、妊娠後も冷えはむくみの原因となってしまうほど大敵です!

女性は子宮や卵巣が骨盤に集まっているので、血液が滞りやすく、男性よりも冷えやすいと言われています。

血行が悪くなると卵巣に栄養や酸素を十分に届けられず、卵巣機能が低下してしまうのです。

お風呂にゆっくりつかったり、体を温める食材を取り入れたり、水分の取り過ぎに注意したりと、日常生活の中から少しずつ心がけていきましょう。

4.バランスの良い食事

妊娠前

赤ちゃんを迎えるために必要なのは十分な栄養と健康な体。「量より質」を心がけて1日3食、規則正しい時間を心がけてバランス良く取っていきましょう。

中でも下記栄養は妊娠に向けて大切な栄養素ですので、意識して摂ることをおすすめします。

・ビタミンが多い野菜:ブロッコリーやピーマンなど
・鉄分:ひじきやほうれん草など
・葉酸:ブロッコリー、アスパラガス、モロヘイヤ、レバーなど

特に葉酸は妊娠をすると必要量は通常の1.8倍とされているのです。

普段の食事に加え、サプリなどで上手に摂取していきましょう。

妊娠後

妊娠に気づく頃である妊娠初期は人によりつわりで食欲が低下して十分な食事を摂ることができないこともあるので、量よりも栄養バランスを大切にしましょう。

【積極的に摂りたい栄養素】

・たんぱく質|赤ちゃんとお母さんの血液や筋肉を作るためには欠かせません
・鉄分|妊娠後は血液の量も増えて貧血になりやすくなります
・カルシウム|赤ちゃんの骨や歯の形成と体の機能を維持して調子を整えてくれます
・食物繊維|妊娠中はホルモンバランスの変化と運動不足で便秘になりやすくなります

【注意が必要な食べ物】

・アルコール|妊娠中だけではなく産後も母乳で育てる場合は絶対にやめましょう
・生魚、生の魚卵、生卵、生肉、ナチュラルチーズ|食中毒を起こすと胎児に悪影響となります
・水銀を含む魚|赤ちゃんの発達に影響を与えるため厚生労働省でも妊娠中の摂取量の基準が定められています
・ヨウ素を多く含む昆布|摂りすぎは赤ちゃんの甲状腺の機能が低下すると言われています
・ヒ素|健康被害が出ることがあるので、多く含まれるひじきは摂りすぎに注意しましょう
・ビタミンA|妊娠初期に摂りすぎると赤ちゃんの形態異常が起こる可能性があるので注意しましょう

5.体重管理

ホルモンバランスを崩してしまうため、肥満だけではなく体重が少ないのも不妊の原因と言われています。

無理なダイエットはせず、妊娠に適したBMI(身長と体重から算出される肥満や低体重の測定に用いられる指標)を目指しましょう。

また、BMIに応じて妊娠中の体重増加の量が変わってきます。個人差を考慮して医師からの指導がありますので目安を見ていきます。

6.タバコ・飲酒・コーヒーを控える

  1. タバコ

タバコにはニコチンやたくさんの有害物質が含まれていて、血管を収縮させ、血流が悪くなります。

それにより、子宮、卵巣、そして男性も男性機能など様々な影響が出て、流産、早産、死産の確率があがるだけではなく、胎児の発育不良や出産後の成長に影響が出ます。

最近主流となっている電子タバコも多くはニコチンが含まれているため、お母さんとなる女性はもちろん、お父さんとなる男性も禁煙を考えましょう。

  1. 飲酒

デンマークのオーフス大学の研究結果では、妊娠前であれば飲酒は適量であれば妊娠に影響を与えることはないと発表されています。

ただし、度を超えた飲酒は妊娠率低下にもつながりますので、妊娠を考えたら多くても1日2杯程度を心がけ、食事やおつまみもバランス良く食べるようにしましょう。

妊娠後の飲酒は絶対にNGです。

  1. コーヒー(カフェイン)

コーヒーに含まれるカフェインは過剰に摂取すると妊娠力を低下させ、流産しやすくなると言われ、妊娠後の摂取も発育に影響を与える可能性があります。

カフェインは、コーヒー以外にも紅茶や緑茶、ココア、コーラなどにも含まれているので注意して確認してみてください。

コーヒーの一日の適量目安は1日2杯ですが、最近ではノンカフェインのものも増えてきているので、コーヒー好きの方はそちらを利用することで、ストレスなくカフェインの量を減らしていくこともできますね。

7.定期的な健診

持病がある方は定期的な健診を必ず続け、事前に対処して治しておけることがあれば妊娠前にスッキリさせておきます。

特に持病がない方も、自覚症状がなく気づいていなかった病気が健診で見つかることもあります。

最近では「ブライダルチェック」という、自身の健康と妊娠に影響がある病気を持っていないかを調べることができる婦人科健診がありますので、お近くの場所で是非調べてみましょう。

妊娠後は病院での妊婦健診は上記病気の早期発見にとっても大切なことです。

また、妊娠するとホルモンの影響で歯周病や虫歯になりやすく、そして悪化しやすくもなりますので、つわりが落ち着いたら是非健診を受けることをオススメします。

出産へ向けての準備|出生前診断

出生前診断とは、妊娠中に赤ちゃんが無事に育っているか、病気がないか、そして奇形や異常がないかを調べる検査のことで、その検査を元に医師が行う診断のことを言います。

出生前診断には臓器などの形の以上を調べる「形成異常」と自分で受けるかどうかを決める「染色体異常」の2種類の検査があります。

8.形成異常:超音波検査

妊婦健診のときに行うもので、病院から写真を渡されて大切に残しておく方も多いでしょう。

私達の耳には聞こえないくらいの高い周波数の音をあてて、赤ちゃんや臓器を調べるためのものです。

この超音波検査では一般的な2D(平面的に撮った画像)、3D(立体的に撮った画像)、4D(立体的に撮った動画)があり、4Dエコーでは赤ちゃんのあくび、指しゃぶりなどの人間らしい動きが観察できるので愛おしさと実感がわく、大切なものになりますね。

病院によっては2Dまでしか対応していないところも多いので希望する方は調べてみましょう。

検査方法:腹部に超音波を当てて赤ちゃんの首のむくみを測定

検査対象疾患:21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー

費用目安:1〜2万円(保険適用外)

流産リスク:なし

検査可能週数:妊娠11〜13週

9.染色体異常:新型出生前診断(NIPT)|非確定検査

染色体異常を調べる検査は診断が確定できない「非確定検査」と診断が確定できる「確定検査」の2種類に分かれます。

この新型出生前診断(NIPT)はお母さんからの採血で、染色体異常や遺伝子異常を持っていないかの可能性を調べるものです。

検査方法:採血
検査対象年齢:35歳以上
検査対象疾患:21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー
費用目安:20万円〜(保険適用外)
流産リスク:なし
検査可能週数:妊娠10週以降

10.染色体異常:母体血清マーカー検査|非確定検査

お母さんの採血で調べるのはNIPTと同じですが、お母さんの年齢や体重などをかけ合わせて病気の可能性を調べるものなので、検査できる対象の病気が少し違います。

検査方法:採血
検査対象疾患:21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形
費用目安:2〜3万円(保険適用外)
流産リスク:なし
検査可能週数:妊娠15〜18週

11.染色体異常:コンバインド検査|非確定検査

超音波検査と採血を組み合わせて、赤ちゃんの21トリソミー、18トリソミーの確率を出すものです。

採血と組み合わせるので超音波検査よりも精度が高くなります。

検査方法:超音波検査・採血
検査対象疾患:21トリソミー、18トリソミー
費用目安:5万円前後(保険適用外)
流産リスク:なし
検査可能週数:妊娠11〜13週6日

12.染色体異常:絨毛検査|確定的検査

お母さんのお腹に針を刺して細胞を取って調べるものです。

その代わり、お母さんのお腹に針を刺して羊水や将来胎盤となる絨毛を取って調べるので、流産や死産のリスクがあります。

検査方法:お母さんのお腹へ針を刺して絨毛を取る
検査対象疾患:すべての染色体異常
費用目安:10〜20万円前後(保険適用外)
流産リスク:1/100
検査可能週数:妊娠11〜14週

13.染色体異常:羊水検査|確定的検査

こちらもお腹に針を刺して羊水を取り、その中にある赤ちゃんに由来する細胞を育てて、染色体の数の変化と形を確認する検査です。

こちらも針を刺して取るので、早産や流産、そして赤ちゃんが死亡する確率があります。

検査方法:お母さんのお腹へ針を刺して羊水を取る
検査対象疾患:すべての染色体異常
費用目安:10〜20万円前後(保険適用外)
流産リスク:1/300
検査可能週数:妊娠15〜16週以降

出生前診断は結果次第で産むか産まないかを決めるものではなく、どう育てるか、社会のサポート、家族のサポート、治療方法はどうするかなど、「産むための準備をしておく」ものなのです。

賛否両論ある検査だからこそ、メリット・デメリットを慎重に見極め、結果をどう受け止めるかを夫婦で事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。

高齢出産に向けた病院選びのポイント

通院している病院に分娩施設がない場合は、設備がある場所で分娩する必要があるため、妊娠したら「どこで産むか」を早々に決めましょう。

人気の施設はすぐに予約が埋まってしまうため、妊娠8〜11週までが理想です。

まずは3種類の分娩施設の違いを把握しましょう。

総合病院・大学病院

産婦人科以外の診療科も充実しているので、持病や合併症がある場合でも他の科の担当医と連携を取って進めてくれるのと、緊急時に対応できる設備も整っているので安心感が大きいこともポイントです。

個人産院・診療所

施設ごとに個室や食事の豪華さなど異なるサービスがあるのが特徴です。

妊娠中から産後の健診まで1人の医師が担当してくれることが多いので、悩みなども相談しやすい点で安心できます。

ただし、リスクが高い出産は対応できず、入ることができなかったり、入れても転院や緊急搬送になるケースがあるのでよく調べましょう。

助産院

この3点の中でよりアットホームで妊娠中から親身なフォローを受けられ、産後のケアも含めて見てくれるので、不安なことを相談しやすいのが大きな魅力です。

病院によっては自宅出産に対応できるところもありますが、助産師は医療行為ができないので、合併症を含めたトラブルがなく、普通分娩できることが予想されることが大前提となります。

緊急時には近くの産婦人科と連携を取ることができますが、高齢出産は受け入れていないこともあるので確認が必要です。

ではさらに高齢出産をする際の病院選びの注意点を紹介します。

母子の緊急時に対応できる

高齢出産の場合、妊娠高血圧症候群などの合併症やお産がなかなか進まずに緊急帝王切開となったりと、リスクが高い「ハイリスク出産」となります。

そのため、妊娠から出産までに母子ともに治療が必要な場合のMFICU(母体胎児集中治療室)や早産などの場合に迅速に赤ちゃんに必要なケアができるNICU(新生児集中治療室)など、緊急時に対応できる設備が備わっているかどうかをしっかりチェックしましょう。

スタッフの人数が足りている

医療面では医療スタッフの人数が安全面で一番重要とも言えるのです。

緊急時には人の力がとても重要であり、医療者の人数が多ければ多いほど、どんな時間でも、より適切な対応を受けることができます。

スタッフの人数が少ない場合、緊急帝王切開もすぐに決められないこともあるので、人数についてもよく確認することが大切です。

自宅や実家からの距離が近い

妊娠中は体調不良や出血、お腹の張りなどの体調の変化ですぐに病院に呼ばれることもありますが、体調不良時での移動は母体にとって大きな負担となります。

最初の頃は1ヶ月おきの通院も、妊娠後期になれば2週に1度の健診となるので、産後を過ごす自宅か実家からの距離が近いことも考慮して選びましょう。

里帰り出産の場合は里帰り先の病院も早く決める必要がありますので、健診を受ける病院とは別で早めに決めておくことが大切です。

無痛分娩など出産スタイルを選べる

「無痛分娩や水中分娩、フリースタイル分娩、ヨガなどを取り入れたソフロロジー分娩など分娩方法を選びたい」

「立ち会い出産を希望したい」

「分娩中に好きな音楽をかけてもらいたい」

などなど、それぞれが思い描く出産計画があると思います。

人生で限りある大仕事である出産は高齢になると不安要素も多く、産後の回復も遅いため、より負担の少ない無痛分娩を選ぶ人も多いです。

様々な病院の選択肢の中で、思い描くものに近いものがあるかを調べておきます。

少しでもリラックスして安心して元気な赤ちゃんを産むためにも病院選びは早い段階から調べておくと、より理想の出産に近づけることができるでしょう。

まとめ

・現在日本産科婦人科学会が定義する高齢出産は、初産婦で35歳以上、経産婦は40歳以上
・女性は卵子も一緒に年を取り、数が減少して全ての卵子が失われるタイミングで閉経
・男性の精子もゆるやかではあるが加齢とともに衰える。そのため妊娠率が加齢とともに低下する
・流産率は40〜44歳で全体の43.6%

<妊娠中のリスク>
・前置胎盤
・妊婦高血圧症候群
・妊婦糖尿病
・染色体異常(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー、ターナー症候群、クラインフェルター症候群)

<出産時のリスク>
・軟産道強靭による難産

<産後のリスク>
・産後の疲れ

<出産までにできる対策>
・ストレス対策
・適度な運動
・冷え対策
・バランスの良い食事
・体重管理
・タバコ・飲酒・コーヒーを控える
・定期的な健診

<出産へ向けての準備|出生前診断>
・形成異常|超音波検査
・染色体異常(非確定検査)|新型出生前診断(NIPT)、母体血清マーカー検査、コンバインド検査
・染色体異常(確定的検査)|絨毛検査、羊水検査

<高齢出産に向けた病院選びのポイント>
・母子の緊急時に対応できる
・スタッフの人数が足りている
・自宅や実家からの距離が近い
・無痛分娩など出産スタイルを選べる

高齢出産のメリット

様々なリスクをご紹介してきましたが、高齢出産にはメリットもあります。

メリット1|社会経験を積んだ後での妊娠と出産

出産前にある程度社会経験を積み、仕事を頑張ってからの妊娠、出産、子育てができます。

キャリアを積むこと、妊娠すること、出産すること、子育てをすること。

それらを全て経験し、頑張ることができるのです。

メリット2|精神面で鍛えられている

人生経験がある分大人として成熟していたり、やりたいことを頑張ってきたからこそ穏やかさや相手への思いやりができる余裕を持っています。

乗り越えるための気持ちの持ち方、乗り越え方も自分なりに持っている方が多いので、いざとなったときにもどっしりと構える力があるのです。

メリット3|金銭面で余裕がある

キャリアを積んだ分、夫婦ともに金銭面で余裕があり、病院選びや出産方法、検査などでも自分の体調を最優先で選択することができるのも大きなメリットです。

2022年4月からは不妊治療制度が改正され、最も妊娠しやすい時期を指導するタイミング療法や人工授精などの一般不妊治療も保険適用の対象となり、妊活の負担が大幅に軽減されました。

赤ちゃんは「授かる」存在。

そして、自分の命をかけて出産する、人生で大きく大切な出来事です。

だからこそ、赤ちゃんへのリスク、自分へのリスクを正しく知り、検査方法について、病院選びについてなどを知り、一人ではなく夫婦でリラックスして、たくさん話し合いましょう。

そして自分のためではなく、「赤ちゃんのために」夫婦で力を合わせて、できることから希望を持って準備していきましょう。

素敵な赤ちゃんと出会えることを、心から応援しています。

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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