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喪主と施主(せしゅ)は葬儀の役割が違う!決め方~マナーまで全解説

Aug 17 2022

喪主は「遺族の代表」として参列者やお寺への対応をし、施主は「葬儀費用の負担」をするのが主な役割です。一般的には兼任することも多いでしょう。本記事では、滞りなくスムーズな式を挙げる為に、事前に知っておくべき役割や決め方までを解説致します。

葬儀の『喪主(もしゅ)』と『施主(せしゅ)』…似ているけど何が違うの?

喪主は遺族の代表者として葬儀全般を取り仕切り、施主は葬儀費用を負担します。

個人の葬儀では、喪主と施主を兼任することが一般的ですが、社葬や大規模な葬儀では、喪主と施主を分けることも多いです。

「長男(妻)だから喪主(施主)をやるべき!」

「喪主(施主)だから○○をする」

といったことはなく、誰が行っても構わず役割分担の明確なルールもありません。

しかし、はっきりした決まりがないからこそ役割分担や費用負担については親族で揉めたり、トラブルになったりすることが多いです。

さらに、喪主や施主を引き受けた場合、具体的に何をすればよいか不安に感じる方もいるでしょう。

そこで本記事では、喪主と施主の基本的な役割と決め方、マナーまでをすべて解説致します!

詳細な役割を知ることで安心かつスムーズに、喪主や施主として葬儀準備に取り組むことができるようになるでしょう。

喪主や施主について少しでも不安や疑問がある方は、ぜひ最後までお読みください。

喪主の決め方については「喪主は誰がやるのが『正解』?知るべき6つのポイントと注意点を解説」もご参考ください。

喪主(もしゅ)と施主(せしゅ)の役割

喪主と施主の役割としては、「葬儀の代表者」か「葬儀費用を負担する人」かが大きな違いとしてあげられます。

  主な役割
喪主 葬儀の代表者で準備や弔問客の対応などを行う
施主 葬儀費用を負担する人、香典管理なども行う。喪主の補佐的な役割

近年では、喪主と施主を兼任するケースが多くなっています。すべての役割を喪主と施主だけでまかないきれなければ、家族や親族などで手分けするとよいでしょう。

喪主は「葬儀の代表者」

喪主は葬儀の代表者、かつ遺族の代表者といった役割となります。葬儀時のおもな役割は、次の通りです。

役割 内容
葬儀の準備・運営 ・日程の取り決め

・葬儀社との打ち合わせ

・精進落としの内容決定

・葬儀の受付係の依頼

・火葬場への車手配

・供花の並び順の決定

・弔電の読み上げ順の決定

・香典返しの決定

寺院との取り決め ・菩提寺や寺院への連絡

・戒名の手配

弔問客の対応 ・訃報の連絡

・弔問客の対応

・焼香の順番決定

・弔問客の席次決定

葬儀時の挨拶 ・通夜、精進落とし、告別式などの挨拶
葬儀後の法事や法要の運営 ・葬儀後の挨拶回り

・四十九日など年忌法要の連絡

・お墓の準備や手配

上記の表にないことでも、葬儀に関するあらゆる決め事は基本的に喪主の仕事であり、内容の決定権も喪主にあります。

施主は「葬儀費用を負担」

施主は葬儀費用の負担、また葬儀の具体的な進行を担う役割となります。葬儀時のおもな役割は、次の通りです。

役割 内容
喪主の補助 ・葬儀社との内容調整

・喪主不在時の弔問客への対応

費用の支払い ・葬儀費用の支払い

・僧侶へのお布施の手配

・手伝いいただいた方への心づけの準備

香典の管理 ・誰からいくら頂いたかの管理

・香典返しの手配

弔問客の管理 ・誰から供花を頂いたかの管理

・弔電の管理

・弔問客リストの管理

葬儀後の法事や法要の運営 ・お礼状の手配

・年忌法要の補助

実際の葬儀時には、喪主はたいへん忙しく時間的な余裕のないことが大半です。

施主の役割は費用負担もそうですが、葬儀の補助的な役割が非常に大きなウェイトとなるのを念頭に置いておきましょう。

上記の表では喪主と施主のおもな役割を分けていますが、実際は細かく役割分担されていません。実際の現場では、状況を見ながらケースバイケースで役割分担するのが賢明です。

喪主や施主がしなければならない内容については、「喪主がやることは9つだけ!プロが教えるコツ&やることリストを紹介」に詳しい内容を記載しています。葬儀社に任せられる部分は任せてしまい、できるだけ心身の負担を軽減するようにするとよいでしょう。

喪主と施主は誰がするか決まりはない

喪主と施主については、誰がしなければならないといった決まりはありません。相応の役割ができる人間を親族間でよく検討し、納得のいく決め方をすることが大切となります。

喪主と施主の一般的な決め方

喪主については、故人との血縁の近い人とするのが一般的です。具体的には下記の順番で検討し、できる人が担えば問題ありません。

配偶者→子→親→兄弟姉妹→その他の親族

故人の遺言の中で喪主について指定があり、社会通念上問題ない人選であれば、その内容に従うとよいでしょう。

また子どもが喪主を務める場合でも、必ずしも長男長女が喪主を務める必要はありません。生前に同居していたり、介護を中心的に請け負ったりしていた方を喪主にするのも一つの方法です。

喪主と施主は兼任するパターンがほとんど

施主に関しては、近年では葬儀の規模が小さくなったこともあり喪主と兼任するケースが大半となっています。

喪主が高齢や未成年、また社葬などで規模の大きい葬儀などの場合は、施主を別で立てることを検討するとよいでしょう。

喪主も施主も誰がなっても基本的には問題ないですが、家族葬では喪主と施主は親族から選び、社葬では施主に会社からの代表者を任命することが多くなっています。

喪主も施主も、1名と限られているわけではありません。弔問客が多く少人数だと負担が大きいと考えられる場合、複数人で請け負って手分けするのも視野に入れるとよいでしょう。

喪主選びに迷われた際のスムーズな決め方について事前に知っておきたい方は、「喪主は誰がやるのが『正解』?知るべき6つのポイントと注意点を解説「喪主を長女が務めても問題なし!4つの理由と知るべき注意点を解説!」の記事もぜひ参考にしてください。

喪主と施主が知っておくべきマナー

喪主と施主は、いずれも葬儀を取り仕切る重要な役割を担うため、マナーを問われる場面も多く出てくるでしょう。

とくに気をつけておきたい3つのマナーについては、重要な順に詳しく説明します。

1.服装

2.挨拶

3.金銭管理

服装

服装については、喪主も施主も通夜式の前までは平服で問題ありません。

通夜式・告別式には、喪主も施主も黒の喪服に着替えます。

告別式では、喪主はモーニングや和装の正喪装を着用してもよいでしょう。施主は喪主を兼ねていなければ、通常の黒喪服で参列します。

喪服についての具体的な注意点を知っておくことで、当日慌てずにマナーを守ることができます。「急な葬儀での服装はどうする?注意点の多い女性の喪服を徹底解説!」ユニクロで喪服を用意できる?ユニクロで喪服を用意する際のメリットやデメリット、注文方法を完全解説!」の記事に詳細がありますので、合わせてご確認ください。

挨拶

通夜式や告別式などの挨拶は、基本的には喪主の仕事となります。

高齢や未成年、心身の疲労が大きく人前に立てないなど、さまざま事情で挨拶が難しい場合は、施主など代理人が挨拶しても構いません。

挨拶の内容については、これまでの感謝と今後の付き合いについてのお願いを盛りこむようにすればよいでしょう。

喪主の挨拶については、「【例文付き】喪主挨拶で『上手!』と思われる6つのコツと注意を解説」の記事に故人との続柄に合わせた挨拶の例文を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

金銭管理

金銭面の管理については、おもに施主の仕事です。

僧侶へのお布施や葬儀社への支払いの手続きなど、施主が金銭面の管理と支払いの準備をしておくと、葬儀がスムーズに進むでしょう。

喪主と施主とを兼ねている場合は、金銭管理は別の親族に任せておく方が賢明です。

喪主は当日仕事が多く、手の離せない場面が各所で出てきます。そういった場合に、金銭面が把握できる人を別に置く方が、喪主の負担軽減にもなるのでおすすめです。

まとめ

喪主は「遺族の代表者」であり、施主は「喪主の補佐と金銭面を管理する人」といった役割となります。

【喪主の役割】

役割 内容
葬儀の準備・運営 ・日程の取り決め

・葬儀社との打ち合わせ

・精進落としの内容決定

・葬儀の受付係の依頼

・火葬場への車手配

・供花の並び順の決定

・弔電の読み上げ順の決定

・香典返しの決定

寺院との取り決め ・菩提寺や寺院への連絡

・戒名の手配

弔問客の対応 ・訃報の連絡

・弔問客の対応

・焼香の順番決定

・弔問客の席次決定

葬儀時の挨拶 ・通夜、精進落とし、告別式などの挨拶
葬儀後の法事や法要の運営 ・葬儀後の挨拶回り

・四十九日など年忌法要の連絡

・お墓の準備や手配

【施主の役割】

役割 内容
喪主の補助 ・葬儀社との内容調整

・喪主不在時の弔問客への対応

費用の支払い ・葬儀費用の支払い

・僧侶へのお布施の手配

・手伝いいただいた方への心づけの準備

香典の管理 ・誰からいくら頂いたかの管理

・香典返しの手配

弔問客の管理 ・誰から供花を頂いたかの管理

・弔電の管理

・弔問客リストの管理

葬儀後の法事や法要の運営 ・お礼状の手配

・年忌法要の補助

近年の葬儀では、喪主と施主を兼任されることが多いです。しかしながら喪主の負担が増えるので、家族や親族で役割分担すると葬儀がスムーズに進められるでしょう。

喪主や施主の仕事についてよくわからない場合は、葬儀社と親族で相談しながら進めるのがおすすめです。あらかじめどの作業を誰がするか決めておけば、当日混乱することがなくトラブルを回避できるでしょう。

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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