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墓石の種類は300以上!失敗&後悔しない見極めポイント5つを紹介

Nov 09 2022

墓石には300以上の種類があり、5つのポイントを見ることで自分に合った墓石を絞り込み、墓石選びの優先順位を決めておく等、8つの対策をすることでスムーズに選べるようになります。今回は墓石の特徴別のおすすめの墓石や価格帯まで解説します!

「お墓には一体どんな種類があって、どう選べばいいのだろう?」

墓石には国産、海外産を含め、産地や成分などの違いから、なんと300以上の種類があると言われています。

その中から自分に合った墓石を選ぶのはなかなか大変ですよね。

種類がありすぎて選ぶ基準がわからなくて決めきれず、勧められるものの中から判断してしまいそうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

多くの種類から自分たちに合った墓石を選ぶために注意するべき点は5つのみとなり、このポイントをおさえておけば、スムーズに墓石を絞り込めるようになります。

1.建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|地震対策・耐久性

2.建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|天災対策・吸水率の低さ

3.品質|石のランク

4.見た目|石の色やキメの細かさ

5.石の産地

建てる場所によっては地震が多いから耐久性が高いものが良かったり、台風や大雨が多い場所だから吸水率が低い、水をあまり吸わない石が良いなど、環境に合ったものを選ぶ必要があるのです。

今回はこのポイントはもちろん、墓石の特徴ごとの種類や価格帯のご紹介、さらに墓石を絞り込んだ後どう決めればよいのかを、墓石選びに失敗しないための8つの工程とともに解説していきます。

そもそも墓石の由来は諸説ありますが、その中の一つが「古事記」に書かれている1,000人もの人の力があってやっと動かせるほどの大きな「千引岩(ちびきいわ)」というものです。

生きているものと亡くなった人の場所の境い目にあるとされている坂をこの岩石で塞ぎ、岩石が境界となって、その場所でお互いに会話するという意味がこめられています。

このように昔から石は聖なるものとして霊が宿ると考えられてきたため、墓石を選ぶということは大切な家族の霊を宿す場所としても、とても大切なことなのです。

「墓石の種類や特徴、選ぶ基準を理解し、家族の大切な場所として一番合う墓石を選びたい」という方はぜひ最後までご覧ください。

墓石の種類の分類と特徴

墓石の種類は国産や海外産を含めた産地、そして成分などの違いから300以上あり、すべて岩石の一種で大きく4つに分けることができます。

そしてこれらの分類と特徴を知ることで、「どうやってできた石なのか」「どんな特徴があるのか」を知ることができ、自分に合った墓石を正しく選べるようになるのです。

1.墓石の分類4種類

2.特徴ごとの墓石の種類

墓石の分類4種類

岩石の一種で大きく4つに分けることができます。

1.花崗岩(かこうがん) = よく聞く「御影石(みかげいし)」の総称

2.安山岩(あんざんがん)

3.斑レイ岩(はんれいがん)=黒御影とも呼ばれる

4.閃緑岩(せんりょくがん)=黒御影とも呼ばれる

名称 1.花崗岩 2.安山岩 3.斑レイ岩 4.閃緑岩
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説明 マグマが地下深い場所で冷えてゆっくり固まってできた「深成岩」

低い温度でゆっくり固まるため、石の中に含まれる鉱物の大きさが揃っていて大粒

地表の近くで急速に冷えて固まった「火山岩」 マグマが地下深い場所で冷えてゆっくり固まってできた「深成岩」 マグマが地下深い場所で冷えてゆっくり固まってできた「深成岩」
特徴 ・劣化しても磨くとツヤが出る

・吸水率が低い

・産出量が多い

・圧縮強度が高い

・非常に硬い

・紫外線や雨に強く耐久性が高い

・風化に強く経年劣化がほとんどない

・雨風に強い

・吸水率が低い

・風化に強い

・劣化しても磨くとツヤが出る

・産出量が少ないため高級品

・白や淡い灰色

・多くの色が入っている

・淡い灰色

・色のバリエーションが豊富

・粒状の黒い斑点がある石で全体が黒っぽく見える ・花崗岩に比べて黒っぽいものが多い
代表的な使用例 ・江戸城や大阪城の石垣や石橋

・ヨーロッパの石畳

・最高裁判所の外壁、内部の壁

・日光東照宮の鳥居

建築材や墓石 建築材や墓石 ビルや建物装飾の塗装材

特に「花崗岩」が最も多く、火山で発生したマグマが地下深い場所で冷えてゆっくりと固まったもので、硬くて頑丈なのはもちろん、水を吸いにくいという性質があるため、昔から江戸城などの石垣や石橋などに使われてきました。

特徴ごとの墓石の種類

「種類が多いからよくわからない」という方も少なくないと思いますが、「墓石に求める優先すべき特徴」を意識することで、絞り込んでいくことが可能です。

詳しくは「墓石を選ぶ際に注意するべき5つのポイント」でご紹介いたしますが、まずは特徴ごとの代表的な墓石を左から値段が低い順にご紹介します。

1.耐久性の高い石|地震対策

2.吸水率の低い石|雨に強い

3.キメの細かい石|高級感のある見た目

4.特徴的な石の色|黒系の石

5.特徴的な石の色|ピンク系の石

6.手頃な価格の石

注意点も合わせてご紹介しますので、それぞれの「良いところ」「注意すべきところ」を理解することで、より深い知識を元に絞り込むことができるでしょう。

また、墓石の形には一般的な「和型墓石」、低く横長の形である「洋型墓石」、形式にとらわれない自由な形の「デザイン墓石」の3種類があり、墓石選びにおいても墓石の形は重要な要素です。

「失敗しない墓石デザインの決め方!流れ・費用・注意・ポイントを解説」での形に関する詳しい内容も是非ご覧ください。

耐久性の高い石|地震対策

最近では墓石に耐震対策を施しているものが一般常識になりつつあり、「硬度が高い」と言われる硬い石を選ぶということは、頑丈なので地震対策としても大切なポイントとなります。

日本は地震大国とも言われ、日本列島のまわりにプレートと呼ばれる大きな岩が4つもぶつかりあっているため、世界の中でも特に地震が多い地域なのです。

硬度を含めた石の耐久性に関しては「建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|地震対策・耐久性」で詳しくご紹介しますのでご覧ください。

石の名前 G688 ニューインペリアルレッド てんざんいし

天山石

うきがねいし

浮金石

ファイングレイン M-1H
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画像引用先:石誠メモリアル


画像引用先:佐藤石材工業スタッフブログ

産地 中国 インド 佐賀県 福島県 スウェーデン インド
分類 花崗岩 花崗岩 花崗岩 斑れい岩 花崗岩 花崗岩
白と黒のバランスが良い石 特徴的な赤 深みのある紫 黒に金を散りばめた輝きがある石 ツヤのある黒 深みのある緑
硬度 硬い 硬い 硬い 硬い 硬い とても硬い
吸水率 吸いにくい 吸いにくい 吸いにくい 吸いにくい 吸いにくい 吸いにくさが圧倒的
注意点 彫刻が目立ちにくい 硬いため加工が難しい 目が少し粗いので小さな墓石よりも大きい墓石の方が適している 石の傷やムラが多い 需要に対して供給量が少し少ない 重厚感があるため装飾品を他の石にするなどの組み合わせだと差が出すぎる
外柵として使われることが多い 鮮やかな赤で洋型墓石やデザイン墓石に使われることが多い 水も吸いにくいため雨にも強く色が変色しにくい 希少価値が高く日本を代表する石 黒い石の中でも最高級品

耐久性が世界一と言われほとんど劣化しない

硬度、吸水率、ツヤの持ちの良さ全てにおいて優秀
費用相場 一般的 一般的 少し高い 少し高い 高級 高い

吸水率の低い石|雨に強い

雨が多い地域や雪が多い地域は、特に吸水率と呼ばれる「墓石の水の吸いにくさ」に注意しましょう。

吸水率が低いほど、石に水が吸いにくくなりますのでひび割れを防ぐことができ、長く使えるということにもつながります。

石には目には見えないほどの細かいすき間があり、このすき間に雨などの水が入ることで少しずつではありますが、石の内部にも水が入り、寒い時期で水が乾く前に凍結してしまうと、石の中で水が膨張し、ひび割れの原因にもなってしまうのです。

吸水率に関しても「建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|天災対策・吸水率の低さ」で詳しく解説しますのでご覧ください。

石の名前 ニューインペリアルレッド てんざんいし

天山石

うきがねいし

浮金石

しばやまいし

芝山石

ファイングレイン M-1H
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画像引用先:石誠メモリアル


画像引用先:佐藤石材工業スタッフブログ

産地 インド 佐賀県 福島県 福島県 スウェーデン インド
分類 花崗岩 花崗岩 斑れい岩 花崗岩 花崗岩 花崗岩
特徴的な赤 深みのある紫 黒に金を散りばめた輝きがある石 グレー ツヤのある黒 深みのある緑
硬度 硬い 硬い 硬い 硬い 硬い とても硬い
吸水率 吸いにくい 吸いにくい 吸いにくい 吸水率の低さは国産の中でも優秀 吸いにくい 吸水率の低さが圧倒的
注意点 硬いため加工が難しい 目が少し粗いので小さな墓石よりも大きい墓石の方が適している 石の傷やムラが多い 多少ムラが出ることがある 需要に対して供給量が少し少ない 重厚感があるため装飾品を他の石にするなどの組み合わせだと、高級感とで差が出すぎる
鮮やかな赤で洋型墓石やデザイン墓石に使われることが多い 吸水率の低さが優秀なので雨にも強く色が変色しにくい 希少価値が高く日本を代表する石 研磨によってツヤが出るがツヤ持ちもよく上品 黒い石の中でも最高級品

耐久性が世界一と言われほとんど劣化しない

硬度、吸水率、ツヤの持ちの良さ全てにおいて優秀
費用相場 一般的 少し高い 少し高い 高い 高い 高い

キメの細かい石|高級感のある見た目

墓石にもキメの細かさというものがあり、細かいものほど表面にきれいな光沢があり、見た目もキレイに見えます。

反対に元からキメが粗い石だとどれだけ磨いても光沢が出にくく、くすんだ印象になってしまうのです。

こちらも「見た目|石の色やキメの細かさ」で更に詳しくご紹介しますのでご覧ください。

石の名前 はぐろあおぬかめいし

羽黒青糠目石

あじいし

庵治石

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画像引用先:ストーリーインストーンお墓ブログ

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産地 茨城県 香川県
分類 花崗岩 花崗岩
青みがある深い色合い 白・グレー
硬度 硬い 硬い
吸水率 吸いにくい 吸いにくい
注意点 採掘量がとても少ない あまりの硬さから加工が難しい
日本の三大最高級銘石 国産の御影石の中でも最高峰と呼ばれる花崗石のダイヤモンド・桜のような花びらで縁起物としても使われている・火にも強い
費用相場 高い 高い

特徴的な石の色|黒系の石

石そのものが黒など色が濃い色をしたものを5つご紹介します。

値段が高いものほど硬度も高く、吸水率も低いものになりますので、予算を元に絞り込んでいくと良いですね。

石の名前 かほくやまざき

河北山崎

マハマブルー てんざんいし

天山石

うきがねいし

浮金石

ファイングレイン
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画像引用先:石誠メモリアル

産地 中国 インド 佐賀県 福島県 スウェーデン
分類 花崗岩 斑れい岩 花崗岩
濃いグレーで繊細な模様 青と紫が混ざり合った海のような美しい色 深みのある紫 黒に金を散りばめた輝きがある石 ツヤのある黒
硬度 硬い 硬い 硬い 硬い 硬い
吸水率 一般的 一般的 吸いにくい 吸いにくい 吸いにくい
注意点 現在採掘は終了している 時間が経つと色あせたように変色することがある 目が少し粗いので小さな墓石よりも大きい墓石の方が適している 石の傷やムラが多い 需要に対して供給量が少し少ない
値段が安価の割に墓石らしい見た目で人気 一目惚れされる程印象的な色でデザイン墓石によく使われる 吸水率の低さが優秀なので雨にも強く色が変色しにくい 希少価値が高く日本を代表する石 黒い石の中でも最高級品

耐久性が世界一と言われほとんど劣化しない

費用相場 少し安い 一般的 少し高い 少し高い 高い

特徴的な石の色|ピンク系の石

柔らかい印象のピンクや特徴的な赤は、「洋型墓石」や「デザイン墓石」にもよく使われます。

特に国産の万成石は墓石のブランドとしても価値が高いとされ、費用も高めではありますが、「万年成就する石」として縁起の良さも人気で、石原裕次郎さんの墓石としても使われているほどなのです。

石の名前 G663 ニューインペリアルレッド まんなりいし

万成石

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産地 中国 インド 岡山県
分類 花崗岩 花崗岩 花崗岩
桜やバラを思わせるピンク 特徴的な赤 淡いピンクの色が入った石
硬度 一般的 硬い 硬い
吸水率 一般的 吸いにくい 一般的
注意点 経年とともに色あせや風化がある 硬いため加工が難しい 石の色の濃さで値段が変わる
色の石材の中では比較的安価。特に女性に人気で洋型墓石やデザイン墓石によく使われる 鮮やかな赤で洋型墓石やデザイン墓石に使われることが多い  墓石ブランドとしても価値の高い石・万年成就する石として縁起がよいものとしても人気
費用相場 一般的 一般的 やや高い

手頃な価格の石

お手頃な価格の石は海外産が主流です。

国内産、海外産での違いに関しては「石の産地」で詳しくご紹介しますが、今や海外産が墓石の主流でもあるため、硬度、吸水率などの品質や色などを元に、適したものを絞り込んでいきましょう。

石の名前 G603 ほくだいあお

北大青

かほくやまざき

河北山崎

G623 G663
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産地 中国 中国 中国 中国 中国
分類 花崗岩 花崗岩 花崗岩 花崗岩
白に近いグレー 黒に白い模様 濃いグレーで繊細な模様 白系で桜色が入ることがある 桜やバラを思わせるピンク
硬度 一般的 硬い 硬い 一般的 一般的
吸水率 吸いやすい 吸いにくい 一般的 一般的 一般的
注意点 水を吸いやすいので、サビや変色が出る 色合わせが難しいのとサビが出ることがある 現在採掘は終了している 中国の採石場が埋め立てられる話もある 経年とともに色あせや風化がある
屋内の使用に使われることが多く、古くから輸入で日本を支えてくれた石 硬度と吸水率の面で安定した品質ながら手頃な価格 値段が安価の割に墓石らしい見た目で人気 中国産の石材の中で手頃な価格で安定した品質のため、最も人気 色の石材の中では比較的安価。特に女性に人気で洋型墓石やデザイン墓石によく使われる
費用相場 安い 少し安い 少し安い 少し安い 一般的

墓石を選ぶ際に注意するべき5つのポイント

たくさんある墓石の中から自分に合った墓石を選ぶためには、5つのポイントを抑えておくだけで、よりスムーズに絞り込めるようになります。

順不同でご紹介しますので、墓石を見極めるポイントとして頭に入れておくようにしましょう。

1.建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|地震対策・耐久性

2.建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|天災対策・吸水率の低さ

3.品質|石のランク

4.見た目|石の色やキメの細かさ

5.石の産地

建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|地震対策・耐久性

墓石選びの大切なポイントの一つに、墓石を建てようとしている場所の環境に適したものを選ぶということがあります。

日本は地震大国とも言われるほど地震が多く発生する場所です。

東日本大震災の際には、墓石が倒れただけではなく、倒れた墓石が津波で流されて元のお墓の位置がわからなくなってしまい、遺骨を見つけることも困難になってしまいました。

そして倒壊した墓石の中で多くは地盤対策や基礎工事に地震対策がされていなかったものとなり、こういった場合の修復には別途修復代が発生し、地震で倒壊したお墓が多ければ多い分、修復まで時間を要します。

こういった被害を最小限に抑えるためにも、今は墓石に対しても地盤対策や基礎工事が一般化しており、墓石も耐久性のある頑丈なものを選ぶ人が増えています。

耐久性は下記2点から石の硬さを見極めていくことが一般的です。

  標準値 選ぶといい数値
圧縮強度 110〜120N/cm2以上 120N/cm2以上
見かけ比重 2.60〜2.70t/㎥ 2.90t/㎥以上

順不同でご紹介していきます。

圧縮強度

石に力が加わったときに、どのくらいの力まで石が耐えることができるかを表した数字のことを圧縮強度といい、これが石の硬さの目安になります。

N/cm2(ニュートンパー平方センチ)という単位で示され、基準値は「110〜120N/cm2以上」となるため、最低でも標準値以上のものを選ぶようにしましょう。

見かけ比重

墓石1㎥あたりの重さのことを「見かけ比重」といい、この数値が重ければ重いほど強度があるため、頑丈な石となります。

こちらの単位はt/㎥(トンパー立方メートル)で、基準値は2.60〜2.70t/㎥となり、2.90t/㎥以上のより重たい石を選ぶと安心です。

地盤対策や基礎工事と共に耐震対策をすることが重要となります。

建てる場所の環境に合ったものを選ぶ|天災対策・吸水率の低さ

石の耐久性というところでは「吸水率」を見ることも大切なポイントです。

「吸水率」とは石を48時間水に浸し、どのくらい石が水を吸うかを示した数字のことで、数字が低いほど水を吸い込みにくい石ということになります。

吸水率が低いほど水を吸いにくい石となり、吸水率が高いと水を多く含みやすい石になるので、石がサビや苔に覆われたり色落ちするだけではなく、水を含んだまま凍結すれば水が膨張して石のひび割れの原因にもなってしまうのです。

そして石によっては水分を吸うことで色が変わり、見え方が変わるものもあるので、色々な状況での色の変化も気にしておきましょう。

もちろん天災対策としては吸水率の低い石を選ぶだけではなく、お墓の設計や構造の部分から考えることも必要なので、石材店と相談しながら進めることが重要です。

こちらの画像は五輪塔全体がカビに覆われてしまっていますが、球体の上の三角の石が球体への雨をあたりにくくしているため、球体にはカビなどがなく、とてもキレイですよね。

このように長い期間石に雨があたることで、カビなどが増殖しやすくなってしまうのです。

品質|石のランク

国産の石の場合、同じ石であっても、下記の違いによる違いがあり、値段も大きく変わってきます。

・等級

・キメの細かさ

・色味

ただし、これらのランクは石の採掘会社や石材店が個別に決めているなど、石の種類によっては曖昧な場合があるので、石材店に相談して、サンプルを見せてもらいながら決めていくことがおすすめです。

見た目|石の色やキメの細かさ

墓石の色といえば黒やグレーを思い浮かべる方も多いかと思いますが、赤やピンクなど色味があるものや、黒の中にも模様が入って見えるなど様々な種類があります。

墓石の形により選ばれる色も変わってきますが、石の色を変えて個性を出すという方法も人気です。

こちらのお墓は「G663」を使用したお墓で、この石のピンクの色味がやわらかくて優しい雰囲気を出しています。

また、墓石を見た時の美しさはキメの細かい石であるかどうかが重要なポイントであるのと同時に、磨くことでより石が輝いて見えますので、経年劣化した時も磨くことでまた輝きを取り戻すこともできる点も選ばれる理由でしょう。

キメが細かい石は、石の内部の密度が高くなるため、見た目に美しいだけではなく、吸水率が低くなり水を吸いにくくもなります。

予算と石の品質のバランスを見ながら決めていくと良いですね。

石の産地

墓石の産地は国産のものと海外産に分かれます。

近年日本で使われている墓石の多くは、実は海外からの輸入品と言えるほど主流となっていて、これは石を採掘できる場所の数が日本に比べて圧倒的に多いことが一番の理由です。

また、赤や青、緑など色がついている石は海外産のことが多く、主な産地は中国、インド、北欧、韓国、南米、南アフリカとなります。

国産の墓石は希少価値が高くなりますが、日本という場所で育った石になるため、日本の気候になじみやすく、品質も安定していることが何よりの人気のポイントです。

石の種類によっては外国産のものも方がお手頃で品質も安定しているのもあるのと、現在は海外産が一般的に使われているため、あまり気にしすぎずに、石材店と相談しながら見てくようにしましょう。

失敗しないための8つの工程

墓石選びは8つの工程を意識して進めることで、失敗を防ぐことができます。

1.指定石材店の有無や霊園や墓地での指定がないか確認する

2.最低でも2〜3社から見積もりを取る

3.墓石選びの優先順位を決めておく

4.石材店と打ち合わせを重ねお互いに信頼関係を作る

5.候補となる石は時間が経ったサンプルも見せてもらう

6.実際に建っているお墓を見てみる

7.手入れ方法を聞いておく

8.家族としっかり相談する

実際に進めていく順番でご紹介していきますので、参考にしながら確認していきましょう。

指定石材店の有無や霊園や墓地での指定がないか確認する

お墓を建てる予定の墓地や霊園は主に3種類あり、場所によっては規定があり、墓石の色や高さ、形が制限されることがあります。。

特にこういった場所次第では、一般的な黒やグレー以外の色の墓石は禁止されていることもあります。

せっかく絞り込むことができた墓石も、こういった理由で諦めることになると時間ももったいないのと、墓石に対する気持ちも落ち込んでしまいますので、指定がないかは事前に確認しておくようにしましょう。

また、民営霊園や寺院墓地の場合、墓石を作ってもらう石材店も指定されていることがあるため、必ず確認しておくようにします。

<墓地・霊園の種類>

種類 公営霊園 民営霊園 寺院墓地
管理・運営 地方自治体 宗教法人や企業など民間の法人 寺院
特徴 ・管理費が比較的安い

・人気で抽選になることが多い

・宗教問わない

・形や高さに制約がある場合もある

・石材店が出資、管理している

・休憩所や売店などサービスが充実しているところが多い

・デザイン墓石を建てやすい

・その宗派の檀家であることが条件

・お寺が管理しているので法事などを相談しやすい

・管理が公営霊園より高くなる

石材店の指定 なし あり あることが多い

最低でも2〜3社から見積もりを取る

石材店を自由に選べる場合、見積書までは出来るだけ1社ではなく、最低でも2〜3社から取り寄せることで「比較してより信頼できるところを選ぶ」ことができます。

石材の時価によって墓石の値段は大きく変わってくるため一般的に決められた相場がなく、在庫の確保ができずに価格が高騰することもあり、金額は石材店によって大きく変わることがあるのです。

とはいえむやみに値下げしてきたりなど、価格が安い場所を選ぶのではなく、見積もりを元に他の項目も参考にした上で納得できる石材店を選びましょう。

墓石選びの優先順位を決めておく

墓石選びをする際には、自分達のお墓として「何を優先して決めるか」の優先順位を決めておくことで選びやすくなります。

参考までに、墓石選びの優先順位としてよく聞かれる「決め手」の声をご紹介します。

・自分が生まれ育った場所や、縁のある場所で産出された石を選びたい

・墓石を見た時のインスピレーション

・雨が多い地域なのでキメが細かく吸水率の低い石を選びたい

・どうしても使いたい墓石の色がある

・少しでも予算を抑えつつ、品質も安定した石にしたい

それぞれの事情をふまえて、優先順位を事前に考えておきましょう。

石材店と打ち合わせを重ねお互いに信頼関係を作る

石材店は建てるときだけではなく、その後使い続ける中でのメンテナンスなどでも付き合いが続きます。

こちらの希望を伝え、専門家のアドバイスをもらい、最終決定をするという「相談しあえる」信頼関係を作ることは、長い時間かけて大切に守っていくより良いお墓作りの大切なポイントです。

墓石を選ぶ、そしてお墓を建てるということは人生でそう多く経験するものではないため、家を建てることや、車を買うのと同じくらい慎重に進める必要があります。

そして貴重な経験だからこそ、最初は知らないことだらけで当たり前ですので、優先順位を決め、可能な限り自分で調べて考えた上で、石材店と相談して「聞く」ことが大切です。

候補となる石は時間が経ったサンプルも見せてもらう

石の候補が絞られてきたら、石のサンプルを必ず見るようにしましょう。

その際に、選んだ石がどんな風になっていくのか、劣化した場合にどんな見え方になるのかなど、「長く使い続ける」ことを考えてしっかりと石を見極めることが重要です。

実際に建っているお墓を見てみる

石のサンプルを見たあとは、実際に建っているお墓がないかを石材店に相談しながら、可能であれば足を運んで見てみるようにしましょう。

サンプルで見ているのと、実際にお墓になったものを見るのとでは印象が変わることもあるのです。

また、こういった工程を踏むことで、より納得して墓石を選ぶことにもなります。

手入れ方法を聞いておく

墓石を使い続けるためには

・定期的に自分でできる掃除などのメンテナンス

・石材店にしてもらうメンテナンス

の2種類のお手入れ方法があり、どちらも「やり方」「予算」を事前に把握して決めることで、自分の後の家族がお墓を守っていく際のことまで考えて決めることができます。

お墓は建てて終わりではなく、「長く使うために家族で守っていくもの」ですので、選んだ石に対しての注意点や対策もしっかりと理解した上で、適したものを選びましょう。

定期的に自分でできる掃除などのメンテナンスをする場合、墓石に合った道具を使って正しい手順を知ることで、より気軽に掃除することが可能です。

「【墓石掃除の手順と持ち物】誰でも簡単&キレイに落とせる4つのコツ」の記事では専門的な道具を使わずに出来る方法をご紹介していますのであわせて是非ご覧ください。

家族としっかり相談する

大切な家族が亡くなり新しくお墓を建てる際、大きな悲しみから故人1人に対しての気持ちだけを考えてしまいがちですが、お墓は故人1人だけではなく、いつかはそこに入る家族がいます。

そのため、入る予定の家族のことも含めて「家族の墓」として考え、どんな意図でどの石を選んだのか、メンテナンスはどうすれば良いのかなど、良いところと注意点を家族全員でしっかり話し合って、全員が納得したものを選びましょう。

全員で納得した言葉を刻むことで、お墓により一層「家族の気持ち」を込めることができるのです。

墓石種類の参考画像

本文中に掲載した墓石の画像をまとめました。具体的なイメージを確認されたい方は、ぜひご参考ください。

画像は、本文の紹介順に掲載しています。

G688

 

天山石

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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