遺骨ペンダントは良くないと言われることもあるようですが、そんなことはありません。手元供養や分骨は、宗教的にも法律的にも問題がなく、ご遺族がこの先を生きていくために納得できる供養の形を選ぶことが大切です。そしてそれが一番の供養に繋がります。
「遺骨ペンダントは良くないと耳にしたけど、本当はどうなの?」
「思い出と一緒に遺骨の一部を肌身離さず持ち歩きたい」
「遺骨ペンダントなどで分骨をすると成仏できないと言われるけど本当?」
遺骨ペンダントは近年、人気が高まってきた『手元供養』の一つです。
亡くなった方やペットの遺骨や遺灰をペンダントに納めることで、故人をいつも身近に感じながら供養することが可能になります。
多くの遺骨ペンダントは、防水性が高い特殊な樹脂などで、微量の遺骨や遺灰を固めた上でペンダントに納めますが、見た目は一般的なアクセサリーとなんら変わりません。
大切な故人の面影を肌身離さずに身につけることで「遺族の方が新たな一歩を踏み出せるきっかけとなるように」との願いが込められています。
「供養の形が、時代とともに変わってきた」証の一つと言えるでしょう。
しかし「遺骨ペンダントは良くない」「遺骨の一部を分けると成仏できない」などと耳にし、遺骨ペンダントは良くないのか?と心配される方が多いです。
ですが先ほども申し上げましたように、遺骨ペンダントは手元供養の一つの形であり、宗教上も法律上も全く問題はありませんのでご安心ください。
この記事では
- ・遺骨ペンダントを含む手元供養が増えてきた背景
- ・宗教上や法律的にも問題がないと言える根拠
- ・遺骨ペンダントを持つ時の注意点
- ・遺骨ペンダントが購入できるところ
などにつきまして「遺骨ペンダントは良くないのか?」と心配されているお気持ちを払拭できるよう、順にご説明をしていきます。
この記事を読むことで、遺骨ペンダントが、ご遺族が新たな一歩を踏み出すきっかけとなるはずです。どうぞ最後までしっかりとお読みください。
INDEX
- 08
- まとめ
遺骨ペンダントを作っても問題がない2つの根拠
遺骨ペンダントが良くないと思われているのは、主に以下の2つの理由によります。
- 1.遺骨の一部を「分骨」することになるため、故人が成仏できないのでは?という宗教上の抵抗感
- 2.「手元供養」として、遺骨の一部を埋葬しないことは、法律に違反しないのか?という心配
まず、これらはどちらも心配には及びませんので、ご安心ください。その理由を順にご説明していきます。
分骨は宗教上も間違った考え方ではない
分骨は宗教上、間違った考え方ではありませんし「故人が成仏できない」「故人がかわいそう」などと心配する必要も全くありません。
むしろ分骨は、仏教の教えではむしろ『尊(とうと)い行為』とされています。といいますのも、お釈迦様が亡くなられたとき、遺骨を弟子に分骨したと言われているからです。
さらに現在の寺院は、その遺骨を供養するために建てられた「仏舎利塔」が起源とされています。
また地域によっては、骨壷に入り切らなかった遺骨は、分骨してお寺などで供養しているところもあり、分骨に対する考え方は様々であることがおわかりいただけるでしょう。
分骨は法律的にも問題はない
分骨した遺骨を『手元供養』として、自宅などで保管することは法律的にも問題ありません。
『墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)』には、以下のように記載されています。(一部を抜粋)
- ・墓地埋葬法第4条:「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域にこれを行ってはならない」
ここで書かれている「墓地」とは、
墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域
です。
つまり、許可を得た墓地以外の場所、例えば「自宅の庭」や「他人の所有地」などに遺骨を埋葬(地中に埋める行為)することは禁止されています。
しかし、遺骨をお墓に納めなければならないという法律や規定はないのです。
「分骨した遺骨を自宅に置いておくと法律に抵触するのではないか?」といわれるのは、
この『墓埋法』への誤解が大きな原因でしょう。
これらのことから、遺骨ペンダントを作ることは、宗教上も法律的にも、全く問題がないとご理解いただけると思います。
遺骨ペンダントが良くないと言われる4つの理由
宗教的にも法律上も問題がないことがわかった遺骨ペンダントですが、ではなぜ「遺骨ペンダントは良くない」と言われるのでしょうか?
その理由を「社会的認知度」「法律への解釈違い」「周囲の心配」の順に紹介しながら、対応する考え方も一緒にご紹介していきますので、参考にしてくださいね。
1)『手元供養』にまだ馴染みがない
2)遺骨を身につけることへの抵抗感
3)遺骨を加工することが違法だと思われる
4)遺骨い執着することへの周囲の心配
『手元供養』にまだ馴染みがない
遺骨ペンダントは「手元供養」の一つであり、近年になって増えてきた供養の形です。そのため、まだ一般的、特に年配の方には馴染みがありません。
供養の形が変わってきた理由には、様々な時代的背景が考えられます。
- ・お墓が遠方であまりお参りに行けないが、墓守をしてくれる人もいない
- ・遺骨を家族で分けて、それぞれで供養できるようにしたい
家族構成の変化などにより、お墓のある地域に家族が住んでいないことも増えてきました。なかなかお墓参りに行けないことを気にかける方も多いですね。
このような事情から浸透してきた『手元供養』ですが、従来のしきたりにとらわれない、新しい供養の形であるため、抵抗のある方が多いのでしょう。
ですから、手元供養に否定的なご親戚には、
- ・分骨は宗教的にも法律的にも問題がないこと
- ・手元できちんと供養をしたいという気持ち
上記をきちんとご説明をしておくことをおすすめします。
遺骨を身につけることへの抵抗感
遺骨を持ち歩くことで「不吉なことが起きるのでは?」と気にかける方もいらっしゃいます。しかし仏教においては「遺骨は縁起が悪い」と言われることはありません。
また『手元供養』をしたいという気持ちはあるものの「遺骨を身につける」ことに抵抗がある場合は、別の形での供養を考えてみるのもいいですね。
ミニ骨壷やプレートなど身につけずに置いておけるもの、また遺骨以外のものを納めて持つ方法もありますので、ご検討してみてはいかがでしょうか。
遺骨を加工することが違法だと思われる
遺骨ペンダントの加工は「粉骨(2mm以下の粉末にすること)」が一般的です。そのため「法律に抵触するのでは?」と言われてしまうことがあります。
しかし、こちらも誤った解釈ですので安心してください。刑法に関する解釈としては
- 1.粉骨は、刑法第190条の「遺骨の損壊」に形式的には該当するものの
- 2.供養を目的としたものであるため、刑法第35条の「正当行為」として損壊罪が成立しない
となります。
(参考刑法)
- ・刑法第190条:「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は3年以下の懲役に処する」
- ・刑法第35条:「正当行為」として違法性が阻却され、死体損壊罪が成立しない
遺骨ペンダントの加工は、あくまでの『供養を目的として行われる粉骨』ですから違法にはなりませんので、安心してくださいね。
遺骨に執着することへの周囲の心配
遺骨ペンダントが良くないと言われる背景には、親しい人を失くした方への心配や配慮
もあります。
故人を供養をする気持ちを周囲の方が咎めることは、もちろんないでしょう。しかし「いずれは前を向き、新しい人生を歩んでもらいたい」と思うものです。
近くに遺骨があることで、「いつまでも気持ちが前向きにならないのではないか?」と心配されることもあるでしょう。
心配するご親族や知人の気持ちを無碍にすることなく、ご自身のお気持ちや考えを素直に伝え、またご家族ともよく相談されることをおすすめします。
大切なのはご遺族の先の人生
一番大切なのは『どのような供養の形にしたいのか』そして供養は、『残された方の人生を前向きにするためでもある』という考え方です。
遺骨ペンダントが良くないと言われる理由には
- ・宗教や法律に関する解釈の間違い
- ・『手元供養』への認知度の低さ
- ・大切な方を失くした方を思いやる周囲の方の愛情
などがあることを理解しておきましょう。
しかし遺骨ペンダントは、あくまでも『供養の一つの形』と捉えていただき、できれば早い段階でご自身の考えを決めておかれると良いですね。
遺骨ペンダントを持つ時の3つの注意点
遺骨ペンダントを持ちたいと考えたのなら、注意しておきたい点を重要度順に記載しておきます。
遺骨ペンダントを作るときには、タイミングなどが大切になってきますので、ぜひ参考にされてください。
1)分骨のタイミングについて
2)親戚に非難されないための準備
3)参詣(さんけい)時や機内持ち込みについて
分骨のタイミングについて
1.火葬の前に分骨が決まっている場合
事前に手元供養のための分骨が決まっている場合には、火葬場の担当者に分骨したいことを伝えてください。
分骨をすると火葬場から、分骨した数だけ「分骨証明書」が発行されます。(数百円の手数料がかかります)
画像引用先:真岡市公式サイト
- ・故人の氏名
- ・住所
- ・性別
- ・死亡年月日
などが記載された書類です。
手元供養をするときには、分骨証明書は必要ありませんが、手元供養後にお墓に納骨するときには、必要となる書類ですので大切に保管しておきましょう。
なお、万が一紛失してしまった場合には、火葬を行った市区町村の役場で再発行をお願いしてください。
2.火葬の前に分骨が決まっていない場合
火葬までに分骨が決まっていない場合や一旦お墓に納骨する場合には、分骨証明書ではなく「埋葬許可証」(火葬済の印がついた火葬許可証)が発行されます。
画像引用先:川崎市
後日、分骨をすることになった場合には、お墓の名義人に分骨証明書を発行してもらう手続きをお願いしてください。
その時にすでに遺骨が埋葬されている場合は、専門の業者(一般的には石材店)に依頼することになります。
また、魂抜きといわれる儀式が必要となりますので、寺院にお願いしてお経をあげてもらってください。
3.できれば火葬前に分骨の有無を決めておく
このようなことから、もし少しでも手元供養や分骨を考えているのでしたら、火葬までに決めておく方が余計な費用や手間もかかりません。
できれば、早い段階で親族の間などで話し合っておくことをおすすめします。
親戚に非難されないための準備
手元供養にしようと決めていたとしても、いざ親族に反対されると心が揺らぐものですので先に準備をしておくことをオススメ致します。
「分骨すると故人が往生できない」というのは間違った認識だと理解していても、心が動揺しているときであれば、うまく説明ができない可能性もあります。
できれば前もって話し合いができるとよいですが、それも難しい場合があるでしょうから、事前に、紙などに考えをまとめておくとよいかもしれませんね。
参詣(さんけい)時や機内持ち込みについて
遺骨ペンダントが良くないと言われる背景には
- ・飛行機には持ち込めるのか
- ・神社への参詣の時には身に着いていけるのか
と心配される方がいらっしゃるからですが、これもどちらも心配はいりません。
飛行機には遺骨を持って搭乗することも可能ですし、規制はありません。
また「喪が明けるまで神社などの参拝はしてはいけない」と耳にしたことで不安になられる方もいらっしゃいますが、神道にもそのような規制はありません。
喪中のときの参詣について、不安がある方は「喪中に神社へ行ってもいいの?喪中と忌中の違いから厄払いやお守りの処分の方法などを徹底解説!」で詳しく解説しています。
不安な気持ちや注意点を解消されて、参詣に行かれてくださいね。
遺骨ペンダントについて知るべき3つの注意点
実際に遺骨ペンダントを依頼するときや持った後での注意点を時系列に沿って記載しておきます。
詳細な内容は、依頼する業者さんに尋ねることもできますが、事前知識として持っておいた方が話もしやすいと思いますので、参考にしてみてくださいね。
1)選ぶ時の基準
2)遺骨や遺灰を準備するタイミング
3)遺骨の保存について
選ぶ時の基準
遺骨ペンダントに限らず『手元供養』のための商品には、様々なものがあります。それぞれの特徴とどのような方に向いているのかまとめました。
こちらを参考にして商品を選んでみてはいかがでしょうか。
特徴 | 向いている人 | |
アクセサリー
|
・ペンダントやリング、イヤリング、ブレスレットなど、身につけながら供養ができるもの
|
・いつも故人を近くで感じていたいと思っている方
・アクセサリーと兼用しながら供養できるものが良いと考える方 |
ミニ骨壷
|
・分骨向きのコンパクトなものが主流で、一見すると骨壷だとわからないようなデザインのものが多い
|
・遺骨を身につけることに抵抗がある方 ・お墓参りにはなかなか行けないが、できるだけ供養をしたいと考えている方 |
プレート型
|
・遺骨を収めながら遺影も一緒に飾れるコンパクトなものが主流
・インテリアを選ばずに飾れるものが多い |
・遺骨と一緒に写真も飾りたいと考える方
・飾る部屋を選ばずに供養を行いたいと思っている方 |
ミニ仏壇
|
・花や遺影も一緒に飾れる、コンパクトな仏壇
・一体型が多く、サイズも小さいので場所を取らない。デザインも豊富 |
・仏壇を置いて供養をしたいと考えているが、大きな仏壇が置けない方
・インテリアにも合う仏壇を探している方 |
どのような供養の形を選ぶかで、選ぶ商品も変わってきますし、費用も変わります。
行いたい手元供養の形を考え、できれば見本などを参考にして十分に検討した上で決めるようにしましょう。
遺骨や遺灰を準備するタイミング
火葬までに依頼する業者や商品が決まっていれば、業者の指示に従って遺骨を取り分けておいてください。
もし火葬の時に、手元供養にすることだけは決めているが、業者や商品が決まっていない場合には、半紙などに少量の遺骨を取り分け、ご自身で保管しておきましょう。
遺骨の保存について
火葬までに手元供養の方法や商品が決まっていない場合は、自宅で遺骨を保管することになりますが、遺骨の状態が悪くならないよう特に下記順番で注意が必要です。
1)湿気のある場所での保存は避ける
2)結露にも注意する
もちろん、できるだけ早く手元供養の方法を決めて、遺骨を納めるようにした方が良いことはいうまでもありませんが、以下を参考に遺骨の保存には注意しましょう。
1)湿気のある場所での保存は避ける
最も心配なのは、カビの発生です。特に梅雨時などはカビが発生しやすい時期ですから、以下に注意して保存してください。
- ・直射日光を避ける
- ・暗所で風通しが良いところを選ぶ
特に湿気の高いところや水回りには置かないでくださいね。
2)結露にも注意する
結露は温度差の大きいところで発生しがちです。
- ・できるだけ気温差が少ないところを選ぶ
また骨壷自体が結露する場合もありますので、底についた水分はマメに拭くなど、注意するようにしましょう。
遺骨ペンダントが買えるオススメ葬儀社3社
遺骨ペンダントは近年、急速に人気の出てきた供養の形ですので、遺骨ペンダントなどのアクセサリーのみを扱う業者も増えてきました。
しかし当サイトでは、以下のように考えて「遺骨ペンダントの取り扱いのある葬儀社」で検討されることをおすすめしています。
- ・専門店でなく、葬儀社を通すことで葬儀や散骨と一緒に依頼や相談が可能になる
- ・手元供養の知識が豊富で、アクセサリー以外(骨壷やプレートなど)も検討できる
- ・葬儀一般に関する質問も一緒に聞ける
おすすめする理由とともに記載しますので、ご検討してみてください
やさしいお葬式
画像引用元:やさしい海洋散骨|やさしいお葬式
《 やさしいお葬式 》をおすすめする理由
- ・お葬式の全てを全国規模で展開しており、どこからでも相談可能
- ・海洋散骨なども行っており、分骨や散骨の知識が豊富
- ・海洋散骨を行わない場合でも、遺骨ペンダントのみの注文も可能
- ・提携サイト「TOMONi」もあり種類が豊富である
提携サイト「TOMONi」でジュエリーを購入されたお客さまの声がありますので、購入時の参考にされてください
《「TOMONi」口コミ》
・女性 50代
息子とまた一緒に出かけられることを嬉しく思っています。 とてもお洒落なデザインで気に入っています。
・女性 30代
主人を亡くして落ち込んでいたところ、TOMONiをネットで見つけ、製作していただきました。 対応も親切で本当に良かったと思っています。 ずっとずっと大切にします。 ネックレスは娘が大きくなったら渡そうと考えています。
・女性 30代
納骨はせず自宅に一緒にいたかったのですが、外出も「一人にさせてしまうから」と思っていました。 ですが、リングが届いてからはずっと一緒にいる感じで、行けなかった所にたくさんでかけられています。
・女性 30代
海外に住む家族に持っていて欲しくて作ることにしました。
・男性 80代
数ヶ月前に妻を亡くし、お位牌を作ったが携帯できるもう一つのお位牌を作りたいと思いました。 妻の優しい雰囲気のままに素敵に仕上がって嬉しいです。
・女性 40代
お世話になった知人の奥様が突然亡くなり、1周忌の区切りにご供養の気持ちを込めて贈り物にしたいと思い、製作を依頼しました。 知人にも喜んでいただけたと思います。
イオンのお葬式
画像引用元:イオンのお葬式
《イオンのお葬式》をおすすめする理由
- ・お葬式の全てを全国規模で展開しており、どこからでも相談可能
- ・海洋散骨なども行っており、分骨や散骨の知識が豊富
- ・提携サイト「銀河ステージ」があり種類が豊富である
提携サイト「銀河ステージ」では、以下の特徴ある手元供養品の取り扱いもあります。
- ・特許技術でご遺骨から抽出したカルシウム成分と天然サファイアを融合させて作る、世界にたったひとつのサファイア『遺骨サファイア』
- ・遺髪から抽出した炭素のみを原料に、結晶化・カット・研磨を経てダイヤモンドとし、ジュエリー加工する『遺骨ダイヤモンドGINGA』
イオンのお葬式の口コミは検索しましたが見つかりませんでした。
公益社
画像引用元:公益社
《公益社 》をおすすめする理由
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- ・手元供養専門のページがあり種類が豊富である
- ・アーク・ステンレスやチタン製など、様々な素材のペンダントがある
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まとめ
「遺骨ペンダントは良くない」と言われることが多いため、遺骨ペンダントでの供養に躊躇する方がたくさんいらっしゃいます。
「遺骨ペンダントが良くない」と言われる主な理由は以下の6つですが、結論として、どの理由も遺骨ペンダントを作っても問題がないと結論づけられます。
問題となる点 | 良くないと言われる理由 | 問題ないとする根拠 |
宗教上の考え方 | 遺骨の一部を「分骨」することになるため、故人が成仏できないのでは?という抵抗感がある | 分骨は、仏教の教えではむしろ尊い行為とされており、お釈迦様がなくなった際には弟子に分骨したとされているので、問題ない |
法律の解釈違い | 「手元供養」として遺骨の一部を埋葬しないのは、法律に違反しないのか?という心配 | 遺骨は「墓地」以外への埋葬は禁止されているが、手元供養として自宅で保管することは法律的には問題ない |
認知度不足 | 手元供養に馴染みがないことでの誤解 | 遺骨ペンダントは従来にしきたりにとらわれない新しい供養の形である |
認知度不足 | 遺骨を身につけることで「縁起が悪いでは?」という抵抗感 | 仏教において「遺骨が縁起が悪いと言われることはない |
法律の解釈違い | ペンダント用の遺骨粉砕が、遺骨損壊として違法ではないのか?という疑問点 | 「供養が目的の粉骨」が違法と判断された例はない |
心情的なもの | 遺骨に執着して欲しくないという周囲の心配 | 心配に感謝し、自分の気持ちや考えを説明し理解を求める |
一番大切なのは
- ・どのような供養の形が遺族にとって最適なのか
- ・供養は、残された方の人生を前向きにするためでもある
と考えることです。遺骨ペンダントは「供養の形が、時代とともに変わってきた」証の一つと言えます。
《遺骨ペンダントを作るための分骨のタイミング》
遺骨ペンダントを作るときには分骨が必要となり、火葬の時までに決まっているかいないかによって、その後の対応が変わってきます。
- 1.火葬の前に分骨が決まっている
- 2.火葬の前に分骨が決まっていない
1)火葬の前に分骨が決まっていれば、火葬場にて分骨の数だけ「分骨証明書」(数百円の手数料があり)を発行してもらい、火葬後に分骨が可能です。
また、手元供養の商品が決まっていれば、業者の指示に従って分骨を行いましょう。具体的な商品については、本記事の「手元供養ができる商品例」をご参照下さい。
2)火葬の前に分骨が決まっていない場合には、一旦お墓に納めるものとして「埋葬許可証」が発行されます。
この場合、後で分骨することになった時には、お墓の名義人に改めて市区町村の役場にて「分骨許可証」を出してもらってください。
また、すでに埋葬した遺骨を分骨することも可能ですが、墓石を動かすために業者に依頼したり、お経をあげてもらうためにお坊さんを呼ぶ必要があります。
これらのことから、もし少しでも分骨を考えているなら、できれば早い段階で親族の間などで話し合っておくことをおすすめします。
《遺骨ペンダントを持つ時のその他の注意点》
遺骨ペンダントの作成を決めた時にも、注意点があります。対処法を一緒に記載しますので、ご確認しておいてください。
注意点 | 対処法 |
親戚の中には分骨に批判的な人がいる可能性もある(特に年配の方)ので注意 | ・分骨や手元供養が、宗教的にも法律的にも問題ないことをきちんと説明しましょう
・ご自身が行いたい供養の形をきちんと伝えるようにしましょう。考えを紙に書いて、まとめておくのも良いです |
飛行機への持ち込みは大丈夫か? | ・飛行機の搭乗時には、遺骨を持って乗ることも可能であり、心配はいりません |
神社への参詣の時に身につけていても良いか? | ・神道にも遺骨を身につけての参拝には規制はありません
・参拝時の不安がある場合には、こちらの「喪中に神社へ行ってもいいの?喪中と忌中の違いから厄払いやお守りの処分の方法などを徹底解説!」の記事が参考になりますので、ご一読ください |
《遺骨ペンダントを選ぶ時の基準》
遺骨ペンダントに限らず、手元供養のための商品には様々なものがあります。供養の形によって選ぶ商品も変わってきますので、十分に検討した上で決めるようにしましょう。
手元供養ができる商品例
特徴 | 向いている人 | |
アクセサリー | ・ペンダントやリング、イヤリング、ブレスレットなど、身につけながら供養ができるもの ・見た目は一般的なアクセサリーとほとんど変わらない |
・いつも故人を近くで感じていたいと思っている方 ・住宅事情などにより、置いておくタイプのものでの供養が難しい方 ・アクセサリーと兼用しながら供養できるものが良いと考える方 |
ミニ骨壷 | ・分骨向きのコンパクトなものが主流で、一見すると骨壷だとわからないようなデザインのものが多い ・部屋に合わせたものが選べるなど種類も豊富 |
・遺骨を身につけることに抵抗がある方 ・お墓参りにはなかなか行けないが、できるだけ供養をしたいと考えている方 |
プレート型 | ・遺骨を収めながら遺影も一緒に飾れるコンパクトなものが主流
・インテリアを選ばずに飾れるものが多い |
・遺骨と一緒に写真も飾りたいと考える方
・飾る部屋を選ばずに供養を行いたいと思っている方 |
ミニ仏壇 | ・花や遺影も一緒に飾れる、コンパクトな仏壇
・一体型が多く、サイズも小さいので場所を取らない。デザインも豊富 |
・仏壇を置いて供養をしたいと考えているが、大きな仏壇が置けない方
・インテリアにも合う仏壇を探している方 |
《遺骨や遺灰を準備するタイミング》
火葬までに手元供養の商品や依頼する業者が決まっているかどうかによって、対応が変わります。
- ・火葬までに依頼する業者や商品が決まっていれば、業者の指示に従って遺骨を取り分けておきましょう。
- ・火葬までに業者や商品が決まっていない場合には、半紙などに少量の遺骨を取り分け、ご自身で保管しておきましょう。
《遺骨の保存について》
火葬までに手元供養の方法や商品が決まっていない場合は、自宅で遺骨を保管することになりますが、遺骨の状態が悪くならないよう注意が必要です。
1)湿気のある場所での保存は避ける
最も心配なのは、カビの発生です。以下に注意して保存してください。
- ・直射日光を避ける
- ・暗所で風通しが良いところを選ぶ
特に湿気の高いところや水回りには置かないでくださいね。
2)結露にも注意する
結露は温度差の大きいところで発生しがちです。
- ・できるだけ気温差が少ないところを選ぶ
また骨壷自体が結露する場合もありますので、底についた水分はマメに拭くなど、注意するようにしましょう。
遺骨ペンダントは、現代の方々のそれぞれ事情に合わせた新しい供養の形です。
そのため「遺骨ペンダントは良くない」という間違った解釈をされていることも多いのでしょう。
しかし当サイトでは、それらの認識が間違いであることを解説してきました。
何より、遺骨ペンダントをはじめとする新しい供養の形は「ご遺族のこれからを支えるためのもの」です。ご遺族がどのようにして供養を行いたいかが、一番大切なのです。
この記事を読むことで、遺骨ペンダントが良くないという間違った認識に気づき、ご自身の思う供養の形を選んで行けるようお祈りしています。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール