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無宗教葬儀を安心して行う6つのコツ!参列する際の服装や香典マナー

Jul 26 2022

無宗教葬儀をトラブルなくスムーズに行うには、親族や宗教者への許可と共に日程調整や供養の方法にも心遣いや配慮が必要になるでしょう。本記事では、喪主・参列者側どちらの立場でも役立つ情報をまとめていますのでぜひ最後までお読みください。

「うちは無宗教なんだけど、どうしたらいいの?」

無宗教葬儀はどんな風にやるべきなのか、一般的なお葬式でもできるのか、気になりますよね。

葬儀には一般葬・家族葬・一日葬などの種類がありますが、実は、『無宗教葬儀とは、どのような形式でも執り行うことが可能』です。

クリスマスを楽しんだと思えば、その翌週には初詣で神社やお寺に訪れるようなことから、日本人は「信仰心が薄い」といわれています。

しかし、葬儀に限っては、なんと9割以上が仏教をはじめ、神道やキリスト教などの宗教に基づいて行われているのが実態。

参考:葬儀に関するアンケート結果|全日本冠婚葬祭互助協会

当然、無宗教葬儀に参列する機会も少ないため、

「どんなことに注意するべき?」

「感動したり喜んでもらえたりする方法は?」

「遺骨や供養はどうしたらいい?」

などなど、葬儀を終えた後のことまで、不安や疑問を感じることがあるでしょう。

そこで本記事では、無宗教葬儀の流れやマナー、注意点やトラブルの対処法はもちろん、『評判のいい無宗教葬儀を行うコツ』まで、一挙公開しております!

無宗教葬儀は、宗教ありきの一般的な葬儀と比較されがちです。遺族の立場では、せっかく足を運んでくださる親族や参列者のためにも「物足りない」「退屈」と感じさせないよう、ぜひ本記事でポイントを抑えていただければと思います。

無宗教葬儀に興味がある方や検討している方をはじめ、参列する立場の方にも役立つ情報をお届けしますので、どうぞ最後までお読みください。

無宗教葬儀とは?

無宗教葬儀は、宗教のルールで執り行われる一般的な葬儀に対して『特定の宗教や形式にとらわれないお葬式』のことをいい、「無宗教葬」や「自由葬」とも呼ばれています。

人数による規模や日数も問わないため、『一般葬・家族葬・一日葬など、あらゆる葬儀プランで行うことが可能』です。

日常で風習や習慣として神仏に触れているとはいえ、実は宗教に嫌悪感がある方や、宗教にこだわらない方は多くいらっしゃると思いますが、宗教よりも故人や遺族の想いを大事にしたいご家庭には、無宗教葬儀が適しています。

これから葬儀を検討する方や、参列を予定されている方は、まず基本的な無宗教葬儀の特徴について、一般的な葬儀との違いを知っておきましょう。

なお、仏式や神式の葬儀と比較して検討したい場合は、「仏式とは?意味・流れ・マナー・神式との違いを解説!」「神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説」をご参照ください。

無宗教葬儀の特徴と種類

無宗教葬儀では、宗教の規則や作法にこだわらないことが特徴で、具体的な内容は次のとおりです。

【無宗教葬儀の特徴】

特徴 具体的な内容
宗教者を呼ばない ・読経や聖書の朗読をしない

・僧侶の説法や牧師の説教がない

宗教的な作法がない ・お線香を使用しない

・数珠を持たない

宗教的な流れがない ・お焼香をしない

・聖歌や讃美歌を歌わない

宗教的な形がない ・死装束を着せない

・お位牌やお仏壇を用意しない

宗教的なタブーがない ・樒や蓮や百合など木花の種類を問わない

・食事で肉類を避けるなどの制限がない

宗教的な供養を必要としない ・戒名を授けない

・法要やミサを行わない

無宗教葬儀は宗教にこだわらないことが特徴ですが、ここで注意したいのは、『宗教的な要素を含んでも構わない』という点です。

【必ずしも宗教的な要素を排除する必要はない】

宗教色を伴う事例 理由
お焼香を用意するケースもある 参列者への違和感をなくして、お葬式らしい雰囲気を出すためにお焼香を行うことがある
お位牌やお仏壇を準備することもある 故人のいない悲しさや寂しさに備えるには、グリーフケアとして語りかける対象物があった方がよい

なお、葬儀社によっては、利用者に分かりやすくするため、無宗教葬儀に名称が付けられている場合があります。

『無宗教葬儀』という葬儀プランが存在しなくても、次にご紹介する名称などで対応している場合があるので、確認してみてください。

葬儀プラン 内容

1.音楽葬

著作権や演奏権に触れなければ自由に音楽を流すことができて生演奏も可能

2.お別れ会・偲ぶ会

火葬後なら場所を選ばずにホテル葬やレストラン葬などが開催できる

音楽葬

僧侶による読経などの代替となるのが音楽で、音響施設や防音設備が完備している斎場なら音楽を流すことができ、ワンランク上の葬儀を検討されているご家庭なら、『生演奏』がオススメです。

もし葬儀社がJASRACと契約していれば、自由にお気に入りの曲を流すことができるため、葬儀の待ち時間や献花の際にBGMとしてぜひ利用しましょう。

曲については、葬儀社が所有しているプレイリストを確認するほか、お手持ちの故人が好きだった楽曲のCDなどを持ち込んで流すことが可能かどうか、葬儀社へ確認してみてください。

【無宗教葬儀で利用される音楽の事例】

種類 作者・歌手 曲名 著作権
クラシック ショパン 別れの曲

楽曲引用元:「ショパン 別れの曲」(CANACANA family

モーツァルト レクイエム 涙の日

楽曲引用元:「モーツァルト ラクリモサ」(Kassia

洋楽 John Newton Amazing Grace

楽曲引用元:「アメイジング・グレイス」(CANACANA family

Eric Clapton Tears In Heaven
邦楽 夏川りみ 涙そうそう
MISIA 逢いたくていま

著作権による契約が必要なのは葬儀社となります。持ち込まれたCDなどでも著作権に触れる音楽を流すことは禁じられているため、ご注意ください。

生演奏や歌の場合には、著作権ではなく演奏権が発生し、音楽を流すのと同様に、たとえご家族による演奏でも、葬儀社がJASRACと契約している必要があります。

お別れ会・偲ぶ会

『お別れ会』や『偲ぶ会』の特徴は、無宗教らしく『ご遺体を安置しないことや宗教用品を使用しないこと』です。

身内のみで火葬を済ませた後に開催することが多く、料理や演出にこだわるご家庭に適しています。

棺の持ち込みやお線香や抹香を使用しないお別れ会や偲ぶ会なら、通常は衛生上でNGといわれる場所でも葬儀ができ、『ホテル葬』や『レストラン葬』といった名称の葬儀プランもお別れ会や偲ぶ会の一つです。

なお、一般的な葬儀は配偶者や遺族が主宰者となるのに対して、お別れ会や偲ぶ会は遺族のみならず、恩師や先輩のために同僚や後輩などの同志が主宰するケースなど、家族葬によりお葬式に参列できなかった人たちが開催することも多くあります。

お別れ会を主宰するにあたっては、知っておきたい注意点やマナーを事前に把握しておくことが好ましいため、「お別れ会を検討する前に抑えておきたいポイント5選と必須マナー3選」をご覧ください。

メリットとデメリット

無宗教葬儀は、『自由なスタイルで葬儀が執り行える良さがある』反面、一般的な葬儀と比較されがちで、『企画力やプロデュース力が重要で、これらが乏しいと物足りなさを感じてしまう』ことが欠点です。

メリット デメリット
宗教や形式にとらわれず故人や遺族の想いを重視して自由に葬儀ができる 一般的な宗教を伴うお葬式と比較して厳格さに欠ける印象になりがち
宗教の知識がない人でも気楽に参列しやすい 葬儀の内容次第ではつまらなく退屈に感じてしまう

無宗教葬儀の流れ

無宗教葬儀は、主宰者としても参列者としても、基本的な葬儀の流れを知っておくことが大切ですので、一般的な流れを把握しておきましょう。

主宰者としては、自由に流れを組み換えてオリジナル葬儀を創作しても構いません。また、参列者としては、葬儀の流れを踏まえておくことで安心感に繋がります。

【無宗教葬儀の基本的な流れ】

1.入場 遺族の入場に続いて参列者が式場へ入って着席します
2.開式の辞 司会者より「ただいまより故○○○○のお別れ会を執り行います」と開式の挨拶があります
3.故人を偲ぶ時間 スライドショーなどによって故人の紹介をします
4.弔辞 故人の友人や親しい人が1~3人適度で思い出や想いを語ります

弔電があればこのときに紹介します

5.献奏・献花 故人との最後のお別れとしてお花を捧げます

献奏として音楽を流すことも多いです

6.遺族代表の挨拶 参列者へのお礼の気持ちや挨拶の言葉を伝えます
7.閉式の辞 再び司会者により「これにて故○○○○のお別れ会をお開きといたします」と締めの挨拶があります

一般的なお葬式の流れとの違いが気になる方は、「【家族葬の流れ】準備〜葬儀後までの日程と配慮すべき4つのポイント」「【一日葬の流れとタイムスケジュール】後悔を避ける為の2つの注意点」「直葬とは?流れ・費用・マナー・選ばれる理由を完全解説!」の記事にてご覧ください。

葬儀を成功させる5つのポイント

無宗教葬儀を成功させるには、「締まらない」「つまらない」「退屈」といった、不評な要素を払拭することが大事です。せっかく足を運んでくださる参列者たちに喜んでもらえる葬儀の流れとなる流れにしましょう。

ポイントとオススメの施策を効果的な順に5つご紹介しますので、誰もが感じられるお葬式らしい雰囲気づくりを行って、より良い葬儀に仕立てましょう。

ポイント 相場費用

1.装飾や照明による演出

20~80万円程度

2.音楽を流す

2~20万円程度

3.動画や映像の制作

2~10万円程度

4.料理の提供

1名5千円~1万円程度

5.プロ司会者の採用

3~5万円程度

一般的な葬儀では、宗教者の存在や儀式によって、信者以外の人にも格調の高さや厳粛な雰囲気が伝わりますが、『無宗教葬儀では、お葬式らしさを醸し出せるように工夫しなければならない』ことを理解して、順番に検討してみてください。

装飾や照明による演出(相場費用:約20~80万円)

無宗教葬儀では、祭壇や棺の周囲をお花やレース生地を用いて華やかに装飾することが多くあります。花祭壇は故人の好きなお花や色合いを使用します。

また、仕事で着用していた制服や、写真などの思い出の品を持ち合わせて、室内へ展示することも喜ばれます。

調光や調色機能のある照明や電飾ライトが完備された施設なら、葬儀の流れによって室内の雰囲気を変化してもらうのもオススメの方法です。

音楽を流す(相場費用:約2~20万円)

前述のとおり、音楽を自由に流すには葬儀社がJASRACと契約している必要がある一方、著作権フリーもあれば、昔のクラシック音楽なら著作権の期限が切れていることが一般的です。

楽曲には制限がありますが、照明の調節とともに葬儀の流れに合わせた選曲を行うことで、目と耳の両方に効果的な印象を与えることができるため、より良い演出としてオススメです。

動画や映像の制作(相場費用:約2~10万円)

故人を偲ぶ時間では、ただ写真をスライドショーとして流すだけではなく、故人専用の動画や映像を制作することで、映画のワンシーンのような感動も与えることができます。

故人の経歴や貢献などの素晴らしさを伝えるだけではなく、家族思いやユニークな姿を伝えたりと、参列者の知らない一面を盛り込むことで、遺族の皆様にも親しみを感じてもらえるため、ぜひオリジナル映像の制作を検討してください。

料理の提供(相場費用:約5千~1万円(1名あたり))

一般的なお葬式では通夜振る舞いや、初七日法要後に精進料理を提供するように、葬儀後に会食を行うケースも多くあります。

料理は1名5千円程度が標準ですが、ご家庭によっては料理をメインとして、1万円程度の予算を検討するケースもあります。

無駄な出費を抑えるためには参加人数をしっかりと把握できるよう、事前にしっかりと出欠席を確認しましょう。

プロ司会者の採用(相場費用:約3~5万円)

多くの葬儀社では、高度なテクニックを備えたプロ司会者の派遣手配が可能なため、より素晴らしい葬儀をと希望する場合は、ぜひ検討してください。

葬儀の進行やトークはとても重要で、葬儀の趣は大きく変わります。性別の指名などもできることが一般的のため、希望があれば事前に費用を確認のうえ、葬儀社へ手配を依頼してください。

無宗教葬儀の相場費用は100~200万円

無宗教葬儀の相場費用は、100〜200万円ぐらいといわれています。

一般的な葬儀費用の相場は、約200万円といわれており、そのうち『読経や戒名に必要なお布施は全国平均で47.3万円』といわれているため、宗教者へ支払う費用を映像制作や音楽、人件費に充てれば、無宗教葬儀は一般的な葬儀費用と同等となります。

参照:一般葬の費用相場と内訳|誰でも金額を抑えられる7つのコツを全解説

ただし、利用する施設や人数、技巧の高いコンテンツ制作、照明や音響機材などの搬入などの演出によっては、相場以上の費用を要するケースもあるため、必ず事前に葬儀社へ詳細見積を取得して、内訳や内容を把握しましょう。

無宗教葬儀のマナー

無宗教葬儀では、遺族と参列者、それぞれの立場で気を付けるべきマナーがあります。

特に気を付けたい5つのマナーを優先順でご紹介しますので、周囲へ失礼を与えず、快適な葬儀が行えるようにしましょう。

マナー 気を付けること

1.服装

遺族は準喪服/参列者は平服が多い

2.持ち物

セレモニーバッグ/お香典/ハンカチ/ポケットティッシュ

3.香典

親族なら1~10万円/一般なら5千~1万円

会費制の場合もあり

4.献花の作法

遺族へ一礼して祭壇に向けて花を置き黙祷したら再び一礼

5.訃報通知での注意

無宗教葬儀であることや服装や香典の注意事項を記載

遺族や親族、友人・知人が人生の最期を迎えたときは、宗教に拘わらず、弔事におけるマナーを踏まえることが必要なため、「弔事とは?基礎知識からマナーまで弔事を完全解説!」の記事をぜひ参考になさってください。

服装

無宗教葬儀では、遺族は準喪服、参列者は平服を着用することが多いです。服装は、立場や性別によってそれぞれ異なるため、どのようなスタイルが適しているかを知っておきましょう。

立場 性別 一般的な服装
遺族 男性 ブラックスーツ
女性 ブラックフォーマル
参列者 男性 ダークスーツ
女性 暗いトーンのワンピースやスーツ
子ども 男女問わず 制服や暗いトーンの洋服

遺族の場合(準喪服)

遺族は正喪服を用意するまでの改まった服装は必要ありません。しかし、世間では一般的なお葬式に慣れていることから、『遺族らしさ』として、それなりの『準喪服』を着用するようにします。

【男性の服装】

・ブラックスーツ(生地は無地で光沢がないもの)

・ワイシャツはレギュラーカラーの白の無地

・ネクタイ・靴・靴下は黒色で揃える

・結婚指輪以外のアクセサリーはしない

・腕時計は派手なデザインのものを避ける

【女性の服装】

・ブラックフォーマル(ワンピースやアンサンブル)

・結婚指輪と真珠のネックレスやイヤリングのみ(2連・3連のネックレスは避ける)

・薄い黒のストッキング(肌の色が完全に隠れる厚手のストッキングやタイツは避ける)

・髪が長い場合は黒系の髪留めでまとめる

参列者の場合(平服)

参列者の服装に関しては、『訃報通知にて平服で構いません』と記されているケースが多く、この場合はダークスーツなどで構いませんが、『訃報通知に記載がない場合は、遺族同様に準喪服』を着用することが無難です。

平服とは、『普段着とは異なります』ので、ご注意ください。

【男性の服装】

・スーツはダークスーツ(ダークグレーや紺など)

・ワイシャツはレギュラーカラーの白の無地

・ネクタイは黒い無地か黒の織り柄

・靴や靴下は黒か落ち着いた色合いのもの

・時計は派手な色柄のものを避ける

【女性の服装】

・グレーや紺色のワンピース・スーツ・アンサンブル・パンツスーツ

・靴は黒系のパンプス(ピンヒールやカジュアルなデザインは避ける)

・結婚指輪と真珠のネックレスやイヤリングのみ(2連・3連のネックレスは避ける)

・薄い黒のストッキング(肌の色が完全に隠れる厚手のストッキングやタイツは避ける)

・時計や髪留めは派手でないもの

子どもの場合

学生以下の子どもに関しては、遺族でも参列者でも注意点は共通しています。無理をして喪服相応の服を新調する必要はありませんが、色合いや清潔感には気を付けてください。

【男女問わず】

・制服のほか紺やグレーのスーツ・ワンピースなど(制服以外は派手な色を避ける)

・帽子は被らずに長い髪は黒いゴムでまとめる

・シャツや靴下は白か暗いトーンの色にする

・黒い靴(なければ暗いトーンの靴)

持ち物

無宗教葬儀での持ち物は、遺族も参列者も同じですが、参列者のみ、お香典の準備をお忘れなきようご注意ください。

持ち物 品目
お香典 参列者は袱紗(ふくさ)に入れておく

袱紗とは?お葬式にふさわしい袱紗の色から包み方まで完全解説!

セレモニーバッグ 黒い装飾のない小さめのバッグやサブバッグ
ハンカチ 白または黒やグレー・紺など暗い色の無地のブロードハンカチ
常備品 ポケットティッシュや常備薬
名刺 仕事関係による参列が多く見込まれる場合
最小限の化粧品類 化粧直し程度のファンデーションやリップ・替えのストッキング
雨具や季節用品 折り畳み傘・フォーマル用のひざ掛け・カイロ・扇子・予備のハンカチやミニタオル

なお、自由度の高い無宗教葬儀であっても、スマートフォンなどの携帯電話の使用は周囲への失礼に当たります。葬儀にあたって、必ず事前に電源オフにしておきましょう。

香典

お香典は、あらかじめ袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付時に袱紗からお香典を取り出して提示してから、自分の名前や住所などを記帳します。

表書きは『御霊前』が無難です。キリスト教で使用される『御花料』や、無地の白い封筒でも構いませんが、中包みへ氏名と住所と金額を記載することを忘れないでください。

香典金額の相場は、故人や遺族との関係性や、自分自身の年齢や社会的地位によって異なるため、以下の表を参照してください。

故人との関係 年代と香典金額の相場
20代 30代 40代以上
祖父母 1万円 1万~3万円 3万~5万円
両親 3万~10万円 5万~10万円 10万円以上
兄弟姉妹 3万~5万円 5万円 5万円
叔父・叔母 1万円 1万~2万円 1万~3万円
その他の親戚 3千~1万円 3千~2万円 3千~3万円
甥・姪 1万~3万円 1万~5万円 1万~5万円
友人・知人 5千円 5千円 5千~1万円
近所付き合い 3千~5千円 3千~5千円 3千~5千円

なお、ここで注意したいのは、『会食へ参加するときは、5千〜1万円程度の金額を加算すること』で、遺族へ大きな費用負担をさせない配慮です。

収入に問題がある方や、貯蓄の少ない方はお香典で無理をしないことが必要だと思いますが、お香典の金額を抑えるよりも、会食の場への参加を遠慮することをマナーの一つとして知っておきましょう。

また、香典袋では、金額を表す数字に『大字(だいじ)』と呼ばれる特殊な漢字を用いますので、詳しい書き方は、「香典の正しい書き方を完全解説!金額・表書き・中袋・のし袋の書き方を紹介!」にてご確認ください。

献花(けんか)の作法

献花を美しく捧げる作法を知っていると、周りの人たちのよい手本にもなるため、次の手順を知り、練習しておくことをオススメします。

【献花の手順】

1.花を受け取る

2.右手を花の部分に添えて左手で茎を持つ

3.祭壇に進む前に遺族に一礼する

4.祭壇の前で茎を祭壇に向けて手元に花を引き寄せる

5.左手を上向きにして花を持ち替える

6.祭壇に花を祭壇に置く

7.手を合わせたら頭を下げて黙祷をする

8.再び遺族へ一礼をして席に戻る

訃報通知での注意

無宗教葬儀は一般的なお葬式とは異なるため、参列者に対しては、次のような順番で注意事項を記載して、事前にお知らせしてあげると親切さが伝わります。

1.無宗教葬儀であること

2.服装に関する意向

3.お香典や供物を辞退する場合の注意事項

4.食事を用意する場合の出欠席確認の記載

【無宗教葬儀の訃報通知の例文】

父○○が ○月○日 ○歳にて永眠いたしました。

ここに生前のご厚誼を深謝し謹んで通知申し上げます。

故人の遺志により無宗教にてお別れの儀式を執り行ないますので

平服にてお越しくださいますようお願い申し上げます。

・葬儀:○○月○○日 ○○時より(○時 受付開始)

・会場:○○斎場(所在地)

なお 誠に勝手ながら ご香典 ご供花 ご供物の儀は固くご辞退申し上げます。

当日は心ばかりの会食の席を用意させていただきたく ご欠席の際は事前にお知らせください

訃報通知は、電話やハガキやメールなどで行い、訃報を受けた人にも知っておきたいマナーがあるため、「訃報の連絡はどう送る?伝えるべき内容から範囲、例文まで徹底解説!」にて知識を深めておきましょう。

無宗教葬儀で注意すべき6つのこと

無宗教葬儀を主宰する際は、『あくまでも一般的ではない』という前提で臨む心構えが大切です。

着手すべき順に6つの注意事項を解説しますので、もれなく対応して後々まで安心できるようにしましょう。

1.親族や参列者からの理解を得る

2.菩提寺など宗教者とのトラブル回避

3.葬式日程のゆとり確保

4.香典返しや謝礼

5.お墓への埋葬納骨や散骨

6.仏壇などその後の供養

親族や参列者からの理解を得る

遺族のみならず、親族や故人の近親者に対しては、あらかじめ無宗教葬儀を執り行いたい意向を伝えて許可を得るようにします。

多くの人は、宗教の種類にかかわらず、古くからのしきたりや大衆の場におけるモラルなど、習慣や規律を大事にしているため、『一般的な葬儀を基準』として、無宗教葬儀は周囲への理解を求めると同時に、参列者の満足度を向上させることを心掛けましょう。

特に、宗教による葬儀を経験している家系では、たとえ故人の意向であっても、理解のしがたさがあるのが少数派の無宗教葬儀です。

もし反対意見があれば素直に耳を傾けて、お位牌の準備をすることや、お焼香を行うことなど、宗教色を示すことへ譲歩するように提案してみるとよいでしょう。

菩提寺(ぼだいじ)など宗教者とのトラブル回避

檀家墓地へお墓があるなど、すでに宗教者とのお付き合いがあるご家庭では、揉めごとにならないよう、必ず事前に相談するようにします。

日本の多くのお墓は寺院によって営まれています。お布施によって、ご先祖様が供養され、大事なお墓や遺骨が護られているため、冒涜にあたるような発言は慎むようにご注意ください。

許可を得ることが難しい場合には、遺族のみで葬儀を行った後、お別れ会として一般参列者を集った無宗教葬儀を執り行うのも一つの方法です。葬儀社へ相談しながら、より良い方法を模索しましょう。

お墓を用意せずに散骨を行う場合は、トラブルにならないよう、故人の血縁者をはじめ、必ず親族へ許可を得てください。

なお、無宗教の方の中には、菩提寺とのお付き合いについて悩んでいる方もいらっしゃいます。

該当する方はぜひ、檀家としてのメリットやデメリット、離檀の方法などについて、「檀家とは?最近あまり聞かなくなった檀家制度について、その由来から長所短所まで徹底解説!」をご参考になさってください。

葬式日程のゆとり確保

無宗教葬儀は、必要品の準備や打合せが不可欠のため、日程にはゆとりが必要です。

生前に準備を開始するか、突然のご逝去の場合はご遺体に傷みが生じないように、先に火葬を済ませてから無宗教葬儀を執り行うことが最良です。

なお、ご遺骨を対象に葬儀を行うことを『骨葬(こつそう)』と呼びますが、一部の地域では通常の葬儀の形で、決して故人や参列者に対して無礼な葬儀のスタイルではありません。どうぞ安心してご検討ください。

無宗教葬儀であっても友引の火葬は避けることが必要ですので、葬儀日程に関するポイントや注意事項は、「プロが解説!葬儀日程を決める5つのポイントと2つの注意点とは」にてご確認ください。

香典返しや謝礼

お香典は、参列者からの大切なお悔やみの気持ちのため、いただいた人へは返礼品を贈るのが礼儀です。

通常、お香典金額の1/2~1/3の費用の品物を返礼品代として贈り物をしますので、当日返しにより一律の品物をお返しする際は、不足分を後返しで補充するよう、ご注意ください。

また、弔電や供物やお花など、いただきものがあれば、これらに対するお礼を手形やハガキなどで伝えましょう。

香典返しの人気の品物や礼状の書き方を詳しくご紹介していますので、「香典返しのマナーを完全解説!相場・時期・挨拶状・例文・品物も紹介!」をどうぞご覧ください。

お墓への埋葬納骨や散骨

火葬後のご遺骨は、お墓に埋葬や納骨をするか、散骨を行います。

お墓は多くが寺院によって経営されているため、無宗教にこだわる場合は、宗教色がない公営墓地や、社団法人や財団法人などが経営する霊園がオススメです。

やさしいお葬式』では、全国の無宗教に最適なお墓を無料でご紹介しています。お近くのお墓の資料を無料でお送りしますので、お気軽にお問い合わせください。

また、『海洋散骨』のご紹介も行っています。海洋散骨は『海洋葬』とも呼ばれており、メリットやデメリットなどを詳しく解説しておりますので、気になる方は「海洋葬とは?基礎知識からマナー・流れ・種類まで完全解説!」をぜひご参照ください。

仏壇などその後の供養

無宗教ではお位牌やお仏壇を用意しないことが一般的ですが、遺族のためにご自宅へあった方がよいケースもあり、大切なパートナーや家族がいない寂しさは、ある日突然訪れることがあります。

大事な人の死による寂しさや苦しみは、とても辛いものです。癒しとなる環境や支援を受けることをグリーフケアと呼びますが、お仏壇やお位牌は手を合わせたり、語りかける場所として、グリーフケアに有効的です。

お仏壇へ写真や故人との思い出の品を自由に飾り、故人のために季節の花をお供えしたり、好きな食べ物を供えるなどの行為は、宗教を問わず、人としての思いやりの気持ちといえるでしょう。

プロ視点で選んだ「無宗教葬儀」を無料でご紹介、お見積りします!

無宗教葬儀では、企画力やプロモーション力が最も大事です。故人のためにも、遺族と参列者が心に残るひとときを過ごせるよう、実力のある葬儀社を選びましょう。

やさしいお葬式』では、無宗教葬儀において、全国各地の選りすぐりの葬儀社を無料でご紹介しています。もちろん、お見積も無料です。しつこい営業行為などは一切行いませんので、どうぞご安心ください。

ご興味のある方は、以下をコピーペーストして、『お問い合わせフォーム』よりご連絡ください。

<<ここからコピー開始

・対象者様の生存状況:ご健在・すでにお亡くなり

・対象者様の性別:

・対象者様の年齢:

・対象者様との関係:

・開催したい都道府県市区町村:

・開催時期:

・想定人数:

・希望があればご予算:

・食事:洋食・和食・中華・こだわらない・無し

・希望内容(例:父が好きだった曲をピアノ演奏してもらい皆で一緒に歌いたい):

ここまで貼付>> 

まとめ

無宗教葬儀についてご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。

1.無宗教葬儀とは?

メリット デメリット
宗教や形式にとらわれず故人や遺族の想いを重視して自由に葬儀ができる 一般的な宗教を伴うお葬式と比較して厳格さに欠ける印象になりがち
宗教の知識がない人でも気楽に参列しやすい 葬儀の内容次第ではつまらなく退屈に感じてしまう

2.無宗教葬儀の流れ

基本的な流れは以下のとおりだが、自由に組み換えてもよい。

1.入場

2.開式の辞

3.故人を偲ぶ時間

4.弔辞

5.献奏・献花

6.遺族代表の挨拶

7.閉式の辞

3.葬儀を成功させる5つのポイント

ポイント 相場費用

1.装飾や照明による演出

20~80万円程度

2.音楽を流す

2~20万円程度

3.動画や映像の制作

2~10万円程度

4.料理の提供

1名5千円~1万円程度

5.プロ司会者の採用

3~5万円程度

4.無宗教葬儀のマナー

マナー 気を付けること
1.服装 遺族は準喪服/参列者は平服が多い
2.持ち物 セレモニーバッグ/お香典/ハンカチ/ポケットティッシュ
3.香典 親族なら1~10万円/一般なら5千~1万円/食事がある場合は5千~1万円程度加算する
4.献花の作法 遺族へ一礼して祭壇に向けて花を置き黙祷したら再び一礼
5.訃報通知での注意 無宗教葬儀であることや服装や香典の注意事項を記載

5.無宗教葬儀で注意すべき6つのこと

1.親族や参列者からの理解を得る 2.菩提寺など宗教者とのトラブル回避 2.菩提寺など宗教者とのトラブル回避 4.香典返しや謝礼 5.お墓への埋葬納骨や散骨 6.仏壇などその後の供養

6.プロ視点で選んだ「無宗教葬儀」を無料でご紹介、お見積りします!

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ある意味、昔から日本人は無宗教なのかもしれません。というのも、そもそも日本では、神道と仏教を一体として考える『神仏習合(しんぶつしゅうごう)』という思想があり、奈良時代から明治時代まで1,000年もの長い間、続いていたそうです。

この記事により、無宗教葬儀への理解が深まり、ご安心いただければ嬉しく思います。

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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