納骨費用は物件やお墓のタイプによって異なりますが、事前に3つのことを確認しておけば後々まで後悔することがありません。必要なことは、「現地を見学する」「納骨費用の内訳金額を確認する」「近隣の類似物件の見積取得によって費用を比較する」ことです。
納骨の費用は、いくら用意すればよいのだろう…
納骨とは、火葬後に骨壺に納めたご遺骨をお墓に埋葬することをいいます。タイミングは決まっていませんが、四十九日法要や一周忌、三回忌後など節目で行う方が多いです。納骨については「納骨とは?納骨式の時期と準備・流れと費用を完全解説!」をご覧ください。
あまり知られていませんが、実は葬儀だけでなく納骨費用にも『定価』や『決まり』はなく、5〜100万円以上もの金額差が出ることも珍しくありません。
さらに、新たにお墓を購入する場合は数百万円もの費用がかかることになるでしょう。具体的な墓石の費用相場は「意外とお葬式以上にお金が掛かる「お墓に関する費用」」の記事でもご紹介しています。
これだけ幅があっては、簡単に「〇〇円用意すれば大丈夫!」とは言い切れず、納骨先に「〇〇万円必要です」と言われても、高いのか安いのかも分かりづらいですね。
しかし、不安になることはありません。
納骨費用の『内訳と相場』は決まっており、本記事ですべて解説しているからです!
さらに、納骨費用を安く抑えるための方法もご紹介しているため、納骨先から提示された金額をただ受け止めるだけではなく、費用の削減を検討することもできます。
「不明瞭な納骨費用について、スッキリと分かりやすく理解したい」
という方は、ぜひ最後までお読みください。
INDEX
納骨費用の内訳6つと相場価格(総額目安:5万~100万円)
納骨の費用は5万〜100万円と価格差が大きいため、『内訳ごとの相場価格』と比較して、納得できる金額かどうかを判断することが重要です。
納骨費用の内訳 | 費用相場 |
永代供養料 | 約3万~100万円 |
納骨手数料 | 約5千~3万円 |
彫刻代 | 約3万~5万円 |
お布施 | 約3万~5万円 |
仏花・供物代 | 約5千円 |
法事・法要に関する費用 | 約1万~10万円 |
納骨費用の総額 | 約5万~100万円 |
納骨における費用の支出は、主に『納骨の仕方』と『法要の有無や規模』によって価格差があります。
たとえば、お墓へ彫刻する必要がなければ石材店への支払いは発生しません。さらに、納骨式を行わなければお布施や法要に関する費用も削減することが可能です。
しかし、納骨先によっては、必ず彫刻しなければならない場合や、納骨式を執り行わなくてはならない場合があり、条件は物件によって異なります。
納骨の支払いで後悔しないためには、費用の内訳を相場価格と比較することが大切です。
永代供養料(相場目安:約3万~100万円)
永代供養料とは、『永代に亘って遺骨を供養してもらう費用』で、『約3万〜100万円』が相場価格です。
永代供養料により、遺骨は納骨先に護ってもらえます。そのため、お墓の維持や継承に困らず、無縁仏になるような問題も回避できます。
価格差がある主な理由は、遺骨を個別に安置するか、ほかの人と一緒に納骨するかの違いです。
なお、似たような言葉に『永代使用料』がありますが、これは「お墓の土地を使用する権利の費用」を表します。永代供養料と永代使用料は異なりますので、ご注意ください。
永代供養には知っておきたいメリットとデメリットがあります。永代供養と永代使用の違いや、永代供養に関する詳しい説明は、「永代供養とは?永代使用との違いから永代供養の種類・メリットデメリットまで徹底解説!」の記事をご覧ください。
納骨手数料(相場目安:約5千~3万円)
納骨手数料とは、納骨先や石材店へ支払う『遺骨を納めるための作業代』のことをいい、『約5千〜3万円』が相場費用です。
支払先の料金設定によっても異なりますが、基本的に『お墓の種類』により『石材店へ手配するかどうか』で金額が左右されます。
納骨堂など簡易的な安置施設は約5千〜1万円ですが、墓石は約2万〜3万円が一般的です。お墓の構造によっては重機代や人件費が加算され、高額になるケースもあります。
なお、『公営霊園以外』で納骨を依頼する場合は、納骨先から指定された石材店でなければならないことがあるため、ご注意ください。
また、納骨においては石材店以外の業者を利用することもあり、別途費用が生じるケースもあるためご注意ください。
石材店へ納骨を依頼する6つのメリット
「納骨なら自分でできそう」と思っても、墓石は高価な天然石で知識も必要なため、石材店への依頼をオススメします。
破損が生じないよう慎重に取り扱わなければならないほか、墓石の構造はさまざまです。技術や機材がなければ、納骨できない場合もあります。
さらに、石材店へ納骨を手配すると、次のようにさまざまなメリットが得られます。
【石材店へ納骨を依頼するメリット】
1.墓石の蓋は数十キロもの重量があり、開閉しにくいこともあるが、石材店なら重機や器材による対応が可能。
2.お墓によっては、地下に人が入り込まなければならないほどの深さがあるが、その場合も複数人体制で作業できる。
3.墓石の蓋にはコーキング剤が施してあるため、開閉時は剥がしたり密閉したりして、雨風を凌ぐ対策を行える。
4.石材店のプロの視点によって、地盤沈下や震災による歪みや傷みなどの早期発見に繋がり、損壊を防げる。
5.納骨式に備えて、地中によくある納骨部分のカロート内に溜まった雨水や泥の除去など、事前にお墓周りを簡易清掃してもらえる。
6.納骨式の進行係の依頼や、テーブルや焼香セットを貸与、不要な骨箱の処分などを依頼することができる。
粉骨手数料や専用容器の費用が必要な場合がある
永代供養墓では『粉骨手数料や専用容器代』として、納骨手数料のほかに『約3万〜5万円』が必要な場合があります。
古い遺骨を納骨する際、約2万〜3万円程度の『遺骨洗浄代』が追加になるケースもあるため、必要な費用は事前に確認しましょう。
粉骨(ふんこつ)は、遺骨を土に還しやすくすることと、より多くの納骨スペースを確保しやすくすることがメリットです。
そのため、東京の都営霊園をはじめ、樹木葬や搬送式納骨堂では、粉骨を必要とする納骨先が増えています。
また、施設によっては、見た目や遺骨の状態を保護する目的で、骨壷の代わりに専用の容器を利用するための費用が生じる場合があるので、ご注意ください。
これらの費用はあまり知られていませんが、大きな負担となるため、永代供養墓の納骨では納骨に必要なすべての費用を確認するようにしましょう。
これから永代供養墓を検討する方は、事前に役立つ知識を学んでおくことがオススメです。詳しくは、「永代供養墓とは?基礎知識・費用・探し方・注意点を完全解説!」にて解説していますので、どうぞ参考になさってください。
彫刻代(相場目安:約3万~5万円)
彫刻代とは、『墓石やプレートに納骨した故人の名前などを彫刻する費用』で、『約3万〜5万円』が相場費用です。
『彫刻場所と文字数』で費用が異なり、プレートは約1万〜3万円、名板は数千〜1万円程度で、材質は石材のほかステンレスなどを用いることもあります。
墓石は、棹石(さおいし)か墓誌へ文字入れを行い、1名につき約3万円が相場です。双方への彫刻や文字数によっては約7万〜8万円となり、石材を取り外す必要があると追加料金が発生します。
また、生前に『寿陵(じゅりょう)』として建立した墓石は、名前に朱色のペイントが施されているため、これを剥がして再塗装する費用が約2万〜3万円必要です。
なお、納骨先によっては彫刻の手配方法にルールがあるためご注意ください。基本的には、石材店へ直接依頼するか管理事務所へ申し込みを行います。
お布施(相場目安:約3万〜5万円)
お布施とは、『納骨式で宗教者へ支払うお布施・お車代・お膳料』で、『約3万〜5万円』が相場費用です。
しかし、お布施には上限金額がありません。お付き合いのある宗教者がいる場合は、格式に見合ったお布施を包みましょう。
また、浄土真宗以外の墓石で立てる「卒塔婆(そとうば)」は、寺院から言われた金額を包みます。
お布施の表書きと費用の目安をまとめると、次のとおりです。
【お布施の表書きと費用内訳と注意事項】
表書き | 相場費用 | 注意事項 |
御布施 | 約3万~5万円 | 四十九日法要と同時に営む際も別々に包む |
御車代 | 約5千~1万円 | 遠方の菩提寺に来てもらうときは旅費や宿泊費を加算 |
御膳料 | 約5千~1万円 | 法事で食事をしない場合 |
御塔婆料 | 約2千~1万円 | 指定された費用を別に包む |
お布施の金額に迷うときは、寺院へ直接尋ねても問題ありません。「皆様、おいくらぐらいですか?」と尋ねると相手も答えやすく、回答が得られない場合にも良心を伝えることができます。
お付き合いのある宗教者がいない場合は、明瞭価格の僧侶派遣を手配するのが手軽で便利です。詳しくは「やさしいお坊さん」でご紹介していますので、どうぞご覧ください。
納骨でしっかりとお布施の相場やマナーを抑えておきたいという方は「これだけで完璧!納骨で抑えておくべきお布施相場とマナー5選」の記事も合わせてご参考ください。
仏花・供物代(相場目安:約5千円)
仏花・供物代とは、『お墓へお供えするお花と供物の代金』で、お線香やライターを含めて『約5千円』が相場費用です。
納骨時の必要品の準備にあたっては、過不足がないよう、あらかじめ納骨先の規則を確認してください。
一般的には、左右1対(2束)の仏花と、供物として果物や和菓子や飲み物を持参しますが、お供え場所のスペースにより、仏花は1束の場合もあります。
また、お供えができない施設や、お線香が使用できない施設、必要費用は納骨へ支払うケースなどもあるため、ご注意ください。
同じ納骨先であってもルールは納骨場所ごとに異なるため、あらかじめ確認しましょう。
なお、供物にはNGとされる品物もあり、選び方には注意が必要です。詳しくは、「供物とは?意味と葬儀・法要での正しい贈り方と相場!」で解説していますので、ぜひご覧ください。
法事・法要に関する費用(相場目安:約1万~10万円)
納骨式へ『遺族以外の参列者がいる場合』や『法要後に会食を予定している場合』は、さまざまな費用が必要で、『約1万〜10万円』が相場費用となります。
【法事・法要で必要な費用】
品目 | 相場費用 |
法要施設の式場使用料 | 約1万~5万円 |
会食代 | 1名につき約5千~1万円程度 |
引物代 | 1名につき約3千円程度 |
香典返し | 香典金額の1/2~1/3程度 |
四十九日などの法要時に納骨する場合や、室内で法要を営む場合は、『法要施設の予約』が必要です。
納骨先の法要施設は約1万〜3万円、葬儀社は約3万〜5万円、ホテルはこれ以上の費用が必要になることが多く、施設や広さによって料金設定は異なります。
また、納骨式の後、宗教者や参列者との食事の席を用意することは一般的で、1名あたり約5千〜1万円の料理と飲み物を手配し、『会食代は人数によって異なります』。
さらに、参列者へは会葬のお礼として、『3千円程度の引き物』を用意します。
納骨にあたってお香典をいただいた場合は、後日『1/2~1/3の金額の香典返し』を行うことを忘れないようご注意ください。
なお、四十九日法要では別途費用が発生します。事前に抑えておきたいポイントをまとめていますので、詳しくは「四十九日法要とは?四十九日の意味から法要の流れ、準備すべきものや費用まで完全解説!」の記事をご覧ください。
納骨費用に大きな差がある2つの理由
納骨費用は、大切な故人の遺骨を託すために負担する代金です。後々まで後悔しないためには、『約5万〜100万円以上もの価格差が生じるのはなぜか?』理由を知っておくことが重要となるでしょう。
特に差額が大きい順に理由をご紹介します。
「高すぎるのは困るけれど、安すぎるのも不安」…と、妥当な費用さえよく分からず、価格バランスに戸惑う方もいらっしゃると思います。
納得できる費用かどうかを判断するために、まずは価格差が生じる主な理由を把握したうえで、不明点は納骨先や石材店へ確認してしっかりと疑問を解消しましょう。
「物件」による違い
納骨費用において、差額が生じる大きな理由の一つは『物件』による違いです。
納骨先による費用の違いには2つの理由があり、『地域や施設設備』と『経営母体や運営管理』によって価格が異なります。
日常のお買い物では「これなら高くても仕方ない」「これは安くて当たり前」と、価格を評価する基準と何らかの要因があると思いますが、お墓も同様です。
お墓に関する知識が無知であっても、実際に多くの納骨先を訪れて、物件と価格を比較していくと、相場は徐々に分かるようになるでしょう。
具体例を踏まえて費用の違いが発生する理由をご紹介しますので、納骨先の費用が妥当かどうかを判断する材料として、参考になさってください。
地域や施設設備
納骨費用は『地域や施設設備』によって相場が異なり、特に地域にお墓や寺院が多くあるほど、安くなる傾向があります。
たとえば、東京都内なら、納骨費用の安い地域は八王子市です。
八王子市には墓地も多数あり、寺院の数は130ヶ寺にも及ぶため、価格競争によって納骨費用やお布施をリーズナブルに抑えられることが多いです。
また、同じ地域にあっても、以下のような充実した施設や設備が整っているほど、運用や維持管理の面から費用負担は増える傾向にあります。
【充実した施設や設備の事例】
・管理事務所や受付の常勤体制
・法要施設や会食室の施設完備
・待合室や休憩スペースの完備
・売店や飲食店の完備
・無料送迎バスの運行実施や無料駐車場の完備
・バリアフリー及び車椅子対応トイレの完備や車椅子貸与
・防犯カメラや守衛常勤などのセキュリティ対策
経営母体や運営管理
納骨費用は『経営母体や運営管理』でも相場が異なります。
なぜなら、経営母体の方針や運営管理体制はさまざまで、経営母体の格式の高さや、手堅い供養や快適な環境を提供している納骨施設は費用が高くなる傾向があるためです。
たとえば、総本山を筆頭に名高い寺院の経営する檀家墓地には長い歴史や高級感があり、信仰心の強い方々が優雅に眠っています。もちろん、納骨に係る費用もたいへん高価です。
また、広大な敷地や美しい植栽が施された霊園や樹木葬の手入れや、搬送式納骨堂のシステム運用など、納骨先の立場では多くの人件費や経費を負担しなければなりません。
その反面、リーズナブルでも手堅い供養を行ってもらえる納骨施設もあれば、規則が厳しくても利用者のモラルによって費用負担を抑えている納骨先もあります。
納骨費用に関しては、価値観が見合った納骨先を選択することが後々の安心に繋がります。
「納骨場所」による違い
納骨費用の差額が大きくなるもう一つの理由は、『納骨場所』による違いです。
お墓には『一般墓地』『納骨堂』『樹木葬』『合祀(ごうし)墓』など、形状の異なる納骨施設があり、これらの納骨場所によって納骨費用は異なります。
納骨先の種類 | 相場費用 |
一般墓地 | 約100万円~ |
納骨堂 | 約80万円~ |
樹木葬 | 約10万円~ |
合祀墓 | 約3万円~ |
特定の形状の施設を単体で経営する場合もあれば、一つの敷地内にさまざまな納骨場所がある霊園もあります。
しかし、同じエリアで施設設備や経営母体や運営管理に差がなければ、納骨費用はほぼ同額の費用と思ってよいでしょう。
なお、納骨場所による費用の違いは、主に納骨の仕方によって価格差があります。それぞれの特徴を把握すると、先々の費用に関するメリットやデメリットも知ることができます。
一般墓地の特徴
一般墓地は墓石の購入費用が大きい反面、『永代供養料が不要』なことが納骨における最大の費用メリットです。しかし、子孫のために注意しておきたい確認事項があります。
一般墓地は同じ区間でもお墓の構造によって、何体まで骨壷のまま収容できるかが異なります。家族が多くても、古い遺骨を骨壷から出して骨袋へ入れ替えたり、土に還したりと、収容スペースを確保する方法があるため問題はありません。
しかし気を付けたいのは、『3親等や6親等まで』など、納骨先によって納骨できる血縁者が決められていることです。
いざ、納骨しようとしたらダメだった…と、何体も納骨されているお墓の墓じまいをしなければならない場合、費用負担はとても大きくなるため、ご注意ください。
納骨堂の特徴
納骨堂は、一般墓地に比べると初期費用や納骨費用が抑えられることがメリットです。
しかし、永代供養料が必要で、納骨できる人数に限りがあります。また、一般墓地と同じように、年間管理費や年間護寺会費が必要なことが一般的です。
一方、永代供養料は、『遺骨の個別保管の期間』によって異なる費用プランが用意されていることが多く、個別に納骨する期間が短いほど料金を安く抑えられます。
なお、納骨堂には仏壇型・ロッカー型・搬送式とさまざまな形状がありますが、いずれも『永代供養墓』に該当し、継承者がいなくなると合祀によって納骨先が供養してくれるため、お墓が荒れたり、無縁仏になったり、後々の心配はありません。
訪れやすい街中の寺院や駅近にあることが多いため、気軽にお参りできる場所が欲しいけれど、子供に負担をかけたくないという方にオススメです。
樹木葬の特徴
樹木葬は、美しい環境と初期費用と納骨費用の負担で済む点が最大のメリットです。
しかし、一部の樹木葬では維持管理費として、年間管理費などの経費を必要とすることもありますのでご注意ください。
樹木葬はシンボルツリーや美しい花々に囲まれて眠る癒される環境が人気のため、生前に契約する方々も多く、特に女性にはたいへん人気です。
納骨にあたっては、個別タイプと合祀タイプがあり、費用を安くできるのは、ほかの人と一緒に納骨する合祀タイプで、より良い環境に納骨したい単身者の方や子供のいない方には特にオススメです。
なお、樹木葬で最も注意いただきたいのは悪徳業者の存在です。そのほか知っておきたい注意点をまとめていますので、詳しくは「最近人気の樹木葬とは?その歴史や種類から費用相場や注意すべきポイントまで徹底解説!」をご覧ください。
合祀(ごうし)墓の特徴
合祀墓は、ほかの人と一緒に納骨し、後々の供養に係る費用や管理費も必要としない点が大きなメリットで、最大限に納骨費用を安くできます。
形状はさまざまで、継承者がいなくなった方々の納骨先として、一般墓地や納骨堂にも合祀墓を用意している施設も多くあり、この合祀墓を一般開放している霊園もあります。
ただし、一般的に合祀墓は無縁仏と同じ扱いになるということだけは知っておきましょう。
納骨費用は無いけれど、「お墓がないと寂しい」と感じる方は、墓石タイプや納骨塔など、中にはお参りのできる合祀墓もあるため、最寄りで探してみるといいかもしれません。
近年は墓じまいにより、ご先祖様の遺骨の行方に悩む方も多くいらっしゃいますが、このような場合にも合祀墓はオススメです。
納骨にあたって、合祀するかどうか迷っている方もいらっしゃるでしょう。合祀の詳しい知識や、メリットやデメリットを知りたい方は、「合祀とは?納骨堂の違いからメリット・デメリットまで徹底解説!」をご覧ください。
納骨費用は誰が支払うの?
納骨費用は『お墓の所有者』が支払います。
お墓の所有者は、ほかにも年間管理費やお布施など、お墓に必要な費用全般を支払う役割があります。
たとえば、父親が契約者でも、子供がお墓の所有者となっているケースはよくあります。
近年のお墓では権利書や契約書により、名義が分かるようになっているため、確認してみてください。
所有者がいる場合
納骨費用は基本的に所有者が負担しますが、内々に遺族や親族が納骨費用を支払うことはよくあります。
たとえば、所有者の立場では、家族の納骨費用なら負担して当然だと思う一方、同じお墓に納骨する身内全員の分まで負担することに抵抗がある場合もあるでしょう。
揉めごとにならなければ親族の誰が支払っても問題はありませんが、費用負担で全員が拒否する際、責任を背負うのは所有者であることだけは知っておいてください。
所有者が亡くなった場合
亡くなった故人がお墓の所有者だった場合は、配偶者や子供が所有者となり、納骨費用を負担するのが一般的です。
子供が継ぎたくない、子供がいないという理由があっても、『お墓は誰かに譲渡することができません』。
不要なお墓は、墓石や遺骨を撤去して更地にするのも所有者の役割だということを知っておきましょう。
所有者が不明な場合
本来、お墓とは誰が所有者なのかを明確にしておくことが必要ですが、所有者が不明な場合は、納骨を機に改めて納骨されている親族たちと所有者を誰にするか相談しましょう。
ご先祖様から代々受け継いだお墓は、基本的に長男が受け継ぐケースが多い一方、世代交代により、所有者が不明瞭になっていることがあります。
所有者が不明でお墓の手入れが行われないと、無縁仏とみなされます。ほかの利用者に迷惑をかけてしまうため、無縁仏のお墓はいつ撤去されても文句はいえません。
納骨費用の負担だけではなく、お墓はキレイに代々護っていくべきものだという理解者こそ、家系の柱として継承者にふさわしい人といえるでしょう。
納骨費用を削減して安くする7つの方法
突然のご不幸でお葬式に続いて納骨費用の負担に困っている方もいらっしゃると思いますが、『納骨費用は安くする方法がある』ため、どうぞご安心ください。
納骨にあたっては、「必要な費用だから仕方ないけれど本当は困っている」「今後も法要などでどれぐらい費用がかかるか不安」など、お金に関する悩みもあるでしょう。
納骨費用を削減する7つの方法について、お得な順にご紹介します。
負担を抑えて安くしたい方は、ぜひ参考にしてください。
【最大100万円】納骨先の候補を3社検討
納骨先は、多くの納骨先から複数の候補を選んで、実際に現地を見学してみることがオススメです。
永代供養料なら、最初からほかの人と一緒に納骨する『合祀墓』を選択すると、費用を安く抑えられるのは前述のとおりですが、ほかにも方法があります。
たとえば、ロッカー式の納骨堂なら、対面できる位置が最も人気ですが、足元になる下段は不人気のため、費用が安く済むことがあります。
納骨の申し込みは基本的に先着順です。
人気のある納骨場所でも、空いている区間があれば、費用を相談できるかもしれません。
このように、実際に現地を訪れることには費用メリットがあるため、積極的に足を運びましょう。
【最大10万円】見学予約キャンペーンを利用する
お墓ではさまざまなイベントが開催されていますが、値引きの特典メリットは大きいため、納骨時の負担のみならず、購入費用や申し込み費用と併せて、費用を抑える方法があります。
霊園の一般墓地では、墓石に関して費用の割引や無料でランクアップできるキャンペーンが多く実施されています。
また、納骨堂でも永代供養料の割引など、同様のキャンペーンを実施しているケースがあります。
納骨先を見学するときは、チラシやホームページでお得な情報を調べてからお出かけしましょう。一例として、見学予約とアンケート回答でギフト券がもらえるサイトもあります。
【最大2万円】複数の石材店の見積取得
墓石への彫刻や納骨で石材店を利用する場合は、複数の会社から見積を取得しましょう。
さらに「端数の切り捨てだけでも…」と、粘り強く交渉すると安くしてもらえることや、花立てなどの備品やお線香をサービスしてくれるケースもあります。
ただ、石材店へ期待したいのは費用のみではなく、付加価値もあります。
たとえば、夏の暑い時期や寒い冬の季節に納骨する際、周辺の落ち葉の掃除や、お墓をキレイに掃除してもらえると感謝したい気持ちにもなるでしょう。
費用以外にもメリットも得られる顧客満足度の高い石材店を選択することが最良といえます。
【最大2万円】僧侶派遣の利用
お付き合いしている寺院がなく、なるべく安いお布施で読経をしてもらいたい方は、僧侶派遣を利用することがオススメです。
『やさしいお坊さん』では、総額43,000円より納骨式を承っています。
やさしいお坊さんの特徴は、『全国の寺院が登録している』という点です。
「僧侶派遣って、お金が欲しいお坊さんが登録しているんでしょう?」「どのお寺から来る僧侶なのか分からないのは不安」と、確かにそのようなサイトもあると思います。
具体的にお寺が分かると安心いただけると思いますので、ぜひ地域検索で最寄りのお寺を確認してみてください。
【数千円以上】見積の内訳調整
納骨先の契約では見積取得をして、納骨費用の内訳を必ず確認しましょう。
納骨先へは、正直に費用に困っていることを伝えることをオススメします。
無闇に値切る悪質な利用者と思われないためにも、自ら相談を持ち掛けた方が話はスムーズです。
たとえば、法要なら祭壇や装飾や備品代などで過剰な費用があれば安価に抑える方法を相談したり、仏花や供物代の請求があれば持参することを相談したりと、内訳ごとに具体的な相談ができれば相手も検討しやすいと思います。
このようなために、近隣の同等の納骨先の相場を知っておくことはとても重要です。
【数千円以上】相続税の債務控除
納骨費用は相続税の控除対象です。
申告することで相続税の債務控除となるため、必ず領収書を保管するようにご注意ください。
ただし、次の品目は対象外となるためご注意ください。
【相続税の控除対象外の品目】
・墓石の購入費
・永代供養料
・香典返し
納骨費用は、相続税の申告でメリットになるため、葬儀費用とともに手続きすることを忘れないようにしましょう。
【数千円】お布施金額の相談
お布施に困っている場合は、宗教者へ正直に「いま、お金に困っています」と相談してみてください。
『お布施は気持ち』といわれていても、実際は数万円の支払いになるため、負担に困っている方もいらっしゃると思います。
「次の法要ならなんとか…」と、支払いの余地について話ができれば、納骨式のお布施を検討してもらえるかもしれません。
この際、檀家墓地や近所の寺院に法要をお願いする場合は、清掃などによってお礼のお返しをすることをオススメします。
納骨費用についてはお墓の相談窓口へ相談するのがベスト
納骨にあたって悩みごとがある場合は、お墓の相談窓口へ相談することがオススメです。
たとえば、納骨の費用としてではなく、お葬式後の費用として削減するには、『納骨式を四十九日法要や一周忌、三回忌などの法要と同時に執り行う』ことが最良です。
また、費用面でお悩みのご相談者の中には『現在所有しているお墓へ納骨することが良いとは限らない』ケースも多く見受けられ、そのような場合、樹木葬や永代供養などの選択肢についても相談することができます。
『やさしいお葬式』でも全国のお墓に関してのご相談を受け付けております。一般のお墓だけでなく、永代供養、納骨堂、樹木葬など、ご家族の希望にあった全国のお墓を無料でご紹介していますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
納骨費用について解説いたしましたが、まとめると次のとおりです。
1.納骨費用には5つの内訳と相場価格がある
納骨費用の内訳 | 費用相場 |
永代供養料 | 約3万~100万円 |
納骨手数料 | 約5千~3万円 |
彫刻代 | 約3万~5万円 |
お布施 | 約3万~5万円 |
仏花・供物代 | 約5千円 |
法事・法要に関する費用 | 約1万~10万円 |
納骨費用の総額 | 約5万~100万円 |
2.納骨費用は基本的に所有者が支払う
・所有者は明瞭にする
・揉めごとにならなければ誰が支払ってもよい
3.納骨費用は2つの理由で差額が生じる
・物件による違い(地域や施設設備・経営母体や運営管理)
・納骨場所による違い(一般墓地・納骨堂・樹木葬・合祀墓)
納骨先の種類 | 相場費用 |
一般墓地 | 約10万~20万円 |
納骨堂 | 約40万~120万円 |
樹木葬 | 約30万~80万円 |
合祀墓 | 約5万~30万円 |
4.納骨費用を安くできる7つの方法
お墓に関する悩みは、経験豊富なお墓のアドバイザーへ相談して解決するのが一番の近道です。全国のお墓をご案内でき、かつ相談無料の『やさしいお葬式』へ、どうぞお気軽にご相談ください。
お墓やお金に対する価値観や信仰心は、人それぞれ異なります。
私どもでは皆様それぞれの理想やこだわりを伺ったうえで、妥協できる要素から費用を最大限に削減するためのお手伝いをしております。
この記事により、納骨費用への理解を深めていただければ嬉しく思います。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール