永代供養とは「永代に渡って管理と供養をお任せできる」納骨方法であり、納骨堂は「永代供養の納骨方法の一つ」です。永代供養できるお墓は納骨堂だけでなく様々な種類があります。よりご家族の希望に合った永代供養墓の選び方を本記事でご提案します!
「他の人の遺骨と一緒になりたくないが、個人墓の維持管理は不安…」
「時間的・金銭的にも、お墓の管理が負担…」
「永代供養できる納骨堂を探せば、今の問題がぜんぶ解決するのかな…」
先祖代々お墓を受け継いでいくという慣習が薄れ、遺骨の管理や供養をお任せする「永代供養」の需要が増加しています。「納骨堂」も永代供養できる埋葬方法のひとつです。
納骨堂は、ご遺骨ごとに個別のスペースが確保されていて、場所によっては位牌や遺影を飾って供養することもできます。そのため、「プライバシーが守られた状態で管理もお任せしたい」という方にとっては最適な方法と言えるでしょう。
ただし、納骨堂の相場は80万円と決して安くない金額で、さらにお墓参りの方法が場所によって規制があるなどデメリットもあるため「永代供養できるから」の理由だけでは選ぶのは早計でしょう。
現在、納骨堂以外にも永代供養可能なお墓は下記4種類あります。
名称 | 埋葬方法 | 費用目安 |
納骨堂 | 骨壺のまま、お堂やお寺の一室に収蔵 |
80万円 |
合祀墓 | 遺骨を骨壺から出し、他の人の遺骨と合わせて埋葬 |
30万円 |
自然葬 | 樹木を墓標とした埋葬 |
50万円 |
永代供養付き個人墓 | 骨壺のまま、個々の区画に埋葬 |
80万円 |
それぞれに異なる特徴がありますが、中でも「納骨堂」と「永代供養付き個人墓」は、特徴が似ているため「どちらを選べばよいか分からない」と感じる方が多いようです。
そこで当記事では、「納骨堂」と「永代供養」の2つのワードに焦点を当ててご家族の希望に合った永代供養先の選び方をご提案します。
納骨堂についての基礎知識はもちろん、シチュエーション別の具体的な永代供養の選択実例も紹介します。
本記事を読むことで、ご自身の環境にピッタリの埋葬先を、相場や特徴も比較しながらより具体的かつ前向きに検討することができるようになるでしょう。
「先々のこともあるので、供養や管理を完全にお任せできる施設はないものか」
「永代供養をしてくれる施設を選びたいが、どれを選べばよいか分からない」
「納骨先選びで後悔したくない!」
このようなお悩みの解決に役立つ記事となっていますので、是非参考にしてください。
INDEX
「納骨堂」は「永代供養」による埋葬方法の一つ
「納骨堂」とは、火葬後の遺骨を収蔵するための施設です。「永代供養」に該当し、管理者であるお寺や宗教法人が施設全体の維持管理だけでなく日々の供養も担ってくれます。
【用語の確認】
永代供養・・・霊園や寺院が永代にわたって遺骨を管理供養すること
参考記事:永代供養とは5つの判断基準で決定すべき!費用や6つの注意点を全解説
納骨堂・・・永代供養を受けられる埋葬方法の1つで、遺骨を個別に安置・供養する施設
納骨堂には以下のような特徴があります。
【特徴】
・土に埋めず骨壺のまま「収蔵」という形で供養 ・永代供養を受けられる ・同一施設内で多くの人の遺骨を管理 |
|||
メリット | デメリット | ||
・供養と管理を一貫して任せられる
・個人のスペースを確保できる ・永代供養の中でも、理解が得やすい |
・選び方によっては費用が高額になる
・お参りの方法が自由ではない ・最終的には合祀となる場所が多い |
||
費用相場 | 30万円~150万円
・個別エリアの広さや格式により差が出る |
★★★★☆
・永代供養の中では高め |
「プライバシーに配慮した供養」と「管理をお任せ」が両立できる納骨堂の特徴や費用相場などを詳しく確認しましょう。
納骨堂のメリットとデメリット
納骨堂には、3つのメリットとデメリットがあります。納骨堂に対する知識を高めるため、良い点はもちろん注意するべき内容についても理解を深めましょう。
それぞれを、影響の大きい順に紹介します。
【メリット1】供養と管理を一貫して任せられる
納骨堂は、永代供養が受けられる埋葬方法です。そのため、一般墓のように定期的な清掃などの維持管理を必要としません。納めた遺骨の管理と日々の供養については施設側にお任せできます。
【メリット2】個人のスペースを確保できる
納骨堂では、基本的に遺骨を骨壺のまま埋葬・安置するため、他の人の骨と混ざりあうことはありません。
「永代供養=プライバシーがない・知らない人と合葬される」というイメージを持つ方も多いですが、納骨堂では契約期間内はきちんと骨壺のまま収蔵されるため安心して供養をお任せできるでしょう。
【メリット3】永代供養の中でも、理解が得やすい
納骨堂は、一般墓に近いスタイルでの埋葬・お墓参りができるため、永代供養に抵抗がある人からも比較的理解が得やすいというメリットがあります。
また、同じ納骨堂というジャンルでも収蔵方法は施設により様々なスタイルが設けられているため、自身の希望に合うものが見つけやすいという点もポイントです。
【デメリット1】選び方によっては一般墓と同じくらいの費用がかかる場合がある
納骨堂の費用相場は30?150万円と非常に幅が広く、選び方によっては一般墓と同じくらいの高額な費用が必要となることもあります。場合によっては、既存のお墓に追加で遺骨を納めるよりも高くつくこともあります。
【デメリット2】お参りの方法が自由ではない
納骨堂は、個別のスペースが確保されているとはいえ管理は施設側が行っているため、施設側のルールを守らなければなりません。
一般墓へのお墓参りと同じように「好きな時間に行って好きな物を供えたい」「個人の事を思い出しながらお墓の前で飲食したい」といった希望が叶えられないこともあるでしょう。
【デメリット3】最終的には合祀(ごうし)となる場所が多い
契約内容にもよりますが、一定の年数が経過すると最終的に遺骨を骨壺から出して1か所にまとめて埋葬する「合祀」のスタイルをとる納骨堂が大半です。
「骨壺のまま供養するため遺骨が他の人のものと混ざることがない」という点に魅力を感じたものの、最終的に合祀となると知りガッカリしたという声は多く聞かれます。
もちろん、合祀せず永久に骨壺から出さないことを方針としている宗派もあるため、全ての納骨堂がそうであるという事ではありません。しかし多くの納骨堂では、一定の年数が経過すると「合祀」のスタイルを取ります。
納骨堂の費用相場と内訳
納骨堂は、場所によって納骨場所の仕様や設備に違いがあり、特徴ごとに4つの種類に分けて考えるのが一般的です。
種類 | 相場 | 特徴 |
位牌型 | 30万円~ | 遺骨が安置されている場所と参拝用の位牌が別のスペースにある。 |
ロッカー型 | 50万円~ | 大きなロッカーのような棚に、骨壺を納める。 |
仏壇型 | 80万円~ | 個々の納骨檀がお堂内に設けられている。 |
自動搬送型 | 120万円~ | 個々の納骨壇が、電子管理されたお堂に安置される。 |
遺骨を骨壺のままお堂に収蔵するという点においては共通ですが、「収蔵する場所」や「慰霊碑の違い」の違いが費用に大きな影響を与えます。
種類ごとの詳しい特徴やメリットデメリットについては、「納骨堂のメリットデメリットを知ろう!後悔しない選び方と参拝マナー」の記事で写真付きで解説しています。費用の内訳やより価格を抑えるためのポイントについても分かりやすく紹介していますので、是非参考にしてください。
納骨堂と永代供養付き個人墓(永代供養墓)の違い
納骨堂と永代供養付き個人墓には、「遺骨を納める場所」に明確な違いがあります。お堂の中に「収蔵」というスタイルを取るのが納骨堂で、区画ごとのお墓に「埋葬」するのが永代供養付き個人墓です。
【納骨堂と永代供養付き個人墓の違い】
納骨堂 | 永代供養付き個人墓 | |
遺骨の取り扱い | 骨壺のまま収蔵 | 骨壺のまま埋葬 |
見た目 | 選択する納骨堂の種類によるが、仏壇に近い物が多い | 墓石が設けられており一般墓とほとんど変わらない |
費用 |
30万円~150万円 |
70万円~200万円 |
家族利用 | 契約した区画の広さによる | ほとんどの場合で可 |
どちらも、永代供養に「プライバシーへの配慮を求める方」や「家族で同じ場所に埋葬してもらいたいと考える方」に選ばれる納骨方法です。共通点も多いですが、相違する点もあるので選ぶ際にはそれぞれの特徴をよく考えて検討を進めましょう。
永代供養墓(えいたいくようぼ)という言葉は「永代供養をするためのお墓の総称」として使われるのが一般的ですが、人によっては、永代供養付き個人墓のことだけを指して「永代供養墓」という言葉を使うことがあります。
永代供養墓・・・永代供養をするためのお墓の総称(納骨堂・合祀墓・自然葬・永代供養付き個人墓などが該当)
永代供養付き個人墓・・永代供養墓の一種で、永代供養を受けられる個人墓
※一部業者やインターネット記事などでは、永代供養付き個人墓を略して「永代供養墓」と表現しているケースが見られる※
このように言葉の使われ方に違いがあることで、「納骨堂=永代供養墓=永代供養付き個人墓」という誤解が生まれ、「納骨堂と永代供養付き個人墓の違いって何?」と疑問を抱いている方が多くみられます。
「納骨堂」以外で永代供養できるお墓の種類と費用
冒頭でもふれたように永代供養を受けられる埋葬方法は全部で4種類あります。ここからは、「納骨堂」以外の3つの埋葬方法について詳しく解説します。
墓の種類 | 費用目安 |
合祀(ごうし)墓 | 4~30万円程度
埋葬方法(骨壺のまま、遺骨を他の方とまとめるなど)により価格に幅がある |
自然葬
(植樹葬) |
10~100万円程度
個別で埋葬する・樹木を他の方と共有する・合祀となるなどにより価格に幅がある |
永代供養付き個人墓 | 70~200万程度
個人・家族ごとに墓標を建てるため他のタイプより高額となり、一般の墓に近い価格となる |
参考:一般墓 | 墓石の相場が150万円(建築込み)
これに墓地の使用料、管理費、作業費、入檀料(合計100万円程度が目安)などが別途必要となる |
永代供養が受けられるお墓である点は共通していますが、それぞれ特徴が異なり、費用にも大きな影響を与えていることが読み取れるでしょう。
最も価格を抑えられる方法は「合祀墓」であり、次いで自然葬・永代供養付き個人墓となっています。
埋葬方法の違いや費用の内訳についてより詳しく確認しましょう。
合祀墓(相場:4万~30万円)
合祀墓は、個人的なお墓をもうけずに供養塔などに遺骨を納めるお墓です。複数の方と合わせて埋葬されるため、一度入れてしまうと遺骨を個別で取り出すことは物理的にできません。
【合祀墓にかかる費用の内訳】
項目 | 概要 | 費用目安 |
永代供養料 | 永年に渡って供養するための費用 | 2万~30万円 |
納骨料 | 遺骨を納めるための費用・事務手数料 | 1万円~ |
その他 | 戒名付け、遺品のお焚きあげ等、オプションを利用した場合にかかる費用 | 5千円~ |
個別に墓標などがなく墓の敷地も限られているため、かかる費用としては一番安価で済みます。
合祀墓については「合祀墓(ごうしぼ)の種類と値段を解説!失敗しない4つのコツと注意」に記載されています。合祀墓の形式による費用や埋葬方法の違いを詳しく知りたい方は、非常に参考にしてください。
自然葬(相場:10万~100万円)
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬する形のお墓です。樹木の下に埋葬することで自然に還るといった考え方で近年人気を集めています。
【自然葬にかかる費用の内訳】
項目 | 概要 | 費用目安 |
永代供養料 | 永年に渡って供養するための費用 |
8万~90万円 |
納骨料・埋葬料 | 遺骨を納めるための費用・事務手数料 |
1万~5万円 |
花・苗木代 | シンボルとなる植樹を新たに植える場合の費用。永代供養料に含まれる場合もある |
3万円~ |
その他 | 個別のプレート代や石碑への彫刻代など |
1万円~ |
都市部などにある自然葬施設は、利用できる土地が限られていることもあり高額になる傾向にありますが、同程度の規模でも地方の施設は安価で利用できる場合もあるため、エリアを広めに検討することがおすすめです。
樹木葬については「最近人気の樹木葬とは?その歴史や種類から費用相場や注意すべきポイントまで徹底解説!」「木や樹に関するお葬式を聞いたことがありますか?近年人気の樹木葬について、特徴や長所短所を徹底解説!」でも解説しています。
より詳しい費用相場や埋葬方法、メリットデメリットが詳しく記載されていますので、樹木葬に興味を持たれた方はぜひ参考にしてください。
永代供養付き個人墓(相場:70万~200万円)
※画像はイメージです
一般的なお墓と同様に、個人で墓標を建てる形式です。契約期間中は個人の墓として供養し、契約期間が終了すると遺骨を取り出して他の方と合祀されるのが一般的で、この点は納骨堂と似ています。
【永代供養付き個人墓にかかる費用の内訳】
項目 | 概要 | 費用目安 |
永代供養料 | 永年に渡って供養するための費用 | 20万円~ |
納骨料・埋葬料 | 遺骨を納めるための費用・事務手数料 | 3万円~ |
墓石代 | 自分用の墓石を建てるための費用 | 50万円~ |
その他 | 戒名付け、遺品のお焚きあげ等、オプションを利用した場合にかかる費用 | 5千円~ |
個人的にお墓を建てるため他の永代供養ができるお墓と比べて費用は高めですが、プライバシーが確保されること・一般墓に近いお墓参りができる点などメリットもたくさんあるでしょう。
永代供養先探しで迷ったときのシチュエーション別の選び方
永代供養には「納骨後の管理や供養をお任せできる」という大きなメリットがありますが、同時に「一度納骨すると遺骨の返還ができない可能性が高い」という特徴があります。
合祀のように「遺骨を骨壺から出していることにより物理的に返還ができない」という理由だけでなく、納骨時の契約で「永代に渡り供養をお願いする」となっており基本的には返還を受け付けていない施設が多いのです。
「こっちの永代供養を選べばよかった・・・」
「思っていた供養方法ではないので、埋葬しなおしたい。」
このように後悔することのないよう、一般墓に埋葬するよりも慎重に検討を進めていくことが必要です。
そこで実際に永代供養を選んだ方の「要望」・これから永代供養を選びたい方の「理由」・永代供養を検討している方が現在抱える「シチュエーション」などを参考に、「こんな時にはどの永代供養が最適か」をプロ視点で考えてみました。
叶えたい「要望」と永代供養を選ぶ「理由」 | 選ぶべき永代供養 |
家族で同じ場所に埋葬したい | 納骨堂or永代供養付き個人墓 |
費用をできる限り抑えて供養したい | 合祀墓 |
他の人の遺骨と一緒にされたくない | 納骨堂or永代供養付き個人墓 |
残された家族に負担をかけたくない | 合祀墓or納骨堂 |
親類に永代供養を理解してもらいたい | 納骨堂or永代供養付き個人墓 |
自然の中で明るい気持ちで供養したい | 自然葬 |
それぞれの内容をより詳しく確認し、自分や家族にピッタリの永代供養選びの参考にしてください。
家族で同じ場所に埋葬したい:納骨堂or永代供養付き個人墓
家族で同じ場所に埋葬したいという希望がある場合には、「納骨堂」か「永代供養付き個人墓」を選びましょう。
このようなシチュエーションの方が該当 |
・個人のお墓の定期的な清掃や維持管理が負担なので、一切をお任せできる永代供養にしたい。でも、家族がバラバラになってしまうことは避けたい。ご先祖様も含め、同じ区画に埋葬してほしい。
・両親は非常に仲が良かったので、同じ場所に納骨してあげたい。「お墓の管理で迷惑をかけたくないから」と言っていたが、夫婦で一緒に入れる永代供養先があれば選択したい。 |
永代供養先選びの要望として「家族といつまでも一緒にいたい」という意見は非常に多くきかれます。
永代供養をお任せしつつ、この希望を叶えられるのは「納骨堂:ロッカー型」「納骨堂:仏壇型」「納骨堂:自動搬送型」「永代供養付き一般墓」の4つです。
永代供養先の種類 | 特徴 | 収蔵数 |
納骨堂:ロッカー型 | ・施設によっては複数人収蔵できるロッカーもある
・1人~2人での利用が一般的 |
少ない
↑ ↑ ↓ ↓ 多い |
納骨堂:仏壇型 | ・仏壇の大きさによっては下段に複数人の遺骨が収蔵できる
・家族利用に対応した仏壇を設置できる施設もある |
|
納骨堂:自動搬送型 | ・複数人の収蔵に対応している施設が多い
・収蔵人数は、区画の大きさなど施設によって異なる |
|
永代供養付き一般墓 | ・一般的なお墓と同じ様に、複数人の遺骨を収蔵可能
・収蔵人数は、区画の大きさなど施設によって異なる |
将来的に一緒に埋葬したい家族の人数や、「個人用のお墓」という形にどのくらいのこだわりがあるのかによって絞りこんでいくとよいでしょう。
費用をできる限り抑えて供養したい:合祀墓
納骨にかかる費用をできる限り抑えたいという希望がある場合には、「合祀墓」を選びましょう。
納骨堂や個人墓の相場は80万円前後ですが、合祀墓であれば4万~30万円と非常にリーズナブルな価格で利用できます。
このようなシチュエーションの方が該当 |
・医療費、葬儀代、火葬代など出費が重なり金銭的に厳しいため、できるだけ費用のかからない方法で供養したい。
・生前から「お墓に入れなくていい」と供養の仕方にこだわりのない父だった。散骨も検討したが、お墓参りには行きたいので合祀墓にすることにした。 |
合祀墓は、遺骨を骨壺から出して他の人と合わせて埋葬します。個人のスペースを必要とせず、1つの場所に多くの人を埋葬できることから永代供養の中でも費用を最も抑えることができます。
火葬後、遺骨を骨壺のままでおいておくことにこだわりがない方にオススメの永代供養先です。
他人の遺骨と一緒にされたくない:納骨堂or永代供養付き個人墓
自分や家族の遺骨が他の人の遺骨と混ざり合うことに抵抗があるという方は、「納骨堂」か「永代供養付き個人墓」を選びましょう。
このようなシチュエーションの方が該当 |
・遺骨に魂はないとは分かっているけれど、自分の骨が見ず知らずの人とごちゃまぜになるのは嫌だ。骨壺に入ったままの状態で供養してほしい。
・永代供養先であっても、定期的にお墓参りをして供養したいという想いがある。合祀では、「故人に会いに来た」「故人に手を合わせている」という感覚が薄れるため、他人の遺骨と一緒にしないでほしい。 ・一般墓からの改葬で、合祀では親族が納得しない。骨壺のままで個々の区画があることを条件に墓じまいをすることになっている。 |
合祀は歴史が深く、宗教的にも決して悪いこととして認識されているものではありません。しかし、先祖代々個人墓を受け継いできたという慣習が当たり前となっている人達の中には、合祀に対して抵抗感を持つ人も多いのが現状です。
永代供養をお任せしながらも合祀を避けるには「合祀をしない納骨堂」と「合祀をしない永代供養付き個人墓」を選びましょう。
納骨堂と永代供養付き個人墓は、いずれも骨壺のままの状態で埋葬できる方法ではあるものの一定期間が経過すると骨壺から出して合祀されるのが一般的です。
合祀までの期間は、施設側の意向や契約内容にもよりますが十七回忌、三十三回忌、五十回忌を節目とするケースが主流です。
・永久に合祀をしない施設を選ぶ
・契約を延長できる施設を選ぶ
「永久に合祀せず骨壺のまま管理する」ことを掲げた納骨堂や永代供養付き個人墓を提供する施設を選ぶことで、合祀を避けることができます。また、施設によっては合祀に移行する前のタイミングで契約を延長して遺骨のまま供養する期間を伸ばせる場所もあります。
どちらを選ぶ場合にも事前の確認が重要となってきますので、「一定期間後に合祀になることに抵抗がある」ということを伝えた上で施設側に相談の上、検討を進めてください。
残された家族に負担をかけたくない:合祀墓or納骨堂
金銭面・時間・精神面、全てにおける負担を限りなく減らした永代供養先を選びたいという場合には、「合祀墓」や「納骨堂」を選択しましょう。
このようなシチュエーションの方が該当 |
・年に数回のお墓参り、お墓の清掃、霊園への使用料の支払いなど、「お墓」というものには大変苦労をさせられてきた。もちろんご先祖様への感謝の気持ちはあるが、正直「面倒だな」と思うこともあった。自分の子には同じ思いをさせたくない。
・永代供養は、一度納骨したら以後は全てに対してノータッチでいいと思っていた。実際には、大規模な法典があったり維持管理費が徴収されたりと何かしら負担があるようでびっくりしている。納骨後は一切負担なくお任せできる施設はないものか。 |
永代供養を検討される人の中には「納骨後は一切なにもしなくていいと思っていた。」「法要のお知らせや費用の徴収が来るとは思っていなかった。」と驚かれる方が多くいます。
残された家族に「お墓の管理」という負担を背負わせないことを前提に、金銭面・精神面での苦労をかけないためには「管理費のかからない合祀墓」もしくは「管理費のかからない納骨堂」を選んでください。
納骨後も維持管理費が定期的に発生するか否かについては、施設によって異なります。傾向として「自然葬」や「永代供養付き個人墓」では、年に数万円程度の費用徴収があることが一般的です。
一方、「合祀墓」は納骨後は一切費用が発生しないという場所が多く、「納骨堂」も「位牌型」など個人の区画をあまり必要としないスタイルのものであれば管理費がかからない場所もあります。
・納骨後、定期的に納める費用はあるのか
・参加が必須な法典や法要はあるのか
・残された家族に、寄付を求めることはあるのか
これらの点に注意して、永代供養先を検討していきましょう。契約書の内容にもしっかりと目を通してください。
親類に永代供養を理解してもらいたい:納骨堂or永代供養付き個人墓
永代供養先選びで「親族の同意を得るのが難しい・・・」とお悩みの場合は、「永代供養付き個人墓」や「納骨堂」を選びましょう。
このようなシチュエーションの方が該当 |
・家族内で相談した結果、墓じまいをして遺骨を永代供養を任せられる場所に移動させることにした。親族の中に、お墓やお寺に対する思い入れが強い人がいるので理解が得られる永代供養先を選べるか不安。
・ご先祖様を敬う気持ちが強い家系で育ったので、永代供養先にも一定の宗教観や格式を求めたい。ご先祖様も含め、親族皆が納得し満足できる永代供養先を選びたい。 |
お墓に対する思い入れや宗教観は、人によって違う上「どちらが正しい」と白黒つけるものでもありません。また、地域による慣習やご先祖様の意向などが影響している場合もあるでしょう。
永代供養先に遺骨を任せることに対して、なかなか理解が得られずに困っているという場合には、「自動搬送型の納骨堂」や「永代供養付き個人墓」がおすすめです。
永代供養先の種類 | ポイント | 注意点 |
自動搬送型納骨堂 | ・一般墓に近いイメージでお墓参りできる
・安全性が高く安心感がある |
・数が少ない
・都市部に多い |
永代供養付き個人墓 | ・永代供養先の中で最も一般墓に近い
・墓石もある |
・費用が高い |
いずれも、個々の区画が確保されており一般墓と遜色なく供養ができるでしょう。ただ、永代供養先の中でも費用が高額になる傾向にあるため、慎重な検討が求められます。
自然の中で明るい気持ちで供養したい:自然葬
お墓参り・仏教・墓地・霊園といった従来の「お墓」に対するイメージを取り除き、自然を感じながらの供養を求める場合には「自然葬」を選びましょう。
このようなシチュエーションの方が該当 |
・子どもの頃からお墓に対して「恐い」「薄気味悪い」という感情がぬぐえなかった。先祖を大事に敬いたいという気持ちはあるので、永代供養をお任せしながらも明るく前向きに関係を築ける供養先を選択したい。
・「お墓の管理」という負担をかけたくないという理由から、両親は散骨を希望した。それでは寂しいので、両親の希望を尊重しつつ定期的に会いに行ける永代供養先として「自然葬」を選ぶことにした。 |
近年では、永代供養先を選ぶ時に良い意味でお墓らしくない明るい雰囲気を求める人が増えてきています。自然葬は、庭園を散策しているような開放的で自然を楽しむ感覚で参拝ができる埋葬方法です。
散骨とは違い、管理者による定期的な供養が行われることに加えてプレートや石碑などがありきちんと手を合わせることができるのもポイントです。
「永代供養先選び」3つのポイント
永代供養できるお墓を選ぶにあたって、注意しておきたいポイントを重要度の高い順に3点あげておきます。
・複数の施設を比較する
・費用の疑問は絶対に残さない
・実際に見学し、雰囲気を確認する
後悔のない永代供養先選びをする為にも、これらを頭に入れて検討を進めてください。それぞれのポイントについて詳しく確認しましょう。
複数の施設を比較する
「仏壇型の納骨堂がいいかなぁ・・・」
「市内にある5万円以下の合祀墓を選びたい」
このようにある程度の希望が固まったら、条件に該当する複数の施設をピックアップして比較検討しましょう。
・価格(初期費用、維持管理費など)
・施設の規模設備などをチェックしておくとよいでしょう。
・お墓の造り
・墓参りに関する制限の有無
・交通アクセス
・法要や法典の頻度
・宗派による制限
お金に関する点はもちろんですが、同じような施設であっても細かい点に様々な違いがあります。比較することで、より自分や家族の求める永代供養の理想像が明確になるため満足のいく施設選びにつながるでしょう。
目安としては、少なくとも3箇所以上の施設を比較するようにしてください。
費用の疑問は絶対に残さない
「お金」に関するトラブルを防ぐという意味でも、費用に関する疑問を残したまま契約を結ぶのは絶対にやめましょう。少しでも気になる点・分からない点があれば、契約書を読むか実際に口頭で確認してください。
・納骨時に支払う費用(総額、内訳)
・定期的に払う費用(内訳、内容が適切かどうか)
・追加で料金が発生しないかどうか
永代供養ができる施設であっても、「合祀墓」を除きほとんどの場所で年間数万円程の維持管理費が発生します。後から「知らなかった」「聞いてなかった」とならないよう、事前にしっかりと内容を理解しておくことを徹底しましょう。
実際に見学し、雰囲気を確認する
可能であれば実際に足を運んでみて、周囲の環境や設備を見て気に入った施設にすると後悔しない永代供養先選びができます。
永代に渡って供養をお任せする場所だからこそ、施設の雰囲気や周辺の環境にも納得した上で選びたいものです。ホームページや資料だけでは分からない空気感や温かみなども、実際に見学することで感じることができるでしょう。
見学を希望する場合には、事前に施設にアポイントを取り許可を得てから来訪するのがマナーです。
永代供養先探しもプロに相談しよう
「自分達だけでお墓選びをするの不安・・・」「希望のエリアにどのような永代供養先があるのか紹介してほしい。」このようなお悩みを抱えた時は、お墓のプロ・仏事のプロに相談してみましょう。
お墓に関する相談を受け付けている業者は数多くありますが、「永代供養先探しについて相談してもいいのか分からない。」という意見は多く聞かれます。
確かに、霊園や墓地の区画を契約して墓石を建てる一般的なお墓購入と永代供養先探しでは異なる点も多いため、相談してよいものか迷ってしまうのでしょう。
実際、お墓に関する相談を受け付けている業者の多くは、永代供養先探しの相談にものってくれます。近年では一般墓よりも永代供養の方が需要が高まっていることもあり、永代供養先の紹介や相談に応じる業者も増えてきています。
相談先を選ぶ時の3つのポイント
相談先を選ぶ際に考慮するべき要点を、特に重要な順に3つご紹介します。
1. 供養形態は幅広く選べるか?
2.無料で相談可能か?
3.お墓以外にも相談ができるか?
これらの点をクリアした相談先を選ぶことで、より満足度の高い永代供養先選びにつながります。それぞれのポイントを詳しく確認しましょう。
1.供養形態は「永代供養以外」も選択可能か? |
相談の目的は「永代供養先選び」ですが、供養や納骨に対して広い知識とノウハウを持っている所を選びましょう。
永代供養以外の供養方法についても詳しく理解しているからこそ分かる「永代供養のメリット」や、話を聞いていく中で他の埋葬方法の方が適しているとなればよりニーズにあったアドバイスも受けられます。 |
2.無料で相談可能か? |
気軽に相談するためにも、無料で相談できる業者を選びましょう。相談料や事務手数料がかかる所を選んでしまい、「せっかくお金を払ったのだから」と十分に納得できないまま手続きに進んでしまっては元も子もありません。
少しでも対応に不安があれば「違う所に相談しよう」と気持ちに余裕を持つためにも、無料相談が可能な所が良いでしょう。 |
3.お墓以外にも相談ができるか? |
納骨前の葬儀や方々への手続き・納骨後の各種法要や香典返しなど、納骨前後の「やらなければならないこと」は多岐にわたります。せっかく仏事のプロに相談するのであれば、お墓以外のことも相談できる業者を選びましょう。
葬儀は葬儀社、諸手続きは行政書士・・・とお任せ先がバラバラだと、どこに何を相談すればよいか分からなくなってしまいます。仏事に関するトータルサポートができる所であれば、相談先を一本化することができ、非常に便利で安心感も高まります。 |
最近では、納骨堂やお墓に関する知識やノウハウがないにもかかわらず代行業務を請け負い、高額な金額を請求する業者も出てきている為、業者選びにも注意が必要です。
ホームページや資料など業者側で提供している情報の他、実際に利用した人の口コミや評判も確認したうえで、信頼できる業者を見つけましょう。
オススメの相談先3選
「相談先を選ぶ時のポイント」で紹介した3つの条件を満たし、過去の実績や口コミの評価が高い業者様をピックアップしました。気になる方は、ぜひホームページをご確認ください。
やさしいお墓
「やさしいお墓」では、「お墓探しサービス」として一般墓地だけでなく永代供養ができる埋葬方法の案内サービスを行っています。地域の担当者が、費用面を含め、埋葬方法・供養の仕方・お墓の種類に至るまで、本当に納得できるお墓選びをサポートします。
・お客様の声
先日、夫を亡くしました。
子供も成人しており、葬儀は家族、親戚のみで執り行いましたが、夫は4男であり、私も3女であったため、お墓を持っていなく、どこに納骨するか大変悩んでいたんです。
調べると最近は私が、想像していた一般的なお墓以外にも、管理がラクな納骨堂や樹木葬、海洋散骨などさまざまな供養の方法があることが分かりましたが、それぞれの違いや自分の環境に合うのはどれかが分からなく…とても困ってしまいました。
インターネットのサイトで「やさしいお墓」に辿り着き、まずは相談しないと先に進まないと思って、思い切って電話をしてみました。オペレーターの方は、声を聞く限りとても若い印象でしたが、いろいろな供養の違いやメリット、デメリットも親切に教えていただき、資料も送付していただきました。
「自分に合った供養の方法を整理して、新しい旦那さまの住む家を探すと思って考えるといいですよ」という言葉がとても印象に残っています。
その言葉を特に意識して、
・自宅から近い場所でいつでも夫に会いに行きやすいところ
・息子に負担をかけないようにしたい
・金額は100万円以内に収めたい
この3点に絞り、再度「やさしいお墓」に電話連絡をしました。そして、自宅から近い65万円の納骨堂を購入をさせていただきました。
的確に案内をしていただいたことと、自分に合った供養の仕方を考える機会を与えていただきとても感謝しております。
女性(70歳)
イオンライフ(イオンのお葬式)
画像引用元:イオンのお葬式
流通系大手のイオングループが提供する仏事サービスで、お葬式後のご供養・お仏壇・お墓・相続税など、幅広いサポートを24時間365日無料で相談可能です。永代供養先についても、お寺や霊園の紹介や利用手続きの代行などのサービスを行っています。
・お客様の声
あたりまえだとは思いますが、家族を見送る経験を多くしている人は少ないと思います。ですから、細かいこと、些細なことも聞きやすい感じが、今回の父の葬儀に関してありがたかったです。あと、繰り返し聞いてしまうことも、その都度丁寧に答えてもらえたと思います。コールセンターからの電話や紹介していただいた(お寺さん)お坊さんも良かったです。これから、納骨でもお手伝いをお願いしようと考えていますが、スムーズにとり行えたらと考えています。
引用元:お客様の声・評判
株式会社ニチリョク
画像引用元:株式会社ニチリョク
生前の終活から、葬儀、お墓選びまで経験に基づくノウハウを生かした真心こめたお手伝いが魅力の供養コンサルティング企業です。
お墓の後継ぎがいなくなっても安心な、首都圏にある永代供養墓の案内サービスも行っており、無料お客様ダイヤルでいつでも相談が可能です。
・お客様の声
「お墓の値段はあってないようなもの」と聞いていたので、正直なところ心配でした。しかし、ここは営業担当の方がとても感じが良くて誠実で、どう見ても人をだますようには見えなかったので、信頼して購入を決めました。きっと主人も喜んでいると思います。私たちの面倒な注文に、一つひとつ丁寧に応えてくださった営業担当の方には本当に感謝しています。
引用元:お客様の声
まとめ
当記事では、「納骨堂」と「永代供養」という2つの言葉にスポットを当て、本人や家族が満足・納得する永代供養先の選び方について解説しました。
永代供養とは・・・ | |||
霊園や寺院が、永代にわたって遺骨を管理供養すること |
【永代供養を任せられるお墓の種類】
納骨堂 | 合祀墓 | 自然葬 | 永代供養付き
個人墓 |
|
特徴 | ・骨壺のままお堂に収蔵
・一定期間後は合祀が一般的 |
・骨壺から出す
・他人の骨と合葬 |
・樹木が墓標
・庭園のような雰囲気 |
・見た目と仕様は一般墓と同じ
・一定期間後は合祀が一般的 |
費用相場 | 30万~150万円 | 4万~30万円 | 10万~100万円 | 70万~200万円 |
現在主流となっている永代供養先は全部で4種類あります。それぞれに異なる特徴があり、費用にも影響を与えています。この中から自分や家族に最も適した供養先を選ぶためには、以下の3つのポイントをおさえましょう。
・複数の施設を比較する
・費用の疑問は絶対に残さない
・実際に見学し、雰囲気を確認する
お墓など仏事関係は配慮しなければならない点も多く、個人や家族だけでは決めきれないと感じることもあるでしょう。また、一人一人異なるライフスタイルである以上、最適な永代供養先は家族ごとに異なります。
周囲の人や葬式関係のプロにも積極的に相談しながら、自分や家族が心から納得できる永代供養先を見つけてください。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール