みなさんは葬儀業務もシステム化が進んでいることをご存知ですか。これまでのように紙の帳簿や手作りのエクセルなどによる業務の管理ではなく、専門のソフトウェアやクラウドサービスが増えてきました。今回は、そんな葬儀業務に関連するシステムについてご紹介してまいります。
みなさんは、葬祭管理システムについてご存知でしょうか。情報化社会の中で、IT技術が発達し、様々なシステムが開発運営されています。
この流れは葬儀業界においても同じであると言えます。今回の記事では、葬儀社の負担を軽減する、最新の葬祭管理システムをご説明してまいります。
INDEX
葬儀管理とは?
みなさんは葬儀管理についてご存知でしょうか。葬儀管理とは、その名の通り葬儀に関する業務を管理することを言います。
一言で葬儀と言っても、葬儀を行うためには様々な業務が付帯します。喪主や施主との打ち合わせから見積書の発行や受注業務、葬祭会館の予約管理から霊柩車などの車両の運行管理、備品類の在庫管理から発注業務などです。
売上管理からアフターサービスまで
さらに、葬儀に直接関係しなくとも、売上の管理から、売掛金・買掛金の管理、顧客情報の管理から、新規顧客獲得のためのセールス業務、既存顧客に対する法要やお墓、仏具などのアフターセールスなども、広義の葬儀管理の一環であるといえます。
紙やエクセルでの管理デメリット
こうした葬儀管理の業務は、以前は紙の帳票や手作りのエクセルなどによって行われてきました。紙の帳票はもちろんのこと、コンピュータ上でのエクセルにおいても、それぞれのデータは独立しており、その管理は言うまでもなく非常に煩雑なものでした。
加えて、データを紙で管理するとなると、条件ごとの検索を行うことができず、ご家庭の名前別や年別の一覧の中から情報を探し出さなくてはならなかったり、保存する際にも、紙のファイルをダンボールに詰めて倉庫などで保管しておいたりする必要があります。
このような資料は検索が大変なだけでなく、保管場所にも大変困ります。葬儀は急な対応を迫られることが非常に多く、臨機応変な対応が必要な業務となります。そうした中で、こうした従来の方法での葬儀管理には限界があることは自明であると言えます。
葬儀管理システムとは?
そのような中で、様々な情報を統合的に管理し、葬儀社の負担を著しく軽減するものが、葬儀管理システムといえます。
このようなシステムは、葬儀業界のみならず、ITの普及や進化に伴って、社会の中に急速に普及しつつあります。サイボウズやセールスフォースなど聞き馴染みのあるサービスもあるのではないでしょうか。今回は、こうした業務管理システムの中でも、葬儀業務向けに最適化されて開発されたシステムを5つほどご紹介致します。
これまでの管理手法からの変化に戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、こうしたシステムはなれてしまえば、皆さんの普段の業務を格段に楽にしてくれます。
こうしたシステムは、葬儀社の負担を著しく下げるのみならず、業務フローの改善を通して、顧客のストレス軽減にも寄与することがあります。楽することは必ずしも悪いことではなく、上手にシステムを活用し、業務の効率化をはかる中で、業務の質を磨き、顧客体験の向上ができるようになれば幸いです。
葬儀管理システムの例
さて、ここからは、そんな葬儀管理システムの具体例をご紹介してまいります。
ここでは5つのシステムについてご紹介してまいりますが、それぞれのシステムには特徴があり、葬儀社のおかれる状況に合わせてピッタリのものを選択することができます。
今回ご紹介するもの以外にも、本当に多くのシステムが存在していますので、この記事を皮切りに、ぜひ様々なサービスを比較検討してみてください。
東京オータスの葬儀管理システム
さっそく1つ目のサービスをご紹介致します。まずご紹介するのは、東京オータス株式会社が提供する「葬祭管理システム」です。
このシステムは全農向けパッケージシステムJA葬祭管理システムと呼ばれ、その名の通り、葬祭向けのシステムとなっています。
東京オータスの葬儀管理システムの特徴
このシステムでは、葬儀から法要、供物や仏具の手配や、売掛管理から買掛管理、在庫管理や販売管理にとどまらず、法事スケジュールの管理まで行うことが出来る、包括的な葬儀支援パッケージとなっています。
また、近年より強化されている個人情報保護に対応するためのセキュリティ機能が充実しており、不正防止に関する機能も充実しています。
葬祭会館業務システム葵
続いてご紹介するのは、株式会社ネットシステムが提供する「葬儀会館業務システム葵」です。
葬祭会館業務システム葵の特徴
このシステムでは、葬儀に関する見積書や請求書、入金管理などを初め、葬儀を行うには欠かせない供物などの在庫管理にも対応しています。
加えて、このシステムでは、「葬儀会館業務システム」というだけあり、システムやデータをクラウド管理するため、複数の会館でデータ等の共有が可能となっています。
こうしたクラウド管理以外にも、会館にサーバーとなるパソコンを一台用意し、このシステムをインストールし、館内の他のパソコンとネットワーク接続することで、それぞれの会館が独自に管理するサーバーとして、館内LANのみを利用した形での運用も可能となっています。
そのため、高いセキュリティ対策も実施することが可能なのです。
さらに、オプション機能が充実しており、既存の会計ソフトとの連携や画面ごとの機能制限などを取り入れることも可能となっています。
InfiniOne Funeral
次にご紹介するのは、Future One株式会社が提供する葬祭業向け基幹業務システム「InfiniOne Funeral」です。
InfiniOne Funeralの特徴
このシステムは、「終活から葬儀、葬儀後のアフターサポート」まで一元管理する事ができるオールインワンのシステムとなっています。
また、様々なセグメント(全体、会場別、顧客別、葬儀形式別)に分けて予算や収支を確認することができ、プランの見直しなどの、企画活動、マーケティング活動にも活かすことが出来るようになっています。
加えて、システムの運用環境として、「クラウド型」と「オンプレミス型」を選ぶことができます。それぞれにメリット・デメリットが存在するため、それぞれの葬儀社にあったものを選ぶことができると良いでしょう。
i-NETクラウド葬祭管理システム
続いて、i-NETのクラウド葬祭管理システムをご紹介致します。
クラウド葬祭管理システムの特徴
このシステムには「ライトプラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」がそれぞれ用意されており、葬儀社が求める機能によって柔軟にプランを選ぶことができます。
ライトプランでは、見積書や請求書の作成、ホワイトボードや月間予定表の利用ができます。スタンダードプランでは加えて、発注書の作成・式場の案内などを作成できます。さらにプレミアムプランでは、会員データの統合管理が可能となっています。
FN Cloud
さて、最後にご紹介するのは、株式会社ユニコーンが提供するFN Cloudです。
FN Cloudの特徴
このシステムでは、事前相談や販促イベントといった施行前の業務からアフター営業といった施行後の営業まで簡単に管理を行うことができます。
施行前の営業履歴管理では、顧客とのやりとりを時系列で管理し、相談の際の半ナウなどの成約レベルを登録することができます。
さらに、葬儀の施行に関する情報を打ち合わせからアフター営業までタイムラインで一覧にして管理することが出来る点は大きな特徴だと言えます。
オンライン葬儀などシステム化が進む
葬祭管理システムとは異なりますが、オンライン葬儀を円滑に行う為のシステムも開発されています。特に昨今は新型コロナウイルスの感染防止の観点からも、オンライン葬儀を検討される方が増えて来ています。
スマート葬儀
ライフエンディングテクノロジーズ株式会社が運営するオンライン葬儀システムのスマート葬儀。このシステムでは葬儀や法要への参列から芳名帳への記帳、香典、供花、供物、香典返しのネット決済と手配、焼香なども全てオンラインで一括で行うことができます。
スマート葬儀の取材・放映情報は下記記事をご覧ください。
・2021年2月2日放送:テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』で、当社の事業が紹介されました。
・オンライン葬儀参列システム「スマート葬儀」をテレビ朝日:スーパーJチャンネルに取材・放映頂きました。
・NHK:ニュースシブ5時にオンライン葬儀参列システム「スマート葬儀」を取材・放映頂きました。
スマート葬儀を始め、各種葬儀プランのご相談は『やさしいお葬式』から24時間365日無料相談も承っています。電話でもメールでも行えますのでお気軽にご連絡下さい。
また『やさしいお坊さん』では、オンラインの法事・法要・葬儀・相談に対応した「スマ僧侶」をご利用頂けます。
葬祭管理システムについてのまとめ
「葬祭管理システム」について特に重要となるポイントを下記にまとめました。
【葬儀管理とは?】
●葬儀に関する業務を管理すること
【葬儀管理システムとは?】
●葬儀社の負担を著しく軽減するもの
●葬儀社の負担を著しく下げる
●顧客のストレス軽減にも寄与する
【葬儀管理システムの例と特徴】
●東京オータスの葬儀管理システム
・葬儀から法要、供物や仏具の手配から法事スケジュールの管理まで一括で行える
・セキュリティ機能も充実
●葬祭会館業務システム葵
・見積書や請求書、入金管理などを初め供物などの在庫管理にも対応
・複数の会館でのデータ共有が可能
●InfiniOne Funeral
・終活から葬儀、葬儀後のアフターサポートまで一元管理
・システムの運用環境として、「クラウド型」と「オンプレミス型」が選択可能
●i-NETクラウド葬祭管理システム
・葬儀社が求める機能によって柔軟にプランを選べる
●FN Cloud
・事前相談や販促イベントといった施行前の業務からアフター営業までを管理
・顧客とのやりとりを時系列で管理
ここまで、葬祭管理システムについて実例を交えながら解説してまいりました。それぞれのシステムには様々な特徴があり、葬儀社のおかれる状況に合わせて最適なものを選ぶことができます。それは、システムの内容のみでなく、セキュリティや運用環境なども含めてです。
例えば葬儀会館業務システム葵のようの会館運営に特化したシステムから、FN Cloudのような施行前から施行後まで一括して管理することが出来るものなど、本当に様々な種類が存在しています。
これからもIT技術の進化により、より使いやすい、便利なシステムが登場してきます。ぜひ、こうしたシステムを活用しながら、より効率的で質の高い運営ができるようになれば幸いです。
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【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール