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神道の葬式【神葬祭】で行われる儀式の意味|流れ~作法まで完全解説

Sep 27 2022

神道のお葬式【神葬祭】は故人へ一家の守護神にもらう儀式のため、仏教との違いや、準備~忌明け(五十日祭)までの流れを知り、手水の儀や玉串奉奠の作法が大事!必要な知識や、喪主に必要な葬式費用や神主へのお礼の相場金額、服装や持ち物のマナーを解説!

「神道のお葬式はどうやるの?」

「仏教のお葬式とは何がどう違うの?」

「どんなことに気を付けたらいいの?」

神道のお葬式は分からないことや、知っていても忘れてしまいがちなことが多く、不安に感じる方は多いでしょう。

それもそのはず。日本では仏教のお葬式が中心で、神道のお葬式が執り行われるのは、わずか数パーセントといわれています。

実際に、全国の30代〜70代以上の男女3,792人を対象に『どんなときにお寺・神社に行くか』を調査したところ、上位3位は次のような結果です。

順位 神社 お寺
1位 初詣

(86%)

お葬式・法事などの仏事

(70.3%)

2位 観光・名所めぐり

(48.9%)

供養・お墓参り

(50.1%)

3位 厄落とし・ご祈祷

(32.8%)

観光・名所めぐり

(48.2%)

参考:『お寺・神社に関する意識調査』(株式会社プラネット)

神道のお葬式は『神葬祭』と呼ばれ、仏教の葬儀とは具体的に次のような違いがあります。

項目 神道 仏教
葬式の役割 故人の御霊に家の守護神となって子孫を護ってもらうための儀式 故人を極楽浄土に送るための儀式(浄土真宗は阿弥陀如来へのお礼)
形式 1日目:通夜祭

2日目:神葬祭・祭場祭

1日目:通夜

2日目:葬儀・告別式

祭司者 神職(神主・斎主) 僧侶
儀式の特徴 手水の儀(ちょうずのぎ)

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

数珠が不要

お焼香

数珠が必要

祭司者へのお礼 御祭祀料 御布施
お香典 御玉串料・御神前・御霊前 御霊前・御仏前

神社は初詣やお祭りの風習以外にも、お宮参りや七五三、合格祈願・商売繁盛・縁結び、パワースポット巡りなど、人生の節目にご利益を求めて訪れる神聖な場所。

お葬式をするなら、日本固有の神道によって、ご先祖様や子孫との繋がりを大事にしたいと願う気持ちは、日本人ならごく自然なことです。

しかし、神道のお葬式へ参列する機会は少なく、喪主や遺族の立場では、知識やマナーに戸惑ってしまいますよね…。

「葬式費用や神主へのお礼はいくら?」

「知っておくべき、神道の作法は?」

「お葬式後の法要は?仏壇やお墓は?」

初めて神道のお葬式を執り行う方にとっては、『仏教の葬儀との流れや作法の違い』や、『名称の違い』も気になるでしょう。

そこで、この記事では、神道のお葬式に関して、『仏教との違い』や『亡くなってから忌明け(五十日祭)まで』の必要な準備や流れをすべて解説いたします。

神道の儀式『手水の儀(ちょうずのぎ)』『玉串奉奠(たまぐしほうてん)』の作法や、『お葬式の費用や神主へのお礼の相場金額』『服装や持ち物』もすべて網羅!

さらに、『神道に関してよくある質問』も掲載し、ご遺族のみならず、参列者の方にもお役立ていただける内容ですので、ぜひ最後までご覧のうえ、お役立てください。

神道の葬式は儀式の意味や流れ作法を知ることが重要!

お葬式は宗教によって呼び方が異なり、仏教では『葬儀』と呼ぶように、神道のお葬式は『神葬祭(しんそうさい)』といいます。

神葬祭の最大の特徴は、故人をあの世へ送り出すための儀式ではなく、『一家の守護神として子孫を護ってもらうための儀式』であることです。

神道とは日本最古の宗教で、教祖や経典が存在しません。信仰にあたっては次の2つが特徴となります。

信仰の特徴 意味
八百万の神

(やおよろずのかみ)

海や山などの自然、天候などの自然現象など、あらゆるものに神が宿るという思想がある。
敬神崇祖

(けいしんすうそ)

神を敬い、祖先を崇めることを大事にする。

神道による神式と、仏教による仏式とでは、次のような違いがあるため、お葬式では神道の正しい名称についてもしっかりと覚えておきましょう。

項目 神道 仏教
葬式の役割 故人の御霊に家の守護神となって子孫を護ってもらうための儀式 故人を極楽浄土に送るための儀式(浄土真宗は阿弥陀如来へのお礼)
形式 1日目:通夜祭

2日目:神葬祭・祭場祭

1日目:通夜

2日目:葬儀・告別式

祭司者 神職(神主・斎主) 僧侶
儀式の特徴 手水の儀(ちょうずのぎ)

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

数珠が不要

お焼香

お線香をあげる

数珠が必要

祭司者へのお礼 御祭祀料 御布施
お香典 御玉串料・御神前・御霊前 御霊前・御仏前
最初の法要 十日祭 初七日法要
忌明け 五十日祭 四十九日忌
依り代 霊璽(れいじ) 位牌
祭壇 祖霊舎(それいしゃ)

神徒壇(しんとだん)

仏壇
死後の名前 諡号(おくりな)・霊名 戒名・法名
お供えの食べ物 神饌物(しんせんもの) 供物
追悼儀式 霊祭(れいさい) 法要

なお、神道は地域に根付く風習の要素が強い『民族宗教』のため、神社によってお葬式の流れや用具の祀り方が異なる場合が多々あります。

しかし、神社によるお葬式での違いは神職(※)や葬儀社から手解きをしてもらえるため、心配は不要ですので、どうぞご安心ください。

一例として、お茶碗へお箸を立てたり、故人の枕元へ屏風を逆さまに立てたりするケースなどがあります。

※神職とは、通称『神主』とも呼ばれ、神社の代表者にあたる『宮司』や宮司の補佐役にあたる『禰宜(ねぎ)』など、神事を行う奉仕者のことをいいます。

神道の葬式(神葬祭)の準備と流れ

亡くなってからお葬式までと、神葬祭の流れについて、時系列の順でご紹介します。

1.亡くなってからお葬式まで

2.通夜祭【葬式1日目:お通夜】

3.神葬祭・葬場祭【葬式2日目:葬儀・告別式】

お葬式の準備の仕方や流れは、事前に把握しておくと、いざというときに慌てることなく安心ですので、確認しておきましょう。

亡くなってからお葬式まで

流れ 手順
1.ご遺体の搬送 (1)病院で搬送をと言われたら葬儀社へ連絡して自宅や斎場へ搬送する

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(2)会計の精算時に死亡診断書を受け取る

2.帰幽奉告の儀(きゆうほうこくのぎ) (1)神前に白紙を貼る

(2)祖霊舎や神徒壇に誰が亡くなったかを奉告する

3.枕直しの儀 (1)ご遺体を安置部屋の殯室(ひんしつ)へ運ぶ

(2)北枕または上座を頭にして白地の布団へ寝かせる

(3)胸元で手を合掌して白い布で顔を覆う

(4)枕元に守り刀を置く(地域によっては枕元へ逆さにした白い屏風を立てる)

(5)枕飾りとして、案という白木の八足台に洗米・塩・水・お神酒を供えて両脇に榊を入れた花瓶とロウソクを置く

4.葬儀社との打ち合わせ (1)葬儀社と場所や人数規模や予算について打ち合わせる

(2)葬儀社へ火葬場と斎場の空き状況を確認して神葬祭の日程を決める

(3)信仰している神社へお葬式を依頼する場合はスケジュールを確認して神職の手配をする

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(4)見積内容とお葬式の流れの確認

5.お葬式の準備 (1)遺影写真や喪服や持ち物などを用意

(2)訃報通知を行う

6.納棺の儀 (1)榊の葉を水で濡らして末期の水を行う

(2)清拭や湯灌、死化粧をする

(3)白い小袖の神衣や故人の好きな衣服を着せる

(4)ご遺体を棺へ納めて蓋を閉める

(5)棺へ白い布を被せる

(6)お供え物をして遺族や親族が拝礼する

7.柩前日供の儀(きゅうぜんにっくのぎ) (1)お通夜にあたる通夜祭までは、朝夕、故人の好物などの調理された常饌(じょうせん)を供えて拝礼する

一般的にお葬式では、喪主が施主を務めます。喪主と施主の違いは『喪主と施主(せしゅ)は葬儀の役割が違う!決め方~マナーまで全解説』の記事をご覧ください。

また、喪主の役割は『喪主がやることは9つだけ!プロが教えるコツ&やることリストを紹介』の記事でご紹介していますので、ポイントを確認しましょう。

神葬祭の日程は、二度手間にならずスムーズに決める方法があるため、『プロが解説!スムーズな葬式日程を決める為の7つのポイントと注意点』をご参照ください。

お葬式の準備方法は基本的に仏教と同じため、『【保存版】葬式準備に必要な2つのポイントと4つの注意をプロが解説』の記事でコツを掴み、手順を習うと捗ります。

ただし、神道は事前に取り揃えておく物に相違がありますので、ご注意ください。

【お葬式までに準備しておくもの】

(1)来客用座布団

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座布団は足が疲れにくい大きめの八端判「59X63cm」がオススメです。神道らしく、白い座布団カバーを用意しましょう。

(2)神主用の円座

伊勢 - 宮忠 - 円座 とび 輸入 約55cm 【宮忠タグ付】 7,750円

神道ではい草の『円座』が座布団となるため、できれば用意することをオススメします。一般的な座布団と異なり、神主にとって足元が引っかからずに安全です。

3.花瓶

Toyo sakura fashion セラミック フラワーベース 1,788円

花瓶は左右一対あると役立ちます。神道では榊が用いられますが、近年は榊のほかにもユリや菊などのお花を加えるご家庭も多くいらっしゃいます。

そのほか、仏教はご家庭に小さなミニテーブルと布があれば亡くなった際に活用できますが、神道は葬儀社が八足台を用意するため準備が不要で、数珠も必要ありません。

訃報通知は『訃報とは?今さら聞けない訃報の意味から伝え方まで、例文を交えて完全解説!』『【喪主との続柄】訃報案内の書き方から4つのポイントと注意点を解説』の例文を活用すると手軽で便利です。

神葬祭の前の『納棺の儀』では『【末期の水(まつごのみず)】儀式の流れから宗派による違いまで解説』『納棺とは?意味・流れ・入れるもの・マナーを完全解説!』で、流れを把握しておきましょう。

通夜祭【葬式1日目:お通夜】

流れ 手順
1.通夜祭 (1)手水の儀

(2)神職・遺族入場

(2)神主に続いて拝礼

(3)神主による神饌の献饌

(4)神主による祭詞の読み上げ

(5)玉串奉奠(たまぐしほうてん)と拝礼

(6)神主が神饌を下げる

2.遷霊祭(せんれいさい)・御霊移し (1)式場の明かりを消灯する

(2)神主による遷霊詞の読み上げにより故人の魂を霊璽に移す

(3)式場の明かりを点灯する

(4)神主が仮霊舎へ拝礼して献饌を供える

(5)玉串奉奠と拝礼

(6)神主続いて拝礼

(7)神職退場

(8)遺族代表の挨拶

3.直会(なおらい) (1)仏式の通夜振る舞いにあたる食事の席を用意して神職や参列者をもてなす

神葬祭の前日は、仏教のお通夜にあたる『通夜祭』を執り行います。

儀式で知っておくべき『手水の儀』『玉串奉奠』の作法は後述の『神道の葬式で知っておくべき2つの作法』にて手順を説明していますので、ぜひご参照ください。

また、通夜祭が終わると、仏教の通夜振る舞いにあたる『直会』を行い、神職や参列者へ食事の席を用意しておもてなしをします。

喪主や遺族は感謝の気持ちを込めて、一人ひとりへ「本日はありがとうございます」と、ご挨拶をしてお酌をしましょう。

神葬祭・葬場祭【葬式2日目:葬儀・告別式】

流れ 手順
1.神葬祭・葬場祭 (1)手水の儀

(2)司会者による開式のことば

(3)修祓の儀により頭を下げてお祓いを受ける

(4)神主に続いて拝礼

(5)神主が神饌を供える

(6)神主による祭詞の読み上げ

(7)弔辞と弔電の読み上げ

(8)玉串奉奠と拝礼

(9)神主が神饌を下げる

(10)神主による一拝に続いて一礼

(11)神職退場

(12)司会者による閉式のことば(1)手水の儀(ちょうずのぎ)

(2)神職・遺族入場

(2)神主に続いて拝礼

(3)神主による神饌の献饌

(4)神主による祭詞の読み上げ

(5)玉串奉奠(たまぐしほうてん)と拝礼

(6)神主が神饌を下げる

2.発柩祭(はっきゅうさい)・火葬祭 (1)故人との最後の対面と棺の釘打ち

(2)遺族代表の挨拶

(3)霊柩車(寝台車)により火葬場へと出棺する

(4)火葬炉の前に銘旗や遺影などをお供え

(5)神主による祭詞奏上の読み上げ

(6)神主による一拝に続いて一礼

(7)玉串奉奠と拝礼

(8)火葬

(9)遺骨の収骨

3.帰家祭(きかさい) (1)斎場や自宅の玄関口で手水の儀を行い、帰家修祓の儀により、胸・背中・足元の3ヶ所へ清め塩を撒く

(2)仮祭壇に遺骨と霊璽を安置し、神饌、灯明などを祀る

(3)神主による祭詞の読み上げ

(4)玉串奉奠と拝礼

4.直会(なおらい) (1)仏式の精進落としにあたる食事の席を用意して神職や参列者をもてなす

神葬祭と葬場祭は、仏教の葬儀と告別式にあたり、近年は遺族と親族、通夜祭へ参列できなかった人たちの少人数で執り行います。

故人と最後の対面をした後に火葬を行い、精進落としと同様に直会によって食事の席を用意します。

お葬式後は、ご自宅で手水の儀とお清め塩を使用して体を清め、氏神様へのお葬式を終えたことをつたえて一連の儀式は終了です。

神道のお葬式は『神式葬儀の流れとは?仏式との違いや基本的なマナーについても解説』の記事でもご紹介していますので、併せてどうぞご覧ください。

神道のお葬式(神葬祭)にかかる費用

大切なお金のことに関しては、後々までトラブルにならないように、あらかじめ相場費用を知っておくことが重要です。

お葬式を主宰する喪主側と、参列者側のそれぞれの立場で相場金額をご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

【必要な費用】

対象者 相場費用 内訳
1.喪主側 約150~280万円 葬儀費用一式・飲食代・お布施
2.参列者側 約3千~10万円 お香典

お葬式の相場費用【喪主側】:150~280万円(内 お布施42.5万円)

お葬式の相場費用 お布施の相場費用
150~280万円

(葬儀費用一式・飲食代・お布施を含む)

内 42.5万円

神道のお葬式では、『神葬祭の費用』と『神主へのお礼の費用』が必要となります。

お葬式の相場費用は『約150〜280万円』で、この金額には葬儀費用一式・飲食代・お布施を含んでいます。

お葬式の形式による相場費用:約20~280万円

種類 相場費用 特徴
一般葬 約150~280万円 親族や友人だけでなく、会社の人や近所の人まで大勢が参列するお葬式
家族葬 約40~170万円 親族やごく親しい友人などのみで執り行う30名未満のお葬式
一日葬 約30~150万円 お通夜を省いて1日で行うお葬式
直葬 約20~50万円 お通夜や葬儀を省く火葬のみのお葬式

神道では他の宗教で使用しない『玉串』や『神饌物』が必要なほか、道具を所有していない葬儀社では用具のリース料が発生し、費用が割高になることがあります。

特に小さな葬儀社では、神道用の祭壇や宗教用具をリースに委ねるケースがあるため、お葬式では事前の見積比較によって、明細金額を確認するようにしましょう。

神主など宗教者へのお礼(祭祀料)の相場費用:約42.5万円

相場金額 約42.5万円
表書き 「御祭祀料」「御礼」「御祈祷料」
水引 黒白の結び切り
外袋・中包み 白無地

神道でのお布施は『祭祀料』と呼び、神職など、宗教者へのお礼の金額は『約42.5万円』が相場といわれています。

また、祭祀料の袋とは別に、白い封筒へ『御車代』『御膳料』と表書きをして、それぞれ1名あたり『5千〜1万円程度』の金額を用意して包みます。

『御膳料』は食事を召し上がらない場合に提示するため、お葬式の日程を決める際に事前に確認しておくとよいでしょう。

神道は戒名料や法名料が不要のため、仏教と比較すると割安で、相場金額未満になるケースも多くあります。

ただし、神職や雅楽の演奏をする楽員など、人数に応じて祭祀料を加算することが一般的なマナーのため、ご注意ください。

祭祀料の金額に迷うときは、事前に神社へ「皆さま、いくらぐらい包んでいらっしゃいますか?」と尋ねても失礼にあたりません。

大きくかけ離れた金額を提示して失敗や後悔をするよりも、素直に確認して誠意を示すことをオススメします。

お香典の相場費用【参列者側】:約3千~10万円

故人との関係 相場金額
両親・兄弟姉妹 3~10万円程度
親族 1~10万円程度
上司・同僚 5千~1万円程度
友人・知人 3千~1万円程度

 

表書き 「御霊前」「御玉串料」「御榊料」「御神餞料」
水引 黒白または双銀、双白の結び切り
外袋・中包み 白無地

不祝儀袋はどの宗教にも対応可能な『御霊前』または、神道の表書きである『御玉串料』などとし、高額な場合は銀色など、金額に応じた水引を使用します。

神道の葬式(神葬祭)で知っておくべき2つの作法

神道のお葬式では不可欠な2つの作法があるため、それぞれの手順を詳しく説明いたします。

1.手水の儀のやり方

2.玉串奉奠の手順

手水の儀のやり方

(1)軽くお辞儀をする

(2)柄杓(ひしゃく)を右手で持ち、桶のご神水を満杯にすくい、1/3の量の水を左手にかける

(3)柄杓を左手に持ち替えて、1/3の量の水を右手にかける

(4)再び柄杓を右手に握り、左の手のひらへ水を注ぐ

(5)注いだ左手の水を口にふくんで、軽くすすぐ

(6)1割程度の水を残して、再度、左手に水をかける

(7)柄杓の柄を両手で持ち、柄が下側になるように手前へ倒して柄杓を立て、残り水で持ち手部分に水を伝わせて洗い流す

(8)柄杓を伏せて置き場へ戻す

手水の作法はお葬式に関わらず、大事なしきたりです。神社への参拝では、鳥居をくぐったらまず、手水舎で自身を清めるようにしましょう。

上記の流れは下記動画でも確認できますので、ぜひご参考ください。

動画引用元:手水の作法|神青協チャンネル (神道青年全国協議会)

玉串奉奠の手順

(1)順番がきたら祭壇へ向かって歩き、喪主や遺族へ向かって一礼する

(2)玉串を持った神主や葬儀スタッフの前に歩み寄って一礼する

(3)右手は親指を玉串の茎の根元の下にして、上から被せるように持ち、左手は枝葉を下から支えるようにして両手で受け取る(右手が上向き・左手が下向きとなる)

(4)玉串を胸の高さに持ち、玉串を乗せる玉串案まで歩み寄って祭壇へ向かって一礼する

(5)玉串の根元を持つ右手を手前にして玉串を縦にする

(6)玉串の根元を左手に持ち替える

(7)玉串の根元が祭壇側へ向くように右回りに半回転させて軽く頭を下げて玉串へ拝む

(8)玉串の根元を祭壇に向けて玉串案の上に置く

(9)祭壇のある正面を向いたまま一歩下がる

(10)音を鳴らさないように拍手をする『忍手(しのびて)』により、二礼二拍手一礼を行う

(11)喪主や遺族へ歩み寄り、一歩下がってから一礼をして席に戻る

玉串とは、人の心や神様が宿りやすい植物の『榊』に『紙垂(しで)』と呼ばれるジグザグに折られた紙を麻紐で取り付けた神具です。

お葬式のみならず、玉串に真心を込めて参拝するのが神事や祭典で欠かせない作法のため、手水の作法ともども覚えておきましょう。

玉串奉奠の手順は下記動画もご参考ください。

動画引用元:玉串の作法|神青協チャンネル (神道青年全国協議会)

神道の葬式後にすべきこと

神道では仏教の法要と同じように、次の順序でお葬式後に『神霊祭』が執り行われます。

1.翌日祭

2.十日祭(毎十日祭)

3.五十日祭(忌明け)

翌日祭

神道では、お葬式の翌日に自宅かお墓へ神職を招いて、滞りなくお葬式が終わったことを氏神様へ報告する儀式を執り行います。

近年は家族のみで執り行うことや、省略するご家庭も多いため、お付き合いのある神職へ相談するようにしましょう。

十日祭(毎十日祭)

神道では命日から数えて10日目を『十日祭』といい、親族や故人の友人・知人などを招いて霊祭により拝礼した後、会食の席を用意します。

十日祭とは、仏教の初七日法要にあたり、仏教では繰り上げ法要や繰り込み法要によって、葬儀の日に初七日法要を行うことが一般的です。

しかし、神道では『帰家祭や十日祭を繰り上げて行うことはできない』ため、ご注意ください。

十日祭以降は、10日ごとに神職を招いて祭詞を読み上げてもらう神霊祭を行うのが正式な流れとなります。

五十日祭(忌明け)

五十日祭とは、10日ごとに5回目の霊祭で、仏教の四十九日忌にあたる忌明けの日となる大事な日です。

事前に準備を済ませておくべきことは、優先順として次の4つとなります。

手順 内容
1.お香典返しの手配 五十日祭の翌日に届くように、事前に着日指定でお香典返しを贈る。
2.霊璽と祖霊舎の準備 お葬式で使用した仮のものから移行するため、霊璽と祖霊舎を用意する。
3.五十日祭の案内 神職と五十日祭の日程を決め、親族や故人の友人・知人へ五十日祭の案内を行って直会による食事の席を用意する。
4.お墓の準備 埋葬先として墓石の上部が角垂状になったトキン型のお墓を用意する。(お墓の準備が間に合わない場合は後日でも構わない)

神職を自宅へ招いて祭詞を読み上げてもらい、お葬式で使用した仮の霊璽から、末永く使用する霊璽へと遷霊し、祭壇も祖霊舎へ変更してお祀りします。

また、お墓の準備ができている場合は、『埋葬祭』によってご遺骨を埋葬しますが、準備が間に合わない場合は、後日でも構いません。

五十日祭が終わると、神棚封じを行っていた白い紙を取り除いて神棚を開放します。その後の霊祭は、百日祭、一年祭(一周年祭)と続きます。

神道のお葬式における服装と持ち物

神道の喪服や持ち物に関しては、基本的に仏式のお葬式と同じものを用意すれば問題ありません。

ただし、持ち物では『数珠は不要』であることと、『神主へのお礼は表書きが「御祭祀料」など仏式と異なる』ことの2点のみ、ご注意ください。

喪主の服装は喪服

お葬式にあたっては、『光沢や艶のない漆黒色の喪服』を着用しますが、喪主は参列者より格上の『正喪服』を選ぶことが最良です。

男性ならモーニングコート、女性ならレースや刺繍の装飾のないアンサンブル・ワンピースなどのブラックフォーマルが該当します。

一方、遺族のみなど小さなお葬式であれば、男性なら漆黒色のスーツ、女性なら装飾のあるブラックフォーマルといった、『準喪服』でも構いません。

近年はリーズナブルな価格の喪服もありますが、参列者の多い一般葬のようなお葬式では、ブラックスーツは周囲に対して失礼にあたりますので、ご注意ください。

迷いやすい喪服の選び方に関しては、以下の記事でも解説していますので、参考にするとよいでしょう。

お通夜のマナーとは? 服装や香典マナー、流れを喪主側参列者側で徹底解説!

告別式とは?知っておくべき遺族側・参列者側必読のマナー!

ユニクロで喪服を用意できる?ユニクロで喪服を用意する際のメリットやデメリット、注文方法を完全解説!

必要な持ち物

(1)セレモニーバッグ

プレックス ブラック フォーマルバッグ 3,100円(定価4,200円)

女性は黒いマットな質感の手提げタイプのフォーマルバッグを選びます。男性は手ぶらが多く、所持するなら小脇に抱えられるため、黒いセカンドバッグがオススメです。

(2)御祭祀料や不祝儀袋を包む袱紗(ふくさ)

古典袱紗 正絹 ちりめん 木箱入 3,980円

喪主は風呂敷タイプを選びます。扱いに不慣れな場合は、袋がズレにくい『台付き袱紗』がオススメです。参列者の立場なら札入れタイプの『金封袱紗』が使いやすく便利です。

(3)無地の白いハンカチ

ハンカチ ホワイト 男女兼用 綿100% 3枚セット 999円

ハンカチは白いブロード生地のものが最良です。色は黒でも構いませんが、新たに購入するなら、神道らしさを感じる白がオススメで、カジュアルなタオルハンカチは避けましょう。

(4)扇子やひざ掛けなどの季節用品

HAVILAH MODE 男女兼用 扇子 1,180円

夏場ならフォーマル用の黒い扇子、冬場ならフォーマル用のひざ掛けなど、季節用品は喪服に馴染む黒いアイテムを選びます。カイロは衣服貼付や靴用の隠すタイプがオススメです。

(5)女性は最小限のメイク用品と替えのストッキング

グンゼ サブリナ アクティブフィット ストッキング3足組 710~1,036円

お葬式は薄化粧のため、ファンデーションとリップのみの最小限のメイク用品を所有しましょう。ストッキングは20~30デニールの透け感があるものを選びます。

(6)サブバッグ

縦型 フォーマル サブバッグ マチ付き A4対応 日本製 2,995円

メインとなる弔事用のフォーマルバッグは小型のため、季節用品や折り畳み傘やタオルなどの収納には黒いサブバッグがあると便利です。

なお、持ち物では『数珠が不要』となり、神道のお葬式では所持していることが失礼にあたるため、ご自宅へ置いてお出かけください。

神道のお葬式に関してよくある質問

神道のお葬式に関して、よくある質問をまとめてご紹介しますので、気になる項目はぜひご確認のうえ、疑問を解消してください。

1.神道のお葬式での挨拶は?

2.なぜ、神社にはお墓がないの?

3.神道のお墓はどんな墓地がいいの?

4.喪中だと初詣などの神社参拝はダメ?

神道のお葬式での挨拶は?

神道では亡くなった人があの世に行くことはないため、「成仏」「冥福」「供養」の仏教用語や、「天国」というキリスト教用語を使用しません。

遺族へは「この度はお悔やみ申し上げます」、参列者へは「ご会葬いただきありがとうございます」とご挨拶するようにしてください。

そのほか、次のような縁起を表す『忌み言葉』を使用しないようにご注意ください。

忌み言葉の種類 使用してはいけない言葉
死を連想させたり縁起の悪い言葉 死ぬ・別れる・終わる・失う・消える など
不幸が重なることを連想させる重ね言葉 重ね重ね・たびたび・たまたま・いろいろ・わざわざ など
不幸が続くことを連想させる繰り返し言葉 再び・追って・次々と・引き続き・繰り返し など

なぜ、神社にはお墓がないの?

神道は死を『穢れ(けがれ)』とみなすため、一般的に境内には死者を埋葬する墓地がありません。

一方で、近隣に専用のお墓が設けられている寺院もあるため、希望する際は確認してみるとよいでしょう。

なお、避けるべき穢れとは、外見的な汚れというよりも、内面的な怪我となる傷心状態の『気涸れ(気枯れ)』といわれています。

故人や祖先の霊はこの世で皆さまを見守っているため、求められるのは嘆き哀しむ姿ではなく、活気のある元気な姿です。

神道のお墓はどんな墓地がいいの?

多くの墓地は『寺院』が経営主体のため、墓地選びでは注意が必要です。

経営主体は『神社』のほか、『公営墓地』または『公益法人』のお墓を選びましょう。

無料で検索できる『やさしいお葬式』のお墓探しを活用すると、近隣のお墓探しが簡単で、口コミも確認できるため便利です。

しつこい営業行為などは一切行いませんので、資料請求やご相談など、お気軽にお問い合わせください。

喪中だと初詣などの神社参拝はダメ?

喪中であっても神社への参拝は構いません。ただし、お葬式後は忌明けの五十日祭までは神社へ参拝はせず、結婚式などのお祝い事や旅行などの行楽も控えます。

また、神棚は毎年新しいお神札に交換することがマナーのため、五十日祭を迎えたら新しいお神札を授かって神棚にお祀りしましょう。

喪中と忌中の違いは『喪中に神社へ行ってもいいの?喪中と忌中の違いから厄払いやお守りの処分の方法などを徹底解説!』の記事でも解説していますので、参考になさってください。

神道のお葬式の依頼方法

神道のお葬式を依頼するにあたっては、次の3つが葬儀社選びのポイントとなります。

・神道のお葬式に関して葬儀プランがある

・明瞭な金額と品目詳細が提示されている

・利用者の口コミの掲載があり実績を確認できる

失敗や後悔のないよう、しっかりと比較検討して安心ができる葬儀社を選んでください。

おすすめの葬儀社3選

神道のお葬式に関して、3つのポイントを抑えたオススメの葬儀社3社について、価格の安い順にご紹介いたします。

1.やさしいお葬式(費用:9.79万円~)

2.小さなお葬式(費用:17.49万円~)

3.花葬儀(費用:46万円〜)

やさしいお葬式(費用:9.79万円~)

通常価格:税込119,000円~のところ

資料請求・事前見積 で3万円割引!

税込97,900円~ ※火葬費用別途

・クレジットカード決済OK!

・神主様の手配可能!

・相続・お墓探しなど関連サイト多数有!

▼利用者の口コミ

家がもともと神道でしたが、私自身は神道の葬儀の知識がなく、付き合いのある神社もいかなかったのでこちらに依頼しました。葬儀の流れなど丁寧に説明していただきました。ありがとうございました。(世田谷区 T.A様)

小さなお葬式(費用:17.49万円~)

通常価格:税込207,900円~のところ

資料請求・事前見積で3万円割引!

税込174,900円~ ※火葬費用別途

・クレジットカード決済OK・ローン有!

・神主様の手配可能!

・仏壇・お墓探しなど関連サイト多数有!

▼利用者の口コミ

神式の葬儀でしたが、担当者様とのやり取りをしっかりやっていただけて、満足のいくものになったので良かったです。スタッフの方の対応もとても良く、気持ち良くお別れができました。(長野県松本市 40代 女性)

花葬儀(費用:46万円〜)

通常価格:税込480,000円~のところ

会員2万円割引(入会費1万円)

税込460,000円~ ※火葬費用別途

・クレジットカード決済OK!

・神主様の手配可能!

▼利用者の口コミ

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まとめ

1.神道の葬式は儀式の意味や流れ作法を知ることが重要!

・神道のお葬式は『神葬祭(しんそうさい)』という。

・神葬祭の最大の特徴は、故人をあの世へ送る儀式ではなく、『一家の守護神として子孫を護ってもらうための儀式』である。

・神道には教祖や経典が存在せず、信仰にあたっては2つの特徴がある。

信仰の特徴 意味
八百万の神

(やおよろずのかみ)

海や山などの自然、天候などの自然現象など、あらゆるものに神が宿るという思想がある。
敬神崇祖

(けいしんすうそ)

神を敬い、祖先を崇めることを大事にする。

2.神道の葬式の準備と神葬祭の流れ

(1)亡くなってからお葬式まで

(2)通夜祭【葬式1日目:お通夜】

(3)神葬祭・葬場祭【葬式2日目:葬儀・告別式】

3.神道のお葬式にかかる費用

(1)お葬式の相場費用【喪主側】

お葬式の相場費用 お布施の相場費用
150~280万円

(葬儀費用一式・飲食代・お布施を含む)

42.5万円

(2)お香典(御玉串料)の相場費用【参列者側】

故人との関係 相場金額
両親・兄弟姉妹 3~10万円程度
親族 1~10万円程度
上司・同僚 5千~1万円程度
友人・知人 3千~1万円程度

4.神道の葬式で知っておくべき2つの作法

(1)手水の儀のやり方

(2)玉串奉奠の手順

5.神道の葬式後にすべきこと

(1)翌日祭

(2)十日祭(毎十日祭)

(3)五十日祭(忌明け)

6.神道のお葬式における服装と持ち物

・基本的に仏式のお葬式と同じものを用意すれば問題ない。

・服装:喪主は正喪服が最良だが、遺族のみなど小さなお葬式なら準喪服でもよい。

・持ち物:数珠は不要

 (1)セレモニーバッグ

 (2)喪主は御祭祀料・御膳料・御車代、参列者は不祝儀袋を包んだ袱紗

 (3)無地の白いハンカチ

 (4)夏場:フォーマル用の黒い扇子・冬場:フォーマル用のひざ掛けやカイロ

 (5)女性は最小限のメイク用品と替えのストッキング

 (6)喪主側はサブバッグがあると便利

7.神道のお葬式に関してよくある質問

(1)神道のお葬式での挨拶は?

(2)なぜ、神社にはお墓がないの?

(3)神道のお墓はどんな墓地がいいの?

(4)喪中だと初詣などの神社参拝はダメ?

8.神道のお葬式の依頼方法

(1)やさしいお葬式(費用:9.79万円~)

(2)小さなお葬式(費用:17.49万円~)

(3)花葬儀(費用:46万円〜)

お正月なら初詣はもちろん、門松や鏡開きも『神道』に由来するのをご存知でしょうか。

伝統行事といえるものの多くは神道や神社と密着しており、私たちは四季折々の風物詩として暮らしの中で触れています。

しかし残念ながら、神道のお葬式に関しては、日本人にもほとんど知られていません。

この記事により、『神葬祭』について理解と知識を深めていただければ幸いです。

 

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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