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友引に通夜を行ってもよい?友引と通夜と葬儀の関係を完全解説!

Jul 27 2020

通夜や葬儀を行うときは早めに日程を決めなくてはいけません。

しかし場合によっては「葬儀当日が友引かどうか?」ということを気にする方も多いのではないでしょうか?

確かに、ご遺族の気持ちとしてはなるべく良い日に故人のお見送りをしたいですよね。

では実際に「友引かどうか?」ということはどの程度まで考慮すれば良いのでしょうか?

友引の基礎知識

そもそも友引とはどういったことなのでしょうか?

名前は知っていても詳しい内容までは把握していないという方もいるかと思います。

まずは友引に関する基本的な知識を覚えておきましょう。そのためにはまず「六曜」について知らなくてはいけません。

六曜とは

この「六曜」とは中国発祥の暦に関する考え方のことで、「その日時はどのような運勢を持っているのか?」を表しています。

鎌倉時代に日本へ伝わり、江戸時代あたりから多くの人に知れ渡るようになりました。 

この六曜は「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6つに分類されます。

この六曜のそれぞれに「その日はどのように振る舞えば良いのか?」という意味が込められているのです。 

友引の意味と由来

では友引にはどのような意味があるのでしょうか?

漢字だけを見ると友人に関するものかと考えてしまいますが、実は全く関係ありません。

友引が本来持つ意味は「良いことと悪いことが同じだけ力を持つ=決着がつかず引き分けになる」というものです。

なぜこのような意味になったのかというと、中国発祥であるということが影響しています。

古代中国では武将が戦に出る前に、その日の戦況を占うためのものとして六曜の考え方を使っていました。

そのためこうした「引き分け」という概念が込められているのです。

ちなみに全ての六曜には以下のような意味があります。

◎先勝

先手を打つことで勝てるとされている日です。「先」を「午前中」と考え、午前中の方が縁起が良いとすることもあります。 

◎友引

勝負をしても引き分けてしまうとされている日です。

◎先負

早まって勝負すると負けてしまう日です。先勝とは真逆のため、午前中の縁起が悪いとされています。

◎仏滅

全てのことが思い通りにいかない日とされています。結婚式などは避けることが多いですね。

◎大安

六曜の中で最も縁起が良いとされている日です。結婚式などは大安に合わせて行う方が多いですが、葬儀を行っても特に問題はありません。

◎赤口

仏滅の次に縁起が良くないとされている日です。血や火などの赤いものに気をつけることが多いといわれています。

葬儀が友引に行われない理由

このように、本来友引には「勝負に引き分ける」という意味しかありません。

にもかかわらず、なぜ葬儀が避けられるようになったのでしょうか?

なぜなら「友を引く」と書くため、友引に葬儀を行うと「故人が親しい友人をあの世へ連れていってしまう」と考えられているためです。

しかし上記のように、友引にはそのような意味はありません。

そもそも元々は「共引」という表記だったものが、時代の変化によって漢字が変わり、本来とは違う意味で覚える方が増えてしまったのです。

さらに、友引だけに限らず六曜の考え方自体が仏教とは無関係。

あくまでも中国の占いが元になっているだけなので、宗教との関係性はありません。

そのため本来は友引に葬儀を行ってもなんら問題はないのですが、昭和30年頃からこの考え方が定着してしまったため現在でも気にしている方がいるのも事実です。

喪主側がこうした日にちを気にしなくても、昔からの考え方を気にする参列者から反感を買う恐れがあるのでその点は注意してください。 

友引と通夜・葬儀の関係

本来であれば友引と葬儀は関係がありません。しかし現代では「友引は縁起が悪い」という考えが浸透しているのも事実です。

では現代において、葬儀関係の行事と友引はどのような関係性で捉えられることが多いのでしょうか?

真実かどうかは別にしても、友引は縁起が悪いという考えがある以上、それを完全に無視して葬儀を行うことはできないので覚えておいてください。

友引と通夜

一般的に「通夜であれば友引でも問題ない」ということが多いです。

なぜなら、元々通夜は「故人とのお別れの場」ではなく「悪霊などから故人を守るために火を一晩中灯し続ける場」だったからです。

お別れをするタイミングではないので、故人が友人をあの世へ連れて行く心配も無いと考えられているのです。

そもそも故人の訃報というものは突然飛び込んでくることが多いものであり、正確にこの日に亡くなるとわかっている人は誰もいません。

なるべく日程を開けずに通夜・葬儀を2日間に渡り行う必要があるので、両日とも友引を避けて日程を組むのが難しい場合もあるでしょう。 

それに「友引だと縁起が悪いのは主に葬儀の方である」と考えている方も多いので、どうしても日程的に難しければ通夜を友引にしておくのが無難です。 

友引と葬儀

先述の通り「友引の日には故人が友人をあの世に連れて行ってしまう」という考えを信じる方がいます。

葬儀の日には火葬を行うので、その時に連れて行かれてしまうと考えているのでしょう。

葬儀において六曜の考え方は無関係ですが、そうした考えを持つ方も考慮して可能なら友引の日以外に行うのが無難です。 

友引に行ってもよいとされる仏事

反対に友引に行っても問題ないとされる仏事は「四十九日や納骨時などの各種法要」「各種年忌法要」「永代供養」などです。

葬儀が終わった後の行事については気にしなくても問題ありません。

そもそもこうした法要等は、故人の命日を基準として日程を決めるものです。

そのため、仏教とは無関係の六曜の考え方を優先するのは確かに妙ですよね。

もちろん「葬儀以降も友引は避けたい」というご遺族の意向があるかもしれません。

その場合はお世話になっている僧侶に相談してみると良いでしょう。

その他の六曜と通夜・葬儀の関係

友引に限らず、六曜の考え方自体が通夜・葬儀とは無関係です。特に仏滅は「仏を滅する」と書くため、友引と同じように意識してしまう方もいます。 

しかし、仏滅の日に行うべきでないとされているのは「お祝い事」に関することです。葬儀はお祝い事ではないのでこれには当てはまりません。 

そもそも本来、仏滅は「物滅(=何も上手くいかない日)」という表記だったとされています。

それが「仏様にも助けてもらえないほどの悪い日」という意味に変化し、漢字まで違うものになってしまったのです。 

友引であろうと仏滅であろうと、六曜の考え方自体を過敏に葬儀へ持ち込む必要はありません。 

通夜・葬儀の日程の決め方

このように、本来葬儀の日程を決める上で友引かどうかは気にする必要がありません。

しかし世代によっては「友引は縁起が悪い」と考える方も存在するため、上記のような関係性を多少考慮する必要があります。

ではそうしたことも踏まえて、通夜・葬儀の日程はどのように決めれば良いのでしょうか? 

亡くなってからの流れ

大切な方が亡くなった直後は心労などもありかなり大変な時期かと思います。

しかしどれだけ大変でも、まずは葬儀関係の日程を決めなくてはいけません。

そのために、葬儀社を決めて速やかに打ち合わせを行いましょう。

後述しますが、火葬場の予約はなかなか取りにくいため早めに決着をつけなくてはいけません。

また、参列者の中には友引に関することを気にする方もいるかと思います。

もしそれが原因でトラブルが起きそうであれば、葬儀社の方に相談しておくのがオススメです。

友引の日を考慮しつつなるべく早い日程を提案してくれる可能性があります。

火葬の日程の決め方

儀式の流れは「通夜→葬儀→火葬」というのが一般的です。

しかし場所の予約に関しては、火葬場を一番最初に押さえておくと良いでしょう。 

なぜなら、現在でも「友引に葬儀をするのは縁起が悪い」と考える方が多い影響で、火葬場側が友引の日を定休日にしている場合があるためです。

六曜は葬儀とは無関係なのですが、避ける方が多い以上火葬場側としては運営しても利益になりにくいということですね。 

さらに火葬場が定休日の影響で、葬儀用の花屋や仕出し弁当屋なども友引の日は営業していないことがあります。

これでは物理的に葬儀当日の準備が行えません。

また「通夜を友引に行い、翌日に葬儀と火葬を行う」という方も多いです。

そのため友引翌日は非常に混雑し、予約が取れない可能性があります。

特に都市部では、火葬場を建てるだけの場所が少ないためそもそもの施設数が少ないです。そのため数日待たされる可能性もあるでしょう。

火葬場が予約できていない状況で通夜や葬儀の場所だけを押さえてもあまり意味がありません。

上記のような状況を考慮し、火葬場はなるべく早めに押さえておきましょう。 

通夜の日程の決め方

通夜は葬儀・火葬の前日に行うのが一般的です。

先に火葬場の予約を押さえていることが多いかと思いますので、その日を基準に通夜の日程を決めれば問題ありません。

ちなみに、火葬場の関係などでどうしても葬儀が友引の日と被ってしまう場合は、その前の晩に「本通夜」、さらに前の晩に身内のみで「仮通夜」を行うこともあります。

葬儀の日程の決め方

すでに火葬場の予約が取れている状態かと思いますので、その火葬当日に葬儀を行います。

基本的にはこれで全ての日程が決定しますが、もし友引の日に葬儀を設定すると親戚から意見される可能性もあるので注意してください。

先述の通り現在でも友引の日は縁起が悪いと考えている方はいます。

特に世代が上がればそうしたしきたりを強く気にする方もいることでしょう。

地域によっては、友引の日に葬儀を強行するとその後の近所付き合いにまで影響を及ぼす場合もあります。

一度決めた日程に意見をされるというのはかなりの負担になるでしょう。

そうしたことが起きないように、昔からの習慣を気にするであろう親戚や参列者がいる場合は早めに納得してもらうことが大切です。

友引と通夜についてのまとめ

以上が友引と通夜・葬儀の関係性についてです。最後に今回の内容を改めて振り返りましょう。

・「友引」は「六曜」という中国発祥の暦に関する考え方の一つ。

「その日時はどのような運勢を持っているのか?」を表している。この六曜は「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6つに分類される。 

・友引は漢字だけを見ると友人に関するものかと考えてしまうが全く関係ない。

友引が本来持つ意味は「良いことと悪いことが同じだけ力を持つ=決着がつかず引き分けになる」というもの。

にもかかわらず葬儀が避けられてしまうのは、「友を引く」という漢字であるために「故人が親しい友人をあの世へ連れていってしまう」と考えられているため。

また、友引だけに限らず六曜の考え方自体が仏教とは無関係。

・友引は葬儀と無関係だが、現代で「友引は縁起が悪い」という考えが浸透している以上、葬儀関係の行事と友引の関係性はある程度覚えておかなくてはいけない。

一般的に「通夜であれば友引でも問題ない」「友引の日に葬儀を行うと故人が友人をあの世に連れて行ってしまう」という考えの方が多い。 

・友引に行っても問題ないとされる仏事は「四十九日や納骨時などの各種法要」「各種年忌法要」「永代供養」など。 

・友引に限らず、六曜の考え方自体が通夜・葬儀とは無関係。

友引であろうと仏滅であろうと、六曜の考え方自体を過敏に葬儀へ持ち込む必要はない。

・大切な方が亡くなったら、まずは葬儀関係の日程を決めなくてはいけない。

もし参列者の中に友引に関することを気にする方がいる場合は、葬儀社の方に相談しておく。

・儀式の流れは「通夜→葬儀→火葬」というのが一般的だが、場所の予約は火葬場を一番最初に押さえておく。

なぜなら、現在でも「友引に葬儀をするのは縁起が悪い」と考える方が多い影響で、火葬場側が友引の日を定休日にしている場合があるため。

さらに葬儀用の花屋や仕出し弁当屋なども友引の日は営業していないことがある。

また、友引翌日は非常に混雑し予約が取れない可能性がある。

・通夜は葬儀や火葬の前日に行うのが一般的。 

・基本的にはこれで全ての日程が決定するが、もし友引の日に葬儀を設定すると親戚から意見される可能性もあるので注意。

そうしたことが起きないように、昔からの習慣を気にするであろう親戚や参列者がいる場合は早めに納得してもらうことが大切である。 

このように、通夜・葬儀の日程を決める上で友引かどうかは無関係。

しかし現代でも、友引は縁起が悪いと考えている方が多いのも事実です。

こうした些細な考え方に関するトラブルで、故人を気持ち良くお見送りできなくなるのは悲しいですよね。

そのためある程度は知識として覚えておき、いざという時に冷静に対処できるようにしておきましょう。

【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)

略歴
栗本喬一(くりもと きょういち)
1977年生まれ
出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)

株式会社東京セレモニー 取締役

ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
株式会社おぼうさんどっとこむ 
常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
株式会社ティア 
葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。

著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)

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