枕経という言葉をご存知でしょうか?
亡くなった方を病院や施設から、ご自宅や葬儀会館へお連れした後にご寺院様に最初に読経を頂くお経のことです。
このお経は一般的に身近なお身内が亡くなった方くらいしか、立ち合うことはありません。
しかし仏式でお葬式を行う場合、重要なお経となりますので、意味を実際の段取りをお伝えいたします。
INDEX
枕経とは
本来は故人があの世に行く際に迷うことなく、無事に行けるようにという願いが込められたお経です。
昔は、お亡くなりになる際に寺院へ連絡を行い、最後を看取りながら行うお経でした。
しかし、現代ではこのタイミングに寺院に連絡を行うことはほとんどなく、実際は亡くなってからお付き合いのある寺院へ、ご遺族のどなたかが連絡を行う形となります。
いつ枕経の手配を行うのか
「枕経」はお亡くなりになられた方がご自宅や葬儀会館に「ご安置」された際に寺院へ連絡を行い、お越し頂きお経をお願いする形となります。
お亡くなりになる方の時間はそれぞれです。日中もあれば、真夜中の場合もございます。
10年ほど前まではよく真夜中であっても、お付き合いのある寺院(菩提寺など)がある場合は、枕経のお願いの連絡を行っておりました。
現在では、都市部を中心に真夜中に行うことは少なくなり、早くても早朝7時前後くらいより連絡をして頂くことが多くなっております。
寺院とのお付き合いのない場合、依頼した葬儀社より手配を行う場合が多く、その場合は夜中に寺院への連絡を行うことは少なく、
朝に葬儀担当者より連絡を行い、その日の日中に枕経を行って頂くことになります。
※地域や家族、葬儀段取りなどの状況によっては「お通夜の直前またはお通夜中に枕経を行う」こともあります。
枕経の行うために準備するもの
枕経を行うには、お亡くなりになられた故人様の枕元に「枕飾り」と呼ばれる、ろうそくやお線香、焼香などを準備を行う必要があります。
昔はお仏壇がある自宅が多く、お仏壇の経机などをお借りし、準備を整えることもありましたが、現在では葬儀社が道具を持参することが多く、その必要はほとんどなくなりました。
家族の方でお線香などを準備することが無くなったので、数十年前のお葬式と比べるとこれらの負担は減っております。
枕飾りは日本の各地域で、それぞれ準備をするものが異なる場合がありますので、葬儀社やお付き合いのある寺院にお任せする形で良いでしょう。
(例)東京都近郊では「枕団子」を準備※団子の個数などは日本の各地域で異なります。
(例)大阪府などの関西では「樒」(しきみ)の葉を準備など。
枕経を行うための段取り
故人様のご安置場所を決める
まず亡くなった場所がご自宅以外の病院や施設などの場合、葬儀社よりどちらまで故人をお連れするのか確認があります。
ほとんどの場合、ご自宅、葬儀会館、ご安置所になりますので、ご遺族に決めて頂く形となります。
お付き合いのある寺院がある場合は、このタイミングで連絡を行うとスムーズに手配を行えます。
ご安置・枕飾りを整える
故人様を指定した場所にご安置を行い、枕飾りを整えます。
故人様の頭の向きはお釈迦様が亡くなった時の向きに由来する「頭北面西右脇臥(ずほくめんさいうきょうが)」により、
「北または西」にすることが多いと言われておりますが、ご自宅や施設の配置の問題もあるため、現代では「できる限り」行われております。
ドライアイスなどの保冷剤を故人様にあて、宗派にもよりますが胸元には枕刀を置きます。
基本的には全ての道具を葬儀社が準備をしてくれますので、ご安心ください。
枕飾りの費用は葬儀社により、基本セットに含まれている場合や数万円の費用が必要な場合がございます。
寺院の手配を行う
無事に故人様のご安置と枕飾りの準備が整ったあとに、お付き合いのある菩提寺に連絡を行います。
※先に枕飾りなどの準備を行っている際に、手配をされる家族の方もいらっしゃいます。
亡くなった故人様のお名前の漢字、生年月日、年齢、亡くなった日時時間などを確認しておくとよいでしょう。
なお、お付き合いのある寺院がない場合、葬儀社が手配を行うことも可能です。
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お布施の相場について
枕経のお布施の相場でございますが、
相場としては約1万円から3万円ほどと言われておりますが、実際はお通夜お葬式のお布施と一緒にしてお渡しされているご遺族が多いです。
枕経のみでお布施をお渡するケースはほとんどありません。
当社ならびに当社スタッフは元々葬儀業界の現場で、長年に渡りご遺族や寺院様との接点を頂きお手伝いを行なっておりましたが、上記のケースがほとんどでした。
近年の傾向
枕経は最近のお葬式の簡素化、家族の方の状況などにより、地域にもよりますが、従来より行われることが少なくなっております。
故人が亡くなってすぐに家族がすぐに集まることができず、枕経自体を行うことができない場合もあります。
亡くなったあと、ご安置を行った際に行うタイミングで寺院が現地へすぐ伺えず、お通夜時にしか間に合わない場合なども当然ございます。
都市部ではご安置を行う場所が少なく、家族の方も立ち合いができない施設もあり、
その場合は、お通夜当日まで故人と面会ができないため、お通夜前またはお通夜中に枕経を行う場合もございます。
簡素化をして良いわけではありませんが、現代人の生活の変化の中で、臨機応変に行っていくことが求められているのかもしれません。
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