身内の不幸によって心の負担もさることながら、お葬式などの費用も遺族にとっては無視できない問題です。
そこで費用負担を和らげるのに役立つのが埋葬料ですが、受け取るにはどんな条件がありどんな人が受け取れるのか、申請にはいつまでの期限があるのかなどを詳しく知りたい方は多いと思います。
今回はそんな埋葬料を受け取るまでに必要な情報について解説していきます。
INDEX
埋葬料の概要
埋葬料とは、日本の健康保険に加入している人がお葬式の費用を一部負担してもらえる給付金制度です。
故人が会社員などで、国民健康保険以外の健康保険に加入しているか、もしくは協会けんぽの加入者だった場合に支給されます。
被保険者が資格を喪失した後でも3ヶ月以内であれば受給することができるので、故人が被保険資格の喪失直後などであった場合はその時期をよく調べておきましょう。
また被保険者の扶養家族が亡くなった場合でも「家族埋葬料」という形で同じように受給できます。
埋葬料は自動的に受け取れるものではなく、申請をしなければ受給できません。
お葬式の費用は遺族負担になることも多く、軽い負担とは言い難いケースもあるので埋葬料の申請は忘れないように行いましょう。
埋葬料として支給される金額
被保険者が業務外の事由により亡くなった場合に、亡くなった被保険者により生計を維持されていて、その埋葬を行う方に5万円が支給されます。
上記の条件に該当する人がおらず埋葬料を受け取る人が居なかった場合は、その代わりとして実際に埋葬を行った方に対して5万円を上限として、実際に埋葬に掛かった費用負担を補填する形で支給されます。
また被保険者ではなく被扶養者が亡くなった場合には、被保険者に「家族埋葬料」として5万円の支給となります。
埋葬料の申請期限
埋葬料の申請期限は、亡くなった方の死亡日の翌日から数えて2年以内となっています。書類に不備がなければ申請手続きからおよそ2週間から3週間ほどで振り込まれる事になります。
また健康保険ではなく国民健康保険に加入している方の場合は埋葬料ではなく「葬祭費」となり、申請期限の数え方が変わります。葬祭費の場合は葬儀の日から2年以内となっていますので、
亡くなった方がどちらの健康保険に加入していたかちゃんと確認をしておきましょう。
まとめ:葬儀費用に充てるためにも埋葬料の申請は忘れずに
葬儀にかかる費用は遺族負担となることが多いので、この給付金制度を利用して費用負担を軽減しておくのを忘れないようにしておきましょう。
また申請期限は2年間となっているので後でゆっくりやろうと考えてしまいがちですが、お葬式が終わると気が抜けてそのまま忘れる事も多くなってしまいます。
そうなる前に手早く済ませてしまいましょう。
【監修】栗本喬一(くりもと きょういち)
- 略歴
- 栗本喬一(くりもと きょういち)
- 1977年生まれ
- 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち)
- 株式会社東京セレモニー 取締役
- ディパーチャーズ・ジャパン株式会社
- 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。
- 株式会社おぼうさんどっとこむ
- 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。
- 株式会社ティア
- 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。
- 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
プロフィール